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OpenVMS マニュアル |
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OpenVMS
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目次 | 索引 |
ファイル は,情報を含むシステム・オブジェクトです。この情報は,コンピュータが理解できる機械可読 データ のこともあれば,ユーザが入力して操作するテキストのこともあります。ファイルの内容には,ドキュメント,プログラム,アドレス・リストなどがあります。テキスト・ファイルの内容は,オンラインで表示したり,印刷することによって調べることができます。
プログラムは, イメージ または 実行可能イメージ とも呼ばれ,命令やデータを機械が読み取り可能な形式で含んでいるファイルのことです。一部のプログラムは,DCL コマンドに関連付けられています。たとえば,DCL の COPY コマンドを入力すると,システムは SYS$SYSTEM:COPY.EXE というプログラムを実行します。また, DCL の RUN コマンドの後にプログラム名を入力して起動するプログラムもあります。
イメージ・ファイルには,オペレーティング・システムが提供するものと,ユーザが作成するものがあり,通常,イメージ・ファイルのファイル・タイプは .EXE です。イメージ・ファイルは ASCII 文字では構成されていないので, DCL コマンドの TYPE,PRINT,または EDIT によって内容を見ることはできません。 ( 一方,テキスト・ファイルは,英字,句読点,数字などの特殊記号を表す標準的な方式である ASCII 文字で構成されています。)
本章では,ファイルを作成したり,処理する方法について,ローカルで作業する場合と,TCP/IP または DECnet for OpenVMS ネットワークを介して作業する場合について説明します。特に,次のことについて説明します。
詳細は,以下のマニュアルを参照してください。
ファイルとは,人間と機械の双方が扱えるデータを格納するために, OpenVMS オペレーティング・システムが使用する単位のことです。ファイルに名前を付ける場合には,システムがそのファイルの格納場所や内容を使用できる情報を指定する。
ファイル名は, ファイルの名前 と ファイル・タイプ で構成されます。名前とファイル・タイプはピリオド (.) で区切られます。また,ファイルには バージョン番号 が設けられ,複数のファイル・バージョンのファイルを扱うことができます。バージョン番号を指定しなければ,既存のファイル番号で最も大きな値のバージョン番号が使用されます。ファイルを編集すると,元のバージョンは変更されず,新しい 出力ファイル が作成されます。省略時の設定では,出力ファイルの名前とファイル・タイプは元のファイルと同じものが使用されますが,バージョン番号は同じ名前の既存のファイルより 1 つ大きな値になります。
ノード::デバイス:[ルート.][ディレクトリ]ファイル名.ファイル・タイプ;バージョン |
ノード | ネットワーク・ノードまたはホスト名。 TCP/IP または DECnet をサポートするシステムのみに適用。磁気テープに保存するファイルには適用しない。ログインしたシステムと同じシステム上のファイルの指定には使用しない。 |
デバイス | OpenVMS オペレーティング・システムを実行しているコンピュータに接続されたディスク・ドライブ,テープ・ドライブ,またはその他の周辺機器を指す用語。各デバイスには,そのデバイスの種類と位置を示す一意の名前が付けられる。ディスクは,ODS-2 (省略時の値) またはODS-5 (OpenVMS Alphaのみ) としてフォーマットできる。 |
ディレクトリ | ファイルが格納されるディレクトリの名前。ディレクトリは,大括弧 ([]) またはアングル括弧 (<>) で区切る。保存するファイルには適用しない。 |
ファイル名 | ファイルの名前。 |
ファイル・タイプ | ファイル構造やファイル・タイプの識別。 |
バージョン | ファイルのバージョン番号。バージョンは 10 進数で表され,ファイルの新しいバージョンを作成するたびに 1 ずつ大きくなる。ユーザが指定しない場合には,システムが自動的にバージョン番号を割り当てる。 |
ファイル指定の各要素を指定する場合には,次の規則に従います。
詳細については『 Guide to OpenVMS File Applications 』を参照してください。
注意 Extended File Specifications を使用する環境の場合,これらの規則は異なります。拡張ファイル名について詳しくは, 第 5 章 を参照してください。 |
3.1.3 DCL コマンドの省略時のファイル・タイプ |
コマンドによっては,ファイル・タイプを省略した場合に,システムが省略時の値を適用することがあります。次の表に, DCL コマンドが使用する一般的な省略時のファイル・タイプの一部を示します。
ファイル・タイプ | 内容 |
---|---|
.CLD | コマンド定義ファイル |
.COM | コマンド・プロシージャ・ファイル |
.DAT | データ・ファイル |
.DIF | DIFFERENCES コマンドによって作成される出力ファイル |
.DIR | ディレクトリ・ファイル |
.DIS | MAIL コマンドの配布リスト・ファイル |
.EXE | リンカによって作成される実行可能プログラム・イメージ・ファイル |
.HLB | ヘルプ・テキスト・ライブラリ・ファイル |
.HLP | ヘルプ・ライブラリの入力ソース・ファイル |
.INI | 初期化ファイル |
.LIS | 言語コンパイラまたはアセンブラによって作成されるリスト・ファイル,または PRINT コマンドと TYPE コマンドの省略時の入力ファイル |
.LOG | バッチ・ジョブ出力ファイル |
.MAI | MAIL メッセージ・ファイル |
.PS | PostScript 形式のファイル |
.SYS | システム・イメージ |
.TJL | DECTPU と ACL エディタによって作成されるジャーナル・ファイル |
.TLB | テキスト・ライブラリ・ファイル |
.TMP | 一時的ファイル |
.TPU | EVE エディタのコマンド・ファイル |
.TPU$JOURNAL | EVE エディタによって作成されるジャーナル・ファイル |
.TXT | テキスト・ライブラリの入力ファイルまたは MAIL コマンド出力 |
次の表に,高級言語ソース・プログラムの省略時のファイル・タイプを示します。
3.1.4 言語ソース・プログラムの省略時のファイル・タイプ
ファイル・タイプ | 内容 |
---|---|
.ADA | Compaq Ada コンパイラの入力ソース・ファイル |
.BAS | BASIC コンパイラの入力ソース・ファィル |
.B32 | VAX BLISS-32 コンパイラの入力ソース・ファイル |
.C | Compaq C コンパイラの入力ソース・ファイル |
.COB | Open VMS VAX システム上の VAX COBOL コンパイラおよび OpenVMS Alpha システム上の Compaq COBOL コンパイラの入力ソース・ファイル |
.FOR | Compaq Fortran (OpenVMS VAX システム用 Compaq Fortran はこれまで VAX Fortran だった ) の入力ソース・ファイル |
.M64 | OpenVMS Alpha MACRO-64 アセンブラの入力ソース・ファイル |
.MAP | リンカ・ユーティリティによって作成されるメモリ割り当てマップ |
.MAR | OpenVMS Alpha 用 VAX MACRO アセンブラまたは MACRO-32 コンパイラの入力ソース・ファイル |
.MLB | MACRO アセンブラのマクロ・ライブラリ |
.MSG | メッセージのテキストを指定するソース・ファイル |
.OBJ | 言語コンパイラまたはアセンブラによって作成されるオブジェクト・ファイル |
.OLB | オブジェクト・モジュール・ライブラリ |
.OPT | LINK コマンドへの入力用オプション・ファイル |
.PAS | Pascal コンパイラの入力ソース・ファイル |
.PLI | PL/I コンパイラの入力ソース・ファイル |
.STB | リンカ・ユーティリティによって作成されるシンボル・テーブル・ファイル |
.UPD | VAX MACRO ソース・プログラムの変更用更新ファイル (SUMSLP エディタへの入力ともなる ) |
すべてのファイルには,ファイル名とファイル・タイプに加えて,バージョン番号があります。バージョン番号は,ファイルのバージョンを表す 1 〜 32,767 の 10 進数です。ファイルを作成すると,ファイルに 1 というバージョン番号が割り当てられます。
1 つのファイルに対して複数のバージョンが存在することもあります。バージョン番号の指定がない場合には,バージョン番号の最も大きいファイルが使用されます。バージョン番号として0を指定した場合には,既存の最大バージョンが使用されます。ファイルの新しいバージョンを作成するコマンド,アプリケーション,テキスト・エディタ(EVEなど)を使用してファイルを変更した場合,ファイル名は変更されませんが,バージョン番号は1だけ大きくなります。
バージョン番号の前には,セミコロンまたはピリオドを入れます。ファイル指定を表示する場合は,ファイル・バージョン番号の前にセミコロンが表示されます。
ゼロまたは負のバージョン番号を指定すると,ファイルのバージョンを相対的に表すことができます。ゼロを指定すると,ファイルの最新 ( 最も大きい ) バージョンが使用されます。 -1 を指定すると最新バージョンの前のバージョン, -2 を指定するとその前のバージョンが使用されます。以下同様です。ファイルの最も古い ( 最も小さい ) バージョンを探す場合には,バージョン番号として -0 を指定します。バージョン番号が 32767 より大きいファイルを作成することはできません。バージョン番号が 32767 より大きい新しいファイルを作成しようとした場合には,エラー・メッセージが表示されます。
CREATE/DIRECTORY,SET DIRECTORY,または SET FILE コマンドで /VERSION_LIMIT 修飾子を指定すると,ファイルのバージョン番号を制御できます。バージョンの上限値を超えると,最も小さいバージョン番号のファイルが自動的に削除されます。たとえば,バージョンの上限値が 5 の場合には,ファイルの 6 番目のバージョン (ACCOUNTS.DAT;6) を作成すると,ファイルの最初のバージョン (ACCOUNTS.DAT;1) が削除されます。 DIRECTORY/FULL コマンドを実行すると,作成できるバージョンの制限を確認できます。作成できるバージョンの制限は,
File attributes:フィールドに表示されます。
3.1.6 ネットワーク・ノード名
ノード指定の形式は,次のとおりです。
ノード["アクセス制御文字列"]:: |
ファイル指定の一部としてノード名を入力する場合には,次の規則に従います。
AFTP1
F2OTR2
MYNODE
1 レコード・マネージメント・サービス (RMS) は,ファイルの処理と管理においてアプリケーション・プログラムを支援する OpenVMS の機能です。 RMS は,ファイル指定解析の規則を保持します。 RMS による部分ファイル指定への省略時の設定の適用方法については,『 Guide to OpenVMS File Applications 』を参照してください。 |
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