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HP OpenVMS CIFS Version 1.2 ECO1: 管理者ガイド第6章 ユーザとグループのマッピング |
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目次 この章では以下のような内容について説明します。 HP CIFS Server は, CIFS あるいは SMB プロトコルを使用するファイル・サーバーとして, Windows のユーザおよびグループ・アカウントをベースにした Windows のようなファイル・セキュリティを提供する必要があります。 その一方で, HP CIFS Server はホスト・システムのファイル・セキュリティに依存しているため, UIC およびリソース識別子をベースにした OpenVMS のファイルセキュリティを使用する必要があります。 ユーザおよびグループ・アカウントのセキュリティ識別子(SID)とACL に基づく Windows のファイル・セキュリティの実装は, ユーザ UIC,リソース識別子,OpenVMS ACL に基づく OpenVMS のファイル・セキュリティとは異なります。 HP CIFS Server は,これら 2 つの異なるオペレーティング・システムのファイル・セキュリティの橋渡しを,次のようなマッピングによる方法で提供します。
この章では, HP CIFS Server が Windows あるいは CIFS ドメインのユーザとグループを OpenVMS のユーザおよびリソース識別子にマッピングするための いくつかの方法について説明します。 第10章 「ファイルとプリントのセキュリティ」 では, Windows から OpenVMS へのファイル・セキュリティのマッピングについて説明します。 ユーザおよびグループ・マッピング技術を使用すると, HP CIFS Server は CIFS ドメイン・ユーザを OpenVMS ユーザ名に割り当て, CIFS ドメイン・グループを OpenVMS リソース識別子に割り当てます。 内部的には, CIFS ドメイン・ユーザ SID と OpenVMS UIC,ならびに, CIFS ドメイン・グループ SID と OpenVMS リソース識別子値との間で マッピングが行われます。 CIFS ドメイン・ユーザおよびグループは, 以下のデータベースのいずれかの ユーザおよびグループ・アカウントを参照することができます。
読みやすくするため,この章では, CIFS ドメイン・ユーザおよびグループの OpenVMS ユーザ名 (UIC) およびリソース識別子へのマッピングのことを, 単にユーザおよびグループのマッピングと呼びます。 この章では,ユーザ・マッピングのいくつかの方法について説明し, その後,グループのマッピングについて説明します。 ユーザのマッピングは必須ですが, ファイル・セキュリティが OpenVMS のリソース識別子に基づいており マップされた OpenVMS ユーザ名にこれらのリソース識別子が SYSUAF で直接与えられていれば, グループのマッピングはオプションです。 これについては, 6.4 項 「グループ・マッピングの別の方法」 で詳しく説明します。 HP CIFS Server のファイル・セキュリティが, マップされた OpenVMS ユーザ識別子 (UIC) およびリソース識別子をベースに 設定されている場合, ファイル・セキュリティを確立する前に ユーザとグループのマッピングに関して理解しておくことが重要です。 HP CIFS ファイル・セキュリティの実装についての詳細は 第10章 「ファイルとプリントのセキュリティ」 を参照してください。 ユーザのマッピングとは,CIFS ドメイン・ユーザを OpenVMS ユーザ名 (UIC) へマッピングすることです。 HP CIFS Server が CIFS ドメイン・ユーザを OpenVMS ユーザ名にマッピングする際に使用する方法には 3 種類の方法があります。
以降の項で,上記のユーザ・マッピング方法について説明します。 WINBIND が利用でき,SMB.CONF ファイルの idmap UID の範囲が 有効であれば, CIFS がメンバーとなっている Windows ドメインに属するユーザ, あるいはそのドメインが信頼するドメインのユーザは, 自動的に OpenVMS ユーザ名にマップされます。 このマッピング方法は,HP CIFS Server が PDC あるいは BDC の場合, 信頼されているドメインに属するユーザ・アカウントにも使用できます。 自動マッピングについての詳細は, 第7章 「WINBIND のサポート」 を参照してください。 名前が同一であれば, CIFS ドメイン・ユーザを OpenVMS ユーザ名に暗黙にマップすることができます。 たとえば Windows ユーザ ANITA は, OpenVMS ユーザ名 ANITA が存在すれば,これに暗黙にマップされます。 デフォルトでは, 同じ名前の OpenVMS アカウントが存在すれば HP CIFS Server のローカル・ユーザの作成のみが可能で, HP CIFS Server のローカル・ユーザは OpenVMS ユーザ名に暗黙にマップされます。 たとえば,HP CIFS Server データベースでユーザ STEFFI を作成するには, 最初に OpenVMS ユーザ名 STEFFI を作成するか, すでに SYSUAF データベースに存在することを確認してください。 この上で,HP CIFS Server データベースにユーザを作成したい場合は, 以下の条件を満たす必要があります。
6.3.3 項 では,この制限を回避する代替方法について 説明しています。 HP CIFS Server データベースにおけるユーザ・アカウントの作成および管理の 詳細については, 第8章 「ユーザ,グループ,アカウント・ポリシー,信頼関係の管理」 を参照してください。 明示的なユーザ・マッピングにより,以下のことが可能になります。
Windows ユーザ名と OpenVMS ユーザ名が同一でない場合,SMB.CONF の username map パラメータで定義されているテキスト・ファイルを使用して,それらのユーザ名を明示的にマッピングすることができます。 たとえば,CORP ドメインの Windows ユーザ名 Andrew Smith を OpenVMS ユーザ・アカウント ASMITH にマッピングするには, SAMBA$ROOT:[LIB]USERNAME.MAP を編集して次のような行を追加します。 asmith=corp\Andrew Smith OpenVMS ユーザ名の命名規則の制限を回避するには, HP CIFS Server のローカル・アカウントを作成する際に, まず必要な OpenVMS と CIFS Server のローカル・アカウントを作成し, その後,Windows アカウントを OpenVMS アカウントにマッピングするように ユーザ名マップファイルにエントリを追加します。 たとえば,Windows ユーザ・アカウント Andrew Smith を作成する場合,以下の手順で行います。
Windows ユーザが Andrew Smith のユーザ名でセッションを確立すると,そのユーザは OpenVMS ASMITH アカウントにマッピングされます。
HP CIFS は,複数のドメイン・ユーザから単一の OpenVMS ユーザ名への マッピングをサポートしています。 この場合,単一の OpenVMS ユーザにマッピングした各ドメイン・ユーザは同じユーザ属性を共有するため,同じセキュリティ属性を共有することになります。 複数の CIFS ドメイン・ユーザを単一の OpenVMS ユーザ名にマッピングするこの方法は,ファイル・セキュリティによる影響を理解した上で使用してください。 CIFS Server のアカウント・データベースに存在するユーザ・アカウントに関しては, 複数の CIFS Server ユーザを単一の OpenVMS ユーザ・アカウントにマッピングすることはできません。 CIFS ドメイン・ユーザを明示的にマッピングする際, マップファイルは 1 行ずつ解析されます。 明示的なユーザ・マッピングを行う際には,以下のような点に注意してください。
図 6-1 「ユーザ認証とホストのマッピング処理の流れ」 に示すのは, メンバーサーバー環境におけるユーザ認証とホスト・マッピングの処理の流れです。 図 6-1の ユーザ認証とホスト・マッピングの処理について,以下に説明します。
グループのマッピングでは,CIFS ドメイン・グループを OpenVMS リソース識別子に割り当てます。 HP CIFS Server が CIFS ドメイン・グループを OpenVMS リソース識別子に割り当てる方法には 2 種類の方法があります。
HP CIFS Server を PDC あるいは BDC として構成する場合, 2 種類のタイプのグループ,すなわちローカル・グループおよびグローバル・グループを作成することができます。 グローバル・グループはドメイン・グループとも呼ばれます。 HP CIFS Server がメンバーサーバーあるいはスタンドアロン・サーバーの場合, ローカル・グループのみが作成できます。 どちらの場合も, HP CIFS Server 管理ユーティリティ SAMBA$ROOT:[BIN]SAMBA$MANAGE_CIFS.COM あるいは NET GROUPMAP ADD コマンドを実行することにより, グループ・アカウントを HP CIFS Server データベースに作成でき, 同時に OpenVMS リソース識別子に割り当てることができます。 グループ・アカウントの作成およびマッピングの際, OpenVMS リソース識別子が存在しない場合は, HP CIFS Server 管理ユーティリティで追加作成することもできます。 HP CIFS Server データベースでの グループ・アカウントの作成および管理についての詳細は, 第8章 「ユーザ,グループ,アカウント・ポリシー,信頼関係の管理」を参照してください。 デフォルトでは,明示的なグループ・マッピングは SAMBA$ROOT:[VAR.LOCKS]GROUP_MAPPING.TDB ファイルに保管されます。 図 6-2 に示すのは, メンバーサーバー環境におけるグループ・マッピング処理の流れです。 図 6-2 のグループ・マッピング処理の流れについて以下に説明します。
上記で説明したグループ・マッピング方法の代わりに, 管理者は,単に,メンバーとなる CIFS ドメイン・ユーザの マッピングされた OpenVMS アカウントのリソース識別子を集めることで, セキュリティ・グループを設定することもできます。 これらのリソース識別子は,リソースへのアクセスを制御するために ACL で使用されます。 ただしこの方法では,リモートからサーバーを管理する場合は, そのサーバーをグループに追加することはできません (Windows クライアントから権限を設定している場合それらを参照できません)。 管理目的でクライアント・システムからグループにアクセスできるようにするには, 前述のいずれかのグループ・マッピング方法でマッピングする必要があります。 HP CIFS Server は, クライアントが HP CIFS Server への新しいセッションを正常に確立したときに, CIFS ドメイン・ユーザおよびグループから OpenVMS UIC およびリソース識別子へのマッピング情報を取得します。 マッピングが無く,WINBIND の自動マッピングが有効な場合, 必要な OpenVMS ユーザとリソース識別子が作成および割り当てられます。 WINBIND で自動マッピング可能な CIFS ユーザおよびグループについては, 第7章 「WINBIND のサポート」 を参照してください。 ユーザが認証されると,HP CIFS Server はそのユーザの OpenVMS ペルソナを作成します(そのユーザのセキュリティ・プロフィールを定義します)。 そのユーザに代わって,SMBD プロセスがこのペルソナを使用して ファイル,ディレクトリ,プリント・キューなどの オブジェクトにアクセスします。 ユーザ属性は,以下の属性を継承します。
ユーザがオブジェクトにアクセスする際, OpenVMS は,マッピングされた OpenVMS ユーザのペルソナをもとに オブジェクトへのアクセス権を与えます。 唯一の例外は, HP CIFS Server 構成ファイルの admin users パラメータのリストに そのユーザが含まれている場合です。 admin users リストに含まれているユーザのペルソナは, UIC,識別子, SAMBA$SMBD アカウントのデフォルトの特権を 継承します。 SAMBA$SMBD アカウントの デフォルトの特権にはすべての特権が含まれています。
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