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HP OpenVMS: システム管理者マニュアル (上巻)第3章 ソフトウェアのインストール,アップグレード,アップデート |
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目次
この章では,OpenVMS レイヤード製品のインストールとアップグレード,アップデートに関連する事項について説明します。
レイヤード製品ソフトウェアのインストールやアップグレードには,次の 2 つの方法が利用できます。
レイヤード製品は,使用する方法ごとに別々にパッケージングされています。 どちらの方法を使用するかは,レイヤード製品のドキュメントを参照してください。 この章の内容この章では,次の作業について説明します。
さらに,次の項目について説明します。
VMSINSTAL.COM を使用してレイヤード製品をインストールまたはアップグレードする場合は,以降の説明を参照してください。
これらの節で,具体的に VMSINSTAL.COM の使用手順を説明することはない。 紹介している例は,説明のためだけのものである。 個々の製品のインストール手順については,それぞれの製品のインストレーション・マニュアルを参照。 POLYCENTER Software Installation ユーティリティを使用してレイヤード製品をインストールまたはアップグレードする場合は,3.6 項 「POLYCENTER Software Installation ユーティリティ の使用」 およびレイヤード製品のインストレーション・マニュアル) を参照。
この節では,VMSINSTAL.COM を使用するにあたってシステムで準備すべきガイドラインを提供します。 すべてのソフトウェア製品が,次に挙げるガイドラインのすべてを満たさなければならないというわけではありません。 VMSINSTAL.COM を使用するためには, 次の処理を行っておく必要があります (任意の順序で構いません)。
ライセンス とは,製品に必要な使用権を意味します。 ライセンス管理機能 (LMF) を使用すると, ソフトウェア・ライセンスオンラインで登録,管理,および記録することができます。 PAK (製品登録キー) は, 多くの弊社製品に関する情報が含まれているキーです。 PAK に提供されているデータを使い, システムのライセンス・データベースにソフトウェア・ライセンスを登録することができます。 OpenVMS オペレーティング・システムのインストール中にオペレーティング・システムのライセンスを登録もロードもしなかった場合は, ソフトウェア製品をインストールする前に,この作業を行う必要があります。 また,必要であれば別のライセンスの登録も行います。
ライセンスのロード方法については, 『OpenVMS License Management Utility Manual』を参照してください。 LICENSE MODIFY コマンドに /NO_SHARE 修飾子を指定すると, ライセンス・データベース (LDB) に登録されている PAK に NO_SHARE オプションを追加することができます。 NO_SHARE の PAK は, OpenVMS Cluster システム内の単一ノードに割り当てられます。 NO_SHARE PAK を他の OpenVMS Cluster のノードと共用することはできません。 この修飾子を使用すると,LDB 内に他の PAK が既に存在するソフトウェア製品で,この PAK を使用しようとするときに生じる問題を回避できます。 PAK は,同じソフトウェア製品の他の PAK とは結合しないため, LICENSE-W-NOCOMB 警告メッセージが表示されます。 ほとんどの場合,ライセンスは,ロードしたいノードにはロードされません。 この問題を回避するためには,次の操作を行います。
VMSINSTAL.COM を実行するにあたっては,次の事項に注意してください。
VMSINSTAL.COM の起動方法VMSINSTAL.COM を実行するには,次の形式でコマンドを入力します。 @SYS$UPDATE:VMSINSTAL product-list source: [OPTIONS option-list] [destination] [qualifiers] 例
この例は MUA0: ドライブの磁気テープに入っている CALENDAR020 という名のセーブ・セット製品 CALENDAR をインストールしている例です。 オプションなし,修飾子なしの最も単純なコマンドの例です。 以降の項では,VMSINSTAL.COM コマンド行で使用できる必須およびオプションのパラメータについて説明します。
インストールの終了方法については, 3.3.6 項 「インストール終了時の処理」 で説明します。 製品は,セーブ・セット という,複数のファイルを格納するため特別にフォーマットされたファイルに格納されています。 インストールやアップグレードでは,セーブ・セットに含まれるファイルがシステム・ディスクに移動されます。 製品リスト・パラメータは,これからインストールする製品のリストです。 このパラメータは,レイヤード製品をインストールしたり, オペレーティング・システムをアップデートしたりするときに使用します (アップグレード・プロシージャを実行する場合, 製品 VMSnnn は 1 つしかリストできません)。
製品リスト・パラメータに複数の項目を指定する場合は, それぞれの項目をコンマで区切ります。 その際,スペースを間にいれないでください。 製品リストを指定するには,次のフォーマットを使用します。 facvvu 表 3-1 「facvvu セーブ・セット・ファイル名の形式」 に,この facvvu の形式の意味を示します。 この形式を使用すると,複数のバージョンとアップデートが入ったディストリビューション・メディアから, その製品の特定のバージョンとアップデートをインストールすることができます。 バージョンやアップデート番号を指定しない場合は, 指定された製品のすべてのバージョンとアップデートがアルファベット順にインストールされます。 表 3-1 facvvu セーブ・セット・ファイル名の形式
ディストリビューション・キットからインストールを行う場合は, ディストリビューション・メディアに入っている製品リストはキット内容表に記述されています。 製品リストがない場合は,DIRECTORY コマンドで確認してください。 DIRECTORY コマンドを入力すると, ディストリビューション・メディアに入っている製品が表示されます。 製品リストの表示方法製品リストを表示する場合は,次の形式でコマンドを入力します。 MOUNT/OVERRIDE=ID デバイス: DIRECTORY デバイス:[0,0] ただし,デバイスはディストリビューション・メディアが装着されているドライブです。 ディスク・ディレクトリからインストールを行う場合は, 次の形式の DIRECTORY コマンドでディスク・ディレクトリを指定することによって,製品リストを表示することができます。 DIRECTORY node::device:[directory] 例
ソース・パラメータはインストールするソフトウェア製品のソースを示し,次のうちのいずれか 1 つを指定することができます。
ソースとして論理名を指定することもできます。 ソースが省略された場合, VMSINSTAL.COM は次のプロンプトを出して,指定を求めます。
VMSINSTAL.COM には,6 つのオプションを使用することができます。 表 3-2 「VMSINSTAL.COM のオプション」 に,この 6 つのオプションを示します。 各オプションについては,3.5 項 「VMSINSTAL.COM のオプションの選択の詳細」 でさらに詳しく説明します。 表 3-2 VMSINSTAL.COM のオプション
各オプションは,VMSINSTAL.COM コマンドにおいて OPTIONS キーワードの後に指定します。 OPTIONS キーワードは省略することができます。 しかし,リスト形式でオプションを指定する場合は,リストの前に必ず OPTIONS を入力する必要があります。 OPTIONS キーワードを入力せずにリスト形式を指定すると,VMSINSTAL.COM はエラー・メッセージを表示してインストールを中止します。 オプション・リスト・パラメータとは,必要なオプションのリストのことです。 作業方法
複数のオプションを指定する場合は,それぞれのオプションをコンマで区切ります。 スペースを間に入れないでください。 例
出力先パラメータは省略することができます。 省略時の設定では,システム・ディスクのシステム共通ディレクトリ SYS$COMMON と見なされます。 ただし,次の 2 つの場合,出力先パラメータは必ず指定する必要があります。 VMSINSTAL.COM コマンド・プロシージャには,セーブ・セットを出力先ディレクトリにコピーする BACKUP コマンドが含まれています。 このため,VMSINSTAL.COM の Get Save Set オプションに BACKUP 修飾子を指定すると,コピー操作のチェック,ログ表示,確認を行うことができます。 詳細は 3.5.3 項 「Get Save Set (G) オプションの使い方 (レイヤード製品のみ)」 を参照してください。 インストールが終了すると,VMSINSTAL.COM は,インストールした製品の要求に従って,次のいずれかの処理を行います。
製品のインストール終了後,アップデートしたシステム・ディスクのバックアップを取ってください。 バックアップの方法については,11.17 項 「システム・ディスクのバックアップと復元」 で詳しく説明します。 アップデートまたはオプションのソフトウェア製品のインストール中にシステム障害が発生した場合,VMSINSTAL.COM は, システムのリブートを行ってインストールを続行しようとします。 システム障害の発生時期によって,次のいずれかの操作を行います。
コマンド・プロシージャ VMSINSTAL.COM は,表 3-2 「VMSINSTAL.COM のオプション」 で簡単に説明した 6 つのオプションを選択するかどうか尋ねます。 以降の節では,それら 6 つのオプションについて詳しく説明します。 Autoanswer オプションは,再インストール中, VMSINSTAL.COM の問い合わせとプロンプトに対して応答し, アップグレード後の再インストールを簡略化します。 アップグレード後,製品を再インストールする場合には, このオプションを利用してください。 初めて製品をインストールするときに Autoanswer オプションを使用すると,SYS$UPDATE ディレクトリに product.ANS の形式で 応答ファイル が作成されます。 ここでの product とは,VMSINSTAL.COM の起動時に指定する製品名パラメータです。 応答ファイルには,VMSINSTAL.COM からの問い合わせとプロンプトに対する応答が記録されます。 たとえば,Autoanswer オプションを選択して,NEWAID010 という製品をインストールしたときの応答ファイル名は NEWAID010.ANS です。 製品を再インストールするときに Autoanswer オプションを選択すると, VMSINSTAL.COM は問い合わせをせずに応答ファイルを読み込みます。 Autoanswer オプションは,一般的に, オペレーティング・システムのアップグレード後に使用します。 製品を再インストールするときに新しい応答ファイルを作成する場合は,すでにある応答ファイルを削除します。 例Autoanswer オプションを使用するには,次のコマンドを指定します。
その後,次のコマンドを実行すると,ファイルの内容を確認することができます。
Alternate Working Device オプションを使用すると, 一時作業ディレクトリ用の代替作業ディレクトリ (論理名:VMI$KWD) を指定することができます。 代替作業ディレクトリが存在すると, 通常システム・ディスクに必要とされる未使用ブロック数より少ないブロック数でも, インストールを行うことができます。 このオプションが指定されなかった場合,VMSINSTAL.COM は次の場所に一時作業ディレクトリを作成します。 SYS$SPECIFIC:[SYSUPD.facvvu] facvvuitalic については, 表 3-1 「facvvu セーブ・セット・ファイル名の形式」 を参照してください。 作業方法Alternate Working Device オプションは,次の形式で指定します。 AWD= デバイス: [ ディレクトリ ]
ディレクトリは省略することができます。 ディレクトリを省略した場合は,指定したデバイス上の [000000.facvvuitalic] というディレクトリ指定に作業ディレクトリが作成されます。 ディレクトリを指定した場合は, 指定したディレクトリ内のサブディレクトリとして作業ディレクトリが作成されます (たとえば,WORK.facvvuitalic)。 指定したディレクトリが存在しない場合は,ディレクトリは作成されません。 例次の例では,代替デバイス DUA2 に [INSTALL] という作業ディレクトリを作成しています。
ディストリビューション・テープからインストールしても, コンソール・メディアからインストールしても, 製品を直接システムへインストールするのは時間がかかります。 Get Save Set オプションを使用すれば,ユーザが別の作業をしている間に製品セーブ・セットのコピーを一時的に格納するので,時間の節約になります。 つまり,アップデートなどの作業を,都合のいい時間に,しかも短時間で行うことができます。 どこかのノードに,製品のライセンスを受けたユーザしかアクセスできないディスクを用意しておきます。 このような専用のディスクに製品セーブ・セットを格納しておけば,ライセンスを受けたユーザは, その製品セーブ・セットに高速にアクセスできます。 Get Save Set オプションを使ってディスク・ディレクトリに製品セーブ・セットを保管する場合は, 次のコマンド構文で VMSINSTAL.COM を使用します。 @SYS$UPDATE:VMSINSTAL.COM 製品リスト ソース OPTIONS G デバイス:[ディレクトリ] ディレクトリは既存のものであり,デバイスはマウントされている必要があります。 例Get Save Set オプションしか使用しない場合は, OPTIONS G パラメータの直後にディスク・ディレクトリ名を入力します。 G とディスク・ディレクトリ名の間にはスペースを 1 つ入れてください。 たとえば,コンソール・ドライブにある NEWAID010 という製品のセーブ・セットをディスク・ディレクトリの USER1:[PRODUCTS] に保管する場合は,次のコマンドを入力します。
Get Save Set オプション以外のオプションも使用する場合は,最後のオプションの後にディスク・ディレクトリ名を入力します。 この場合も,最後のオプションとディスク・ディレクトリ名の間にはスペースを 1 つ入れます。 たとえば,次のようなコマンドを入力します。
VMSINSTAL.COM は, 製品セーブ・セットを保管するためのファイルを指定されたディスク・ディレクトリに作成します。 次に,セーブ・セットのファイル名の形式を示します。 facvvu.x facvvu の意味については,表 3-1 「facvvu セーブ・セット・ファイル名の形式」 を参照してください。 ファイル名拡張子 (x) は次の意味を持ちます。
システムに製品をインストールするためには,次のコマンド形式で VMSINSTAL.COM を起動します。 @SYS$UPDATE:VMSINSTAL.COM 製品リスト デバイス: [ ディレクトリ ] 例次の例では,NEWAID010 という製品をインストールしています。
VMSINSTAL.COM が,システム・ディスクに NEWAID 製品をインストールします。 Get Save Set オプションを使用すると,/VERIFY, /LOG, /CONFIRM という 3 つの BACKUP コマンド修飾子を指定することができます。 修飾子は,Get Save Set オプション (G) のパラメータとして渡されるので, 二重引用符で囲みます。 VMSINSTAL は,このパラメータを VMSINSTAL 内の BACKUP コマンドに渡します。 次の例には,Get Save Set オプションと BACKUP 修飾子が含まれています。
この例に示した修飾子について,次の表で説明します。
BACKUP コマンドとその修飾子についての詳細は, 『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。 File Log オプションは,インストール中のファイルのすべての動作をターミナルに記録します。 ファイル関連の活動状況とは,新規ファイルの作成,ライブラリの更新, ファイルの削除などのファイルの処理に関係する動作のことです。 Release Notes オプションは,レイヤード製品と OpenVMS アップデート・プロシージャに添付されているオンライン・リリース・ノート・ファイルの内容を表示またはプリントします。
リリース・ノート・ファイルで使用できる形式は, facvvu.release_notes です。 ここで,facvvu は製品名コード,バージョン,そしてアップデート番号を表します (表 3-1 「facvvu セーブ・セット・ファイル名の形式」 を参照)。 たとえば,NEWAID010.RELEASE_NOTES という形式を使用します。 リリース・ノートの表示またはプリント方法リリース・ノートが用意されていて,N オプションが指定された場合, VMSINSTAL.COM は次の問い合わせを行います (大括弧内は省略時の応答です)。
次に,上記の例の番号の付いたプロンプトについて説明します。
製品にリリース・ノートが用意されていない場合,VMSINSTAL.COM は 2 つのエラー・メッセージを出し,インストールを継続するか, 終了するか問い合わせる。
リリース・ノートの有無に関係なく,インストールを継続したい場合は,Y (YES) を入力して Return を押す。 Alternate Root オプションを使用すれば,使用中のシステム以外のシステム・ディスクに製品をインストールすることができます。 これは,システムの現在の動作を中断せずにレイヤード製品をテストしたい場合などに有用です。 代替ルート (Alternate Root) の VMS オペレーティング・システムが完全なものである必要があります。 また動作中のシステムと同じバージョンまたはアップデート・レベルであることが必要です。 製品のインストールで参照されるすべてのファイルとソフトウェア製品が代替ルートに存在する必要があります。
R オプションを指定すると,代替ルートに製品がインストールされます。 しかし,代替ルートにアカウントを作成したり,代替ルートからシステムをリブートしたりすることはできません。 VAX,Alpha,または I64 オペレーティング・システム上で, レイヤード・ソフトウェア製品のインストール,削除,および管理を行うために, POLYCENTER Software Installation ユーティリティを使用します。 システム要件,インストール・オプション, およびインストール中の製品からの問い合わせに対する応答のような, ソフトウェア製品に関する情報も保存できます。 POLYCENTER Software Installation ユーティリティ の操作は,DCL プロンプトから実行します。 次のコマンド形式で各操作を実行します。 $ PRODUCT サブコマンド 製品名[/修飾子 1,...] たとえば,COBOL のバージョン 2.2 や FORTRAN の最新バージョンをインストールするには,次のコマンドを入力します。
インストールについては,3.7 項 「POLYCENTER Software Installation ユーティリティ でのインストール」 で説明します。 PRODUCT コマンドは,DCL プロンプト($) からでも, DCL コマンド・プロシージャでも入力できます。 サブコマンドの構文については, 『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル (下巻) 』を参照してください。 POLYCENTER Software Installation ユーティリティ をバッチ・ジョブとして実行する方法については, 3.7.6 項 「バッチ・ジョブとしてのインストールの実行」 を参照してください。 POLYCENTER Software Installation ユーティリティ で実行可能な DCL コマンドとその説明を,表 3-3 「DCL コマンドとその説明」 に示します。 表 3-3 DCL コマンドとその説明
必要な特権POLYCENTER Software Installation ユーティリティで実行する操作の中には, 表 3-4 「POLYCENTER Software Installation ユーティリティで必要となる特権」に示すように特定の特権が必要となるものがあります。 表 3-4 POLYCENTER Software Installation ユーティリティで必要となる特権
一部のコマンドでは,BYPASS 特権や NETMBX 特権も必要なことがあります。 実際にインストールしているキットから実行するコマンド・プロシージャについては,さらに別の特権が必要となる場合があります。 その特権については,製品キットに付属のインストレーション・ガイドで確認してください。 POLYCENTER Software Installation ユーティリティ に準拠したソフトウェア製品は, 次のいずれかの形式で提供されます。
順次コピー形式でパッケージングされたソフトウェア製品キットには,次の形式で命名されたコンテナ・ファイルがあります。
参照コピー形式でパッケージングされたソフトウェア製品キットには,ルート・ディレクトリに次の形式で命名された製品記述ファイルがあります。
各サブフィールドはハイフンで区切られ,次のように定義されます。
表 3-5 PDF キットのタイプと値
ソフトウェア製品キットのバージョンはtmmnn-ue 形式です。 この形式について,表 3-6 「tmmnn-ue バージョン識別形式」 で説明します。 表 3-6 tmmnn-ue バージョン識別形式
次の表に,この形式の使用例を示します。
次の例は,1 つの順次形式キット と 2 つの参照コピー形式キットの命名方法を示しています。
PCF は,インストール前,またはインストール中に作成することができます。 製品ごとに複数の PCF を作成すると, ハードウェアの構成が独特であったり, 同一グループ内で使用パターンが異なる場合に,それぞれに応じてソフトウェアのインストールをカスタマイズすることができます。 PCF が存在し,PCF に構成の選択に対する応答が含まれている場合には, その選択に対する省略時の値は PCF で設定されます。 PCF は,選択を変更できるかどうかや,その選択が必須かどうかを指定します。 PCF が存在しない,または PCF に構成の選択に対する応答が含まれていない場合には, 省略時の選択は次のいずれかで設定されます。
PCF をカスタマイズするには,次のオプションを使用できます。
PCF を作成するには,次のように,PRODUCT CONFIGURE コマンドを使用します。
POLYCENTER Software Installation ユーティリティ は,ユーザの現在の省略時のディレクトリに PCF を作成します。 省略時の PCF は,DEFAULT.PCSI$CONFIGURATION という名前になります。 省略時のファイル名またはディレクトリを変更する場合には, /CONFIGURATION=OUTPUT 修飾子を使用します。 次の節の例を参照してください。 PCF を定義すると,POLYCENTER Software Installation ユーティリティ から製品に関する問い合わせがあります。 問い合わせに応答し,2 つの定義済みファンクション・キーを使用することにより,PCF に応答を記録するかどうかと, 記録する場合には,その記録方法を決定します。 次の表は,応答による PCF の構成方法を示しています。
応答するたびに,Return キーを押してください。 例 3-1 「PCF 作成プロシージャのサンプル」 は,PCF における F17 キーと F18 キーの使用方法を示しています。 ただし,これは単なる例であり,必ずしも製品の実際の PCF を表しているわけではありません。 例 3-1 PCF 作成プロシージャのサンプル
上記の例中の数字の箇所では,それぞれ次の操作が行われます。
1 つの DCL コマンドを使用して複数の製品をインストールまたは構成し, 応答を PCF に書き込んだ場合には,インストールまたは構成された全製品の情報が 1 つの PCF に格納されます。 各製品の構成値を別々の PCF に格納するには,それぞれの製品グループのインストールまたは構成を別々の操作として行ってください。 DCL を使用して既存のファイルを変更できます。 変更する PCF の名前と,作成する PCF の名前を指定します。 PRODUCT CONFIGURE コマンド行の /CONFIGURATION 修飾子に,INPUT キーワードと OUTPUT キーワードの両方を指定します。 たとえば,PRODUCTA_REV1.DAT ファイルの省略時の値を読み込み,このファイルに変更を加え,変更したファイルを PRODUCTA_REV2.DAT に保存すると,出力ファイルは次のようになります。
POLYCENTER Software Installation ユーティリティは,製品のインストール,構成の選択, 製品データベース内で製品を構成するファイルやディレクトリなどのオブジェクトに関する情報を自動的に格納します。 製品データベースは,システムにインストールした製品の情報を確認するときや,製品の依存状態を検出して追跡したいときに役立ちます。 POLYCENTER Software Installation ユーティリティ は自動的に製品情報を格納しますが, システム管理者が独自の情報を追加することもできます。 作業を実行したとき,その作業に関する情報と一緒に,注釈,つまり製品データベースに記録するコメントを含めることができます。 製品データベースに注釈を追加するには,次のいずれかの DCL コマンドに /REMARK 修飾子を指定します。
これらのコマンドと /REMARK 修飾子については, 『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル (下巻) 』を参照してください。 POLYCENTER Software Installation ユーティリティ 以外のツールでインストールされた製品を登録するには,PRODUCT REGISTER PRODUCT コマンドを入力します。 このコマンドは,PDF で提供された情報を記録します。 次のように入力してください。
登録したい製品の PDF がない場合は,次のコマンドを入力します。
このコマンドを入力すると,製品名,バージョン,製作者 (producer) の入力を要求されます。 たとえば,弊社の製品の“製作者”は “DEC”です。 プロシージャは,この情報を使用して一時的な最小限の PDF を作成します。 次に,PRODUCT REGISTER PRODUCT コマンドを実行して製品を登録し,一時 PDF を削除します。 PCSI$REGISTER_PRODUCT.COM は最小限の PDF だけを作成するため, POLYCENTER Software Installation ユーティリティ のデータベースに製品の全情報を登録することはできません。 このため,製品の PDF が使用できる場合は,それを使用してください。 “遷移”PDF は,PRODUCT REGISTER PRODUCT コマンド専用に作成されていますが,“完全”PDF や “オペレーティング・システム”PDF も登録できます。 他のソフトウェア製品に依存しなければ,正常に動作しないソフトウェア製品もあります。 たとえば,ある製品は,別の製品の特定のバージョンがシステムにインストールされている場合にかぎり動作します。 POLYCENTER Software Installation ユーティリティは,インストールした製品のこのような依存状態を検出して追跡します。 POLYCENTER Software Installation ユーティリティは,複数の製品の要件を満たそうとすることもあります。 場合によって,POLYCENTER Software Installation ユーティリティが製品の依存問題を解決できないことがあります。 そのような場合には,POLYCENTER Software Installation ユーティリティ が矛盾点をフィードバックをして,処理の進め方の決定をシステム管理者に依頼します。 次の状況では,回復データ・セットを使用できます。
回復データ・セットは,ある意味では,POLYCENTER Software Installation ユーティリティの製品データベースの拡張です。 回復データ・セットは,次の種類のファイルからなっています。
回復データ・セットは,言い換えれば,パッチ・キットのインストール時に新しいものと置き換えられるディレクトリとファイルの組み合わせです。 回復データ・セット・ファイルは,将来使用できるように,専用のディレクトリに保存されます。 置き換えられるファイルおよびディレクトリを示すデータ・ファイルとそのコンテキストも保存されます。 回復データ・セットは,製品データベースファイルと同じシステム・ディスク上の,次のディレクトリ・ツリーに格納されます (nnn は,回復データ・セット番号です)。
回復データ・セットの主な 2 種類の用途を,以下の 2 つの項で説明します。 パッチ・キットのインストール失敗から完全に回復できるようにするには,次のコマンドを使用してキットをインストールしなければなりません。
このコマンドを入力すると,POLYCENTER Software Installation ユーティリティは,回復モードでパッチ・キットをインストールします。 回復モードでキットをインストールすると,インストールで変更または置き換えられたファイルは保存されます。 それらのファイルで,回復データ・セットが構成されます。 エラーによりインストールが中断した場合,またはインストールを故意に終了した場合,POLYCENTER Software Installation ユーティリティは回復データ・セットを使用して,オリジナルのファイルにロール・バックすることができます。 このアクションにより,中断されたインストールよりも前の状態に製品環境が戻ります。 ロールバックが完了すると,POLYCENTER Software Installation ユーティリティは回復データ・セットを破棄します。 このユーティリティは,製品のインストールや再構成が成功して終了しても,回復データ・セットを破棄します。 ただし,PRODUCT INSTALL コマンドに /SAVE_RECOVERY_DATA 修飾子を指定することで,回復データ・セットの削除を避けることができます。 このようにする方法については,次の項で説明します。 回復データ・セットは,パッチ・キットをインストールする際に,POLYCENTER Software Installation ユーティリティに明示的に回復データを保存するように要求することで,作成できます。 この操作は,次のコマンドを入力すると実行できます。
このコマンドを入力すると,POLYCENTER Software Installation ユーティリティは,パッチのインストールにより削除されるファイルを永続的に保存します。 回復データ・セットを使用すると,後でパッチ製品をアンインストールできます。 アンインストールするには,PRODUCT UNDO PATCH コマンドを入力します。 ただし,回復データ・セットを使用してパッチ製品のアンインストールを行うと,POLYCENTER Software Installation ユーティリティはこのデータ・セットを削除するため,回復データ・セット・ファイルを再度使用することはできません。 次の DCL コマンドのいずれを入力しても,POLYCENTER Software Installation ユーティリティは,回復データ・セットを破棄します。
次の PRODUCT コマンドを使用して,回復データ・セットの表示と削除を行うことができます。
ソフトウェア製品の基本的なインストール手順は,次のとおりです。
多くの操作で,ソフトウェア・キットの存在する位置とソフトウェアをインストールする位置を指定する必要があります。 この位置を指定するには,次の 2 つの方法があります。
論理名を定義してから,/SOURCE 修飾子と /DESTINATION 修飾子を使って, これを上書きすることもできます。
論理名 PCSI$SOURCE は,インストールするソフトウェア・キットの位置を定義します。 論理名 PCSI$DESTINATION は,ソフトウェアをインストールする位置を定義します。 たとえば,DISK1:[KITS] に置かれているソフトウェアを DISK2:[APPLICATIONS] にインストールする場合は,次のコマンドを使用します。
別のソースやインストール先を指定するには, /SOURCE 修飾子および /DESTINATION 修飾子を使用すれば論理名定義を上書きできます。 PCSI$DESTINATION が定義されていない場合,ソフトウェア製品は SYS$COMMON:[VMS$COMMON] とその下のディレクトリにインストールされます。 必要なソフトウェアがあればインストールし,必要な作業があれば実行します。 この情報は,ソフトウェア製品のインストレーション・ガイドやリリース・ノートに記載されています。 なお,キットが使用可能な場合は,POLYCENTER Software Installation ユーティリティ がこの作業を自動的に行います。 製品のリリース・ノートを読むには,リリース・ノートをファイルとして抜き出します。 たとえば,CMS 製品のリリース・ノートをテキスト・ファイルにコピーするには, 次のコマンドのいずれかを使用します。
ファイル名を指定しなければ,リリース・ノートは,現在のディレクトリにファイルとして書き込まれます。 キットで指定した名前が使用されます。 POLYCENTER Software Installation ユーティリティを使用してソフトウェア製品のリリース・ノートを抜き出す前に, そのソフトウェア製品をインストールする必要はありません。 インストールを開始するには,次のように,PRODUCT INSTALL コマンドを入力します。
一度に複数の製品をインストールする場合には,製品名をコンマで区切って入力します。 製品名には,次のように,アスタリスク(*) のワイルドカード文字を使用することができます。
表 3-7 「インストール中に要求できる機能」 に,コマンド修飾子で制御できる機能をいくつか示します。 完全なリストについては『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』とオンライン・ヘルプを参照してください。 表 3-7 インストール中に要求できる機能
3.6.4 項 「製品構成ファイル (PCF) の作成」 で, 製品のインストール前に PCF を作成する方法について説明しています。 インストール中にこの既存の PCF を使用するには,PRODUCT INSTALL コマンド行に /CONFIGURATION=INPUT 修飾子を指定します。 たとえば,CMS をインストールして, DEC-VAXVMS-CMS.PCSI$CONFIGURATION という名前の PCF に記録されている構成の選択を使用するには,次のように入力します。
インストール前に PCF を作成していない場合には,インストール中に作成します。 次のように,PRODUCT INSTALL コマンド行に /CONFIGURATION=OUTPUT=pcf 名 修飾子を指定します。
CMS バージョン 3.0 のオプションに関する問い合わせに応答すると, その応答は,現在の省略時ディレクトリで,CMSV3.DAT という名前の PCF に記録されます。 製品構成ファイルについての詳細は, 3.6.1 項 「プロダクト・ファイルとデータベース」 および 3.6.4 項 「製品構成ファイル (PCF) の作成」 を参照してください。 インストール中に,製品のオプションに関する完全な説明や, 任意の個々の質問に対する説明を要求することができます。 1 つの質問または質問のサブセット全体に対して,省略時の値を使用することもできます。 製品の全オプションに関する完全な説明と情報を要求するには, PRODUCT INSTALL コマンドに /HELP 修飾子を指定します。 個々の質問についてのヘルプを要求するには,質問に対する応答として Help キー または PF2 を押します。 POLYCENTER Software Installation ユーティリティ は, (ある場合には) 説明を表示し,そのオプションに必要なディスクとメモリ要件の要約を表示します。 次は Help キーを使用した例です。
情報量は製品によって異なり,情報が提供されない製品もあります。 省略時の応答は,次の 3 つのいずれかから設定されます。
入力 PCF を指定し,それにオプションに対する応答が含まれている場合は, その PCF からの省略時の応答が使用されます。 PCF のエントリによっては,省略時の応答を変更できるものとできないものがあります。 入力 PCF がないか,あるいは入力 PCF にオプションに対する応答が含まれて いない場合には,PDB または PDF から省略時の応答が設定されます。 PDB が存在し,オプションを含んでいる場合は,その PDB から省略時の応答が設定されます。 PDB が存在しない (新しいインストール) か,オプションを含んでいない (新しいオプション) 場合には,PDF から省略時の応答が設定されます。 省略時の応答は,PDB からのものでも PDF からのものでも変更できます。 オプションに応答するには,Return キーを押して省略時の応答を使用するか,あるいは自分の応答を入力してから Return キーを押します。 質問またはオプションのサブセットを含む製品もあります。 インストレーション・プロシージャで,サブセット全体に対する省略時の値を 使用するか, あるいはサブセットの各オプションに応答するかを選択することができます。 サブオプションのあるオプションを選択すると,POLYCENTER Software Installation ユーティリティ は次のように聞いてきます。
YES と応答すると,それより下位の項目については聞いてきません。 代わりにユーティリティが,その下位項目に対して省略時の値を使用します。 NO と答えると,ユーティリティは下位の各項目について聞いてきます。 製品のオプションに関する質問に応答した後, POLYCENTER Software Installation ユーティリティ は応答の要約を表示することができます。 次に例を示します。
その後,POLYCENTER Software Installation ユーティリティ は,次プロンプトを表示します。
応答が意図したものと異なる場合は No と答えてください。 その場合には,応答を入力し直すか,インストール・プロシージャを終了させます。
この質問に No と答えると,インストール・プロシージャは終了します。 製品はインストールされず,システムは変更されません。 DCL ヘルプ・テキストをアップデートするレイヤード製品をインストールする場合, PRODUCT INSTALL コマンドは,DCL ヘルプ・ライブラリ・ファイル SYS$HELP:HELPLIB.HLB に排他的にアクセスする必要があります。 たとえば,インストール作業によってヘルプ・ライブラリのアップデードが行われている最中にユーザが HELP にアクセスした場合, メッセージがいくつか表示されて,いくつかの質問に回答するよう要求されます。 そのメッセージと質問は,次の順序で表示されます。
POLYCENTER Software Installation ユーティリティ をバッチ・ジョブとして実行するには,コマンド・プロシージャ・ファイルに PRODUCT コマンドを入力してから,そのファイルをバッチ・キューに登録します。 コマンド・プロシージャでは,製品のオプションや構成の選択についての質問にPOLYCENTER Software Installation ユーティリティ が応答できるよう,/CONFIGURATION 修飾子を使用して既存の PCF を指定します。 /CONFIGURATION を指定しない場合には,省略時の値が使用されます。 例 3-2 「製品をインストールするためのコマンド・プロシージャの例」 は,コマンド・プロシージャを使用して製品をインストールする方法を示しています。 この例では VERIFY を設定して元に戻し,インストールの時間を記録します。 例 3-2 製品をインストールするためのコマンド・プロシージャの例
パッチ・キットは,製品のインストール後 PRODUCT REMOVE コマンドを使用してシステムから簡単に削除できる通常のソフトウェア製品とは異なります。 多くの場合,パッチ・キットは完全な製品に適用するための単なるサブセットであり,通常,製品のバージョン番号は変わりません。 このような特徴があるため,POLYCENTER Software Installation ユーティリティはパッチ・キットを特別な方法で扱います。 たとえば,不具合があると分かったパッチ・キットをアンインストールできるようにしたい場合は,始めに /SAVE_RECOVERY_DATA 修飾子を指定してパッチ・キットをインストールしなければなりません。 この修飾子を指定すると,インストールで変更または置き換えられるすべてのファイルとモジュールが,システム・ディスク上の専用の領域に保存されます。 これらのファイルには,ユーティリティの製品データベースや,保存された環境を示す特殊データ・ファイルが含まれます。 これらのファイルがまとまって,回復データ・セットを形成します。 その後,PRODUCT UNDO PATCH コマンドを使用してパッチ・キットをアンインストールすると,パッチ・キット・オブジェクトは削除されます。 そして,保存された回復データ・セットを使用して,置き換えられたファイルが,データベースとともに回復されます。 インストールしたソフトウェア製品に対して他の操作を実行できます (たとえば,インストール中に設定した選択の再構成, ボリューム・ラベルの変更の記録,ソフトウェアを新しい場所または異なる媒体にコピーする操作などを実行できます)。 また,キットを新しい形式に変換したり,製品情報を表示したり,どのパッチ・キットをアンインストールできるか調べるために回復の詳細を表示したり,ディスク・スペースを節約するために回復データ・セットを削除したり,順次パッケージされている製品キットの内容を表示したり,順次パッケージされているキットからファイルを取り出さなければならないこともあります。 インストール時に設定した構成の選択を,製品のインストール後に変更することができます。 これを,再構成 と呼びます。 新しいオプションを選択すると,POLYCENTER Software Installation ユーティリティ が,必要な変更をすべて行います。 インストールされている製品について構成の選択を変更するには, PRODUCT RECONFIGURE コマンドを使用します。 製品キットは,ユーザの省略時のディレクトリ上に置かれているか, /SOURCE 修飾子または PCSI$SOURCE 論理名で指定されている必要があります。 変更したボリューム・ラベルを製品データベースに記録するには, PRODUCT REGISTER VOLUME コマンドを入力します。 古いボリューム・ラベルと,ボリュームをマウントするデバイス名を入力するよう求められます。 このコマンドは,古いボリューム・ラベルをすべて,新しいボリューム・ラベルに置き換えます (POLYCENTER Software Installation ユーティリティは,ディスクから新しいラベルを読み込みます)。 PRODUCT REGISTER VOLUME コマンドは,製品データベースの情報だけを変更し,ボリュームのラベルは変更しません。 ボリューム名を変更するには,DCL コマンドの SET VOLUME を使用します。 その後,PRODUCT REGISTER VOLUME コマンドで新しい名前を記録します。 PRODUCT REGISTER VOLUME コマンドで,物理デバイス名または論理デバイス名の変更を記録することもできます。 POLYCENTER Software Installation ユーティリティ で, ある位置から別の位置に製品のディストリビューション・キットをコピーすることができます。 キットをテープからディスクに転送すると, 順次コピー形式から 参照コピー形式に変更することができます。 ある位置から別の位置にソフトウェア・キットをコピーするには, PRODUCT COPY コマンドを使用します。 次の例のように,/SOURCE 修飾子で現在の位置を指定し, /DESTINATION 修飾子で新しい位置を指定します。
PRODUCT COPY コマンドに /FORMAT 修飾子を指定すると,ソフトウェア・キットを (ディスクまたは CD-ROM 上の) 参照形式から順次形式へ,順次形式から参照形式へ,または順次形式から圧縮形式へ変換することができます。 たとえば,CMS を順次形式から参照形式に変換するには,次のコマンドを入力します。
製品データベース (PDB) に格納されている情報はすべて,SHOW OBJECT, SHOW PRODUCT, SHOW HISTORY の各コマンドを使用してアクセスできます。 この項では,これらのコマンドを使用して PDB から情報を検索する方法について説明します。 システムにインストールした製品に関連する管理オブジェクト (ファイル,アカウント,ディレクトリなど) についての情報を表示するには,SHOW OBJECT コマンドを使用します。 表 3-8 「SHOW OBJECT コマンド: 管理オブジェクト情報の表示」 に,SHOW OBJECT コマンドで解決できる質問を示します。 表 3-8 SHOW OBJECT コマンド: 管理オブジェクト情報の表示
SHOW PRODUCT コマンドと SHOW HISTORY コマンドを使用すると, システムにインストールした製品についての情報が得られます。 表 3-9 「SHOW PRODUCT コマンドと SHOW HISTORY コマンド」 に,このようなコマンド解決できる質問をいくつか示します。 表 3-9 SHOW PRODUCT コマンドと SHOW HISTORY コマンド
SHOW RECOVERY_DATA コマンドを使用すると,パッチ回復データ・セット内の情報を表示できます。 表 3-10 「SHOW RECOVERY_DATA コマンド: パッチ回復情報の表示」 に,このコマンドで応えることができる質問を示します。 表 3-10 SHOW RECOVERY_DATA コマンド: パッチ回復情報の表示
多数のパッチをインストールした後,ソフトウェア製品環境が安定していて,システム・ディスク・スペースの空きが少ない状態になっていることに気付くことがあります。 空きディスク・スペースのサイズを大きくするには,使用する可能性のないパッチ回復データを削除する方法が考えられます。 PRODUCT DELETE RECOVERY_DATA コマンドを使用することで,この処理を実行することができます。 表 3-11 「DELETE RECOVERY_DATA コマンド: 削除オプションの表示」 に,このコマンドで利用できるオプションを示します。
表 3-11 DELETE RECOVERY_DATA コマンド: 削除オプションの表示
POLYCENTER Software Installation ユーティリティ を使用して,インストールした製品を削除すると, 製品をインストールしたときに作成されたファイルやアカウント, その他のオブジェクトがすべて,システムと製品データベースから削除されます。 インストールした製品を削除するには,次のように, PRODUCT REMOVE コマンドを入力します。
パッチ・キットをアンインストールするには,PRODUCT UNDO PATCH コマンドを使用します。 ただし,このコマンドは,/SAVE_RECOVERY_DATA 修飾子を指定してキットをインストールした場合にのみ動作します。 また,保存された回復データが,システム上で利用可能でなければなりません。 そのためには,パッチ・キットのインストール後に,パッチ回復データを削除するような操作を実行していてはなりません。 回復データ・セットを自動的に破棄する操作を,次に示します。
PRODUCT SHOW RECOVERY_DATA コマンドを使用してパッチ回復データが利用可能であることを確認した後,PRODUCT UNDO PATCH コマンドを使用してアンインストール操作を実行できます。 このコマンドには,柔軟性があります。
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