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HP OpenVMS V8.4: インストレーション・ガイド

第3章 OpenVMS オペレーティング・システムのインストール

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OpenVMS ドキュメント ライブラリ

タイトルページ/目次
まえがき
第1章:はじめに
第2章:クラスタ環境でのインストールの準備
第3章:インストール手順
第4章:アップグレードの準備作業
第5章:クラスタ環境でのアップグレードの準備作業
第6章:アップグレード手順
第7章:インストールおよびアップグレード後の作業
付録A:Alphaシステムのブートとシャットダウン
付録B:I64システムのブートとシャットダウン
付録C:ネットワーク・ブート
付録D:SIMおよびvMediaによるプロビジョニング
付録E:Fibre Channelストレージデバイス
付録F:システムディスクのバックアップとリストア
付録G:国際化キットのインストール
付録H:Management Station
付録I:オペレーティングシステムの削除
付録J:システムディスクの初期化
用語集
索引
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この章では,OpenVMS Alpha オペレーティング・システムと OpenVMS Integrity オペレーティング・システムのインストール方法を説明します。また,インストール中に表示される画面出力の例を通して,プロンプトに対する応答についても説明します。

この章には多くの情報が記載されていますが,購入したシステムにオペレーティング・システムがあらかじめインストールされている場合 (つまり,工場出荷時にプリインストールされている場合) は,その一部だけが必要となります。 プリインストールされているシステムを初めて起動すると,そのプリインストール・システムをカスタマイズするための情報を入力するように求められます。詳細は,システムに付属しているマニュアルを参照してください。

この章には,OpenVMS オペレーティング・システム CD/DVD をブートするための手順も記載されています。ブート手順は,Alpha システムと Itanium ベース・システムで大きく異なります。Alpha システムの詳細なブート方法については,付録 A 「OpenVMS Alpha システムのブートとシャットダウン」 を参照してください。Itanium ベース・システムのセットアップ方法とブート方法については,付録 B 「OpenVMS Integrity のハードウェア操作およびブート操作の構成と,システムのブートおよびシャットダウン」 を参照してください。また,OpenVMS を初めてインストールする場合は,必要に応じて各付録を参照してください。

システム CD/DVD をブートした後のインストール手順は,OpenVMS Alpha と OpenVMS Integrity で大きな違いはありません。

注意:

OpenVMS オペレーティング・システムをインストールする前に,そのコンピュータで動作しているファームウェアのバージョンが適切であることを確認してください。Alpha システムのファームウェアについては,1.3.5 項 「Alpha システムのファームウェア」を参照してください。Integrity システムのファームウェアについては,1.3.6 項 「Integrity サーバ・システムのファームウェア」を参照してください。

この章で示す OpenVMS の主なインストール作業の説明と手順は,その実行順序に従って記載してあります。また,3.1 項 「インストール作業」には,この章で説明するインストール作業をすべて実施したかどうかを確認するためのチェックリストが記載してあります。

3.1 インストール作業

表 3-1 「インストール作業のチェックリスト」 のチェックリストは,必要なインストール作業をすべて実施したかどうかを確認するために使用してください。

表 3-1 インストール作業のチェックリスト

 作業説明箇所

OpenVMS オペレーティング・システムのメディアをブートする

3.2 項 「OpenVMS オペレーティング・システム・メディアのブート」

OpenVMS オペレーティング・システムをシステム・ディスクにインストールする3.4 項 「OpenVMS オペレーティング・システムのインストール (システム・ディスクへ)」

OpenVMS をシステム・ディスクからブートする

3.5 項 「新しい OpenVMS システム・ディスクのブート」

OpenVMS Cluster に追加する (オプション)3.6 項 「OpenVMS Cluster への追加」
AUTOGEN を実行する3.7 項 「AUTOGEN の実行」
AUTOGEN を実行した後にオペレーティング・システムをリブートする (通常は自動的に実行される)3.8 項 「AUTOGEN 終了後のリブート」
SYSTEM アカウントでログインする3.9 項 「SYSTEM アカウントでのログイン」
インストール後に,必要な作業を実行する第7章 「OpenVMS オペレーティング・システムのインストール後またはアップグレード後の作業」

 

3.2 OpenVMS オペレーティング・システム・メディアのブート

OpenVMS V8.4 オペレーティング・システムには,オペレーティング・システムのインストールを簡単にするためのプロシージャとツールが含まれています (PCSI ユーティリティなど)。 これらのツールは,システムを正しくブートすると利用可能になります。最初に,OpenVMS Alpha CD または OpenVMS Integrity OE DVD をブートする必要があります。OpenVMS Alpha システム CD をブートする方法については,3.2.1 項 「OpenVMS Alpha CD のブート」を参照してください。また,OpenVMS Integrity OE DVD をブートする方法については,3.2.2 項 「OpenVMS Integrity OE DVD のブート」を参照してください。

3.2.1 OpenVMS Alpha CD のブート

ここでは,OpenVMS Alpha オペレーティング・システム CD をローカル CD ドライブからブートする方法 (3.2.1.2 項 「ローカル・ドライブからのブート」 を参照) と,InfoServer の提供する CD ドライブからブートする方法 (3.2.1.3 項 「InfoServer からのブート」 を参照) を説明します。最初に,3.2.1.1 項 「ブート・デバイスの決定」に説明している方法で,CD ドライブの名前を指定する必要があります。ブート操作についての詳細は,A.1 項 「ブート操作」を参照してください。

3.2.1.1 ブート・デバイスの決定

オペレーティング・システム CD のブートでは,使用する CD ドライブを調べる必要があります。以下に,その手順を示します。

  1. オペレーティング・システム CD をローカル CD ドライブに挿入します。

  2. コンソール・プロンプト (>>>) に対して SHOW DEVICE コマンドを実行し,その出力リストに,使用する CD ドライブ (DKA400 など) が含まれていることを確認します。InfoServer からブートする場合は,次の例にある最後の行 (EWA0) のように,ハードウェア・アドレスの付いたデバイスがリストに含まれていることを確認します。

    >>> SHOW DEVICE
    dva0.0.0.1000.0    DVA0                     RX23
    dka200.2.0.5.0     DKA200                   RZ28M  1004
    dka300.3.0.5.0     DKA300                   RZ29B  0016
    dka400.4.0.5.0     DKA400                   RRD42  442E
    ewa0.0.0.3.0       EWA0         00-00-F8-1F-70-3D

    詳細は,『HP OpenVMS Alpha Version 8.4 / HP OpenVMS Version 8.4 for Integrity Servers ソフトウェア仕様書』(SPD 25.C4.xx) と,Alpha コンピュータに付属しているハードウェア・マニュアルを参照してください。

3.2.1.2 ローカル・ドライブからのブート

オペレーティング・システム CD をローカルの CD ドライブからブートする場合は,次の形式で boot コマンドを実行します。

BOOT -FLAGS 0,0 source-drive

source-drive には,CD ドライブの名前を指定します (3.2.1.1 項 「ブート・デバイスの決定」に示されている SHOW DEVICE の出力例では DKA400)。CD ドライブの名前が DKA400 であれば,次のように入力して Enter を押します。

>>>  BOOT -FLAGS 0,0 DKA400

3.2.1.3 InfoServer からのブート

オペレーティング・システム CD を InfoServer ハードウェアまたは InfoServer ユーティリティから起動する場合は,次の手順を実行します。InfoServer ユーティリティを使用する場合は,付録 C 「ネットワーク・ブートの準備と実行」 に説明されている構成を事前に行っておく必要があります (1 回だけで十分です)。また,オペレーティング・システム CD は,システム全体にわたってマウントしておく必要があります。

  1. オペレーティング・システム CD が InfoServer ハードウェアまたは InfoServer ユーティリティからアクセスできる状態になっていることを確認します。InfoServer ユーティリティを使用する場合は,最初に構成を行う必要があります (1 回のみ)。付録 C 「ネットワーク・ブートの準備と実行」 を参照してください。

  2. コンソール・プロンプトに対して,次の形式で boot コマンドを実行します。

    >>> BOOT -FLAGS 0,0 -FILE APB_084 lan-device-name
    

    lan-device-name には,使用する LAN デバイスの名前を指定します (3.2.1.1 項 「ブート・デバイスの決定」に示されている SHOW DEVICE の出力例では EWA0)。

    ファイル名 APB は,APB.EXE ファイルがオペレーティング・システム CD から InfoServer へコピーされたときに割り当てられたユニークなファイル名です。このファイル名が,初期システム・ロード (ISL) ブートストラップ・プログラムに使用される APB プログラムの名前になります。

    注意:

    DEC 3000 シリーズまたは DEC 4000 シリーズのシステムを使用している場合は,次の点に注意してください。

    • DEC 3000 シリーズのシステムでは,デバイス名として “n/ESA0” を指定することで,PMAD (Ethernet) や DEFTA (FDDI) といった別の TURBOchannel デバイスを使用して InfoServer からブートすることができます。n は,TURBOchannel のスロット番号です。この値は,コンソール・プロンプト (>>>) に対して SHOW CONFIGURATION コマンドを入力して調べることができます。詳細は,A.1.8 項 「その他の TURBOchannel アダプタによるネットワーク経由のブート」を参照してください。

    • DEC 4000 シリーズのシステムでは,ISL ファイル名を APB_084 のような大文字で指定する必要があります

  3. InfoServer ISL プログラムから,次のメニューが表示されます。

       Network Initial System Load Function
       Version 1.2
    
    
         FUNCTION         FUNCTION
           ID
           1     -        Display Menu
           2     -        Help
           3     -        Choose Service
           4     -        Select Options
           5     -        Stop
    
       Enter a function ID value:

  4. 表示される各プロンプトに対して,次のように回答して,Enter キーを押します。

    1. 機能 ID として 3 を入力します。

    2. オプション ID として 2 を入力します。

    3. サービス名を入力します。 InfoServer ハードウェアの場合,デフォルトのサービス名は ALPHA084 です。 InfoServer ユーティリティのサービス名については,システム管理者またはネットワーク管理者に問い合わせてください。

    以下に,その出力例を示します。

     Enter a function ID value: 3
         OPTION          OPTION
        ID
        1     -       Find Services
        2     -       Enter known Service Name
    
     Enter an Option ID value: 2
    .Enter a Known Service Name: ALPHA084

注意:

InfoServer から OpenVMS Alpha オペレーティング・システム CD をブートしてインストール手順を実行しているときに接続が切れた場合 (システムが応答しなくなって,Ctrl/Y を押してもメニューに戻らない場合) は,次のように対処してください。

条件対処方法

INITIALIZE オプションを選択して手順を進めていた場合

  1. ネットワークからもう一度,OpenVMS Alpha オペレーティング・システム CD をブートする。

  2. メニューからインストール・オプション (1) を選択し,この章の説明に従ってインストールを再実行する。

PRESERVE オプションを選択して手順を進めていた場合

  1. ネットワークからもう一度,OpenVMS Alpha オペレーティング・システム CD をブートする。

  2. メニューからオプション 8 を選択して,DCL 環境に入る。

  3. ターゲット・ディスクのバックアップ・コピーが入っているデバイスと,ターゲット・ディスクを入れるデバイスを,両方ともマウントする。

  4. BACKUP コマンドを実行して,バックアップ・コピーからターゲット・ディスクをリストアする (MOUNT コマンドと BACKUP コマンドを使用してシステム・ディスクをリストアする方法については,付録 F 「システム・ディスクのバックアップとリストア」 を参照のこと)。

  5. DCL 環境からログアウトする。

  6. メニューからインストール・オプション (1) を選択し,この章の説明に従ってインストールを再実行する。

3.2.2 OpenVMS Integrity OE DVD のブート

OpenVMS Integrity OE DVD は,次のどの方法でもブートできます。 ここでは,ローカル DVD ドライブからブートする手順について詳しく説明します。 他のブート方法の詳細な手順については,以下の対応する項で示されているように,付録を参照してください。

後の 2 つのオプションは,そのような方法をサポートしているエントリ・クラスの Integrity サーバで使用できます (Integrity サーバでローカル DVD ドライブが利用できない場合は,これらのオプションを使用します)。 ブート操作の詳細については,B.6 項 「ブート操作」を参照してください。

OpenVMS Integrity OE DVD をブートする場合は,その前に,コンソールが正しく構成されていることを確認してください。 コンソールには,VGA グラフィック・デバイス(rx2600 あるいはこのファームウェア機能を持つその他のサーバを除く),シリアル・デバイス,またはネットワーク・インタフェースを使用できます。システム・コンソールの構成方法については,B.2 項 「Integrity サーバ・システム用 OpenVMS コンソールの選択」を参照してください。

注意:

VGA コンソールを使用する場合は,キーボードを USB ハブに接続した状態で VMedia または USB DVD ドライブからインストールを行うと,キーボードが動作しないことがあります。 動作しない場合は,ハブから抜いて再度接続し直してください。

システム・ファームウェアは,最新バージョンをロードして使用することをお勧めします。システム・ファームウェアについての詳細は,1.3.6 項 「Integrity サーバ・システムのファームウェア」と 『HP OpenVMS Version 8.4 リリース・ノート』を参照してください。 システムをブートする前と後で実行する作業 (必須作業と省略可能な作業の両方) についての詳細は,付録 B 「OpenVMS Integrity のハードウェア操作およびブート操作の構成と,システムのブートおよびシャットダウン」 を参照してください。

注意:

セル・ベースのサーバ (Superdome サーバや,rx8620 および rx7620 などのミッドレンジ・サーバ) で OpenVMS Integrity オペレーティング・システムをブートする場合は,ACPI が正しく構成されていることを必ず確認してください。 詳細は,B.5.1 項 「nPartitions 内の OpenVMS をブートするための ACPI 設定の確認」を参照してください。

3.2.2.1 ローカル・ドライブからのブート

ローカル DVD ドライブから OpenVMS Integrity OE DVD をブートする場合は,以下の手順を実行します。セル・ベースのサーバから起動する場合は,OpenVMS をインストールする nPartitions から DVD デバイスにアクセスできる必要があります。

  1. Integrity サーバに電源が入っていることを確認します。システムに外部デバイスが接続されている場合は,そのデバイスの電源がオンになっていることと,動作していることを確認してください。

  2. ドライブに DVD を挿入します。

  3. 電源をオフにした後,オンに戻します。

  4. EFI のメイン・ブート・メニュー (セル・ベースのサーバの場合は,OpenVMS のブートに使用する nPartitions の EFI ブート・メニュー) のブート・オプション・リストから適切な項目を選択します。EFI のブート・メニューは一定時間が経過すると項目を選択できなくなるので注意してください。そのカウントダウンを停止するには,いずれかのキーを押します。

    一部のシステムでは,ブート・オプションとして「Internal Bootable DVD」を選択します。このオプションが EFI のブート・メニューに含まれていない場合は,「Boot From a File」メニューに移動します。このメニューに「Removable Media Boot」オプションがあれば,それを選択してください。

    ブート・メニューからオプションを選択しなくても,EFI の Shell プロンプトに対して次のコマンドを入力することで DVD ドライブからブートすることもできます。その場合は,fsn: で Integrity サーバの DVD ドライブを指定します (例: fs0:)。EFI Shell でいずれかのファイル・システムへ移動すると,EFI Shell のプロンプトにそのファイル・システムが反映されます。たとえば,ファイル・システム fs0: へ移動すると,EFI の Shell プロンプトは fs0:> に変わります。

    Shell> fsn:\efi\boot\bootia64.efi

    ブート可能な DVD ドライブを調べるには,マッピングされているデバイスのリストを見て,その行に文字列 「CDROM」 がある fs デバイスを探します。たとえば次のような行が,この条件に該当します。ここで fsn は DVD ドライブに関連付けられているファイル・システムを示していて,通常は fs0: です。ただし,サーバのモデルによっては,fsn の代わりに V8.4 のような文字列が,また Ata の代わりに Scsi という文字列がそれぞれ表示されることもあります。

    fsn : Acpi(HWP0002,400)/Pci(4|1)/Ata(Primary,Master)/CDROM(Entry0)

    EFI のさまざまなデバイス名と OpenVMS のデバイス名とのマッピング状況は,次のコマンドで表示できます。fsn には,チェック対象のデバイス (fs0: など) を指定します。

    Shell> fsn:\efi\vms\vms_show dev -fs

    Integrity サーバの DVD デバイスは,ほとんどの場合,DQA0: (IDE) または DNA0: (USB) です。Superdome サーバのように SCSI バスを備えたシステムの DVD ドライブは,DKA0: です。vms_show コマンドについての詳細は,『HP OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。

    注意:

    特に変えない限り,EFI のバージョンによっては Deleteキー (または Backspaceキー) の機能が OpenVMS Alpha システムや Microsoft Windows コンピュータの場合と異なっていることがあります。異なっている場合は,最後に入力した文字を消去する方法として Ctrl/H を使用してください。 詳細は,B.1.3 項 「Integrity サーバのユーティリティでの Delete キーや Backspace キーの使用」を参照してください。

DVD が正常にブートすると OpenVMS オペレーティング・システムの起動画面が表示され,続いてオペレーティング・システムのメニューが表示されます。この時点で,ターゲット・ディスクに OpenVMS Integrity オペレーティング・システムをインストールできる状態になります。インストールの方法については,3.4 項 「OpenVMS オペレーティング・システムのインストール (システム・ディスクへ)」を参照してください。この項に記載されている方法で DVD から起動できない場合は,B.6.2.1 項 「EFI を使用して DVD をブートする代替の方法」を参照してください。

注意:

SAN ストレージ・デバイスが備わっている OpenVMS Integrity システムでは,OpenVMS を初めてインストール DVD からブートする際に SAN 全体がスキャンされます。そのため,EFI の初期化が遅れることがあります。この遅れは SAN のサイズによって違い,数秒から,長い場合は数分かかります。

3.2.2.2 InfoServer ユーティリティを使用して行うネットワークからのブート

InfoServer ユーティリティを使用してネットワークからブートするには,最初に (1 回だけ) いくつかの構成手順が必要です。付録 C 「ネットワーク・ブートの準備と実行」 を参照してください。ネットワークを通して仮想 DVD からブートする手順についても,付録 C 「ネットワーク・ブートの準備と実行」 で説明しています。

3.2.2.3 HP SIM のプロビジョニングを使用したブート

HP SIM のプロビジョニングを使用して OpenVMS OE DVD のイメージをブートする場合は,最初に (1 回だけ) いくつか構成手順を実行する必要があります。 これらの手順とブート手順については,付録 D 「HP SIM と vMedia による OpenVMS のプロビジョニング」 を参照してください。

3.2.2.4 vMedia を使用して行うブート

vMedia を使用して OpenVMS OE DVD のイメージをブートする場合は,最初に (1 回だけ) いくつか構成手順を実行する必要があります。 D.1.4 項 「vMedia のセットアップ」 を参照してください。vMedia によるブート手順については,D.2 項 「HP SIM とは別に単独での vMedia の使用」を参照してください。

3.3 OpenVMS ゲスト・オペレーティング・システムのインストール

HP Integrity VM は,オペレーティング・システムに高い粒度でサブ CPU を割り当て,I/O の共有を可能にするソフト・パーティショニング/仮想化技術です。 Integrity VM は,HP-UX が稼働する Integrity サーバあるいはハードウェア・パーティション (nPartition) にインストールすることができます。 OpenVMS は,Integrity サーバ上の Integrity VM 環境であるゲスト・オペレーティング・システムとしてインストールできます。 Integrity VM のホスト管理者および OpenVMS のシステム管理者は,通常の Integrity サーバあるいは nPartition と同じようにゲスト・オペレーティング・システムを管理することができます。

OpenVMS のインストールについては 第1章 「はじめに」を参照してください。

Integrity VM のインストールについては, 『HP Integrity Virtual Machines Installation, Configuration, and Administration』 を参照してください。

注記: Integrity VM 上の OpenVMS ゲストは,VT-i (Intel Itanium アーキテクチャの Intel 仮想化テクノロジ) が有効な Intel Itanium2 プロセッサ上でサポートされます。 現時点では,Intel Itanium2 9000 および 9100 シリーズが VT-i をサポートします。

3.3.1 ゲスト・オペレーティング・システムのインストール準備

ここでは,ゲスト・オペレーティング・システムをインストールする前に実行の必要がある作業の手順を説明します。

Integrity VM キットは VM ホストにインストールされます。 Integrity VM はハイパースレッドではサポートされません。 次のコマンドで,ハイパースレッドが有効がどうかを確認できます。

# getconf SC_HT_ENABLED
1
注記: この出力例の 1 はハイパースレッドが有効であることを示しており,0 の場合はハイパースレッドが無効となります。

ハイパースレッドが有効な場合,次のコマンドを実行し,VM をリブートすることによって無効にしてください。

# /usr/sbin/setboot -m off
# reboot

以下の手順で,事前準備を行ないます。

  1. インストーレションに必要な情報を準備します。

    • 以下のような,ゲスト・オペレーティング・システムのネットワーク情報

      • 各ゲストのホスト名

      • 各ゲストの IP アドレス (固定の場合)

      • サブネット・マスク

      • DNS サーバ (1 つあるいは複数) およびゲートウェイ・マシンの IP アドレス

      • 各ゲストの DECnet アドレス

    • ゲスト・オペレーティング・システムのタイムゾーン

    • ゲスト・オペレーティング・システムのシステム・パスワード

  2. VM ホストで次のコマンドを実行し,インストレーション DVD をマウントするドライブを確認します。

    # ioscan -NfunC disk
    …
    disk      7  64000/0xfa00/0x4  esdisk   CLAIMED     DEVICE   Optiarc DVD RW AD-5590A
                         /dev/disk/disk7   /dev/rdisk/disk7
    

    なお,dd ユーティリティなどで DVD からファイル・システムへのコピーを行ない,ディスク上に ISO ファイルを作成することもできます。 たとえば次の例のように,VM ホストのファイル・システムに DVD をマウントし, dd コマンドで ISO ファイルを作成します。

    # mount /dev/disk/disk237 /fdev/frackA/
    # dd if=/dev/rdisk/disk7 of=/fdev/frackA/OpenVMS.iso bs=64k
    

  3. hpvmnet コマンドを使用して仮想スイッチ (vswitch) を作成し起動します。 仮想スイッチとして動作する物理 LAN デバイスを選択しておく必要があります。 以下のように nwmgr コマンドを実行すると,実行中の LAN インタフェースを確認できます。

    # nwmgr
    Name/          Interface Station          Sub-   Interface      Related
    ClassInstance  State     Address        system   Type           Interface
    ============== ========= ============== ======== ============== =========
    lan0           UP        0x0017A4771010 igelan   1000Base-SX
    lan1           DOWN      0x0017A4771012 igelan   1000Base-SX
    lan900         DOWN      0x000000000000 hp_apa   hp_apa
    lan901         DOWN      0x000000000000 hp_apa   hp_apa
    lan902         DOWN      0x000000000000 hp_apa   hp_apa
    lan903         DOWN      0x000000000000 hp_apa   hp_apa
    lan904         DOWN      0x000000000000 hp_apa   hp_apa
    

    この例で lan0 の状態 “UP” は,この LAN インタフェースが実行中であることを示しています。

    次のコマンドを実行して仮想スイッチを作成します。

    # hpvmnet -c -S myswitch -n 0
    

    この例では仮想スイッチの名前は myswitch で,インタフェースとして lan0 を使用しています。

    次のコマンドで仮想スイッチを起動します。

    # hpvmnet -b -S myswitch
    

  4. hpvmdevmgmt コマンドを使用して,OpenVMS システム・ディスクとして動作するファイルを作成します。

    # hpvmdevmgmt -S 4G /fdev/frackA/disk1
    

  5. VM ホストに仮想マシンを作成します。

    # hpvmcreate -P vmsg1 -O OpenVMS -c 2 -r 2g
    # hpvmmodify -P vmsg1 -a network:avio_lan::vswitch:myswitch
    # hpvmmodify -P vmsg1 -a disk:avio_stor::file:/fdev/frackA/disk1
    

    DVD の場合は,次のようなコマンドを実行します。

    # hpvmmodify -P vmsg1 -a dvd:avio_stor::disk:/dev/rdisk/disk7
    

    ISO ファイルの場合は,次のようなコマンドを実行します。

    # hpvmmodify -P vmsg1 -a dvd:avio_stor::file:/fdev/frackA/OpenVMS.iso
    

    この例では,オペレーティング・システム・タイプ OpenVMS の仮想マシンの名前 (ゲスト名) は vmsg1 で,次のような構成になっています。

    • 2 CPU

    • 2 GB メモリ

    • myswitch という名前の AVIO LAN 仮想スイッチ

    • バッキング・ストア /fdev/frackA/disk1 の AVIO ディスク

    • バッキング・ストア /dev/rdisk/disk7 の AVIO DVD (DVD の場合) あるいはバッキング・ストア /fev/frackA/OpenVMS.iso の AVIO ディスク (ISO ファイルの場合)

    注記: オペレーティング・システム・タイプとして OpenVMS を指定します。

    バッキング・ストアとして物理ディスクを使用する場合,その物理ディスクへのパスとして disk4 が定義できます。 この場合,コマンド hpvmmodify -P vmsg1 –a disk:avio_stor::file:/fdev/frackA/disk1 はコマンド hpvmmodify -P vmsg1 –a disk:avio_stor::disk:/dev/rdisk/disk4 と置き換えることができます。

    バッキング・ストアとして論理ボリュームを使用する場合,その論理ボリュームへのパスとして rlv012 が定義できます。 この場合,コマンド hpvmmodify -P vmsg1 –a disk:avio_stor::file:/fdev/frackA/disk1 はコマンド hpvmmodify -P vmsg1 –a disk:avio_stor::lv:/dev/vg01/rlv012 と置き換えることができます。

  6. Integrity VM の状態情報を表示するには,次のコマンドを実行してください。

    # hpvmstatus
    [Virtual Machines]
    Virtual Machine Name VM #  OS Type State     #VCPUs #Devs #Nets Memory  Rmt Host
    ==================== ===== ======= ========= ====== ===== ===== ======= ========
    vmsg1                    1 OpenVMS Off            2     2     1    2 GB        -
    

これで,ゲスト・オペレーティング・システムのインストールのための VM ホストの準備が整います。

3.3.2 ゲスト・オペレーティング・システムのインストール

ゲスト・オペレーティング・システムのインストール手順は以下のとおりです。

  1. VM ホストで以下のコマンドを実行して,仮想マシンを起動します。

    # hpvmstart -P vmsg1
    (C) Copyright 2000 - 2008 Hewlett-Packard Development Company, L.P. 
    .
    Opening minor device and creating guest machine container 
    Creation of VM, minor device 1  
    .
    .
    .
    hpvmstart: Successful start initiation of guest 'vmsg1' 
    
    ゲストへの接続には hpvmconsole コマンドを使用します。

  2. ゲスト・オペレーティング・システムの仮想コンソールへ接続します。

    以下に例を示します。

    # hpvmconsole -P vmsg1
    [vmsg1]  vMP> CO
    Loading device drivers
    EFI Boot Manager ver 1.10 [14.62] [Build:Mon Nov  3 14:18:56 2008]
    Please select a boot option
    EFI Shell [Built-in]
    Boot option maintenance menu
    Use ^ and v to change option
    上記の例で CO はコンソール出力のためのコマンドで,vMP メイン・メニューへ戻るには Ctrl/B を使用します。

    1. 通常は,スタートアップ時に EFI シェルが自動的に選択されます。 そうでない場合は,メニューから EFI Shell [Built-in] を選択してください。

      Loading.: EFI Shell [Built-in]
      EFI Shell version 1.10 [14.62]
      Device mapping table
      fs0 : Acpi(PNP0A03,0)/Pci(0|0)/Scsi(Pun1,Lun0)/CDROM(Entry0)
      blk0 : Acpi(PNP0A03,0)/Pci(0|0)/Scsi(Pun0,Lun0)
      blk1 : Acpi(PNP0A03,0)/Pci(0|0)/Scsi(Pun1,Lun0)
      blk2 : Acpi(PNP0A03,0)/Pci(0|0)/Scsi(Pun1,Lun0)/CDROM(Entry0)
      Shell>

      次の例では,ディスク上にファイル・システム fs0,fs1,および fs2 が存在します。

      fs0 : Acpi(PNP0A03,0)/Pci(0|0)/Scsi(Pun0,Lun0)/HD(Part1,Sig5D1D1134
      -C809-11DB-9AEB-000000000000) 
      fs1 : Acpi(PNP0A03,0)/Pci(0|0)/Scsi(Pun0,Lun0)/HD(Part2,Sig5DB58D88
      -C809-11DB-9AEB-000000000000) 
      fs2 : Acpi(PNP0A03,0)/Pci(0|0)/Scsi(Pun1,Lun0)/CDROM(Entry0)  
      .
      .
      .
      
      Shell>
      EFI は,fs(n) として検出されたファイル・システムでデバイスを表示します。 この例では,fs0 および fs1 はディスク上に存在する古いファイル・システムです。 ファイル・システム fs2 は,ブータブル OpenVMS 仮想 DVD に対応し,CD としても認識されます。

    2. 次の例のようなコマンドでインストレーション DVD をブートします。 DVD は,デバイス・マッピング・テーブルで /CDROM として示されます。 fs コマンドを使用して仮想 DVD ドライブを選択してください。 次の例では,仮想 DVD は fs2 として示されています。

      以下に例を示します。

      fs2:\efi\boot>bootia64.efi

      OpenVMS インストレーション仮想 DVD をブートし,通常の OpenVMS インストレーションを実行します。

      注記: vMP から戻る場合は Ctrl/B を押します (VM ホスト・コンソールからログインしてる場合は,Ctrl/X を使用します)。

      bootia64 コマンドを実行すると標準の OpenVMS インストレーション・メニューが表示されます。 このメニューから,OpenVMS の通常のインストレーションと同じようにゲスト・インストレーションを実行できます。

      注記: 仮想コンソールへ戻るには,Ctrl/B を押してください。 仮想マシンを再起動するには RS コマンドを入力し,OpenVMS インストレーション・プロシージャを再開します。

3.4 OpenVMS オペレーティング・システムのインストール (システム・ディスクへ)

オペレーティング・システムのメディアからシステムがブートしたら,メニューからオプション 1 を選択して,システム・ディスクを作成します。OpenVMS Integrity オペレーティング・システムのインストール手順は,OpenVMS Alpha オペレーティング・システムのインストールと似ていますが,一部違っている部分があります。両者の違いは3.4.1 項 「OpenVMS Integrity と OpenVMS Alpha のインストール手順で異なる点」に要約してあります。また,3.4.3 項 「オペレーティング・システム・メニューのオプション 1 による OpenVMS のインストール」にあるインストールの説明でも,この項目に関する記述があります。

3.4.1 OpenVMS Integrity と OpenVMS Alpha のインストール手順で異なる点

OpenVMS Alpha のインストール経験があまりない方は,この章は省略して次の項に進んでください。

OpenVMS Integrity と OpenVMS Alpha では,システム・ディスクへインストールする方法が少し違っています。その主な相違点を以下に示します。OpenVMS Alpha のインストールの経験はあっても OpenVMS Integrity システムのインストールは初めてという方は,これらの点に注意してください。

  • インストール中に表示される画面は,Alpha と Integrity とでほぼ同じですが,オペレーティング・システムの名前と,インストール対象に含まれる製品の名前が異なります。たとえば,OpenVMS Integrity のウィンドウ環境製品やネットワーク製品の名前はすべて HP I64VMS product-name の形式 (例: HP I64VMS KERBEROS) で表示されますが,OpenVMS Alpha の製品名は,製品とバージョンで異なっており,次の 3 通りのいずれかの形式で表示されます。

    • HP product-name (例: HP AXPVMS KERBEROS)

    • DEC product-name (例: DEC AXPVMS DWMOTIF)

    • CPQ product-name (例: CPQ AXPVMS CDSA)

  • デフォルトのターゲット・システム・ディスクとボリューム・ラベルは,それぞれのシステムで固有です。

  • OpenVMS Integrity のインストールでは,システムが OpenVMS Galaxy のインスタンスかどうかを尋ねるプロンプトが表示されません。これは,OpenVMS Integrity では OpenVMS Galaxy がサポートされていないためです。

  • OpenVMS Integrity には,OpenVMS Alpha オペレーティング・システムにあるいくつかのコンポーネント (C Object Libraries,イメージ変換のサポート・ソフトウェアなど) が含まれていません。

  • OpenVMS Integrity を初めてシステム・ディスクにインストールする場合は,システム・ディスクのブート・オプションをセットアップしてデフォルトのブート・デバイスとしてセットアップするように促されます。 また,インストール・プロシージャを使用してブート・エントリのセットアップと検証を自動的に実行させることもできます。 さらに,Alpha システムでは,システムのシャットダウンとコンソールからのコマンド入力を行わない限り,ブート・デバイスを構成できませんが,Integrity システムでは,システムをシャットダウンする前にブート・デバイスを構成することができるだけでなく (インストール・プロシージャを使用するか,OpenVMS の稼働中に OpenVMS Integrity Boot Manager ユーティリティを使用します),システムをシャットダウンした後でも,EFI Utilities for OpenVMS や EFI を使用して構成することができます。

  • OpenVMS Integrity では,配布メディアをブートしてオペレーティング・システムをインストールする際に,PCSI ユーティリティは次のものを使用して署名付きキットを検証します。

    • Version 8.4 より前のバージョン: CDSA の Secure Delivery コンポーネント

    • Version 8.4 以降のバージョン: HPBinarychecker

    OpenVMS Alpha では,配布メディア (CD) からオペレーティング・システムをインストールする際に,このような検証は行われません (OpenVMS Alpha CD のブート環境の制限により,CDSA が,使用可能な形式で配布 CD に収録されていないためです)。 OpenVMS Alpha システムと Integrity システムのどちらでも,署名付き PCSI キット (配布メディア上の他の署名されたキットを含む) を後でインストールする際には検証されます。 また,OpenVMS Alpha システムと OpenVMS Integrity システムの両方で,DCL の PRODUCT SHOW HISTORY コマンドはインストールされているプロダクトの検証ステータスを表示し,未署名のキットからインストールされているプロダクトや,Secure Delivery 機能が利用可能になる前にインストールされたプロダクトを識別します。

3.4.2 インストール中に表示されるプロンプトへの応答

インストールではさまざまな場面でプロンプトが表示されるので,適切な情報を入力する必要があります。これらの情報の大部分は,本書に記載してある説明とインストール中に利用できるヘルプ・テキストを読むことで,その確認方法と,個々のプロンプトにどう対応したらよいかがわかります。

インストール・プロシージャからの説明を再表示する場合は,プロンプトに対して疑問符 (?) を入力します。入力してしまった応答を後から変更する場合は,該当するプロンプトに戻るまで,キャレット記号 (^) を繰り返し入力します。ただし,このキャレット記号を入力して以前のプロンプトに戻す場合は,1 回の入力で 2 つ以上前のプロンプトへ戻ることがあるので,注意してください。メイン・メニューに戻るときは,Ctrl/Y を押します。ただし,この操作を行うと,実行中のインストールはキャンセルされます。

インストールを開始する前に以下の要約に目を通して,どのような情報が必要になるかをあらかじめ把握しておくようお勧めします。

インストール中に入力を求められる情報は,次のとおりです。

  • ソース・ドライブとターゲット・ドライブの名前 (InfoServer を使用してブートする場合は,LAN デバイスの名前も入力する)

  • INITIALIZE オプションまたは PRESERVE オプションの選択 (1.4.1 項 「オプション 1: OpenVMS のインストール,アップグレード,または再構成」を参照)

  • ターゲット・ディスクのボリューム・ラベル (デフォルトのボリューム・ラベルを使用しない場合)

  • SYSTEM アカウントのパスワード

  • OpenVMS Cluster の作成や OpenVMS Cluster への参加の指示。作成または参加する場合は,クラスタの種類も入力する (2.4 項 「OpenVMS Cluster に必要な情報」を参照)

  • DECnet ノードの名前とアドレス (システム・パラメータ SCSNODE と SCSSYSTEMID の値)

    注意:

    DECnet-Plus for OpenVMS ソフトウェアをインストールしても,アドレスとして DECnet Phase IV ソフトウェアと互換性のあるアドレスを使用する場合は,この情報を入力する必要があります。この情報を設定すれば,DECnet 環境やクラスタ環境で行うシステムの識別に名前と番号が使用されるようになります。DECnet Phase IV のアドレスを指定すると,プロシージャがその値から SCSSYSTEMID の値を自動的に計算します。入力する情報が不明な場合は,ネットワーク管理者やシステム管理者に問い合わせてください。

  • OpenVMS の各ライセンスの PAK (Product Authorization Key) にリストされている情報。ライセンスを登録するときに,各ライセンスの PAK にリストされている情報を入力する必要があります。ライセンスの登録は,OpenVMS をインストールした後で行うこともできます。

  • インストールするオプション・システム・コンポーネント。すべてのコンポーネントをインストールする (デフォルト) ことも,インストールするコンポーネントをリストから個別に選択することもできます。

    • DECwindows Motif for OpenVMS (グラフィカル・ユーザ・インタフェース)

      この製品をインストールする場合は,DECwindows Server Support コンポーネントもインストール対象に含める必要があります。DECwindows を OpenVMS とは別に後からインストールする場合も,OpenVMS と一緒に DECwindows Server Support をインストールしておいてください。

    • OpenVMS Management Station

      OpenVMS Management Station ソフトウェアに対してその PC コンポーネントをインストールするためのキットを作成する場合は,OpenVMS Management Station Software PC ファイルをインストール対象に含めてください。

    • TCP/IP Services for OpenVMS

    • DECnet-Plus for OpenVMS または DECnet Phase IV for OpenVMS のいずれか一方

      これら DECnet コンポーネントのどちらか一方をインストールする場合は,Support for DECnet コンポーネントもインストール対象に含めておく必要があります。OpenVMS をインストールした後に DECnet-Plus または DECnet Phase IV をインストールする場合でも,OpenVMS と一緒に Support for DECnet コンポーネントをインストールしておいてください (どちらの DECnet 製品も,サポート・コンポーネントは同じです)。

    OpenVMS オペレーティング・システムに付属しているオプション・コンポーネントのリストについては,例 3-1 「オプション・コンポーネントとサブオプション」を参照してください。

3.4.3 オペレーティング・システム・メニューのオプション 1 による OpenVMS のインストール

オペレーティング・システム CD (OpenVMS Alpha) あるいは DVD (OpenVMS Integrity OE DVD) をブートすると,数秒後にいくつかの情報メッセージが表示されたあと OpenVMS バナーが表示されます。 さらにその後その他のメッセージが表示され,以下の例に示すように最後にオペレーティング・システム・メイン・メニューが表示されます。 メッセージの表示時間はシステムのタイプおよび接続されているハードウエアに依存します。


    .
    .
  Installing required known files...

  Configuring devices...

  ****************************************************************

  You can install or upgrade the OpenVMS I64 operating system
  or you can install or upgrade layered products that are included
  on the OpenVMS I64 distribution media (CD/DVD).
    
  You can also execute DCL commands and procedures to perform
  "standalone" tasks, such as backing up the system disk.
    
  Please choose one of the following:

    1)  Upgrade, install or reconfigure OpenVMS I64 Version 8.4
    2)  Display layered products that this procedure can install
    3)  Install or upgrade layered products
    4)  Show installed products
    5)  Reconfigure installed products
    6)  Remove installed products
    7)  Find, Install or Undo patches; Show or Delete recovery data
    8)  Execute DCL commands and procedures
    9)  Shut down this system      

Enter CHOICE or ? for help: (1/2/3/4/5/6/7/8/9?) 1

OpenVMS オペレーティング・システムをインストールする手順は以下のとおりです。

  1. メニューからオプション 1 を選択する。

    次の例のように,メニュー・プロンプトに対して 1 を入力します。

    Enter CHOICE or ? for help: (1/2/3/4/5/6/7/8/9/?)1

    OpenVMS オペレーティング・システムのキットには,パッチ・キットが含まれている場合があります。パッチ・キットが含まれている場合は,次のような情報が表示されます。

        The following PATCH kits are present on the OpenVMS I64
        distribution media.
    
        ----------------------------------- ----------- ----------
        PRODUCT                             KIT TYPE    KIT FORMAT
        ----------------------------------- ----------- ----------
        DEC I64VMS TCPIP_ECO V5.n-nnn       Patch       Compressed
        ----------------------------------- ----------- ----------
    
        1 item found
    
        Please consult the OpenVMS I64 Upgrade and Installation Manual,
        the Release Notes, and the Cover Letter to determine if any or
        all of these patches may be required for your system.

    パッチをインストールするかどうかをまだ決定していない場合は,ここで決定します。

    次に示すように,インストールで最初に表示される画面には,プロンプトに対する応答方法の情報も含まれています (3.4.2 項 「インストール中に表示されるプロンプトへの応答」を参照)。

    
        ***********************************************************
        This procedure will ask a series of questions.
    
              () - encloses acceptable answers
              [] - encloses default answers
    
        Type your response and press the <Return>key.  Type:
    
              ? - to repeat an explanation
              ^ - to change prior input (not always possible)
              Ctrl/Y - to exit the installation procedure

  2. システム・ディスクを作成する。

    ここでシステム・ディスクの作成を開始します。最初に次の情報が表示され,続いてディスクを初期化するか,内容を維持するかを尋ねるプロンプトが表示されます。

        There are two choices for Installation/Upgrade:
    
        INITIALIZE - Removes all software and data files that were
            previously on the target disk and installs OpenVMS I64.
    
        PRESERVE -- Installs or upgrades OpenVMS I64 on the target disk
            and retains all other contents of the target disk.
    
       * NOTE: You cannot use preserve to install OpenVMS I64 on a disk on
             which any other operating system is installed.  This includes
             implementations of OpenVMS for other architectures.
    
    Do you want to INITIALIZE or to PRESERVE? [PRESERVE] INITIALIZE

    INITIALIZE または PRESERVE は,次のように選択します。

    条件操作

    ディスクが未使用

    INITIALIZE と入力して Enter を押す

    既存のシステム・ディスクから,その内容をすべて削除する

    INITIALIZE と入力して Enter を押す

    既存のディスクにある OpenVMS ファイルを残す

    Enter を押してデフォルト (PRESERVE) を選択し,第6章 「OpenVMS オペレーティング・システムのアップグレード」へ進む

    注意:

    OpenVMS 以外のオペレーティング・システムがすでにインストールされているディスクには,OpenVMS をインストールできません。たとえば,UNIX のディスクをシステム・ディスクとして使用し,PRESERVE オプションを選択して,そのディスクに OpenVMS をインストールするというようなことはできません。その理由は,UNIX のディスク構造が,OpenVMS に必要な形式と違うからです。

    OpenVMS Integrity のターゲット・システム・ディスクを初期化しているときに,インストール・プロセスが診断パーティションを作成します。このパーティションは,コンソール・プロンプトでしか確認できません。診断パーティションと,使用できるオプションについての詳細は,付録 J 「別方法によるシステム・ディスクの初期化」 を参照してください。

  3. システム・ディスク (ターゲット・ディスク) を指定する。

    続いて,ターゲット・ディスクの名前を入力するように求められます。 ディスクの名前が分からない場合は,疑問符 (?) を入力します。システムに存在するデバイスがリストで表示されます。適切なディスクを選択してプロンプトに応答します。次に,その例を示します。

      You must enter the device name for the target disk on which
      OpenVMS I64 will be installed.
    
    Enter device name for target disk: (? for choices)  DKB400

    そのシステムで初めてインストールを行う場合,この例のように,デフォルトのデバイス名が表示されません。2 回目以降のインストールでは,[DKB400] や [$1$DGA567] (ファイバ・チャネル・ディスク・デバイスの場合) のようなデフォルトのデバイス名が表示されます。

    選択したディスクがアクセスできないか,その他の理由で使用できない場合は,その理由が表示されます。たとえば,MKA500 と入力してテープ・デバイスを指定すると,次のようなメッセージが表示されます。

       MKA500 is not a disk device

  4. ボリューム・ラベルを指定する。

    使用可能なディスクを選択すると,そのディスクに割り当てられているボリューム・ラベルが表示されて,そのラベルをそのまま使用するかどうかを尋ねられます。次の例に示すように,そのラベルを使用しないという選択を指示すると,新しいラベルを入力するように求めるプロンプトが表示されます。OpenVMS オペレーティング・システムでは,ディスクの識別と参照にボリューム・ラベルを使用しています。使用するラベルは必ずユニークなものにしてください。他のディスク・ボリュームで同じラベルが使用されていると,問題が発生します。

       DKB400: is now labeled V84SYS.
    

    Do you want to keep this label? (Yes/No) [Yes] NO
    
    Enter volume label for target system disk: [I64SYS]  I64084

    ディスクに割り当てられているラベルをそのまま使用するか,システムによって割り当てられるデフォルトのラベル (Integrity システムの場合は I64SYS) を使用するか,または新しいラベルを指定します。ラベルは 12 文字以下の英数文字列で,A から Z,0 から 9,ドル記号 ($),および下線 (_) を使用できます。

    注意:

    OpenVMS では,使用しているシステムや OpenVMS Cluster 内にあるすべてのディスクのラベルがユニークになっている必要があります。システム・ディスクと同じボリューム・ラベルのディスクをマウントすると,OpenVMS のさまざまなコンポーネントが正しく機能しなくなったり,ブート中にノードがクラッシュしたりすることがあります。

  5. ODS のレベルを指定する。

    システム・ディスクの作成を開始する時に INITIALIZE を選択した場合は,ターゲット・ディスクのボリューム・ラベルを指定した後で,ターゲット・システム・ディスクを ODS (On-Disk Structure) レベル 2 (ODS-2) またはレベル 5 (ODS-5) のどちらで初期化するかを指定するように求められます。次の例にある 2 番目のパラグラフは,OpenVMS Integrity をインストールするときにだけ表示されます。

        The target system disk can be initialized with On-Disk Structure
        Level 2 (ODS-2) or Level 5 (ODS-5). (? for more information)
    
        OpenVMS I64 systems include WBEM Services for OpenVMS; the WBEM data
        repository requires an ODS-5 disk.  If you choose to initialize the
        target system disk with ODS-5 the repository can be on the system
        disk; otherwise you will need to provide an additional ODS-5 disk. 
        (? for more information.
    
    Do you want to initialize with ODS-2 or ODS-5? (2/5/?) 

    ODS-2 ファイル・システムと ODS-5 ファイル・システムについての詳細は,『OpenVMS システム管理者マニュアル (上巻)』を参照してください。以下に,概要を示します。

    注意:

    ODS-2 形式のディスクを必要とするソフトウェアを使用する予定がなければ,システム・ディスクを ODS-5 形式で初期化してください。

    WBEM Services for OpenVMS は ODS-2 ディスクにもインストールできますが,WBEM Services for OpenVMS のデータ・リポジトリには ODS-5 ディスクが必要です。ODS-5 形式のシステム・ディスクには,どのようなものでも格納できます。ODS-2 形式のディスクを選択した場合は,この手順で,データ・リポジトリ用に ODS-5 ディスクを用意するかどうかを尋ねられます。

    • ODS-2

      ODS-2 を使用すれば,OpenVMS VAX システムと,ODS-2 ディスクを使用する Alpha システムとの間で (ODS-2 ディスクを使用する OpenVMS Integrity システムと同様に),互換性を保つことができます。他のオペレーティング・システム (UNIX,Linux,MS Windows など) から移植されたアプリケーションのサポートなどの ODS-5 の新しい機能が不要な場合は,ODS-2 を選択してください。

    • ODS-5

      • より長いファイル名を使用できます。また,ファイル名に使用できる文字の種類が多く,大文字/小文字を組み合わせたファイル名も使用できます。したがって,Microsoft Windows や UNIX の環境と同じようなファイル名を使用することができます。

      • ファイルのハード・リンクとアクセス日付をサポートしており,ファイル名の大文字/小文字の違いも区別できます。

      • ODS-5 のボリュームは,バージョン 7.2 より前の OpenVMS にはマウントできません。

      • バージョン V7.2 以降の OpenVMS VAX が動作しているシステムでは,ODS-5 のボリュームをマウントできますが,ファイル名が従来の上限より長いファイルを作成したり,そのようなファイルへのアクセスはできません (OpenVMS VAX システムでは,小文字のファイル名が大文字で表示されます)。

    プロンプトに対して 2 または 5 を入力して,ODS-2 または ODS-5 のどちらかを選択します。

  6. ハード・リンクを有効にする (ODS-5 のみ)。

    ODS-5 を選択すると,ハード・リンクを有効にするかどうかを尋ねるプロンプトが表示されます (ODS-2 を選択した場合は,この手順を省略して次の手順へ進んでください)。OpenVMS Integrity をインストールすると,次の例のように,「WBEM Services for OpenVMS にはハード・リンクが必要でない」というアドバイスが表示されます。YES または NO を入力します。

       Hard links can be enabled on ODS-5 disks.  WBEM Services for OpenVMS
       does not require hard links. (? for more information)
    
    Do you want to enable hard links? (Yes/No/?) YES

    ODS-2 と ODS-5 では,どちらも別名を使用することができます。別名とは,ファイルやディレクトリに本来の名前とは別に付けられる名前のことです。ハード・リンクをサポートしているのは ODS-5 だけです。ハード・リンクを有効にすることで生じる主な違いの 1 つは,DCL の DELETE コマンドの動作です。ハード・リンクを有効にした状態で,別名が 1 つ以上あるファイルを DELETE コマンドで削除しようとすると,その DELETE コマンドでそのファイルのアクセスに使用されている別名だけが削除されます。実際のファイルは削除されないので,残りの別名からアクセスできます。 実際のファイルが削除されるのは,他に別名がないときにそれを削除したときです。ハード・リンクが有効になっていないと,DELETE コマンドは,ファイルのアクセスに使用した別名と,その実際のファイルを削除します。その他の別名は残りますが,ファイル自体が削除されるので,ファイルへアクセスできなくなります。つまり,残りの別名は期待どおりには機能しません。 ハード・リンクを有効にしておけば,まれなケースを除いて,通常は問題は発生しません。 そのまれなケースの一例は,ディスク・クォータが有効になっている場合です。 たとえば,あるアクセス可能なディレクトリに,ハードリンクのあるファイルが存在する場合を考えてください。 そのような場合は,そのファイルの所有者がそのハード・リンクをすべて削除しても,他のユーザのディレクトリにハード・リンクがあれば,そのファイル自体は削除されないで残ります。 そのため,それ以降もファイルのサイズが増えて,所有者のディスク・クォータが圧迫されることがあります。

    一般的に,ハード・リンクを有効にする場合は,ファイル・システムの動作が変化することと,アプリケーションの機能や管理手法もそれに応じて (別名に依存した方式から) 変更する必要があることに注意してください。

    ハード・リンクについての詳細は,『OpenVMS システム管理者マニュアル (上巻)』を参照してください。

  7. ターゲット・システム・ディスクの設定を確認する。

    ターゲット・システム・ディスクの設定情報が表示され,設定が正しいかどうかが尋ねられます。次の例では,ディスクを ODS-5 で初期化するとともに,ハード・リンクを有効にするように設定しています。ボリューム・ラベルは I64084 です。

        You have chosen to install OpenVMS I64 on a new disk.
    
        The target system disk, DKB400:, will be initialized
        with structure level 5 (ODS-5).
        Hard links WILL be enabled.
        It will be labeled I64084.
        Any data currently on the target system disk will be lost.
    
    Is this OK? (Yes/No) YES
    
        Initializing and mounting target....
    %EFI-I-VOLINIT, FAT volume DIAGNOSTICS has been initialized
    
        Creating page and swap files....
  8. ブート・オプションの構成と検証 (Integrity のみ)

    OpenVMS Integrity のインストールでは,続いてブート・オプションの作成または検証を行うかどうかを尋ねるプロンプトが表示されます。

       Boot options in the EFI Boot Manager boot option menu can provide a
       convenient way to boot your system.  The installation  procedure can
       automatically create a new boot option (if none exists) or validate
       existing boot options.
    
    Do you want to create or validate boot options? (Yes/No) [Yes] YES

    インストールしたシステム・ディスクの普段のブートに現在のシステムとデバイスを使用する予定で,しかも,インストール・プロシージャの助けを借りて EFI コンソールの EFI Boot Manager メニューにあるブート・オプションを作成または検証する場合は,このプロンプトに対して YES と応答します。そうすれば,新しいブート・オプションの作成と検証 (ブート・オプションが存在しない場合),または既存ブート・オプションの検証が,インストールが完了する直前に実行されます (手順 22 参照)。

    YES と入力した場合にブート・オプションが存在しないと,次の例に示すように,OpenVMS ブート・フラグ (VMS_FLAGS) の値を受け入れるかまたは設定するように促されます。OpenVMS フラグを設定する場合は,その値 (0,1 など) を入力します。設定しない場合 (デフォルト) は,そのまま Enter を押します。ブート・オプションがすでに存在している場合は,インストールが完了した後でブート・フラグの値を変更できます (ブート・フラグの値を変更する方法については,B.5.2 項 「システム・ディスクのブート・オプションの設定」を参照してください)。

       You can set VMS_FLAGS or accept the default, 0,0.
    
    Enter the value for VMS_FLAGS: (n.n) [0,0]

    インストール・プロシージャの助けを借りて EFI コンソールのブート・オプションの設定や検証を行わない場合は,NO と入力します。

    特に理由がなければ,インストール・プロシージャの助けを借りてブート・オプションを設定/検証するようお勧めします。

    注意:

    インストールするシステム・ディスクがファイバ・チャネル・デバイスの場合は,そのデバイスをブート・オプションの 1 つとして EFI のブート・メニューに追加することをお勧めします。インストール・プロシージャでそのデバイスをブート・メニューに追加しなかった場合でも,インストールが完了した後で OpenVMS Integrity Boot Manager ユーティリティ (SYS$MANAGER:BOOT_OPTIONS.COM) を使って追加することができます (ファイバ・チャネル・デバイスを EFI ブート・メニューへ追加するときは,EFI の代わりに OpenVMS Integrity Boot Manager ユーティリティを使用してください)。

    OpenVMS Integrity Boot Manager ユーティリティを使用して,EFI のブート・デバイス・リストとダンプ・デバイス・リストにマルチ・メンバ・シャドウ・セット内にあるシャドウ・システム・ディスクを追加するようお勧めします。その際,すべてのメンバを,必ず両方のリストに追加してください。

    OpenVMS Integrity Boot Manager ユーティリティについては,B.5.2 項 「システム・ディスクのブート・オプションの設定」を参照してください。ファイバ・チャネル・デバイスの設定とブート方法についての詳細は,付録 E 「Fibre Channel ストレージ・デバイスのセットアップとブート」 を参照してください。

  9. SYSTEM アカウント情報を設定する (ディスクを初期化する場合のみ)。

    ターゲット・ディスクを初期化する場合は,SYSTEM アカウントの情報を入力するように求められます。SYSTEM アカウントのパスワードを求めるプロンプトに対しては,応答を入力する前に次の点に注意してください。

    • パスワードの長さは 8 文字から 31 文字で,A から Z,0 から 9,ドル記号 ($),および下線 (_) が使用できます。パスワードにはアルファベット (AからZ) を少なくとも 1 文字含める必要があります。文字はすべて大文字に変換されるので,大文字と小文字の使い分けは不要です。

    • パスワードを入力した後,Enter を押します (入力中のパスワードは画面に表示されません)。

    • パスワードの入力が完了すると,そのパスワードが有効であるかどうかがチェックされます。

    • 確認用に,パスワードを再入力します。

    以下に画面出力の例を示します。

        You must enter a password for the SYSTEM account.
    
        The password must be a minimum of 8 characters in length, and
        may not exceed 31 characters.  It will be checked and verified.
        The system will not accept passwords that can be guessed easily.
    
        The password will not be displayed as you enter it.
    
    Password for SYSTEM account: 
    
    Re-enter SYSTEM password for verification:

    再入力したパスワードが一致しないか,パスワードが単純すぎて他のユーザに推測されてしまう可能性があると判断された場合は,エラー・メッセージが表示されます。その場合は,別のパスワードを指定してください。

  10. OpenVMS Cluster への参加/不参加を宣言する。

    システムを OpenVMS Cluster のメンバにするかどうかが尋ねられます。以下に画面出力の例を示します。

    Will this system be a member of an OpenVMS Cluster? (Yes/No)  

    システムを OpenVMS Cluster のメンバにする場合は,必ず YES と入力して応答します。このプロンプトに対して YES と入力しておくと,新しくインストールしたシステムを初めてブートするときに,SYS$MANAGER:CLUSTER_CONFIG.COM が自動的に実行されます。この CLUSTER_CONFIG プロシージャからは,クラスタに関する質問がいくつか表示されます。 この質問に対する応答の仕方で,VAXCLUSTER システム・パラメータの設定方法が決まります (VAXCLUSTER システム・パラメータは,OpenVMS VAX だけでなく OpenVMS Integrity,OpenVMS Alpha の各システムでも設定されます。OpenVMS VAX システム専用ではありません)。 詳細は,『HP OpenVMS Cluster 構成ガイド』を参照してください。

    クラスタに関する質問で YES と応答すると,次のようなメッセージが表示されます。

        When your new system is first booted you will be required to answer
        additional questions in order to configure the OpenVMS Cluster.

    クラスタに関する質問で NO と応答しても,システムを OpenVMS Cluster のメンバにすることができます。ただし,その場合はインストールが完了した後で,そのノードをクラスタへ含めるように明示的に構成する必要があります。詳細は,3.6 項 「OpenVMS Cluster への追加」を参照してください。

    クラスタ設定についての詳細は,『HP OpenVMS Cluster システム』を参照してください。

  11. システムを OpenVMS Galaxy のインスタンスとして宣言する (Alpha のみ)。

    システムを OpenVMS Galaxy のインスタンスにするかどうかを尋ねられます (この質問が表示されるのは OpenVMS Alpha のインストール中だけで,OpenVMS Integrity では OpenVMS Galaxy をサポートしていません)。次に,その画面出力の例を示します。

    Will this system be an instance in an OpenVMS Galaxy? (Yes/No)

    この質問に対する応答の仕方で,GALAXY システム・パラメータの設定方法が決まります。

  12. SCSNODE システム・パラメータを設定する。

    この手順では,2 つのシステム・パラメータ SCSNODE と SCSSYSTEMID のうち,1 番目のSCSNODE パラメータの値を指定するように求められます (2 番目のパラメータ SCSSYSTEMID については,手順 13 でメッセージとプロンプトを説明します)。SCSNODE の値には,1 文字から 6 文字の英数文字列で名前を指定します。ただしこの値には少なくとも 1 つの英文字を含める必要があります。このシステムを OpenVMS Cluster のメンバにする場合は,SCSNODE の値をクラスタ内でユニークにする必要があります。DECnet Phase IV for OpenVMS を使用する場合,または DECnet-Plus for OpenVMS を DECnet Phase IV のアドレスで使用する場合は,SCSNODE の値を DECnet ノードの名前と同じにする必要があります。

    以下に,画面表示と有効な応答の例を示します。

        For your system to operate properly, you must set two parameters:
         SCSNODE and SCSSYSTEMID.
       
         SCSNODE can be from 1 to 6 letters or numbers.  It must contain at
         least one letter.
    
         If you plan to use DECnet, SCSNODE must be the DECnet Phase IV
         node name, or the DECnet-Plus (Phase V) node synonym.
    
         If you have multiple OpenVMS systems, the SCSNODE on each system 
         must be unique.
    
    Enter SCSNODE:  I64CSI
  13. DECnet の使用を宣言するとともに,SCSSYSTEMID システム・パラメータを設定する。

    次のプロンプトが表示されて,DECnet を使用する予定があるかどうかが尋ねられます。 また,SCSSYSTEMID システム・パラメータの値は DECnet Phase IV アドレスに基づいて設定する必要があるという内容が表示されます。SCSSYSTEMIDの値も,OpenVMS Cluster 内でユニークにする必要があります。

        If you plan to use DECnet, SCSSYSTEMID must be set based on the
        DECnet Phase IV address.
    
    Do you plan to use DECnet (Yes/No) [YES]:  YES

    YES と応答すると,DECnet Phase IV アドレスに関する情報とともに,DECnet Phase IV アドレスの入力を求めるプロンプトが表示されます。次の例に示すように,有効な DECnet Phase IV アドレスを入力します。

        DECnet Phase IV addresses are in the format
    
           DECnet_area_number.DECnet_node_number
    
        DECnet_area_number is a number between 1 and 63.
        DECnet_node_number is a number between 1 and 1023.
    
        If you plan to use DECnet WITHOUT Phase IV compatible addresses, 
        enter 0.0.
    
    
    Enter DECnet (Phase IV) Address [1.1]:  63.180

    SCSSYSTEMID に割り当てられる値が,次のようなメッセージで表示されます。

      SCSSYSTEMID will be set to 64692.
    
         This was calculated as follows:
    
         (DECnet_area_number * 1024) + DECnet_node_number

    DECnet を使用しないか,DECnet Phase IV アドレスとして 0.0 を入力した場合は,SCSSSYSTEMID の値を 1 から 65535 の範囲で入力するように求められます。このシステムがスタンドアロン・システムであれば SCSSYSTEMID としてデフォルト (65534) を使用できますが,OpenVMS Cluster のメンバにする場合は,SCSSYSTEMID として,クラスタ内でユニークな値を入力する必要があります。次に,その画面表示の例を示します。

        The system cannot calculate SCSSYSTEMID from an address that is not
        compatible with DECnet Phase-IV.
        You will have to choose a value for SCSSYSTEMID.
         
        If you plan to use LAT software, you may have to add /NODECNET to any
        CREATE LINK commands in SYS$MANAGER:LATSYSTARTUP.COM.
    
        Please choose a SCSSYSTEMID between 1 and 65535.  If you have multiple
        OpenVMS systems, the SCSSYSTEMID on each system must be unique.
    
    Enter SCSYSTEMID [65535]:  12345
  14. ローカル・タイムゾーンを設定する。

    ローカル・タイムゾーンの設定が求められます。ローカル・タイムゾーンのサポートが正しく行われるようにするためには,その地域に対応したタイムゾーン (デフォルト・タイムゾーン) を正確に設定する必要があります。通常は,これがシステムのタイムゾーンになります。タイムゾーンに加えて,OpenVMS の時差係数 (TDF) も設定するように求められます。

    タイムゾーンのメイン・メニューが表示されます。このメニューから,次のどちらかの方法でタイムゾーンを選択します。

    • タイムゾーンのメイン・メニューで,指定するタイムゾーンの番号を選択する (選択した番号にタイムゾーンが複数個存在する場合は,続いて表示される別のタイムゾーン・メニューから,最も適切なタイムゾーンを選択します)。

    • 検索オプションを使用して,タイムゾーンの名前またはその一部を指定して検索する (この方法を使えば,タイムゾーン・メニューを省略できます)。

    タイムゾーン・メニューで番号を選択すると,対応するタイムゾーンが選択されます。プロンプトに対して疑問符 (?) を入力すれば,ヘルプ情報を表示できます。
    注意:

    番号にアスタリスク (*) が付いている場合は,該当するタイムゾーンが複数個存在します。そのような番号を選択すると別のメニューが表示されるので,適切なタイムゾーンを選択します。たとえば,タイムゾーンのメイン・メニューで米国 (US) を選択すると,別のメニューで米国内の各タイムゾーンが表示されます。

    次の例では,メニューの番号を入力して,米国の東部標準時を選択しています。

      Configuring the Local Time Zone
    
    TIME ZONE SPECIFICATION -- MAIN Time Zone Menu      "*" indicates a menu
    
      0* GMT
      1* AFRICA          17) EST             33) IRAN            49) PORTUGAL
      2* AMERICA         18) EST5EDT         34) ISRAEL          50) PRC
      3* ANTARCTICA      19* ETC             35) JAMAICA         51) PST8PDT
      4* ARCTIC          20* EUROPE          36) JAPAN           52) ROC
      5* ASIA            21) FACTORY         37) KWAJALEIN       53) ROK
      6* ATLANTIC        22) GB-EIRE         38) LIBYA           54) SINGAPORE
      7* AUSTRALIA       23) GB              39) MET             55) TURKEY
      8* BRAZIL          24) GMT-0           40* MEXICO          56) UCT
      9* CANADA          25) GMT             41* MIDEAST         57) UNIVERSAL
     10) CET             26) GMT0            42) MST             58* US
     11* CHILE           27) GMTPLUS0        43) MST7MDT         59) UTC
     12) CST6CDT         28) GREENWICH       44) NAVAJO          60) W-SU
     13) CUBA            29) HONGKONG        45) NZ-CHAT         61) WET
     14) EET             30) HST             46) NZ              62) ZULU
     15) EGYPT           31) ICELAND         47* PACIFIC        
     16) EIRE            32* INDIAN          48) POLAND         
    
    Press "Return" to redisplay, enter "=" to search or "?" for help, or
    Select the number above that best represents the desired time zone: 58
    
    US Time Zone Menu                            "*" indicates a menu
    
      0* RETURN TO MAIN TIME ZONE MENU
      1) ALASKA           5) EAST-INDIANA     9) MICHIGAN        13) SAMOA
      2) ALEUTIAN         6) EASTERN         10) MOUNTAIN       
      3) ARIZONA          7) HAWAII          11) PACIFIC-NEW    
      4) CENTRAL          8) INDIANA-STARKE  12) PACIFIC        
    
    Press "Return" to redisplay, enter "=" to search or "?" for help, or
    Select the number above that best represents the desired time zone: 6
    
    You selected US /EASTERN as your time zone.
    Is this correct? (Yes/No) [YES]:

    メニューの番号ではなく検索オプションでタイムゾーンを選択する場合は,プロンプトに対して,番号ではなく等号 (=) を入力します。その際,等号に続けて,タイムゾーンの名前を構成する 1 ワード以上の単語,またはその一部を,検索文字列として入力することもできます。等号しか入力しないと,検索文字列を入力するように求められます。検索文字列を入力すると一致するタイムゾーンがすべて表示されるので,適切なタイムゾーンを選択します。

    次の例では,検索オプションを使用して,米国の東部標準時を選択しています。

      Configuring the Local Time Zone
    
    TIME ZONE SPECIFICATION -- MAIN Time Zone Menu       "*" indicates a menu
    
      0* GMT
      1* AFRICA          17) EST             33) IRAN            49) PORTUGAL
      2* AMERICA         18) EST5EDT         34) ISRAEL          50) PRC     
      3* ANTARCTICA      19* ETC             35) JAMAICA         51) PST8PDT 
      4* ARCTIC          20* EUROPE          36) JAPAN           52) ROC     
      5* ASIA            21) FACTORY         37) KWAJALEIN       53) ROK     
      6* ATLANTIC        22) GB-EIRE         38) LIBYA           54) SINGAPORE
      7* AUSTRALIA       23) GB              39) MET             55) TURKEY  
      8* BRAZIL          24) GMT-0           40* MEXICO          56) UCT     
      9* CANADA          25) GMT             41* MIDEAST         57) UNIVERSAL
     10) CET             26) GMT0            42) MST             58* US      
     11* CHILE           27) GMTPLUS0        43) MST7MDT         59) UTC     
     12) CST6CDT         28) GREENWICH       44) NAVAJO          60) W-SU    
     13) CUBA            29) HONGKONG        45) NZ-CHAT         61) WET     
     14) EET             30) HST             46) NZ              62) ZULU    
     15) EGYPT           31) ICELAND         47* PACIFIC             
     16) EIRE            32* INDIAN          48) POLAND         
    
    Press "Return" to redisplay, enter "=" to search or "?" for help, or
    Select the number above that best represents the desired time zone: =EAST
    
    Search for Time Zone by Full or Partial Name
        "*" indicates a menu
    
        1) BRAZIL / EAST
        2) CANADA / EAST-SASKATCHEWAN
        3) CANADA / EASTERN
        4) CHILE / EASTERISLAND
        5) MIDEAST / RIYADH87
        6) MIDEAST / RIYADH88
        7) MIDEAST / RIYADH89
        8) PACIFIC / EASTER
        9) US / EAST-INDIANA
       10) US / EASTERN
    
    Press "Return" to redisplay this menu,
    enter "=" to search for a new zone,
    enter "0" to return to the Main Time Zone Menu, enter "?" for help, or
    Select the number above that best represents the desired time zone: 10
    
    You selected US / EASTERN as your time zone.
    Is this correct? (Yes/No) [YES]: 

    続いて,TDF の入力が求められます。

    ローカル・タイムゾーンのサポートについての詳細は,『OpenVMS システム管理者マニュアル (上巻)』を参照してください。

  15. 時差係数 (TDF) を設定する。

    時差係数 (TDF) に関する情報が表示されて,適切な情報を入力するように求められます。TDF とは,システムのローカル時刻と協定世界時 (UTC) との時差のことです (UTC は GMT と同様の世界標準時)。最初に,TDF のデフォルト設定が表示されます。 通常は,デフォルトの設定を受け入れます。選択したタイムゾーンで夏時間がサポートされている場合は,夏時間が現在有効かも尋ねられます。次に,表示される TDF 情報とプロンプトの例を示します。

       Configuring the Time Differential Factor (TDF)
    
    
       Default Time Differential Factor for standard time is -5:00.
       Default Time Differential Factor for daylight saving time is -4:00.
    
    
       The Time Differential Factor (TDF) is the difference between your
       system time and Coordinated Universal Time (UTC).  UTC is similar
       in most respects to Greenwich Mean Time (GMT).
    
       The TDF is expressed as hours and minutes, and should be entered
       in the hh:mm format.  TDFs for the Americas will be negative
       (-3:00, -4:00, etc.); TDFs for Europe, Africa, Asia and Australia
       will be positive (1:00, 2:00, etc.).
    
    This time zone supports daylight saving time.
    Is this time zone currently on daylight saving time? (Yes/No): YES
    
    Enter the Time Differential Factor [-4:00]:
    
       NEW SYSTEM TIME DIFFERENTIAL FACTOR = -4:00
    
    Is this correct? [Y]:

    TDF のサポートについての詳細は,『OpenVMS システム管理者マニュアル (上巻)』を参照してください。OpenVMS がインストールされ,システム・ディスクからブートされると,次の DCL コマンドを使用して,夏時間の論理変数の値を表示し,システムに夏時間が設定されているかどうかを調べることができます。

    $  SHOW LOGICAL *TIMEZONE*
    "SYS$TIMEZONE_DAYLIGHT_SAVING"="1"
            .
            .
            .

  16. ライセンスを登録する (この時点では省略可)。

    TDF を設定すると,次のメッセージが表示されて,PAK (Product Authorization Key) を登録するかどうかが尋ねられます。

       If you have Product Authorization Keys (PAKs) to register,
       you can register them now.
    
    Do you want to register any Product Authorization Keys? (Yes/No) [Yes]

    このプロンプトに対して YES と入力すれば,その時点で PAK を登録できます。NO と入力した場合でも,後から登録できます。後から登録する方法については,7.3 項 「ライセンスの登録」を参照してください。

    ここでライセンスを登録する場合は,次の項目を事前に用意してから進めてください。

    • 登録する各ライセンスの PAK

    • ライセンス登録手順について,詳細な情報が網羅されている『HP OpenVMS License Management Utility Manual』

    OpenVMS Integrity オペレーティング・システムでは,1 つの OE (Operating Environment) ライセンスだけで購入したOE にバンドルされているコンポーネントをすべて使用することができます。 ソケット内のすべてのプロセッサ・コアに対してライセンスを受けるには,十分な数の PCL (Per Core License) が必要です。

    OE ライセンスには,システムあるいはパード・パーティションでライセンスされているすべてのソケットを有効にするのに十分な数の PCL が含まれていいなければなりません(後で新たなプロセッサ・コアがシステムやハードパーティションに追加された場合は,それぞれに追加の PCL が必要になります)。 License Management ユーティリティでは,これらの OpenVMS Integrity ライセンス方式をサポートします。 BOE (Base Operating Environment) に OpenVMS の無制限ユーザ・ライセンスが含まれているので,他の OE にもすべて,OpenVMS の無制限ユーザ・ライセンスが含まれています。 詳細は,『HP Operating Environments for OpenVMS for Integrity Servers Software Product Description』(SPD 82.34.xx) を参照してください。

    OpenVMS Alpha オペレーティング・システムは,『HP OpenVMS Alpha Version 8.4 / HP OpenVMS Version 8.4 for Integrity Servers ソフトウェア仕様書』 (SPD 25.C4.xx) で記載されているように,ライセンスを 1 種類以上使用します。

    ライセンスの用語とポリシーについての詳細は,弊社営業所にご連絡いただくか,次の場所にある弊社のソフトウェア・ライセンス情報を参照してください。

    http://licensing.hp.com/slm/welcome.slm

    ここでライセンスを登録しようとしてプロンプトに YES と応答すると,SYS$UPDATE:VMSLICENSE.COM プロシージャが起動されて,次のオプション・メニューが表示されます。

       VMS License Management Utility Options:
         
           1. REGISTER a Product Authorization Key
           2. AMEND an existing Product Authorization Key
           3. CANCEL an existing Product Authorization Key
           4. LIST Product Authorization Keys
           5. MODIFY an existing Product Authorization Key
           6. DISABLE an existing Product Authorization Key
           7. DELETE an existing Product Authorization Key
           8. COPY an existing Product Authorization Key
           9. MOVE an existing Product Authorization Key
          10. ENABLE an existing Product Authorization Key
          11. SHOW the licenses loaded on this node
          12. SHOW the unit requirements for this node
                
          99. Exit this procedure
    
          Type '?' at any prompt for a description of the information 
          requested.  Press Ctrl/Z at any prompt to return to this menu.
         
    Enter one of the above choices [1]

    REGISTER オプションを選択して,必要な PAK をすべて登録できるまで,ライセンス・キーを順次入力します。ライセンスをすべて登録した後,プロンプトに対して 99 と入力し,License Management プロシージャを終了させます。

  17. ウィンドウ環境製品,ネットワーク製品,および関連する製品をインストールする。

    OpenVMS に含まれているオプションの DECwindows GUI (DECwindows Motif for OpenVMS) と,ネットワーク・ソフトウェア (DECnet と TCP/IP) をインストールするかどうかを尋ねられます。インストールするソフトウェアを選択すると,そのソフトウェアと必須ソフトウェアが OpenVMS オペレーティング・システムと一緒にインストールされます。これらのデフォルト製品は,このインストール手順の後の段階でも変更できます。

    注意:

    OpenVMS Integrity のインストールでの表示例を,次に示します。リストされている一部の製品は,OpenVMS Integrity システムでのみサポートされています。

      The following products are part of the OpenVMS installation;
      they will be installed along with the OpenVMS operating sytem:
     
         o Availability Manager (base) for OpenVMS I64
         o CDSA for OpenVMS I64
         o KERBEROS for OpenVMS I64
         o SSL for OpenVMS I64
         o Performance Data Collector (base) for OpenVMS I64
         o HP Binary Checker for OpenVMS I64
         o WBEM Services for OpenVMS (WBEMCIM)
         o WBEM Providers for OpenVMS (WBEMPROVIDERS)
    
      You can also install the following optional products along with the
      OpenVMS operating system:
    
         o DECwindows Motif for OpenVMS I64
         o DECnet-Plus for OpenVMS I64
         o DECnet Phase IV for OpenVMS I64
         o HP TCP/IP Services for OpenVMS
    
      If you want to change your selections, you can do so later in the
      installation by answering "NO" to the following question:
                                    
          "Do you want the defaults for all options?"    
    
      Do you want to install DECwindows Motif for OpenVMS I64 V1.6? (Yes/No) [Yes]  Y

    OpenVMS のグラフィカル・ユーザ・インタフェースをインストールする場合はこのプロンプトに対して YESを,またインストールが不要であれば NO と入力します。ただし,インストールする場合は,OpenVMS のグラフィカル・ユーザ・インタフェースを使用できるハードウェアがあることと,適切なライセンスがあることを確認してください。

    オプションのソフトウェア製品は,OpenVMS をインストールした後で個別にインストールすることもできます。

    注意:

    OpenVMS V8.3 から,DECwindows のクライアント・ファイルは DWMOTIF_SUPPORT キットに含まれて提供されるようになりました (V8.3 より前のバージョンでは,DECwindows のクライアント・ファイルは OpenVMS オペレーティング・システム・キットに含まれていました)。OpenVMS をインストールすると,DWMOTIF_SUPPORT キットも自動的にインストールされます。インストール中に,DWMOTIF_SUPPORT キットの名前が他の製品と一緒に表示されます。

    OpenVMS のインストール・メニューには,ネットワーク・ソフトウェアとして DECnet-Plus for OpenVMS または DECnet Phase IV for OpenVMS をインストールするための選択オプションがあります。これら 2 つのソフトウェアを同じシステムへ同時にインストールしておくことはできません。これらの DECnet 製品をどちらもインストールしないという選択も可能ですが,その場合は,DECnet に依存している一部の製品に悪影響が出るおそれがあります。

    DECnet-Plus と TCP/IP をシステムにインストールすると,DECnet アプリケーションを TCP/IP ネットワークで実行できるようになります。DECnet over TCP/IP についての詳細は,『DECnet-Plus for OpenVMS Network Management』を参照してください。

    ソフトウェア製品の説明が次のように表示されます。

    Beginning with OpenVMS V7.1, the DECnet-Plus kit is provided with 
    the OpenVMS operating system kit. HP strongly recommends that 
    DECnet users install DECnet-Plus. DECnet Phase IV applications are
    supported by DECnet-Plus.
    
    DECnet Phase IV is also provided as an option.  
    
    If you install DECnet-Plus and TCP/IP  you can run DECnet 
    applications over a TCP/IP network. Please see the OpenVMS 
    Management Guide for information on running DECnet over TCP/IP.    
    
    Do you want to install DECnet-Plus for OpenVMS I64 V8.4? (Yes/No) [YES] 

    DECnet-Plus for OpenVMS のプロンプトに対して NO と入力すると,DECnet Phase IV for OpenVMS をインストールするかどうかを尋ねるプロンプトが表示されます。

    Do you want to install DECnet Phase IV for OpenVMS Integrity V8.4? (Yes/No) [Yes]
    

    最後に,TCP/IP Services for OpenVMS をインストールするかどうかを尋ねるプロンプトが表示されます。

    Do you want to install HP TCP/IP Services for OpenVMS V5.7? (Yes/No) [Yes] Y
    

    注意:

    Instant Capacity (iCAP) (セル・ベースの Integrity サーバでサポートされている),および gWLM や HP SIM などの製品をサポートするためには,TCP/IP Services for OpenVMS をインストールしなければなりません。 Integrity サーバ上で HP SIM を使用して OpenVMS のプロビジョニングを行うと,TCP/IP Services for OpenVMS は自動的にインストールされます。

  18. ヘルプ・テキストの詳細/簡略を選択する (省略可)。

    WBEM Services for OpenVMS のプロンプトに対して応答を入力し終えると,インストールの最終段階に進みます。最初に,詳細な説明が必要かどうかを尋ねるプロンプトが表示されます。

        The installation can provide brief or detailed descriptions.
        In either case, you can request the detailed descriptions by typing ?.
    
    Do you always want detailed descriptions? (Yes/No) [No]

    YES と入力すると,以降のプロンプトで,より詳しい説明が表示されるようになります。

    OpenVMS V8.3 では,OpenVMS の配布メディアに含まれている大半の PCSI キットが,Secure Delivery を使用して署名されています。 各ターゲット・ファイルには,Secure Delivery の検証で使用される,関連するディジタル署名ファイルが含まれています。この検証では,配布元 (この場合は弊社) の認証や,ターゲット・ファイルの内容の検証が行われます。

    ディジタル署名ファイルは,マニフェストとも呼ばれます。このファイルは,ターゲット・ファイルと同じ名前に,拡張子として _ESW を付加した名前 (例: filename.PCSI$COMPRESSED_ESW) になっています。

    OpenVMS Integrity Version 8.4 を配布メディアからインストールするときには,インストールするすべての署名された PCSI キットに対して,インストール・プロシージャが検証を行います。各キットの検証が成功すると,次のようなメッセージが表示されます。

    Version 8.4 よりも前のバージョン:

    Performing product kit validation ...
    %PCSI-I-VALPASSED, validation of
    DKB400:[KITS.CDSA]HP-I64VMS-CDSA-Vnnnn-nnn-n.PCSI$COMPRESSED;1 succeeded
       .
       .
       .

    Version 8.4 以降のバージョン:

    Performing product kit validation ...
    %PCSI-I-HPCVALPASSED, validation of
    DKB400:[KITS.HPBINARYCHECKER]HP-I64VMS-HPBINARYCHECKER-Vnnnn-nnn-n.PCSI$COMPRESSED;1 
    succeeded
       .
       .
       .

    注記: OpenVMS Alpha の CD ブート環境に制限があるため,配布 CD からインストールする際には OpenVMS Alpha キットの検証は行われません。 OpenVMS Alpha システムと OpenVMS Integrity システムはどちらも,署名付き PCSI キット (配布メディアに収録されている他の署名付きキットを含む) を後でインストールする際には検証が行われます 。 また,OpenVMS Alpha システムと OpenVMS Integrity システムはどちらも,DCL の PRODUCT SHOW HISTORY コマンドで,インストールされた製品の検証ステータスを表示することができます。
  19. オプション製品コンポーネントを選択する (デフォルトをすべて受け入れるか,個別に選択する)。

    オペレーティング・システムをインストールする準備が整うと,次のようなメッセージが表示されて,そのことが示されます。

    The following product has been selected:
       HP I64VMS OPENVMS V8.4           Platform (product suite)
     
    
    Configuration phase starting ...
    
       
    You will be asked to choose options, if any, for each selected product and
    for any products that need to be installed to satisfy software dependency   
    requirements.
     
    HP I64VMS OPENVMS V8.4: OPENVMS and related products Platform
     
       COPYRIGHT ...
    
       Hewlett-Packard Development Company, L.P.
    
    Do you want the defaults for all options? [YES]

    オプションを選択するときは,以下の点に注意してください。

    • すべてのオプションをデフォルト値のままで受け入れる場合は,Enter を押します。

      オプションを個別に選択する場合は NO と入力します。例 3-1 「オプション・コンポーネントとサブオプション」に示してある各オプションまたはサブオプションごとに,プロンプトが表示されます。

    • オプション・リストの内容をチェックし,システムの要件と比較します。コンポーネントを個別に選択する場合は,ユーザのニーズへ対応するために必要なコンポーネントを,すべて選択してください。また,一部のコンポーネントには他のコンポーネントのインストールも必要なので,そのコンポーネントのインストールを忘れないように注意してください。

    • 選択すべきかどうか不明なオプションがある場合,そのオプションのプロンプトに対して疑問符 (?) を入力してください。ヘルプ情報が表示されます。

    • 必要なオプションをすべて選択した後でも,選択内容を見なおして,変更することができます。

    • デフォルト値をすべて受け入れると,OpenVMS Management Station ソフトウェアが自動的に OpenVMS システム・ディスクへインストールされます。OpenVMS Management Station ソフトウェアが必要であってもデフォルト値を受け入れない場合は,そのコンポーネント (サーバ・ファイルとクライアント・ファイル) を明示的に選択する必要があります。インストールが完了した後で OpenVMS Management Station を実行できるように OpenVMS システムと PC を準備する手順については,付録 H 「OpenVMS Management Station のセットアップ」 を参照してください。

    • インストールが完了した後で,システムにインストールした OpenVMS オペレーティング・システムのオプション・コンポーネントを変更する場合は,1.4.1.2 項 「PRESERVE オプション」7.12 項 「オペレーティング・システム・ファイルの追加または削除 (省略可)」の説明に従って,インストールを再構成する必要があります。

    • 新しいシステム・ディスクをブートしてログインした後,ドル記号のプロンプト ($) に対して HELP SYS_FILES と入力すると,システム・ファイルごとにその情報を表示することができます。

    注意:

    特に理由がない限り,デフォルトを受け入れて,OpenVMS のオプションをすべてインストールするようお勧めします。OpenVMS とレイヤード・プロダクトは,これらのオプションの多くに,さまざまな形で依存しています。不要と思われるオプションでも,それらをインストールしておかないと,OpenVMS やレイヤード・プロダクトの機能の一部が正しく機能しない可能性があります。

    OpenVMS Integrity のインストールでは,購入した OE の種類によって一部のオプションが利用できない場合もあるので注意してください。 詳細は 『HP OpenVMS Alpha Version 8.4 / HP OpenVMS Version 8.4 for Integrity Servers ソフトウェア仕様書』(SPD 25.C4.xx) を参照してください。

    YES と入力して,デフォルト・オプションをすべて受け入れると,次のようなメッセージが表示されます (具体的な内容は,選択した製品によって異なります)。NO と入力すると,オプションまたはサブオプションごとに,プロンプトが表示されます。

    Availability Manager (base) for OpenVMS I64
        
    CDSA for OpenVMS I64 
    
    KERBEROS for OpenVMS I64
    
    SSL for OpenVMS I64
    
    Performance Data Collector for OpenVMS 
    
    HP Binary Checker for OpenVMS I64
    
    WBEM Services for OpenVMS (WBEMCIM)
      HP I64VMS WBEMCIM V2.91-A070728: HP WBEM Services for OpenVMS
        Copying WBEM Services for OpenVMS Release Notes to SYS$HELP
    ....There are post-installation tasks you must complete.
    
    WBEM Providers for OpenVMS (WBEMPROVIDERS)
    
       HP I64VMS DWMOTIF V1.7: DECwindows Motif
    
        If a Language Variant is installed, refer to the Installation Guide.
    
    
  20. システム・ディスクのインストールを実行する前にオプションを見直して,確定する。

    すべてのプロンプトに応答して,インストール・オプションを選択し終えると,選択した製品の情報が表示されます。この時点で,選択した内容を確認し,必要に応じて変更することができます。オプションを確定すると,製品のインストールが実行され,必要な情報が表示された後,元のメニューに戻ります。

    最初に,オプションを見なおすかどうかを尋ねるプロンプトが表示されます。

    Do you want to review the options? [NO] 

    YES と入力すると,例 3-1 「オプション・コンポーネントとサブオプション」に示すように,選択したオプションとサブオプションがすべて表示されます。NO と入力すると,この後に示してある表示例のように,インストールが続行されます (表示例は,"Execution phase starting ..." というメッセージで始まっています)。

    例 3-1 オプション・コンポーネントとサブオプション

        DECdtm Distributed Transaction Manager
        Support for DECnet-Plus or DECnet for OpenVMS
        Programming Support
            Debugger Utility
            Image Dump Utility
            Macro libraries
            Macro-32 Migration Compiler
            TLB intermediary form of STARLET
            C Object Libraries  1
            C Header Files
            VMS text libraries of Ada declarations
        RMS Journaling Recovery Utility
        System Programming Support
            Delta Debugger
            System Dump Analyzer Utility
            Miscellaneous Symbol Table Files
        OpenVMS Management Station Software -- PC files
        Utilities
            Phone Utility
            Error Log Generator Utility  1
            XPG4 Internationalization Utilities
            World Wide PostScript Printing Subsystem
        Bliss Require Files
        Example Files
        Message Facility Files (HELP/MESSAGE)
        Translated Image Support  
        UETP Files
        DECwindows Server Support
        Delete any obsolete OpenVMS files
        Delete files archived by OpenVMS remedial kits
    
    1

    Alpha のみ

    例 3-1 「オプション・コンポーネントとサブオプション」に示されているオプション・コンポーネントは,OpenVMS V8.4 オペレーティング・システムに含まれているものです。特に明記されていない限り,これらのオプションは OpenVMS Alpha または OpenVMS Integrity のどちらのシステムでも選択できます。オペレーティング・システムと一緒にインストールするコンポーネントとして選択した製品によっては,この表示にそのコンポーネントが追加されている場合もあります。選択したすべてのオプションとサブオプションが表示された後,次のプロンプトが表示されます。

    Are you satisfied with these options? [YES]
    このプロンプトに対して NO と入力すると,オプションとサブオプションの選択を個別に変更することができます (最初の選択でデフォルトをすべて受け入れた場合も同様です)。変更が完了すると,オプションの選択がそれでよいかどうかを確認するためのプロンプトが表示されます。オプションの選択に問題がなければ,YES と入力します。OpenVMS をターゲット・ディスクにインストールする処理が開始されます。 次に,その画面出力の例を示します。
    注意:

    MEMORY CHANNEL で接続したシステムを同時に 2 つインストールすると,次のようなメッセージが 5 秒ごとに表示されることがあります。

                 
     %PMA0 CPU00: 25-SEP-2009 14:58:40 Remote System Conflicts with 
     Known System - REMOTE NODE
     %PMA0 CPU00: 25-SEP-2009 14:58:45 Remote System Conflicts with 
     Known System - REMOTE NODE

    このメッセージは,無視してかまいません。インストールやアップグレードは,通常どおりに進行します。システムを実際のノード名でリブートすれば,このメッセージは表示されなくなります。

    OpenVMS と一緒にインストールされる製品は,OpenVMS Alpha と OpenVMS Integrity とで名前が異なります。たとえば,OpenVMS Integrity のウィンドウ環境製品やネットワーク製品では,常に HP I64VMS product-name の形式 (例: HP I64VMS KERBEROS) で名前が表示されますが,OpenVMS Alpha の製品では,その製品とバージョンによって,次の 3 通りのいずれかの形式で名前が表示されます。

    • HP product-name (例: HP AXPVMS KERBEROS V3.1)

    • DEC product-name (例: DEC AXPVMS DWMOTIF V1.7)

    • CPQ product-name (例: CPQ AXPVMS CDSA V2.3)

    Execution phase starting ...
      
    The following products will be installed to destinations:
        HP I64VMS AVAIL_MAN_BASE V8.4        DISK$I64SYS:[VMS$COMMON.]
        HP I64VMS CDSA V2.3-306              DISK$I64SYS:[VMS$COMMON.]
        HP I64VMS DECNET_PLUS V8.4           DISK$I64SYS:[VMS$COMMON.]
        HP I64VMS DWMOTIF V1.7               DISK$I64SYS:[VMS$COMMON.]
        HP I64VMS DWMOTIF_SUPPORT V8.4       DISK$I64SYS:[VMS$COMMON.]
        HP I64VMS HPBINARYCHECKER V1.0       DISK$I64SYS:[VMS$COMMON.]
        HP I64VMS KERBEROS V3.1-152          DISK$I64SYS:[VMS$COMMON.]
        HP I64VMS OPENVMS V8.4               DISK$I64SYS:[VMS$COMMON.]
        HP I64VMS SSL V1.4-284               DISK$I64SYS:[VMS$COMMON.]
        HP I64VMS TCPIP V5.7                 DISK$I64SYS:[VMS$COMMON.]
        HP I64VMS TDC_RT V2.3-1              DISK$I64SYS:[VMS$COMMON.]
        HP I64VMS VMS V8.4                   DISK$I64SYS:[VMS$COMMON.]
        HP I64VMS WBEMCIM V2.91-A070728      DISK$I64SYS:[VMS$COMMON.]
        HP I64VMS WBEMPROVIDERS V2.0-31      DISK$I64SYS:[VMS$COMMON.]
    
    
    Portion done: 0%..10%..20%..30%..40%..50%..60%..70%..80%..90%
    
    %PCSI-I-PRCOUTPUT, output from subprocess follows ...
    % - Execute SYS$MANAGER:TCPIP$CONFIG.COM to proceed with configuration of
    %   HP TCP/IP Services for OpenVMS.
    % 
    Portion done: 100%

    選択したオプションによっては,この時点で,前出の TCP/IP メッセージなどが表示されることがあります。

  21. 表示されるメッセージを見て,最終的にインストールされた製品と関連情報を確認する。

    インストールが継続され,インストールされた製品とインストール後に必要となる作業について,次の例のように表示されます。 この例中のバージョン番号は,OpenVMS Version 8.4 で実際に出荷される製品のバージョン番号とは必ずしも一致しません。

      
    
    The following products have been installed:
        HP I64VMS AVAIL_MAN_BASE V8.4       Layered Product
        HP I64VMS CDSA V2.3-306             Layered Product
        HP I64VMS DECNET_PLUS V8.4          Layered Product
        HP I64VMS DWMOTIF V1.7              Layered Product
        HP I64VMS DWMOTIF_SUPPORT V8.4      Layered Product
        HP I64VMS HPBINARYCHECKER V1.0      Layered Product
        HP I64VMS KERBEROS V3.1-152         Layered Product
        HP I64VMS OPENVMS V8.4              Platform (product suite)
        HP I64VMS SSL V1.4-284              Layered Product
        HP I64VMS TCPIP V5.7                Layered Product
        HP I64VMS TDC_RT V2.3-1             Layered Product
        HP I64VMS VMS V8.4                  Operating System
        HP I64VMS WBEMCIM V2.91-A070728     Layered Product
        HP I64VMS WBEMPROVIDERS V2.0-31     Layered Product
     
    HP I64VMS OPENVMS V8.4: OPENVMS and related products Platform
     
       HP I64VMS KERBEROS V3.1-152   
     
         Configure and set up Kerberos 
     
         If Kerberos will be run on this system, but has not been
         used previously, you need to perform the following steps.
            
         o Run the Kerberos configuration procedure:
          
           @SYS$STARTUP:KRB$CONFIGURE.COM            
    
         o Add the following line to SYS$MANAGER:SYSTARTUP_VMS.COM:
            
            $ @SYS$STARTUP:KRB$STARTUP
    
         o Add the following line to SYS$MANAGER:SYLOGIN.COM:
    
           $ @SYS$MANAGER:KRB$SYMBOLS
    
    Press RETURN to continue:
    
      HP I64VMS SSL V1.4-284: SSL for OpenVMS I64 V1.4 (Based on OpenSSL 0.9.8h)
    
        There are post-installation tasks that you must complete
    
        after upgrading from previous SSL versions
    
        including verifying startup command procedures and logical names.
           
        Refer to SYS$HELP:SSL014.RELEASE_NOTES for more information.      
     
      HP I64VMS TDC_RT V2.3-1: The Performance Data Collector (base) for OpenVMS
    
        Users of this product require the following privileges:
         (CMKRNL,LOG_IO,WORLD,PHY_IO,SYSPRV,SYSLCK)
    
        Users of this product require the following process resource limits:
         WSQUO minimum 7000
    
        A read-me file is available in SYS$COMMON:[TDC]TDC_README.TXT
         
        Release notes are available in SYS$COMMON:[TDC]TDC_RELEASE_NOTES.TXT
    
      HP I64VMS TCPIP V5.7   : HP TCP/IP Services for OpenVMS.
     
        Check the release notes for current status of the product. 
  22. インストール・プロシージャでブート・オプションが自動的に作成され,検証される (Integrity のみ)

    OpenVMS Integrity をインストールする場合に,手順 8 でブート・オプションの作成と検証を行うように指定したときは,その時点でプロシージャがブート・オプションを作成して,検証を行います。

    • 手順 8 で NO と応答した場合は,次のメッセージが表示されます。

      If there is an existing boot option that was used to boot this
      system disk, you may be able to use it.  Otherwise, you will have
      to use the EFI Shell the first time that you boot the newly
      installed system.  After booting, use the OpenVMS I64 Boot Manager
      to create a Boot Option.  To do this log in to a privileged
      account and execute this command:
      
         $ @SYS$MANAGER:BOOT_OPTIONS

      続いて,インストールの完了通知と,Return (または Enter) キーを押して処理を続行するように促すプロンプトが表示されます。キーを押すと,OpenVMS のメイン・メニューに戻ります。OpenVMS のメイン・メニューでオプション 8 (「Execute DCL commands and procedures」) を選択し,DCL のプロンプト ($$$) に対してコマンドを入力すれば,OpenVMS Integrity Boot Manager ユーティリティを起動できます。

    • 手順 8 で YES と応答した場合は,システム・ディスク (DKB400 など) がブート・エントリに存在するかどうかが調べられます。

      • エントリが見つかると,次のようなメッセージが表示されます。

            The EFI Boot Manager menu includes the following boot option(s)
            for DKB400:
        
        EFI Boot Options list:    Timeout = 0 secs.
        ----------------------------------------------------------------------
        01.  DKB400 PCI(0|20|1|0)  Scsi(Pun1,Lun0)  "OpenVMS on DKB400: PKA0.1"
        ----------------------------------------------------------------------
        1 entries found.

        この例では,ブート・オプションが 1 つ検出されています。エントリが複数個検出されて,それらがすべて SCSI デバイスであった場合は,次のメッセージが表示され,続いてインストールが正常に行われたことが知らされます。

        Please use the OpenVMS I64 Boot Manager to ensure that you 
        have a valid boot option for the system you have just installed.

        検出されたエントリが 1 つであった場合と,ファイバ・チャネル・デバイスのエントリが複数個検出された場合は,ブート・オプションが次のように検証されます。この例では,検出されたエントリによるブートが失敗して,修正と検証が行われています。

        Validate EFI Boot Options list:    Timeout = 0 secs.
        -------------------------------------------------------------------
           1 OpenVMS on DKB400: PKA0.1
              DKB400 PCI(0|20|1|0) Scsi(Pun1,Lun0)  
              efi$bcfg: Option Failed.  Fixing Boot Entry automatically.
                
         efi$bcfg: Entry 1 Boot0001 removed.
         efi$bcfg: DKB400 PCI(0|20|1|0) Scsi(Pun1,Lun0)  (Boot0001) Option
         successfully added 
        -----------------------------------------------------------------------
        1 entries validated.

      • エントリがなかった場合は,ブート・オプションが作成され,次の例のような検証情報が表示されます。

        efi$bcfg: DKB400: (Boot0003)  Option successfully added
        
            The Boot Option is called OpenVMS on DKB400:;
            it is the first entry in the Boot Options menu, and is
            configured (by default) to boot from SYS0.
        
        VMS_FLAGS are set to -fl 0,30000

  23. インストールがすべて終了し,OpenVMS メニューに戻る。

    インストールが終了し,新しくインストールしたシステムを初めてブートすると特殊な起動プロシージャが実行されることになりますが,ここでそのプロシージャに関する情報が表示されます。続いて,Return (または Enter) を押して処理を続行するように促すプロンプトが表示されます。キーを押すと,OpenVMS オペレーティング・システムのメニューに戻ります。次に,その画面出力の例を示します。

       The installation is now complete.
    
       When the newly installed system is first booted, a special
       startup procedure will be run.  This procedure will:
    
           o  Configure the system for standalone or OpenVMS Cluster operation.
           o  Run AUTOGEN to set system parameters.
           o  Reboot the system with the newly set parameters.
    
    
        You may shut down now or continue with other operations.
    
    
      Process I64VMS_INSTALL logged out at 25-SEP-2009 14:45:49.54
    
     Press Return to continue...
    
      ****************************************************************
    
      You can install or upgrade the OpenVMS I64 operating system
      or you can install or upgrade layered products that are included
      on the OpenVMS I64 distribution media (CD/DVD).
        
      You can also execute DCL commands and procedures to perform
      "standalone" tasks, such as backing up the system disk.
        
      Please choose one of the following:
    
        1)  Upgrade, install or reconfigure OpenVMS I64 Version 8.4
        2)  Display layered products that this procedure can install
        3)  Install or upgrade layered products
        4)  Show installed products
        5)  Reconfigure installed products
        6)  Remove installed products
        7)  Find, Install or Undo patches; Show or Delete recovery data
        8)  Execute DCL commands and procedures
        9)  Shut down this system      
        
    Enter CHOICE or ? for help: (1/2/3/4/5/6/7/8/9/?)

  24. システムをシャットダウンする。

    新しいシステム・ディスクをブートする前に別の操作を行う必要がなければ,次の例のように OpenVMS メイン・メニューでシャットダウン・オプション (9) を選択してオペレーティング・システムをシャットダウンします。この時点でまだインストールしていないレイヤード・プロダクトがあれば,OS のインストールが完了した後にインストールすることをお勧めします。7.15 項 「レイヤード・プロダクトのインストールと構成 (新規にインストールした場合と,一部のアップグレード)」を参照してください。

    Enter CHOICE or ? for help: (1/2/3/4/5/6/7/8/9/?)  9
    
        Shutting down the system
    
            SYSTEM SHUTDOWN COMPLETE
    
    

    インストールを完了させてシステムをシャットダウンすると,新しくインストールしたオペレーティング・システムをディスクからブートすることができます。ブート手順は3.5.2 項 「OpenVMS Integrity システム・ディスクのブート」を参照してください。OpenVMS Integrity をインストールした場合は,システム・ディスクをブートする前に,必ず DVD をドライブから取り出してください。

3.5 新しい OpenVMS システム・ディスクのブート

OpenVMS オペレーティング・システムのインストールが完了したら,次の手順として,新しいシステム・ディスクをデフォルトのブート・デバイスにします。OpenVMS Alpha システムの場合は,3.5.1.1 項 「OpenVMS Alpha システムのデフォルト・ブート・デバイス指定」を参照してください。OpenVMS Integrity システムの場合は,3.4.3 項 「オペレーティング・システム・メニューのオプション 1 による OpenVMS のインストール」手順 21 でこの操作が完了していれば,3.5.2 項 「OpenVMS Integrity システム・ディスクのブート」の手順を実行することで,OpenVMS Integrity システム・ディスクをブートできます。

OpenVMS Alpha システム・ディスクをブートする手順については,3.5.1 項 「OpenVMS Alpha システム・ディスクのブート」を参照してください。

3.5.1 OpenVMS Alpha システム・ディスクのブート

OpenVMS Alpha システム・ディスクをブートする場合は,最初に3.5.1.1 項 「OpenVMS Alpha システムのデフォルト・ブート・デバイス指定」の手順を実行して,新しいシステム・ディスクをデフォルトのブート・デバイスに指定しておきます。その後,3.5.1.2 項 「新しいシステム・ディスクのブート方法」の手順に従って,ブートを実行します。

3.5.1.1 OpenVMS Alpha システムのデフォルト・ブート・デバイス指定

新しいシステム・ディスクをブートする前に,次の手順を実行します。

  1. Ctrl/P (または Halt) を押してシステムを停止させます。Alpha コンピュータの停止方法についての詳細は,付録 A 「OpenVMS Alpha システムのブートとシャットダウン」 を参照してください。

  2. コンソール・プロンプト (>>>) に対して,次の形式で SET BOOTDEF_DEV コマンドを実行します。

    SET BOOTDEF_DEV target-drive

    target-drive には,システム・ディスクのドライブ名を指定します。SET BOOTDEF_DEV コマンドを実行すると,ブートに使用するディスクがシステムに登録されます。たとえば,システム・ディスクのドライブ名が DKA400 であれば,次のコマンドを入力して Enter を押します。

    >>>  SET BOOTDEF_DEV DKA400

    システム・ディスクが階層型ストレージ・デバイス (HSx) に接続されている場合は,ドライブの指定形式が異なります。たとえば,HSC デバイスに接続されている DEC 7000 シリーズ・システムでは,次のような形式でコマンドを実行します。

    >>>  SET BOOTDEF_DEV DUA20.14.0.2.0

    デフォルト・ブート・デバイスの設定と表示についての詳細は,付録 A 「OpenVMS Alpha システムのブートとシャットダウン」 を参照してください。

3.5.1.2 新しいシステム・ディスクのブート方法

システム・ディスクをブートするには,次のように入力して Enter を押します。

>>>  BOOT -FLAGS 0,0

システムのブートが開始されると,最初に次のようなメッセージが表示されます。

OpenVMS (TM) Alpha Operating System, Version 8.4

Installing required known files...

Configuring devices...
(c) Copyright 1976-2006 Hewlett-Packard Development Company, L.P.

3.5.2 OpenVMS Integrity システム・ディスクのブート

以下に,新しい OpenVMS Integrity システム・ディスクのブート手順を説明します。この手順と特殊なブート操作についての詳細は,B.6 項 「ブート操作」 を参照してください。vMedia を使用して OpenVMS システム・ディスクをブートすることもできます。D.2 項 「HP SIM とは別に単独での vMedia の使用」を参照してください。

注意:

システム・ディスクをブートする前に,必ず DVD を DVD/CD ドライブから取り出してください。

システム・ディスクのブート方法は,システムのブート・オプションとしてそのシステム・ディスクを設定したかどうかで異なります。

  • システムのブート・オプションとして新しいシステム・ディスクを構成した場合は,EFI Boot Manager のメニューにそのシステム・ディスクがブート・オプションの 1 つとして表示されます。システム・ディスクを選択して Enter キーを押します。システム・ディスクが EFI Boot Manager のメニューに最初のオプションとして表示されている場合は,キーを押さなくても,10 秒経過した時点で自動的にブートが開始されます。

  • システム・ディスクのブート・オプションとして新しいシステム・ディスクを構成していない場合は,以下の手順に従ってください。

    1. Enter または他の任意のキーを押します (いずれかのキーを押してコールド・リブートするように指示するメッセージが表示される場合もあります)。ブート関連のメッセージがいくつか表示された後,EFI Boot Manager のメニューが表示されます。

    2. EFI Boot Manager のメニューで EFI Shell [Built-in] オプションを選択し,EFI の Shell プロンプトに移動します (このオプションは,EFI がタイムアウトするまで選択を行わないと,自動的に選択されることがあります)。次のような出力が表示されます。この出力に含まれている 2 種類のデバイス (blk および fs) については,例の後に説明してあります。

      ブートオプションの EFI での表示
      fs

      fs デバイスとは,Integrity サーバ・システムの物理ディスクに作成された,ファイル構造を持つ論理パーティションのことです。ブート可能なパーティションや診断パーティションを持つ各ボリュームには,fs デバイスが 1 つ以上存在します。OpenVMS Integrity をインストールしたターゲット・ディスクには,通常,fs0: が対応しています (インストール後に DVD を取り出していない場合は,fs1: がターゲット・ディスクに対応します)。たとえば,ターゲット・ディスクが DKA0 の場合は,fs0: が 最も高い確率でそのターゲット・ディスクに対応します。一方,ターゲット・ディスクが DKA100 や DKB200 などのデバイスである場合は,そのターゲット・ディスクに構成されているパーティションによって,対応する EFI デバイスも異なります。

      blk

      blk デバイスは,ブロック・デバイスです。ブート可能なパーティションや診断パーティションを持つ各ボリュームには,blk デバイスが複数個存在します。これらのデバイスには,DVD デバイスや,OpenVMS システム・ディスクの診断パーティションが含まれる場合もあります。診断パーティションは,弊社サービス用に予約されています (診断パーティションについての詳細は,付録 J 「別方法によるシステム・ディスクの初期化」 を参照してください)。

    3. EFI の Shell プロンプトに対して次のコマンドを実行し,OpenVMS Integrity システム・ディスクをブートします。fsn: には,システム・ディスクに関連付けられているデバイス (通常は fs0:) を指定してください。

      Shell> fsn:\efi\vms\vms_loader.efi

      OpenVMS Integrity オペレーティング・システムのブートが開始されます。次のようなメッセージが表示され,続いてユーザ名とパスワードの入力が求められます。

       HP OpenVMS Industry Standard 64 Operating System, Version 8.4
        (c) Copyright ... Hewlett-Packard Development Company, L.P.

      HP Integrity サーバでは,システム・イベント・ログ (SEL) をシステム・コンソール・ストレージ内に保持しています。この SEL の内容は,OpenVMS Integrity によって OpenVMS のエラー・ログへ自動的に転送されます。マシンによっては,コンソールを使用したブートが正常に進行していても,BMC (Baseboard Management Controller) SEL に空きがなくなったことを示すメッセージが表示されることがあります。しかし,プロンプトに従っていれば,OpenVMS によって SEL の内容が処理されるため,安全にブートを継続できます。

3.5.3 次の手順

新しいシステム・ディスクから OpenVMS をブートすると,特殊な起動プロシージャが実行されて,次の処理が行われます。

システムが新しいパラメータでリブートすると,SYSTEM アカウントでログインできるようになります。ログインの方法については,3.9 項 「SYSTEM アカウントでのログイン」を参照してください。Integrity サーバで OpenVMS をインストールするときにシステム・ディスクのブート・オプションを自動作成しなかった場合は,この時点でブート・オプションをセットアップできます。B.5 項 「Integrity サーバでの OpenVMS のブートの設定と管理」を参照してください。付録 B 「OpenVMS Integrity のハードウェア操作およびブート操作の構成と,システムのブートおよびシャットダウン」 にも,HP Integrity サーバのセットアップとブートに関するその他の情報が記載されています。

3.6 OpenVMS Cluster への追加

インストレーション時に,そのノードを OpenVMS クラスタに追加するかどうかを指定するためのプロンプトが表示されます。 NO と応答し,そのノードをクラスタ・メンバとして追加しない場合は,3.7 項 「AUTOGEN の実行」 へ進んでください。

OpenVMS Cluster への参加プロンプトに対し NO と応答したが,このノードを新しいあるいは既存の OpenVMS Cluster に参加させる予定がある場合は,インストレーション作業の最後に行なわれるシステム・リブート後に設定することができます。 クラスタ構成ユーティリティは手動で実行する必要があります。 OpenVMS Alpha システムの場合は,次のコマンドで OpenVMS Cluster に手動でノードを追加することができます。

$ @SYS$MANAGER:CLUSTER_CONFIG

OpenVMS Integrity システムでは,クラスタ構成ユーティリティは,次のコマンドで実行します。

$ @SYS$MANAGER:CLUSTER_CONFIG_LAN

クラスタの構成についての詳細は,『HP OpenVMS Cluster システム』または『HP OpenVMS Cluster 構成ガイド』を参照してください。

OpenVMS Cluster に参加するかどうかについての質問に YES と応答した場合,システムは,構成のための情報に関するプロンプトを表示します。 表 3-2 「OpenVMS Cluster を構成するときに表示されるプロンプト」 に,OpenVMS Cluster に関するプロンプトと応答方法について説明します。 これらのプロンプトは,OpenVMS Cluster への参加に関する質問に YES と応答した場合,あるいは手動で SYS$MANAGER:CLUSTER_CONFIG.COM または SYS$MANAGER:CLUSTER_CONFIG_LAN.COM を実行した場合に表示されます。 なお,プロンプトに対する応答あるいはクラスタの構成によっては,一部のプロンプトは表示されません。

表 3-2 OpenVMS Cluster を構成するときに表示されるプロンプト

プロンプト応答方法

Will this node be a cluster member (Y/N)?

Y と入力する。

What is the node's DECnet node name?

DECnet ノードの名前を入力する (MYNODE など)。DECnet ノードの名前は長さが 1 文字から 6 文字の英数字文字列。ドル記号 ($) や下線 (_) の使用は不可。インストール・プロシージャの手順 12 で指定した名前。

What is the node's DECnet node address?

DECnet ノードのアドレスを入力する (2.2 など)。インストール・プロシージャの手順 13 で指定したアドレス。

Will the Ethernet be used for cluster communications (Y/N)? (Alpha のみ)

CI だけのクラスタまたは DSSI だけのクラスタの場合は N を入力する。それ以外の場合は Y を入力する[1]

Enter this cluster's group number:[2]

1 から 4095 または 61440 から 65535 の範囲で番号を入力する。

Enter this cluster's password:[2]

クラスタのパスワードを入力する。パスワードは 1 文字から 31 文字の英数文字列で,記号としてドル記号 ($) と下線 (_) が使用可能。

Reenter this cluster's password for verification:

パスワードを再入力する。

Will MYNODE be a disk server (Y/N)?

ローカル・ディスクをクラスタ内で共用可能にする場合は Y と入力する (ローカル・エリア構成と複合インターコネクト構成では必須)。クラスタでのディスクの共用については,『HP OpenVMS Cluster システム』を参照のこと。

Will MYNODE serve RFxx disks (Y)? (Alpha のみ)

そのようなディスクが存在する場合は,使用している DSSI 構成に適した応答を入力する。

Enter a value for MYNODE's ALLOCLASS parameter.

OpenVMS Cluster 環境で,ノードが他のメンバに DSSI ディスクまたは CI ディスクを提供している場合や,システムでボリュームをシャドウイングする場合は,割り当てクラスの値としてゼロを使用できない。どちらの場合も,ALLOCLASS の値は 1 から 255 の範囲でなければならない。

『HP OpenVMS Cluster システム』のクラスタ・ストレージ・デバイスについての章を十分に参照のこと。このドキュメントには,割り当てクラスの値の指定に関するルールも記載されている。

Does this cluster contain a quorum disk (Y/N)?

接続方法の構成が CI だけ,SCSI,ローカル・エリア,または複合インターコネクトである場合は,その構成に応じて Y または N を入力する。DSSI システムでは通常,Y を入力する。ただし,既存のクラスタに 2 システム DSSI 構成を追加する場合 (この場合はクォーラム・ディスクが不要になることもある) は,N と入力することもできる。Y を入力した場合は,続いて表示されるプロンプトに対してクォーラム・ディスクのデバイス名を入力する。 クォーラム・ディスクについては,『HP OpenVMS Cluster システム』を参照のこと。

[1] FDDI デバイスで構成したローカル・エリア OpenVMS Cluster システム内の通信では,Ethernet が不要な場合もあります。また,特定の DSSI (Digital Storage Systems Interconnect) や CI (コンピュータ・インターコネクト) を使用した複合インターコネクトの通信では,Ethernet も FDDI も通信に必要ありません。構成がこれらに該当する場合は,プロンプトに対して N を入力してください。

[2] LAN を使用するクラスタ・ノードには,クラスタのグループ番号とパスワードが必要です。複合インターコネクトを使用するクラスタでクラスタの番号とパスワードを必要とするインターコネクトが存在する場合は,すべてのノードにクラスタ番号とパスワードを設定する必要があります。

 

3.7 AUTOGEN の実行

ここまでくると,システムが AUTOGEN を自動的に実行し,ハードウェア構成の評価と,代表的なワークロードの予測を行います。AUTOGEN では,システム・パラメータ,ページ・サイズ,スワップ・ファイル,ダンプ・ファイル,および VMSIMAGES.DAT の内容も設定します。AUTOGEN の実行が完了して,システムがリブートすると,インストール・プロシージャが完了します。

画面には,次のような出力が表示されます。

    AUTOGEN will now be run to compute the new system parameters.  The system
    will then shut down and reboot, and the installation or upgrade will be
    complete.

    After rebooting you can continue with such system management tasks as:

         Decompressing the System Libraries (not necessary on OpenVMS I64)
         Configuring networking software (TCP/IP Services, DECnet, other) 
         Using SYS$MANAGER:CLUSTER_CONFIG.COM to create an OpenVMS Cluster
         Creating FIELD, SYSTEST, and SYSTEST_CLIG accounts if needed

%AUTOGEN-I-BEGIN, GETDATA phase is beginning.
%AUTOGEN-I-NEWFILE, A new version of SYS$SYSTEM:PARAMS.DAT has been created.
        You may wish to purge this file.
%AUTOGEN-I-END, GETDATA phase has successfully completed.
%AUTOGEN-I-BEGIN, GENPARAMS phase is beginning.
%AUTOGEN-I-NEWFILE, A new version of SYS$MANAGER:VMSIMAGES.DAT has been created.
        You may wish to purge this file.
%AUTOGEN-I-NEWFILE, A new version of SYS$SYSTEM:SETPARAMS.DAT has been created.
        You may wish to purge this file.
%AUTOGEN-I-END, GENPARAMS phase has successfully completed.
%AUTOGEN-I-BEGIN, GENFILES phase is beginning.
%SYSGEN-I-EXTENDED, SYS$SYSROOT:[SYSEXE]PAGEFILE.SYS;1 extended
%SYSGEN-I-EXTENDED, SYS$SYSROOT:[SYSEXE]SWAPFILE.SYS;1 extended
%SYSGEN-I-CREATED, SYS$SYSROOT:[SYSEXE]SYSDUMP.DMP;1 created

%AUTOGEN-I-REPORT, AUTOGEN has produced some informational messages that
        have been stored in the file SYS$SYSTEM:AGEN$PARAMS.REPORT.  You may
        wish to review the information in that file.

%AUTOGEN-I-END, GENFILES phase has successfully completed.
%AUTOGEN-I-BEGIN, SETPARAMS phase is beginning.
%AUTOGEN-I-SYSGEN, parameters modified
%AUTOGEN-I-END, SETPARAMS phase has successfully completed.
%AUTOGEN-I-BEGIN, REBOOT phase is beginning.

The system is shutting down to allow the system to boot with the 
generated site-specific parameters and installed images.
注意:

ブートして AUTOGEN が実行されると,DECwindows を起動した時にメッセージがいくつか表示されます。これらのメッセージの意味と回避方法については,『日本語 HP DECwindows Motif for OpenVMS リリース・ノート』を参照してください。

3.8 AUTOGEN 終了後のリブート

AUTOGEN の実行が終了すると,次のようなメッセージが表示され,システムは自動的にシャットダウンします。

The system will automatically reboot after the shutdown and the
installation will be complete.



     SHUTDOWN -- Perform an Orderly System Shutdown
                 on node I64CSI

%SHUTDOWN-I-BOOTCHECK, performing reboot consistency check...
%SHUTDOWN-I-CHECKOK, basic reboot consistency check completed
  .
  .
  .

インストレーションの後,OpenVMS Alpha システムは自動的に再起動されます。 Alpha システムが自動的にリブートされない場合は,手動でリブートしてください。 たとえば,システム・ディスクが DKA400 の場合,次のコマンドを入力して Enter を押します。

>>> BOOT DKA400

OpenVMS Integrity システムの場合は,シャットダウン後に自動的にリブートされるのは,システム・ディスクのブート・オプションをそのように設定してある場合だけです。 それ以外の場合は,3.5.2 項 「OpenVMS Integrity システム・ディスクのブート」の説明に従って,手動でシステムをブートする必要があります。

システムがリブートすると,次の例に示すようなメッセージと情報が表示されるので,OpenVMS オペレーティング・システムのブートが完了して,使用できる準備が整ったことがわかります。次に,その例を示します。

%SET-I-INTSET, login interactive limit = 64, current interactive value = 0
  SYSTEM       job terminated at  25-SEP-2009 14:51:23.47
   Accounting information:
   Buffered I/O count:            2177     Peak working set size:    6848
   Direct I/O count:              1358     Peak page file size:    179552
   Page faults:                   1805     Mounted volumes:             0
   Charged CPU time:     0 00:00:13.37     Elapsed time:    0 00:01:06.20

3.9 SYSTEM アカウントでのログイン

この節では,キャラクタセル・ターミナルとワークステーションから SYSTEM アカウントでログインする方法を説明します。

3.9.1 キャラクタセル・ターミナルからのログイン

キャラクタセル・ターミナルからログインする場合は,ユーザ名 SYSTEM とそのパスワードを続けて入力します。次に,その画面出力の例を示します。


        OpenVMS I64 Operating System, Version 8.4

Username: SYSTEM                                    
Password: 
  .                                       
  .
  .
   OpenVMS I64 Operating System, Version 8.4 

OpenVMS Integrity で SYSTEM アカウントのパスワードを忘れてしまった場合は,B.6.12 項 「緊急ブート」の説明に従って,緊急ブートを実行します。 OpenVMS Alpha で SYSTEM アカウントのパスワードを忘れてしまった場合は,A.1.9 項 「緊急時のブート」を参照してください。

3.9.2 ワークステーションからのログイン

ワークステーションに DECwindows Motif for OpenVMS ソフトウェアをインストールした場合は,ログイン・ウィンドウが画面に表示された後,次の手順に従ってログインします。

  1. ユーザ名 SYSTEM を入力して Tab を押した後,パスワードを入力します。

  2. Enter を押すか,マウスで [OK] をクリックします。

  3. この時点で,DECterm セッションを作成したり,その他の管理機能を開始したりすることができます。DECterm セッションの作成については,『DECwindows Motif for OpenVMS Applications Guide』を参照してください。

3.10 インストール後の作業

OpenVMS オペレーティング・システムのインストールが正常に完了して,SYSTEM アカウントでログインできるようになっても,システムを使用する前にいくつかの作業を行う必要があります。詳細については,第7章 「OpenVMS オペレーティング・システムのインストール後またはアップグレード後の作業」を参照してください。

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