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HP OpenVMS CIFS Version 1.2 ECO1: 管理者ガイド第5章 LDAP統合のサポート |
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目次 この章では,HP CIFS ServerのLDAP統合について説明します。 LDAP の利点,パスワード・バックエンドとして LDAP を使用するように HP CIFS Server ソフトウェアを構成する手順などについても説明します。 LDAP (Lightweight Directory Access Protocol)とは,集中管理インフラストラクチャを構築するための枠組みを提供するものです。LDAPは,アプリケーション,サービス,ユーザアカウント,Windowsアカウント,および構成情報を集中管理するためのLDAPディレクトリに統合することによって,ディレクトリ対応のコンピューティングをサポートします。 多数のユーザとサーバーを抱えた環境で HP CIFS を使用する場合は,HP CIFS ServerとLDAPサポートを統合することが望ましい場合があります。 複数のCIFSサーバーがLDAPディレクトリサーバーと通信できるように構成することにより,ユーザ・データベースを集中的かつスケーラブルに管理できるようになります。 HP CIFS Server を OpenVMS 上の LDAP 製品と統合する場合,HP CIFS Server は Enterprise Directory Server 上にユーザアカウント情報を保管することができます。 LDAP データベースは tdbsam あるいは NT サーバーのユーザ・データベースに取って変わることができます。 これまでpassdb.tdbファイルに格納されていたWindowsユーザ情報をLDAPディレクトリに格納することができます。 LDAP パスワード統合機能を使用するように HP CIFS Server が構成されている場合,SMBD プログラムは 認証および承認処理の際に LDAP ディレクトリを使用して Windows ユーザ情報を調べることができます。 また,ユーザ情報の追加,削除,変更のために pdbedit プログラムを起動する際,tdbsam バックエンドが使用する passdb.tdb ファイルではなく,LDAP ユーザ・データベースのアップデートが行われます。 LDAPサポートは,HP CIFS Serverの構成パラメータを使用することで有効にすることができます。 SMB.CONF の passwd backend パラメータに ldapsam を設定している場合,HP CIFS Server は LDAP ディレクトリサーバーにあるパスワード,ユーザ,グループ,およびその他のデータにアクセスします。 LDAPをサポートするHP CIFS Serverには次の特長があります。
HP CIFS Serverは,さまざまなネットワーク環境をサポートしています。WINS,ブラウザ制御,ドメイン・ログオン,ローミングプロファイルなど,多くの機能は引き続き利用可能であり,さまざまなネットワーク環境をサポートできます。LDAP統合により,HP CIFSユーザ認証のための新たな解決策が利用できるようになります。 PDCはWindows認証を担当しているため,PDCとして構成されたHP CIFS Serverは,tdbsamをLDAP対応のディレクトリサーバーに置き換えてWindows認証を実現します。Sambaに関するその他の構成項目は変更する必要はありません。 BDC もまた Windows 認証に使用されるため,BDC として構成された HP CIFS Servers は,ユーザ認証のために LDAP ディレクトリにアクセスできます。 BDC では SMB.CONF の domain master パラメータを no に設定できる点を除き,BDC の構成は PDC の構成と似ています。 ドメインモデルのネットワーク環境でメンバーサーバーとして動作する HP CIFS Server は,個々の Samba 構成を変更することなくそれぞれメンバーサーバーとして動作し続けることができます。 Windows の認証要求は,LDAP を使用しているか tdbsam を使用しているかに関係なく,引き続き PDC によって管理されます。 メンバーサーバー ( security = domain ) が LDAP を使用するように構成されている場合,PDC 経由で認証を行おうとします。 PDC 認証が失敗した場合,自身の SMB.CONF 構成ファイルに設定されている LDAP ディレクトリサーバー経由で直接認証を試みます。 LDAP が有効になっている場合,ユーザモードの認証が失敗すると,認証は LDAP サーバーにフェール・バックします。 スタンドアロンのユーザモード・サーバーとして構成されたHP CIFS Serverは,tdbsamをLDAPディレクトリサーバーに置き換えることができます。 LDAP統合により,複数のHP CIFS Serverが単一のLDAPディレクトリサーバーを共有できるようになり,ユーザ・データベースを集中管理できます。HP CIFS Serverは,LDAPディレクトリにアクセスしてWindowsのユーザ情報を検索し,ユーザ認証を行うことができます。 図 5-1 は,LDAPネットワーク環境でのCIFS認証を示しています。 図 5-1 「LDAP統合によるCIFS認証」 に示された,Windows PC,CIFS Server,およびLDAPディレクトリサーバーの間で行われるユーザ認証のためのメッセージ交換について以下に説明します。
ここでは,HP OpenVMS Enterprise Directory の設定および構成方法について説明します。 まだインストールされていない場合は,HP OpenVMS Enterprise Directory Server を設定する必要があります。 Directory Server のインストール方法については,『HP OpenVMS Enterprise Directory Installing』を参照してください。 HP OpenVMS Enterprise Directory は,HP CIFS で LDAP バックエンドをサポートするために Samba Schema ファイルでアップデートされています。 これは,HP OpenVMS Enterprise Directory が HP CIFS の LDAP バックエンドとして動作するのを想定したものです。 LDAP の構成方法については,『HP OpenVMS Enterprise Directory Management Guide』を参照してください。 HP CIFS パスワード・バックエンドとして LDAP を構成する手順は以下のとおりです。
HP CIFS Server で LDAP 機能のサポートを有効にするために,LDAPサーバーにアクセスする際に次のコマンドを使用して, 5.3.2 項 「Directory Server の構成」 手順3で作成したLDAP の admin アカウントのパスワードをHP CIFS で使用するために SAMBA$ROOT:[PRIVATE]SECRETS.TDB ファイルに追加し,HP CIFS Server の設定および構成を行なう必要があります。 smbpasswd -"W" <ldap-admin-password> 表 5-1に示すのは,LDAP を有効にして HP CIFS Server を構成する際に使用できる新しいグローバルパラメータです。 これらのパラメータは,SAMBA$ROOT:[LIB]SMB.CONF ファイルの global セクションで設定します。 ここで定義したグローバル設定は,LDAPサポートを備えたHP CIFS Serverによって使用されます。 表 5-1 LDAP関連のグローバルパラメータ
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