4.8.3.2 条件ハンドラでの SS$_HPARITH の使用
OpenVMS Alpha では,多くの算術演算エラー条件に対して SS$_HPARITH が通知されます。 OpenVMS I64 では,算術演算エラー条件に対して SS$_HPARITH が通知されることはありません。 OpenVMS I64 では,より細分化されたエラー・コード SS$_FLTINV と SS$_FLTDIV が通知されます。
これらの細分化されたエラー・コードを検出するように,条件ハンドラを更新してください。両方のアーキテクチャで共通のコードを使用するには,コードで SS$_HPARITH を参照している箇所において, OpenVMS I64 では SS$_FLTINV と SS$_FLTDIV も検出するように変更する必要があります。
OpenVMS I64 のメカニズム・アレイ・データ構造は, OpenVMS Alpha の場合と大きく異なります。戻り状態コード RETVAL は,Alpha プラットフォームと I64 プラットフォームの両方の戻り状態レジスタを表すように拡張されています。詳細については,『OpenVMS Calling Standard』を参照してください。
4.8.3.4 Alpha のオブジェクト・ファイル形式への依存
OpenVMS I64 システムで作成されるオブジェクト・ファイルの形式は Alpha の形式と異なるため,コードが Alpha のオブジェクト・ファイルのレイアウトに依存している場合は変更の必要があります。
オブジェクト・ファイルの形式は,『System V Application Binary Interface』 2001 年 4 月 24 日付けドラフトに記述されている ELF (Executable and Linkable Format) の 64 ビット版に準拠しています。このドキュメントは Caldera が発行しており,以下の Web サイトで入手できます。