日本−日本語 |
|
|
HP OpenVMS CIFS Version 1.2 ECO1: 管理者ガイド第9章 共有の管理 |
|
目次 この章では,以下の内容について説明します。 共有の管理では,ディスク (ディレクトリ) 共有とプリンタ共有に関する情報を提供します。 プリンタの管理では,クライアントにおけるプリント・キューの追加,プリンタ・ドライバ・ファイルのアップロード,プリンタの追加について扱います。 第10章 「ファイルとプリントのセキュリティ」 で, ディレクトリ共有およびプリント共有におけるセキュリティの確立方法について説明します。 この節では,SAMBA$ROOT:[BIN]SAMBA$MANAGE_CIFS.COM ユーティリティを使用して,あるいは HP CIFS Server 構成ファイルを手動で編集して,ディスク (ディレクトリ) 共有およびプリント共有を管理する方法について情報を提供します。 この節で説明する方法で,ディスク共有およびプリント共有を一覧表示,追加,修正,および削除することができます。 SAMBA$ROOT:[BIN]SAMBA$MANAGE_CIFS.COM ユーティリティは, HP CIFS Server 構成ファイル SMB.CONF で定義されている共有を表示,追加,修正,あるいは削除するのに使用できます。
HP CIFS Server 管理ユーティリティを起動するには,以下のコマンドを実行します。
あるいは下記のコマンドを実行します。
これにより HP OpenVMS CIFS Server Management Main Menu が表示されます。 このメイン・メニューからオプション 1 の Manage Shares を選択すると, 次のような HP CIFS Server 共有管理メニューが表示されます。
オプション 1 の List Shares を選択すると,隠されていない (browseable=yes と設定されている) すべてのディレクトリ共有およびプリント共有を表示できます。 たとえば,Enter share management option: プロンプトで 1 を選択すると,次のような出力が表示されます。
オプション 2 の List a share detail を使用すると,特定の共有に設定された構成パラメータとそれらの値を表示できます。
このオプションは,隠された (browseable=no が設定された) 共有を表示するためにも使用できます。 SAMBA$MANAGE_CIFS.COM ユーティリティを使用して, 共有の追加および以下の構成パラメータの修正が可能です。
オプション 3 の Add share を使用すると, SMB.CONF 構成ファイルに共有定義を追加することができます。 この際,ユーティリティは,次のような共有タイプに関するプロンプトを表示します。
ディスク共有を追加する場合はデフォルトのオプション D を選択します。 プリント共有を追加する場合は P を入力します。 ディスク共有オプションが選択された場合,次のようなメニューが表示されます。
Share name および Share path は必須フィールドで,それ以外のフィールドはすべてオプション・フィールドです。 オプション 11. Inherit RMS protection が no の場合は,Done を指定して表示された値を受け入れた後, マスク・パラメータとモード・パラメータを修正するためのメニューが表示されます。
プリント共有を追加している場合は,次のようなメニューが表示されます。
以下の各項で,ディレクトリ共有あるいはプリント共有を追加する際に利用できるオプションについて説明します。 パラメータの設定を変更するには,Enter item number プロンプトでオプション番号を指定します。 いずれかのオプションを選択して修正するには, 項目番号を入力するためのプロンプトで 共有追加メニューの項目番号を指定してください。 共有名は,共有リソースを識別してアクセスする際に使用される名前を指定します。 ディスク共有を追加する際,その共有リソースはディスク上のディレクトリでなければなりません。 プリント共有を追加する場合,その共有名は OpenVMS プリンタ・キューの名前でなければなりません。 共有名は,HP CIFS Server 構成ファイルの [<share section name>] でマップングされます。 共有パスは,共有のユーザがアクセスの際に使用するディレクトリを指定します。 たとえば,ディレクトリ DISK$DATA:[PROJECTS] を共有したい場合は,共有パスのプロンプトで DISK$DATA:[PROJECTS] を指定します。 プリント共有の場合,CIFS Server は,印刷のためにプリント・キューに送信する前に,共有パス・ディレクトリにプリント・データをスプールします。 プリント共有に対しては,デフォルトの共有パスとしてディレクトリ SAMBA$ROOT:[SPOOL] を選択することができます。 このオプションは,共有セクションの Samba 構成パラメータ path にマッピングを行います。 共有パスは,UNIX パス形式でも OpenVMS パス形式でも入力できます。 ユーティリティが正しく共有パスを作成できるように,有効な共有パスを入力する必要があります。 共有のコメントには,共有リソースについて説明した文字列を指定します。 このオプションは,共有セクション・パラメータの comment にマッピングを行います。 有効なユーザとは,共有リソースへのアクセスを許可するユーザのリストです。 プリント共有の場合,有効なユーザは,そのプリント共有への印刷を許可するユーザのリストです。 このオプションは,共有セクション・パラメータ valid users に対してマッピングを行います。 valid users の値がヌル (デフォルト値) の場合, その共有パスのセキュリティ設定がアクセスを許可していれば, 認証されたどのユーザも共有にアクセスできます。 有効なユーザを指定するためには,次のガイドラインを考慮する必要があります。
管理者には,共有内のすべてのオブジェクトに対する管理特権を与えられたユーザのリストを指定します。 管理者として認識されるユーザは,その共有内のオブジェクトにアクセスする際,すべての特権が与えられた OpenVMS ユーザが持つすべての特権が与えられます。 両方の共有セクションで admin users 特権を持っていない限り, ある共有セクションの管理者が別の共有セクションの管理者にはなることはできません。このオプションは,共有セクション・パラメータ admin users にマッピングを行います。 管理者を指定する際は,以下のガイドラインに従います。
隠し共有は,net view や Windows explorer ブラウザ・リストの利用可能な共有リストには表示されません。 ディスク上のルート・ディレクトリをポイントする共有は, Windows explorer ブラウザ・リストに表示されないように隠すことができます。 たとえば DISK$DATA:[000000] ディレクトリを共有している場合に, Windows explorer ブラウザ・リストに表示されないようにこの共有を隠すことができます。 このオプションは,共有セクション・パラメータ browseable にマッピングを行います。 共有に対するゲストアクセスが有効になっている場合, その共有に対するアクセスはゲスト・アカウント特権に基づいて与えられます。 ゲストとして接続するユーザは,HP CIFS Server 構成ファイルで guest account として指定されている OpenVMS アカウント (デフォルトでは SAMBA$GUEST) にマッピングされます。 ゲストユーザによるリソースへのアクセスを許可するには,そのオブジェクトで適切なプロテクションを設定してください。 CIFS Server に接続したユーザが CIFS プリント共有を使用して印刷できるように,プリント共有に対するゲストアクセスを可能にしておくと便利です。 ゲストアクセスを可能にする別の例として,共有セキュリティ・モードを設定したスタンドアロン・サーバーとして HP CIFS Server が構成されている場合に,パスワードの指定無しで共有に接続できるようにユーザへのゲストアクセスを可能にすることが考えられます。 このオプションは,共有セクション・パラメータ guest ok のマッピングを行います。 所有者の継承が yes に設定されている場合,CIFS Server は,新しく作成されたオブジェクトに親ディレクトリの所有者を設定します。 このオプションは,共有セクション・パラメータ inherit owner にマッピングを行います。 このオプションはディスク共有に対してのみ適用されます。 RMS ファイル形式は,共有ディレクトリに作成されるファイルの OpenVMS RMS レコード形式を指定します。 指定するレコード形式に関係なく,作成されたファイルは連続的に編成されます。 以下のいずれかのキーワードを使用してレコード形式を指定します。 表 9-1 レコード形式キーワード
RMS ファイル形式オプションは, 共有セクション・パラメータ vms rms format にマッピングを行います。このオプションは,ディスク共有に対してのみ適用されます。 デフォルトでは,ファイル許可モードには関係なくすべての共有は読み取り専用です。 ユーザによるファイルの作成あるいは修正を可能にするには,書き込みアクセスが可能となっている必要があります。 このオプションは,共有パラメータ read-only および writeable にマッピングを行います。 このオプションは,ディスク共有に対してのみ適用されます。 このオプションが有効な場合,HP CIFS Server は次のように動作します。
RMS プロテクションの継承オプションは,共有パラメータ inherit vms rms protection にマッピングを行います。 このオプションは,ディスク共有に対してのみ適用されます。 このオプションが有効な場合,HP CIFS Server は,オブジェクトの HP CIFS Server ACE から DOS 属性 (SYSTEM,HIDDEN,ARCHIVE,あるいは READ-ONLY) を読み取ろうとします。 クライアントが DOS 属性を設定する際,それらはオブジェクトに存在する HP CIFS Server ACE に保管されます。 既存の HP CIFS Server ACE がない場合,これらの属性を保管した新しい HP CIFS Server ACE がオブジェクトに適用されます。 DOS 属性を使用する予定がある場合は,このオプションを有効にしておきます。 このオプションは,共有セクション・パラメータ store dos attributes にマッピングを行います。 このオプションは,ディスク共有に対してのみ適用できます。 ディスク共有に適用されるファイルおよびディレクトリの種々のマスク・パラメータおよびモード・パラメータについては,10.1.5 項 「 構成パラメータによる RMS 保護コードの制御 」 を参照してください。 CIFS サーバーに有効なプリンタ・ドライバを事前にアップロードせずに Windows クライアントに対してプリンタをサービスするには,クライアントにローカル・プリンタ・ドライバがインストールされている必要があります。 この場合,クライアントはプリンタを,ネットワーク・プリンタ接続ではなくローカル・プリンタとして扱います。 このため,特権のないユーザによる OpenPrinterEx() 呼び出しは失敗し,クライアントはアクセス拒否エラーになります。 プリンタに対してこのオプションが有効になっていると,OpenPrinterEx() 呼び出しが可能になる代わりに,PRINTER_ACCESS_ADMINISTER 権限によるプリンタのオープンが PRINTER_ACCESS_USE にマップングされます。 このパラメータは,CIFS Server に適切なプリント・ドライバがアップロードされているプリント共有では有効にすべきではありません。 このオプションは,共有セクション・パラメータ use client drivers にマッピングを行います。 このオプションは,プリント共有に対してのみ適用可能です。
プリント・キューを追加する手順については,9.2.1 項 「プリンタ・キューの追加」 を参照してください。 共有を修正する場合はオプション 4 を選択します。 このオプションを選択すると,次のような共有名の入力のためのプロンプトが表示されます。
修正する共有の名前を指定します。 たとえば,共有 PROJECTS を修正するには,共有名として PROJECTS を入力します。 共有名が入力されると,その共有に対する現在のパラメータを収集し,共有のタイプを識別します。 ディレクトリ共有の修正のために,HP CIFS Server Menu for Adding a Disk Share と同じようなメニューが表示されます。 共有の追加メニューと修正メニューの違いは,修正メニューでは,それぞれのオプションの現在のパラメータ値が表示される点だけです。 たとえば,共有 PROJECTS を修正しようとしている場合,次のようなメニューが表示されます。
オプション 1 の Share name を除き,どのオプションも修正可能です。 HP CIFS Server 実行中に共有を一覧表示するには,次のコマンドを実行します。
1 つの共有に関して Samba 構成ファイルの詳細を表示するには,次のコマンドを表示します。
ディスク共有あるいはプリント共有を修正するには,共有定義が存在する HP CIFS Server 構成ファイルを編集します。 たとえば,HP CIFS Server 構成ファイル SAMBA$ROOT:[LIB]SMB.CONF に存在するディスク共有 PROJECTS を修正するには, このファイルをオープンして共有定義 [PROJECTS] が始まる行に移動し,必要な共有パラメータの修正を行い,ファイルを保管します。 プリンタの管理作業としては,プリンタ共有の設定,プリント・キューの設定,ドライバ・ファイルのアップロード,クライアントへのネットワーク・プリンタあるいはローカル・プリンタの追加,などがあります。 プリンタ共有の一覧表示,追加,修正,および削除については,9.1 項 「共有の管理」 で説明しています。 プリンタ共有を追加するためには,まずプリンタ・キューの設定が必要です。 プリンタ共有を追加するための第一の要件は,プリンタ・キューの設定です。 この項では,HP CIFS がサポートするいくつかの異なる OpenVMS キューの設定について,それぞれ下記の項で説明します。 DCPS プリント・キューを追加するには,SYS$STARTUP:DCPS$STARTUP.COM を編集して, DCPS プリント・キューに関する次のような行を追加します。
詳細は,DCPS$STARTUP.COM に記述されているコメントを参照してください。 DCPS$STARTUP.COM を編集したら,次のコマンド・プロシージャを実行してキューを作成します。
上記のコマンドをサイト固有のシステム・スタートアップ・プロシージャに追加して, システム・ブートの際にこのプリント・キューが作成されるようにしてください。 次のコマンドを実行して,新しく作成されたプリント・キューを確認します。
論理名 DCPS_LIB が定義されていることを確認します。
論理名 DCPS_LIB が存在しない場合,SYS$STARTUP:DCPS$STARTUP.COM ファイルの次の行からコメントを取り除きます。
HP CIFS Server ソフトウェアには,コマンド・プロシージャ SAMBA$PRINT_QSETUP.COM が含まれています(このコマンド・プロシージャは SAMBA$ROOT:[BIN] にインストールされます)。 このコマンド・プロシージャを使用して,TCPIP$TELNETSYM プリント・キューを設定することができます。 次に例を示します。
TCPIP$TELNSYM プリント・キューを使用する場合は,以下の論理名を定義しておくと便利です。
システム・ブート時にこれらの論理名が定義されるように,サイト固有のシステム・スタートアップ・プロシージャに上記の定義を追加してください。 TCPIP$TELNETSYM プリント・キューについての詳細は, 『HP TCP/IP Services for OpenVMS Management Guide』 を参照してください。 前提条件LPD プリント・キューには以下の前提条件があります。
OpenVMS LPD プリント・キューを設定するには,次のように TCPIP Printcap データベース・ユーティリティ・プログラムを実行して,リモート・プリンタを追加します。
CIFS プリント共有は,ネットワーク・プリンタあるいはクライアント上のローカル・プリンタとして追加することができます。 ネットワーク・プリンタとしてプリンタを追加したい場合は,最初に HP CIFS Server にプリンタ・ドライバをアップロードしておくことをお勧めします。 これにより,クライアントのネットワーク・プリンタとしてプリンタが追加された場合に,必要なドライバが HP CIFS Server から自動的にダウンロードされます。 プリンタ・ドライバのアップロードは,各クライアント・オペレーティング・システムごとに 1 回だけ必要です。 たとえば,Windows XP および Windows Vista クライアントで CIFS プリンタ HP_LASER_PRINTER を構成したい場合は,Windows XP と Windows Vista 用のドライバをそれぞれ 1 回だけアップロードする必要があります。 ドライバ・ファイルをアップロードするこのオプションは,プリント・ドライバを手動でインストールせずに,Windows ユーザが自動的に CIFS プリンタを追加できるようにしたい場合に便利です。 Windows システムにローカル・プリンタを追加する場合は, ドライバ・ファイルをクライアント自身にインストールすることができ, HP CIFS Server にプリンタ・ドライバ・ファイルをアップロードする必要はありません。 この方法では,クライアントにプリンタを追加する際に,各クライアントにプリンタ・ドライバを手動でインストールすることが必要です。 プリンタ・ドライバをアップロードする前に,Windows クライアントがプリンタ・ドライブのダウンロードの際に自動的に接続する PRINT$ という名前の共有を作成します。 HP OpenVMS CIFS V1.2 以降では,Samba 構成ユーティリティ SAMBA$CONFIG.COM を 1 度でも使用していれば,PRINT$ 共有は自動的に追加されています。 HP CIFS Server 構成ファイルに PRINT$ 共有が存在するかどうか確認するには,SAMBA$MANAGE_CIFS.COM を実行して共有の詳細情報を表示させるか,あるいは以下のコマンドを実行します。
PRINT$ 共有セクションが存在しない場合は,SAMBA$ROOT:[LIB]SMB.CONF ファイルを編集して,次のように PRINT$ 共有を追加します。
Windows のプリンタ・ドライバを PRINT$ 共有にアップロードするには,次の手順で行います。
|
印刷用画面へ | ||
|