8.6.1 MOP サーバの選択 |
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マルチ LAN アダプタとマルチ LAN セグメントを併用するときは,MOP サービスを提供する LAN セグメントまでの接続を分散してください。分散することで,ネットワーク構成要素に障害が発生しても,MOP サーバからサテライトにダウンライン・ロードをすることができます。
サテライトをブートするためのダウンライン・ロードをサポートするには, Integrity ノードと Alpha ノードに十分なキャパシティの MOP サーバが必要です。ネットワーク上で,各 MOP サーバに適した LAN 接続 (必要に応じて Alpha または VAX) を選択すれば,ネットワーク障害が発生しても MOP サービスを続行できます。
8.6.2 2 つの LAN セグメントの構成 |
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図 8-2 は,異なる 2 つの LAN セグメントに接続した OpenVMS Cluster システムの構成例です。この構成には,Alpha ノードと Integrity ノード,サテライト,2 個のブリッジがあります。
図 8-2 2 LAN セグメントの OpenVMS Cluster構成
この図では,以下の点に着目してください。
- 重要なノードはマルチ LAN セグメントに接続すると,セグメントやアダプタに障害が発生したときの可用性を強化できます。こうして追加されたネットワーク接続により増加したネットワーク帯域幅の一部は,ディスク・サーバとテープ・サーバに振り向けることができます。LAN アダプタのどれかに障害が発生しても,重要なサテライトは他の LAN アダプタでブートできます。
- 重要度の低いサテライトをシングル LAN セグメントに接続すれば,LAN セグメント間にシステムを均等に分散することでネットワーク負荷のつりあいをとることができます。このようなシステムでは,ブリッジのどれかを通じて他の LAN セグメント上のサテライトと通信します。
- DECnet と MOP サービスでは,LAN アドレスの重複を避けるために,LAN アダプタは 1 つしか使用できません。
- LAN 障害でサテライトのブートが不可能になるのを防ぐため,MOP サービスを提供する LAN アダプタ (Alpha) は,LAN セグメント間に分散します。
- 冗長 LAN ブリッジを使用すると,ブリッジによる単一点障害を防げます。
8.6.3 3 つの LAN セグメントの構成 |
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図 8-3 は,異なる 3 つの LAN セグメントに接続した OpenVMS Cluster システムの構成例です。この構成には,Alpha ノードと Integrity ノード,サテライト,複数のブリッジがあります。
図 8-3 3 LAN セグメントの OpenVMS Cluster構成
この図では,以下の点に着目してください。
- ディスク・サーバとテープ・サーバを 2 つまたは 3 つの LAN セグメントに結合して,可用性と I/O スループットを強化しています。
- 重要なサテライトをマルチ LAN セグメントに接続したことも可用性を強化しています。ネットワーク構成要素のどれかに障害が発生すると,これらのサテライトは,他の LAN アダプタを使用してブートし,重要なディスク・サーバとのアクセスを維持します。
- LAN セグメント内に重要度の低いサテライトを分散することで,ネットワーク負荷のバランスを維持しています。
- 各 LAN セグメントには,MOP サーバ (Alpha) が提供されています。
関連項目: LAN におけるブート順序とサテライト依存の詳細については, 第 10.2.4 項 を参照してください。LAN ブリッジ・フェールオーバの詳細については,『OpenVMS Cluster システム』を参照してください。
図 8-4 は,中程度のキャパシティで,高い可用性を備えたロジカル LANフェールオーバ IP OpenVMS Cluster システムです。図の後の項で,以下の構成を検討します。
- 構成要素の解析
- 長所と短所
- 可用性の主な強化手法の実装
図 8-4 ロジカル LAN フェールオーバ IP OpenVMS Cluster システム
8.7.1 構成要素 |
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図 8-4 の IP OpenVMS Cluster 構成には以下の構成要素があります。