1.2.1 アプリケーションの評価 |
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アプリケーションの評価では,HP OpenVMS I64 への移行に必要な手順を確認します。評価の結果,以下の質問に対する回答から移行プランを作成できます。
- アプリケーションの移行方法
- 移行に必要な時間,作業量,コスト
- HP のサービス部門から提供されるサポートの必要性
評価は次の 3 段階に分かれます。
- 他のソフトウェアへの依存性の特定も含めた,アプリケーションの全般的な洗い出し
- 他のソフトウェアへの依存性を特定するためのソースの分析
- 移行方法の選択 (ソースから再コンパイル・再リンクするのか,バイナリ・トランスレータを使用するのか)
これらの評価を完了すると,効果的な移行プランを作成するのに必要な情報が得られます。
移行のためのアプリケーション評価の第 1 ステップでは,何を移行するのかを正確に判断します。このステップでは,アプリケーションだけでなく,アプリケーションを正常に実行するのに必要なあらゆる要素の洗い出しを行います。アプリケーションの評価を開始するには,以下の各項目を特定し,その場所を確認します。
- アプリケーションの構成要素
- メイン・プログラムのソース・モジュール
- 共有イメージ
- オブジェクト・モジュール
- ライブラリ (オブジェクト・モジュール,共有イメージ,テキスト,またはマクロ)
- データ・ファイルとデータベース
- メッセージ・ファイル
- ドキュメント
- アプリケーションが依存している他のソフトウェア。以下のものが含まれる。
- ランタイム・ライブラリ
- HP 製レイヤード・ソフトウェア
- 他社製ソフトウェア
- 必要とされるオペレーティング環境
- システム属性
アプリケーションの実行と保守に必要なシステム要件。たとえば,必要なメモリ容量やディスク容量など。
- ビルド・プロシージャ
たとえば,CMS (Code Management System) や MMS (Module Management System) などのツールがこれに含まれます。
- テスト・ツール
テストでは,移行したアプリケーションが正常に動作することを確認し,パフォーマンスを評価する必要があります。
これらのコンポーネントの多くは,すでに OpenVMS I64 への移行が完了しています。たとえば,以下のものが移行されています。
- OpenVMS オペレーティング・システムに付属している HP 製ソフトウェア
- ランタイム・ライブラリ
- その他の共有ライブラリ,たとえば,呼び出し可能ユーティリティ・ルーチンやその他のアプリケーション・ライブラリ・ルーチン
- HP 製レイヤード・ソフトウェア
- コンパイラとコンパイラ・ランタイム・ライブラリ
- データベース・マネージャ
- ネットワーク環境
- 他社製品
すでに多くの他社製品が OpenVMS I64 で稼動しています。特定のアプリケーションが I64 に対応済みかどうかについては,アプリケーションを提供しているベンダにお問い合わせください。
ビルド・プロシージャやテスト・ツールも含めて,アプリケーションおよび開発環境の移行は,お客様の責任で行っていただく必要があります。
アプリケーションの評価が完了したら,
第 4 章 の説明に従って,各モジュールおよびイメージの詳細な評価を行います。