日本−日本語 |
|
|
HP OpenVMS: システム管理者マニュアル (上巻)第5章 オペレーティング・システムのカスタマイズ |
|
目次 インストールしたオペレーティング・システムは,ユーザの必要に応じてカスタマイズすることができます。 この章の内容この章では次の作業について説明します。
さらに,次の項目について説明します。
OpenVMS では,DECwindow のサポートも含め, オプションのシステム・ファイルを追加,削除することによって, オペレーティング・システムの大きさを変更することができます。 これは,小規模なシステムやディスク空間が限られているシステムで特に有用です。 たとえば,システム・ディスクが RD54 の MicroVAX II コンピュータで,Delta/XDelta デバッガ (DELTA/XDELTA) やシステム・ダンプ解析ユーティリティ (SDA) などのシステム・プログラミング機能を使用しない場合は,システム・ディスクからそうしたファイルを削除することができます。 使用するシステムによっては,ファイルの追加および削除の方法には次の 2 種類を使用できます。
システムのカスタマイズで大切な作業の 1 つは, サイト別スタートアップ・コマンド・プロシージャの作成または変更です。 スタートアップ・コマンド・プロシージャにコマンドを登録しておくと,システムをブートするたびに, 必ずそれらのコマンドが実行されることになります。 次の用語を覚えてください。
弊社が提供するサイト別スタートアップ・コマンド・プロシージャを, 実行される順に 表 5-1 「サイト別スタートアップ・コマンド・プロシージャ」 に示します。 これらのプロシージャは,論理名 SYS$STARTUP のシステム・ディレクトリにあります。 表 5-1 サイト別スタートアップ・コマンド・プロシージャ
サイト別コマンド・プロシージャは,プロシージャごとに次の 2 つのバージョンが用意されており,ディストリビューション・キットの SYS$MANAGER ディレクトリに格納されています。
サイト別スタートアップ・コマンド・プロシージャを変更する場合, 次の規則に従ってください。
サイト別スタートアップ・コマンド・プロシージャを変更するにあたっては, システムのスタートアップ・イベントの順序を理解しておく必要があります。 スタートアップ・プロシージャの各フェーズの順序は, VMS$PHASES.DAT というデータベース・ファイルによって決まります。 このファイルは,STARTUP.COM が起動するフェーズを順番に並べたものです。 このファイルには,オペレーティング・システムを起動する 4 つの基本的なフェーズ (INITAIL,CONFIGURE,DEVICE,BASEENVIRON) が入っていて,さらに,レイヤード製品用のフェーズが続きます。
起動時に,システムは次の順序で作業を行います。
ブート時,システムは自動的に SYS$SYSTEM ディレクトリの 1 次ページ・ファイルおよび 1 次スワップ・ファイルをインストールします。 これらの 1 次ページ・ファイルおよび 1 次スワップ・ファイルが SYS$SYSTEM ディレクトリに存在しない場合,または 2 次ページ・ファイルおよび 2 次スワップ・ファイルをシステム・ディスク以外のディスクに登録している場合,これらのファイルをシステム・ブートのたびにインストールする必要があります。 ページ・ファイルおよびスワップ・ファイルを適切にインストールするためには,SYPAGSWPFILES.COM にコマンドを登録します。 作業を行うにあたっては,ページ・ファイルとスワップ・ファイルの働きを理解し, それらのファイルを別のディレクトリに移さなければならない理由を認識しておいてください。 詳細は『OpenVMS システム管理者マニュアル (下巻)』を参照してください。 また,SYPAGSWPFILES.COM ファイルには, SYSGEN の CREATE コマンドや DCL の INITIALIZE や MOUNT コマンドなど, INSTALL コマンド以外のページ・ファイルとスワップ・ファイルを設定するためのコマンドを登録することができます。 STARTUP.COM が SYPAGSWPFILES.COM を起動した時点では, システム・ディスクしかマウントされません。 ページ・ファイルやスワップ・ファイルが存在するディスクをマウントするためには, SYPAGSWPFILES.COM に MOUNT コマンドを登録する必要があります。 SYPAGSWPFILES.COM を使用するためには, ページ・ファイルが少なくとも 1 つインストールされている必要があります。 ページ・ファイルがない場合,STARTUP.COM は次のエラー・メッセージを表示します。
SATELLIGE_PAGE.COM を使用して,サテライト・ノードのローカル・ディスクにページ・ファイルとスワップ・ファイルをインストールすることもできます。 SATELLITE_PAGE.COM は,CLUSTER_CONFIG.COM の実行時に作成されます。 サテライト・ノードのローカル・ディスクのページ・ファイルとスワップ・ファイルのインストール方法については,『OpenVMS Cluster システム』を参照してください。 作業方法
例次の例は,SYPAGSWPFILES.COM に登録したコマンドの例です。 これらのコマンドは,PAGE_SWAP という論理名のデバイス DUA10: に存在する 2 次ページ・ファイルと 2 次スワップ・ファイルをインストールします。
非標準デバイスの接続や自動構成の抑制などのサイト別デバイス構成を実行するよう SYCONFIG.COM コマンドを追加することもできます。 標準デバイスは,システムのブートのたびに STARTUP.COM によって, 自動的に接続および構成されます。 非標準デバイス (弊社が提供しないデバイス) は自動的には接続および構成されません。 これらのデバイスは,該当するコマンドを入力することによって手動で接続および構成しなければなりません。 このようなコマンドをシステムのスタートアップごとに実行するには, コマンドを SYCONFIG.COM に追加します。 VAX システムの場合,SYSGEN の CONNECT コマンドを追加します。 デバイスの接続については, 8.5 項 「デバイスの接続とデバイス・ドライバのロード」 を参照してください。 SYSGEN の CONNECT コマンドについては, 『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』の SYSGEN の部分を参照してください。 Alpha システムおよび I64 システムの場合,SYSMAN の IO CONNECT コマンドを追加します。 デバイスの接続については, 8.5 項 「デバイスの接続とデバイス・ドライバのロード」 を参照してください。 SYSMAN の IO CONNECT コマンドについては, 『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』の SYSMAN の部分を参照してください。 例QQ という非標準デバイスを接続する場合は, SYCONFIG.COM に次のコマンドを登録します。
システムのブート中に自動構成を行いたくない場合もあります。 たとえば,次のような場合です。
このような場合は,SYCONFIG.COM にシンボルを定義することによって, 自動構成を禁止することができます。 詳細は 8.5.3 項 「デバイスの自動構成の禁止」 を参照してください。 システム単位の論理名は,システム全体に適用されます。 この論理名は,システム 論理名テーブル に定義され, そのシステム内にある任意のプロセスが使用できます。 クラスタ単位のシステム論理名は,クラスタ内にあるすべてのノードに対して,システム・レベルで適用されます。 この論理名は,各ノードにあるクラスタ全体用のシステム論理名テーブルに定義され,そのシステム内にある任意のプロセスが使用できます。 一般に,システム管理者はスタートアップ時に定義するシステム固有の論理名を SYLOGICALS.COM 内で定義します。 しかし,クラスタ単位の論理名の定義にはこのコマンド・プロシージャは適当ではありません。 この場合には,SYSTARTUP_VMS.COM を使用します。 詳細については,『OpenVMS Cluster システム』の「共用環境の準備」を参照してください。 弊社が提供する SYLOGICALS.COM には, OpenVMS Cluster 環境ではない MicroVAX システム上でシステム単位の論理名を割り当てるコマンドが入っています。 ユーザのシステムがスタンドアロンの MicroVAX システムでない場合は,テンプレート・ファイルの先頭にあるプロシージャを無視し,ファイルの最後にシステム単位の論理名割り当てを追加することができます。 SYLOGICALS.COM には,独自のサイト別システム単位の論理名を作成するコマンドを登録することができます。 また,SYLOGICALS.COM にシステム論理名の新しい定義を登録することによって,それら論理名の省略時の定義を変更することもできます。 表 5-2 「よく定義されるシステム論理名」 は,よく定義される論理名の一部です。 ) ) ) ) 表 5-2 よく定義されるシステム論理名
システム要素 (たとえば,公用のディスクやディレクトリ) に対する論理名を定義する場合には,ASSIGN または DEFINE コマンドに /EXECUTIVE_MODE 修飾子を指定します。 エグゼクティブ・モードで定義することによって,特権モードのイメージ (LOGINOUT, Mail など) の起動など,システム操作において,その論理名を使用できるからです。 システム・コンポーネント(たとえば,公用ディスクやディレクトリ) に論理名を定義する場合,DEFINE または ASSIGN コマンドに /EXECUTIVE_MODE 修飾子を使用して エグゼクティブ・モードで定義することをお勧めします。 このタイプの論理名は,信頼できる論理名と呼ばれますが, (LOGINOUT, Mailなどの)特権モード・イメージの起動のようなシステム操作で使用することができます。 論理名と特権モード (エグゼグティブ,カーネル, スーパバイザ,ユーザ)についての詳細は, 『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』 を参照してください。 作業方法
例
この例では,システムのすべてのユーザ,またはシステムで動作するすべてのプログラムが,物理デバイス名の DRAC$DRA2: の代わりに論理名の FINANCE_DISK を使用できるようにしています。 同様に,システム・ディスク (SYS$SYSDEVICE:) は SYSDSK で参照することができます。 SYSECURITY.COM は,機密保護監査サーバ・プロセスを起動する前に実行されます。 このファイルには,機密保護監査ログ・ファイルやローカルの機密保護アーカイブ・ファイルを保持するディスクをマウントまたは定義するためのコマンドを追加できます。 機密保護監査についての詳細は,『OpenVMS システム管理者マニュアル (下巻)』を参照してください。 通常,システムは,SYSTARTUP_VMS.COM を実行する直前に,VMS$LPBEGIN の監査を開始します。 ただし,この動作は,論理名 SYS$AUDIT_SERVER_INHIBIT を再定義することによって変更することができます。 機密保護監査の自動起動を禁止する場合は,SYS$MANAGER:SYLOGICALS.COM に次の行を 追加します。
コマンド・ファイルに次の行を追加することによって,システム起動の他のフェーズ (ほとんどは SYSTARTUP_VMS.COM の最後のフェーズ) で監査を開始することができます。
SYSTARTUP_VMS.COM の編集方法については, 次の 5.2.7 項 「通常の操作を行うための SYSTARTUP_VMS.COM の変更」 を参照してください。 特定のサイトだけでコマンドを実行する場合は, サイト別スタートアップ・コマンド・プロシージャSYSTARTUP_VMS.COM にコマンドを追加または変更します。 次のような作業を行う場合は, SYSTARTUP_VMS.COM を編集して, コマンドの追加または変更を行うことをお勧めします。
作業方法SYSTARTUP_VMS.COM を変更するには,次の手順に従ってください。
公用ボリューム(公用ディスク) とは, システムで動作するすべてのプロセスがアクセス可能なディスクです。 ディスクを共用できるようにするためには, 次のことを行う必要があります。
作業方法公用ディスクをマウントするためには, 汎用サイト別スタートアップ・コマンド・プロシージャに,次の形式で MOUNT コマンドを登録します。 MOUNT/SYSTEM デバイス名: ボリューム・ラベル 論理名
/SYSTEM を指定すると,システム全体でそのディスクが使用可能になります。 省略時の設定では,ユーザが MOUNT コマンドを使用すると, システムは次の論理名を作成することに注意してください。 DISK$ボリューム・ラベル 多くの場合,省略時の論理名でユーザの要件は満たされます。 スタートアップ・コマンド・プロシージャ中でディスクをマウントするとき, VAXcluster 環境 または OpenVMS Cluster 環境においても /CLUSTER 修飾子は指定しないでください。 各ノードは自分自身のディスクをマウントするように, それぞれ独自のスタートアップ・コマンド・プロシージャを実行します。
公用ボリュームについての詳細は,9.1.4 項 「公用ディスク・ボリュームと私用ディスク・ボリューム」 および 9.5 項 「ボリュームのマウント」 を参照してください。 MOUNT コマンドについては, 『OpenVMS DCL ディクショナリ』を参照してください。 システムの起動時からマウントする必要があるディスクがある場合は, SYCONFIG.COM に MOUNT コマンドを登録します。 たとえば,SYSTARTUP_VMS.COM を実行する前に使用したいファイルが存在するサイトでは操作が必要です。 SYCONFIG.COM については, 5.2.4 項 「デバイスの構成のための SYCONFIG.COM の変更」 を参照してください。 システムに接続されているターミナルとプリンタのデバイス特性を設定する場合は, SYSTARTUP_VMS.COM に SET コマンドを登録します。 デバイスの設定用のコマンドについては, 8.7.1 項 「ターミナル特性の設定」 および 8.9.1 項 「プリンタ特性の設定」 を参照してください。 システム構成が単純な場合は,SYSTARTUP_VMS.COM にそのまま SET コマンドを登録してください。 システム構成上,大量の SET コマンドが必要な場合は, 別のコマンド・プロシージャ(たとえば DEVICE_SETUP.COM)にコマンドを登録しておき, SYSTARTUP_VMS.COM からそのコマンド・プロシージャを実行します。 デバイス設定コマンド・プロシージャが終了したら, SYSTARTUP_VMS.COM に制御が戻るようにします。 SYSTARTUP_VMS.COM に次の作業を行うためのコマンドを登録してください。
システム構成が単純な場合は, SYSTARTUP_VMS.COM にこれらのコマンドを登録してください。 大量のキューがあるシステムでは,たとえば STARTQ.COM といった別のコマンド・プロシージャ・ファイルにコマンドを登録し, SYSTARTUP_VMS.COM プロシージャからそのプロシージャを実行します。 自動起動機能はキューの起動を簡略化し,より少ないコマンドでキューを起動できるようにします。 したがって,可能な場合はいつでも自動起動キューを利用して,キューの起動を簡略化することをお勧めします。 自動起動キューについては, 14.1.3 項 「自動起動キュー」 を参照してください。 システム起動時におけるキューの起動とキュー用自動起動の許可についての詳細は, 14.4.1 項 「自動起動実行キューの作成と起動」 を参照してください。 よく使われるプログラムを既知イメージとしてインストールすると, イメージを起動するときの入出力オーバヘッドを抑えたり, イメージに属性や特権を割り当てたりできます。 INSTALL ユーティリティは,既知イメージのインストールに使用するユーティリティです。 既知イメージは,システムをブートするたびに,インストールする必要があります。 STARTUP.COM には,システム・プログラムを既知イメージとしてインストールする INSTALL コマンドが登録されています。 システム管理者は, SYSTARTUP_VMS.COM にサイト固有の INSTALL コマンドを登録して,システムのブートのたびに既知イメージをインストールするようにしてください。 既知イメージのインストールについての詳細は, 『OpenVMS システム管理者マニュアル (下巻)』を参照してください。 例次の例は既知イメージを追加インストールする INSTALL コマンドの例です。 SYSTARTUP_VMS.COM で使用することができます。
常駐イメージはシステム・ブートのたびにインストールされなければなりません。 SYSTARTUP_VMS.COM にコマンドを追加することによって, システム・ブートのたびにこの作業を自動的に実行することができます。 『OpenVMS システム管理者マニュアル (下巻)』に,インストール・ユーティリティ (INSTALL) を使った Alpha システムおよび I64 システムへの常駐イメージのインストール方法を説明します。 InfoServer システムを使用すれば, SYSTARTUP_VMS.COM 中でいくつかのセットアップ作業を行えます。 たとえば,SYSTARTUP_VMS.COM にコマンドを追加して次のようなことが行えます。
『OpenVMS システム管理者マニュアル (下巻)』に,InfoServer システムとその使用法について説明しています。 システムをブートするたびに, SDA ユーティリティを実行して, 前回システムの動作に失敗したときのシステム・クラッシュ・ダンプの内容を解析することができます。 これを行う場合は,SYSTARTUP_VMS.COM にコマンドを追加します。 システム・ダンプ・アナライザについての詳細は,『OpenVMS システム管理者マニュアル (下巻)』,『OpenVMS VAX System Dump Analyzer Utility Manual』および『OpenVMS Programming Environment』を参照してください。
例次の例は, SYSTARTUP_VMS.COM から SDA を起動し, クラッシュ・ダンプを保存,解析して,リスト・ファイルを表示している例です。
システムをブートするたびに,OPERATOR.LOG の新しいバージョンが作成されます。 このファイルを定期的に管理する方法を計画しておく必要があります。 次のコマンドを,ユーザのSYSTARTUP_VMS.COM コマンド・プロシージャに追加すれば, ブート時にオペレータ・ログ・ファイルの最新の 2 つのバージョン以外のバージョンがパージされます。
オペレータ・ログ・ファイルについての詳細は, 『OpenVMS システム管理者マニュアル (下巻)』を参照してください。 システムの起動時にバッチ・ジョブをキューに登録する場合は, SYSTARTUP_VMS.COM に,次の形式で SUBMIT コマンドを登録します。 SUBMIT [/ 修飾子 ,...] SYS$MANAGER: ファイル指定 例次の例は,システムのブートのたびにコマンド・プロシージャを実行するバッチ・ジョブを登録するコマンドの例です。 このジョブには高い優先順位が与えられ, ユーザが登録するどのバッチ・ジョブよりも前に実行されるようになっています。 できれば,バッチ・キューを起動する前に,このように高い優先順位で起動時バッチ・ジョブを登録してください。 たとえば,次のように登録します。
ジョブのスケジューリングについては,14.6.5.2 項 「ジョブのスケジューリング優先順位の変更」 を参照してください。 SUBMIT コマンドについては, 『OpenVMS DCL ディクショナリ』を参照してください。 通常,SYSTARTUP_VMS.COM の最後には,次のようなコマンドが入っていて, システムが立ち上り,動作していることをすべてのターミナルに通知します。
サイト別スタートアップ・コマンド・プロシージャが終了する前に, 論理名 SYS$ANNOUNCE か SYS$WELCOM,またはその両方に対して, サイト別の定義を入れておくことができます。 すると,ユーザがログインするたびに,SYS$ANNOUNCE または SYS$WELCOM に登録しておいたメッセージがユーザのターミナルの画面に表示されます。 SYS$ANNOUNCE の定義 SYS$ANNOUNCE を定義すれば, ユーザがログイン・プロシージャを開始したときに通知メッセージを表示することができます。 メッセージが表示されるのは,ダイアルインに成功した直後か, Ctrl/Y またはキャリッジ・リターンを入力した直後です。 また LAT ターミナルから CONNECT コマンドを使ってサービスに接続したときにも通知メッセージが表示されます。 メッセージの長さは最高 63 文字です。 63 文字より多い通知メッセージを表示したい場合は,通知メッセージをファイルに入れ, そのファイルの名前を通知メッセージの代わりに指定します。 このとき,ファイル名の前にはアット・マーク (@) を付けます。 たとえば,次のコマンドを,ユーザの SYSTARTUP_VMS.COM に登録することもできます。
次のコマンドは,ファイルの内容を表示する例です。
SYS$ANNOUNCE が定義されていない場合,通知メッセージは表示されません。
SYS$WELCOME の定義 SYS$WELCOME を定義すれば,ユーザがログインしたときにウェルカム・メッセージを表示することができます。 ウェルカム・メッセージが表示されるのは,ユーザから正しいパスワードが入力された直後です。 メッセージの長さは最高 63 文字です。 63 文字より多いウェルカム・メッセージを表示したい場合は, ウェルカム・メッセージをファイルに入れ,そのファイルの名前をウェルカム・メッセージの代わりに指定します。 このとき,ファイル名の前にはアット・マーク (@) を付けます。 たとえば,次のコマンドを,ユーザの SYSTARTUP_VMS.COM に登録することもできます。
次のコマンドは,ファイルの内容を表示する例です。
SYS$WELCOME が定義されていない場合,次のような標準のウェルカム・メッセージがターミナルに表示されます。
論理名 SYS$NODE の変換を含めることにより,このメッセージに DECnet ノード名を追加できます。 DECnet が起動すると,DECnet によって SYS$NODE に論理名が割り当てられます。 ディストリビューション・キットにテンプレートとして提供されている SYSTARTUP_VMS.COM には, SYS$ANNOUNCE と SYS$WELCOME のその他のコマンド例が入っています。 システム・ブートのたびに,ユーザのノードを LAT サービス・ノードとしてセットアップし,ユーザのシステム上で LAT プロトコル・ソフトウェアを起動するには, 次の行を SYSTARTUP_VMS.COM に追加してください。
このコマンドが実行されると,LAT$STARTUP.COM が起動します。 その後,LAT$STARTUP.COM は,LAT$CONFIG と LAT$SYSTARTUP コマンド・プロシージャをこの順番で起動します。 詳細は『OpenVMS システム管理者マニュアル (下巻)』を参照してください。 ネットワークを起動する前に,DECnet ライセンスを登録し, ネットワークを構成しておく必要があります。 DECnet ネットワークのセットアップについては, 『OpenVMS システム管理者マニュアル (下巻)』を参照してください。 使用しているシステムが DECnet ネットワークに属している場合, システムをブートするたびに DECnet ソフトウェアの起動が必要となる場合があります。 異なるネットワークを実行している場合は, そのネットワーク・プロトコルに対して適切なスタートアップ・ファイルを実行する必要があります。 たとえば,一般的なネット・スタック・スタートアップには, 次のようなものがあります。
DIBOL プログラムを実行するノードでは,それぞれの SYS$STARTUP:SYSTARTUP_VMS.COM の中に SYS$STARTUP:DBLSTRTUP.COM を実行する行がなければなりません。 このコマンド・プロシージャは, DIBOL プログラムがメッセージの送信の媒介として使用する DIBOL メッセージ・マネージャを起動します。 例SYSTARTUP_VMS.COM は,次のような行を含んでいなければなりません。
省略時の設定では,システムのブート時に, ログインできる会話型ユーザ数は,64 人に制限されています。 一度にシステムにログインできる会話型ユーザ数の省略時の値を変更したい場合は,SYSTARTUP_VMS.COM に,次の形式で STARTUP$INTERACTIVE_LOGINS シンボルを定義します。 STARTUP$INTERACTIVE_LOGINS == n n は,一度にログインできる会話型ユーザの最大数です。
会話型ユーザの最大数は,LAT ソフトウェアが OpenVMS サービス・ノードに割り当てるサービス率に影響します。 LAT ソフトウェアは,最大ユーザ数に対する現在のユーザの率を使用して,サービス率を求めるからです。 最大ユーザ数を大きくしすぎると,サービス率が高くなってしまいます。 その結果,まるで,OpenVMS ノードのサービスに余裕があるように錯覚してしまいます。 LAT ソフトウェアについては,『OpenVMS システム管理者マニュアル (下巻)』を参照してください。 例
ユーザ環境のカスタマイズには, サイト別スタートアップ・コマンド・プロシージャを変更する以外の方法もあります。 それは,ログイン・コマンド・プロシージャ にコマンドを登録して, ユーザがログインするたびに,必要な処理を行う方法です。 このセクションの例は DCL (.COM) コマンド・プロシージャ用ですが, 拡張子を置き換えれば POSIX などの他のインタフェースにも使用できます。
SYLOGIN.COM プロシージャSYLOGIN.COM は,システム管理者が作成し保守するファイルです。 ディストリビューション・キットに, このファイルのテンプレートが提供されています。 システム管理者は,サイトの状況に応じて,テンプレートのコマンドを修正または新しいコマンドを追加することができます。 SYSTARTUP_VMS.COM のテンプレートには,論理名 SYS$SYLOGIN に対して SYLOGIN.COM を割り当てるコマンド行が入っています。
LOGIN.COM プロシージャLOGIN.COM は,各ユーザが作成し保守するファイルです。 このファイルは,ユーザのアカウントの最上位ディレクトリに存在する必要があります。 システム管理者は,LOGIN.COM を各ユーザにコピーして,ユーザが LOGIN.COM を設定するのを助けてあげてください。 SYLOGIN コマンド・ファイルについては,7.3.1 項 「会話型アカウント用コマンド・プロシージャの使用法」 を参照してください。 LOGIN.COM プロシージャについては, 『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』を参照してください。 スタートアップ・データベース には,システム・ソフトウェアが起動するときに使用する情報が入っています。 たとえば,STARTUP.COM は STARTUP$STARTUP_VMS という名前のスタートアップ・データベースの情報を使って, OpenVMS オペレーティング・システムを起動します。 また,STARTUP.COM は,STARTUP$STARTUP_LAYERED という名前のスタートアップ・データベースを使って,レイヤード製品を起動します。 スタートアップ・データベースについての詳細は, 5.4.1 項 「スタートアップ・データベース」 を参照してください。 SYSMAN ユーティリティの STARTUP コマンドを使用して, スタートアップ・データベースを次のようにカスタマイズすることもできます。
次に,これらの作業について説明します。 これらの作業を行う前に,SYSMAN を理解しておく必要があります。 SYSMAN についての詳細は,2.3.1 項 「SYSMAN」 を参照してください。 また,スタートアップ・データベース,特に,レイヤード製品のスタートアップ・データベースを理解しておく必要があります。 詳細は, 5.4.1 項 「スタートアップ・データベース」 および 5.4.2 項 「レイヤード製品のスタートアップ・データベース」 を参照してください。 OpenVMS オペレーティング・システムには,SYS$STARTUP 論理名に定義されている場所に,3 つのスタートアップ・データベースが用意されています。
ユーザのレイヤード製品とは異なるサイト別ソフトウェアを管理したい場合は,SYSMAN を使用して,追加のスタートアップ・データベースを作成することができます。 レイヤード製品のスタートアップ・データベース・ファイル (STARTUP$STARTUP_LAYERED で参照されるファイル) には,サイト別製品およびレイヤード製品を起動するファイルとコマンド・プロシージャのリストが入っています。 このファイルは,各スタートアップ・ファイルについて,次の特性を持っています。
パラメータを 1 つしか指定しない場合は,括弧を省略することができます。 SYSMAN において,現在のデータベースというのは, SYSMAN コマンドが処理するデータベースのことを指します。 STARTUP$STARTUP_LAYERED またはユーザが作成したデータベース・ファイルは,表示することも変更することも可能です。 STARTUP$STARTUP_VMS は,表示することは可能ですが, 変更はしないでください。 省略時の設定では,現在のデータベースはレイヤード製品データベースです。 別のデータベースに対してコマンドを実行したい場合は, STARTUP SET DATABASE コマンドに,次の形式で目的のデータベースを指定します。 STARTUP SET DATABASE データベース データベースは,現在のデータベースにするデータベース名です。 例
ターゲット・データベースがどのデータベースであるか確認する場合は, 次のように STARTUP SHOW DATABASE コマンドを使用します。 例
現在のデータベースの内容を表示したい場合は,STARTUP SHOW FILE コマンドを使用します。 STARTUP SHOW FILE コマンドには,いろいろな修飾子を指定して, 表示する情報量を制御することができます。 詳細は『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。 例
レイヤード製品のスタートアップ・データベースにファイルを追加するためには,STARTUP ADD コマンドを使用します。 /MODE 修飾子は,ファイルの実行モードを指定します。 /PHASE 修飾子は,システムのスタートアップ・コマンド・プロシージャのどのフェーズでファイルが実行されるかを指定します。 レイヤード製品のスタートアップ・フェーズについては, 5.4.2 項 「レイヤード製品のスタートアップ・データベース」 を参照してください。 STARTUP MODIFY コマンドを使って STARTUP$STARTUP_VMS を変更しないでください。 このコマンド・プロシージャはオペレーティング・システムを起動するプロシージャだからです。 STARTUP MODIFY コマンドを使用するためには, スタートアップ・データベースへの読み込みアクセスおよび書き込みアクセスが必要です。 SYSMAN を使用してレイヤード製品のスタートアップ・ファイルを登録する場合には, 必要なすべての要素が前のフェーズで必ず発生するようにしてください。 STARTUP ADD コマンドに適切な修飾子を指定して実行します。 STARTUP ADD コマンドの修飾子については, 『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル (下巻) 』の SYSMAN の説明を参照してください。 例
レイヤード・プロダクト・スタートアップ・データベースに追加したファイルの情報を変更するためには,STARTUP MODIFY コマンドを入力します (STARTUP MODIFY コマンドを実行するためには, スタートアップ・ファイルへの読み込みおよび書き込みアクセスが必要です)。
STARTUP MODIFY コマンドの修飾子についての詳細は, 『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル (下巻) 』を参照してください。 例
スタートアップ・データベースからレコードを削除すると, 該当する製品が起動されなくなります。 レコードを削除するためには, STARTUP REMOVE FILE コマンドを使用します。 このコマンドによってスタートアップ・ファイルが削除されることはありません。 しかし,そのファイルはシステム起動時に使用されなくなります (STARTUP REMOVE FILE コマンドを実行するためには, スタートアップ・データベースへの読み込みおよび書き込みアクセスが必要です)。
スタートアップ・データベース・ファイルからレコードを削除するためには, STARTUP REMOVE FILE コマンドを,次の形式で入力します。 STARTUP REMOVE FILE ファイル名 ファイル名には,削除するスタートアップ・ファイルの名前を指定します。 例
一時的にスタートアップ・ファイルの実行を禁止する場合は, STARTUP DISABLE コマンドを使用します。 /NODE 修飾子を指定すると,特定のノードについてのみスタートアップ・ファイルを無効にすることもできます。 STARTUP DISABLE コマンドを使用するためには, スタートアップ・データベースに対する読み込みアクセス権および書き込みアクセス権が必要です。 このコマンドを使って STARTUP$STARTUP_VMS を変更しないでください。 スタートアップ・データベース・ファイルからレコードを削除するためには, STARTUP DISABLE コマンドを次の形式で入力します。 STARTUP DISABLE FILE ファイル名 ファイル名には,無効にするスタートアップ・ファイルの名前を指定します。 例
STARTUP ENABLE コマンドを使用すると,実行を一時的に禁止していたスタートアップ・ファイルを,再度実行可能にすることができます。 /NODE 修飾子を指定すると,特定のノードについてのみスタートアップ・ファイルを実行可能にすることもできます。 STARTUP ENABLE コマンドを使用するためには, スタートアップ・データベースに対する読み込みアクセスおよび書き込みアクセス権が必要です。 このコマンドを使って STARTUP$STARTUP_VMS を変更しないでください。 一度禁止したスタートアップ・ファイルを実行可能にするためには, 削除するためには, STARTUP ENABLE コマンドを,次の形式で入力します。 STARTUP ENABLE FILE ファイル名 ファイル名には,実行可能にするスタートアップ・ファイルの名前を指定します。 例
OpenVMS オペレーティング・システム上で稼働するアプリケーションは, 旧バージョンのオペレーティング・システムの内部インタフェースに依存している場合があります。 たとえば,アプリケーションはシステム・ルーチンを呼び出したり, システム・データ・セルやシステム・データ構造を参照する場合があります。 オペレーティング・システムの新しいバージョンでは,これらのインタフェースに変更が加えられていて,これらのインタフェースに依存するアプリケーションを壊す可能性があります。 ファイル内のイメージに関するイメージ・レコード情報を登録することは, イメージ登録 と呼ばれています。 イメージ・アクティベータ INSTALL および SYSGEN は,イメージ登録で記録されたイメージのバージョンを調べません。 イメージ登録を使用すると,オペレーティング・システムの以前のバージョンでリンクされたアプリケーション・イメージ (メイン・イメージ,共有ライブラリ,デバイス・ドライバを含む) を今後も実行できます。 この機能は,十分に注意して使用してください。 フォーマットが変更されたデータ構造体を使用する必要があるイメージの場合,このイメージを実行すると予期しない結果となり,システムがクラッシュすることがあります。 参照されているシステム・ルーチン,データ・セル,およびデータ構造体が変更されていない場合にだけ,イメージを登録してください。 イメージ登録機能を使用すると, バージョンが異なるイメージを個々に登録することができます。 また,登録解除,解析,イメージ登録されているイメージの表示なども実行できます。 オペレーティング・システムの内部インタフェースに依存するアプリケーションは, そのアプリケーション・イメージがリンクされている場合, 通常,特定のオペレーティング・システムだけでしか動作しません。 バージョンに依存するイメージは,次の両方を参照します。
イメージを実行させようとすると,システムは,そのイメージがオペレーティング・システムやシステム・コンポーネントの特定のバージョンに依存するかどうかを調べます。 実行するシステムのバージョンが,そのイメージの要求するバージョンと一致しない場合,そのイメージは実行できません。 システムはまた,ユーザが INSTALL ユーティリティを使ってイメージをインストールしようとしたときも,SYSGEN ユーティリティを使ってデバイス・ドライバを接続しようとしたときも,バージョン番号をチェックします。 ユーザのシステムを新しいオペレーティング・システムのバージョンにアップグレードすると,新しいオペレーティング・システムのバージョンはイメージのバージョン要求事項には一致しないので, イメージは失敗することがあります。 しかし,バージョン・チェックに失敗しても,新しいオペレーティング・システムのバージョンでも動作し続けるイメージもあります。
互換イメージを継続して実行するには,イメージ登録機能を使って, そのイメージを登録します。 インストールの一部としてリンクされたイメージを登録する必要はありません。 なぜなら,これらは現在のオペレーティング・システムのバージョンと一致するからです。 しかし,インストール中のイメージのリンクは, システム・バージョン依存が存在しないということを確認できません。 イメージを再コンパイルしたり,ソース・コードを変更したりする必要があるかなど,現在のオペレーティング・システムのバージョンにおける変更情報については,リリース・ノートを参照してください。
イメージ登録機能でイメージを登録するには,コマンド・プロシージャSYS$UPDATE:REGISTER_PRIVILEGED_IMAGE.COM を次の形式で実行します。 $ @SYS$UPDATE:REGISTER_PRIVILEGED_IMAGE キーワードファイル名 パラメータは次のとおりです。
表 5-3 REGISTER_PRIVILEGED_IMAGE.COM キーワード
イメージがバージョンに依存しない場合は,次のメッセージが表示されます。
このメッセージの中で,n はチェックされたイメージの数と, バージョンに依存するイメージの数を示します。 例次の例は,V6USRAPP イメージを登録に追加します。
MSGHLP ユーティリティは,DCL プロンプトのシステム・メッセージについての説明を,オンラインで迅速にアクセスするためのユーティリティです。 弊社が提供する .MSGHLP$DATA ファイルに書き込みアクセスを持つユーザであれば,ヘルプ・メッセージのデータベースをカスタマイズして,よりユーザに分かりやすいメッセージにすることができます。 以降の項では,カスタマイズの方法について説明します。
これらの作業を行うにあたっては,MSGHLP ユーティリティを理解しておく必要があります。 ヘルプ・メッセージ機能,基本的な働き, HELP/MESSAGE コマンドとその修飾子については, 『OpenVMS System Messages: Companion Guide for Help Message Users』を参照してください。 またこのマニュアルでは,ヘルプ・メッセージ・データベースをカスタマイズするときに操作するファイルについても説明しています。
OpenVMS オペレーティング・システムの一部としてインストールされなかったメッセージは,システムに認識されるまで, $STATUS に格納された値と同じではありません。 ヘルプ・メッセージ・ユーティリティが $STATUS に格納された値または /STATUS 修飾子で指定された値を変換しようとしても, その値がインストールしたメッセージまたは弊社でのヘルプ・メッセージ・ユーティリティ作成時にリンクされたメッセージに一致しないと,検索は失敗します。 しかし,インストールされなかったメッセージをシステムに認識させることができます。 これらのメッセージには,ユーザ提供のメッセージ,サードパーティ・メッセージ, レイヤード製品や他の OpenVMS 機能のメッセージなどが含まれます。 作業方法
例この例は次のイベントを実行します。
LIBRARY/LIST コマンドの出力は,例からは省略されていますので注意してください。
ヘルプ・メッセージ・データベース・ファイルは, システム・ディスクに存在しなくても構いません。 システム論理名を作成して,ヘルプ・メッセージ検索パスを定義すれば, システム・ディスク以外の場所にある複数の .MSGHLP$DATA ファイルにアクセスすることができます。 ヘルプ・メッセージをインストールした場合,省略時の設定では, OpenVMS メッセージ・データベース・ファイルは SYS$COMMON:[SYSHLP]MSGHLP$LIBRARY.MSGHLP$DATA にインストールされます。 ただし,このファイルがインストールされていなくても問題になりません。 また,別のディスクにインストールすることもできます。 移動先は,論理名 MSGHLP$LIBRARY に定義する必要があります。 この論理名の定義に使用するコマンドは次のとおりです。 DEFINE/SYSTEM MSGHLP$LIBRARY ディスク:[ ディレクトリ ]MSGHLP$LIBRARY 論理名 MSGHLP$LIBRARY が定義されていなければ, ヘルプ・メッセージは省略時の格納場所にメッセージがあるものとして検索を行います。 省略時のデータベース格納場所を使用しない場合は, SYS$MANAGER:SYLOGICALS.COM に論理名を定義するコマンドを入れて, システムのブートのたびにデータベースを定義するようにしてください。
システム管理者もシステム・ユーザも,別の .MSGHLP$DATA ファイルを作成することができます。 詳細は『OpenVMS System Messages: Companion Guide for Help Message Users』を参照してください。 どの .MSGHLP$DATA ファイルも,システム・ディスク上に存在する必要はありません。 新しいファイルに対しては,MSGHLP$LIBRARY でシステム単位の省略時のデータベース検索パスを定義すれば, その .MSGHLP$DATA ファイルにアクセスすることができます。 また,.MSGHLP$DATA ファイルごとに特別な検索パスを作成しても, その .MSGHLP$DATA ファイルにアクセスすることができます。 検索パス定義には,個々のファイル名または 1 つ以上のディレクトリを指定できます。 ディレクトリを指定してファイルを指定しないと, Help Message ユーティリティは,このディレクトリ内のすべての .MSGHLP$DATA ファイルを検索します。 .MSGHLP$DATA ファイルを追加または削除した場合,ファイルではなくディレクトリを指定すると, 保守作業を最小限に抑えることができます。 必要な .MSGHLP$DATA ファイルごとに異なる検索パスを作成すれば, システム資源を有効に利用することができます。 異なる種類のメッセージまたは異なるユーザ・グループごとにディレクトリを作成することもできます。 たとえば,次の例のように,異なるユーザ・グループに対して,3 つの異なる専用の検索パスを指定することもできます。 DEFINE/SYSTEM 論理名 1 ファイル a, ファイル b, ファイル c DEFINE/SYSTEM 論理名 2 ファイル a, ファイル z DEFINE/SYSTEM 論理名 3 ファイル x, ファイル a, ディレクトリ y
システム管理者は,HELP/MESSAGE コマンドに /LIBRARY 修飾子を指定することによって,システムの省略時のデータベースに代わるデータベースを選択することができます。 システム・ユーザは,独自の論理名検索パスを定義することもできます。 例次の例では,3 つの場所に分かれて存在する .MSGHLP$DATA データベース・ファイルにアクセスするヘルプ・メッセージ検索パスを定義しています。 弊社が提供する OpenVMS メッセージは USERS:[TOOLS] に, ユーザが提供するファイル USERS:[NEW_PROJ]OUR_MESSAGES.MSGHLP$DATA およびすべての .MSGHLP$DATA ファイルは,ディレクトリ TEST:[TRY_ME] にあります。
ヘルプ・メッセージ・データベースから弊社が提供するメッセージを削除して, システム資源を節約したり,応答時間を改善することができます。 作業方法
例次の例では,省略時のデータベースから DDTM (DECdtm サービス) 機能のすべてのメッセージを抽出し,その後で削除しています。 最後の 2 つのコマンドは弊社が提供するデータベース・ファイルを圧縮して, 削除後のディスク空間を節約するためのものです。
弊社が提供するメッセージに注釈を追加することができます。 追加した注釈は, 弊社が提供する説明の直後に変更バー付きで表示されます。 この機能は,サイトでよく起こる問題に対する解決策を通知するときに便利です。
作業方法
例
[ACCVIO.MSGHLP を編集し,注釈を追加します。]
5.6.4 項 「弊社が提供するメッセージに対する注釈の追加」 に示した手順を使用して,弊社が提供する情報を変更することはできません。 弊社が提供する情報を完全に変更する場合には,弊社のサポート担当者にご連絡ください。 この項では,弊社が提供するデータの変更手順を説明します。 この手順を用いた場合は,次の結果を伴いますので注意してください。
作業方法
例
[NOFILES.MSGHLP を編集し,メッセージを変更します。]
独自の .MSGHLP$DATA ファイルを作成して, ヘルプ・メッセージ・データベースに新しいメッセージを追加することができます。 具体的な方法については,『OpenVMS System Messages: Companion Guide for Help Message Users』を参照してください。 別のファイルにメッセージを保管しておくことにより, メッセージの管理が簡単になり,将来アップグレードしたときにも自分のメッセージを残すことができます。 弊社が提供する .MSGHLP$DATA ファイルに対する書き込みアクセスがある場合は,もう 1 つの方法として,弊社が提供する MSGHLP$LIBRARY.MSGHLP$DATA ファイルに独自のメッセージを挿入することもできます。 現在のところ,この方法で挿入したメッセージは次のアップグレードで書き換えられます。 しかし,入力として使用した .MSGHLP ファイルを保管しておけば,そのときに再び挿入することができます。 作業方法
例
OpenVMS には,2 つの論理名があり,システムで MAIL 機能をカスタマイズできます。 これにより,送信者と受信者が同じノードにいる場合には,使用するネットワーク・アドレス形式を確認したり,メールを (ネットワーク経由ではなく) OpenVMS Cluster 上のユーザに直接送信したりすることが可能です。 MAIL$SYSTEM_FLAGSMAIL のカスタマイズは,論理名 MAIL$SYSTEM_FLAGS をシステムおよびエグゼクティブ・モードの論理名として定義することで行います。 次に例を示します。
論理名 MAIL$SYSTEM_FLAGS の値は,次のように解釈されます。
たとえば,MAIL$SYSTEM_FLAGS が 7 に変換されると,システムは最初の 3 つのフラグを選択します。 論理名が変換されないとフラグは設定されません。 省略時の値は 0 です。 VAX システムでは,MAIL$SYSTEM_FLAGS の値に 8 と 16 のどちらも含まれていない場合は, システムによって DECnet for OpenVMS または DECnet-Plus がシステム上で稼働しているかどうかのチェックが行われ,適切なビットが設定されているかのように操作されます。 MAIL$SYSTEM_FLAGS が,誤って DECnet と DECnet-Plus の両方を指定してしまった場合,Mail ユーティリティの省略時の設定は DECnet-Plus になります。 MAIL$INTERNET_MODEネットワーク・アドレスの中には,Mail ユーティリティが,DECnet-Plus 名にも SMTP 名にも解釈できるアドレスがあります。 このようなあいまいなネットワーク名には,次の特徴があります。
これらの名前をシステムが省略時にどのように解釈するかは, MAIL$INTERNET_MODE 論理名で制御できます。 メール・アドレス・モードを指定するには, 論理名 MAIL$INTERNET_MODE を次のように定義します。
システム論理名テーブルにアクセスするためには,SYSNAM 特権または書き込み (W) アクセスが必要です。 次の表に,address_mode の値と,MAIL$INTERNET_MODE のそれぞれの値が持つ効果について説明します。
論理名を使用して,Mail ユーティリティで使用するインターネット・アドレス・モードを制御する方法の詳細については,『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』を参照してください。 MIME は,テキスト以外のファイルをメール・メッセージに添付してインターネット上に送信するために使われる規格です。 MIME ユーティリティによって,MIME によってエンコードされたメール・メッセージを OpenVMS システム上で読み込み,構築することができます。 MIME ユーティリティの説明MIME によって,ユーザは, グラフィックス・ファイルやオーディオ・ファイルなど, 普通テキストとしてエンコードされるテキスト以外のファイルをエンコードして送信することができます。 ただし,多くの場合,これらのファイルは読むことができません。 MIME ユーティリティは,インターネット経由で送信された MIME ファイルをオリジナルの形式にデコードします。 また,MIME ユーティリティで, ユーザは MIME でエンコードしたファイルを作成することができます。 このファイルは,OpenVMS Mail ユーティリティを使ってメール・メッセージとして送信できます。 ユーザが MIME ユーティリティをどのように使用できるかの詳細については, 『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』を参照してください。 MIME ユーティリティの唯一のインストール作業は, このユーティリティを実行させるために次のようなフォーリン・コマンドを定義することです。
MIME$MAILCAP.DAT と MIME$FILETYPES.DAT の 2 つのファイルを作成することで,システム全体に有効な省略時の値を設定して, MIME でエンコードしたメッセージを表示することができます。 MIME$MAILCAP.DAT は,MIME でエンコードした着信ファイルのローカルに認識されるコンテンツ・タイプを,どのアプリケーションで表示するかを識別します。 MIME$FILETYPES.DAT は,コンテンツ・タイプを発信ファイルのファイル拡張子に関連付けます。 ユーザは,SYS$LOGIN でこれらのファイルを作成することにより, その省略時の設定を上書きすることができます。 これらのファイルの詳細については,『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』を参照してください。 システムをインストールし,カスタマイズした場合は,システム・ディスクのバックアップを作成することをお勧めします。 11.17 項 「システム・ディスクのバックアップと復元」 を参照してください。 VAX システムの場合,コンソール・ボリュームのバックアップを取ってください。 コンピュータにコンソール記憶デバイスがある場合は, オリジナルが壊れた場合のためにコンソール・ボリュームのバックアップ・コピーを取ってください。 OpenVMS オペレーティング・システムの SYS$UPDATE ディレクトリには,コンソール・ボリュームを空きボリュームにコピーする CONSCOPY.COM というコマンド・プロシージャが用意されています。 コンソール・ボリュームのバックアップ手順は,コンピュータによって異なります。 バックアップの具体的な方法については, 使用している VAX コンピュータのアップグレードとインストレーションに関するマニュアルを参照してください。 |
|