本文に進む 日本−日本語
日本HPホーム 製品 & サービス OpenVMS製品情報
≫ お問い合わせ
日本HPホーム
HP OpenVMS: システム管理者マニュアル (上巻)

第4章 システムの起動と停止

≫ 

OpenVMSドキュメント・ライブラリ

目次
まえがき
第1章:本書の概要
第2章:管理ユーティリティとツール
第3章:インストールとアップグレード
第4章:システムの起動と停止
第5章:オペレーティング・システムのカスタマイズ
第6章:システム時刻の設定
第7章:ユーザアカウントの管理
第8章:周辺デバイスの管理
第9章:記憶媒体の管理
第10章:ファイルとディレクトリの操作
第11章:BACKUPの使用方法
第12章:機密保護
第13章:キュー・マネージャとキュー・データベースの管理
第14章:キューの設定と保守
索引
PDF
OpenVMS ホーム
ここから本文が始まります

目次

4.1 ブートとシステム・スタートアップ
4.1.1 ブートとスタートアップ・プロセス
4.1.2 AlphaServer 4100 コンピュータにおけるメモリ・テストの延期
4.1.3 ブート操作のタイプ
4.1.4 システム・スタートアップと STARTUP.COM
4.1.5 ブートとスタートアップが進行していることを示すメッセージ
4.2 システム・パラメータ値の変更
4.2.1 システム・パラメータ値を表示または変更してからのブート
4.2.2 代替パラメータ・ファイルのシステム・パラメータ値によるブート
4.3 SYSBOOT によるポート割り当てクラスの割り当て
4.4 緊急ブート
4.4.1 省略時のシステム・パラメータ値によるブート
4.4.2 スタートアップ・プロシージャまたはログイン・プロシージャを使用しないブート
4.4.3 利用者登録ファイルを使用しないブート
4.5 通常のスタートアップ・コマンド・プロシージャを使用しないブート
4.5.1 代替汎用スタートアップ・プロシージャによるブート
4.5.2 代替省略時スタートアップ・コマンド・プロシージャによるブート
4.5.3 簡易スタートアップによるブート
4.5.4 スタートアップ・プロシージャのコマンドを表示しながらのブート
4.5.5 SYSMAN によるスタートアップ・プロシージャ・コマンドの表示
4.6 ブート中の問題の解決
4.7 システム・ディスクへのブート・ブロックの書き込み
4.8 システムのシャットダウン
4.8.1 SHUTDOWN.COM による通常のシャットダウン
4.8.2 シャットダウン・イベントの順序
4.8.3 SHUTDOWN.COM のカスタマイズによるサイト別の処理
4.8.4 SYSMAN ユーティリティによる通常シャットダウンの実行
4.8.5 OPCCRASH.EXE プログラムによる緊急時のシャットダウン
4.8.6 コンソール・コマンドによる緊急時のシャットダウン
4.9 OpenVMS I64 システムでのデバイスの再構成
4.9.1 OpenVMS I64 Boot Manager ユーティリティ (BOOT_OPTIONS.COM) について
4.9.2 BOOT_OPTIONS.COM の使用開始
4.9.3 BOOT_OPTIONS 構成メニューのオプションの使用方法

この章では,システムのいろいろなスタートアップ (起動) 方法とシャットダウン (停止) 方法について説明します。

システムをスタートアップするには,まずシステムをブート します。 多くのシステムには,システム固有のブート用コマンドがあります。 システムのブート手順についての詳細は,次のマニュアルを参照してください。

  • VAX システムの場合,最新の『OpenVMS VAX Upgrade and Installation Manual』と, VAX コンピュータに対するアップグレードとインストレーションの補足情報を参照。

  • Alpha システムおよび I64 システムの場合,『HP OpenVMS インストレーション・ガイド[翻訳版]』を参照。

この章の内容

この章では,次の作業について説明します。

作業

参照箇所

AlphaServer 4100 コンピュータにおけるメモリ・テストの延期

4.1.2 項 「AlphaServer 4100 コンピュータにおけるメモリ・テストの延期」

システム・パラメータ値を変更したブート

4.2 項 「システム・パラメータ値の変更」

SYSBOOT によるポート割り当てクラスの割り当て

4.3 項 「SYSBOOT によるポート割り当てクラスの割り当て」

緊急時のブート

4.4 項 「緊急ブート」

スタートアップを制御したブート

4.5 項 「通常のスタートアップ・コマンド・プロシージャを使用しないブート」

ブート問題の解決

4.6 項 「ブート中の問題の解決」

システム・ディスクへの新しいブート・ブロックの書き込み

4.7 項 「システム・ディスクへのブート・ブロックの書き込み」

SHUTDOWN.COM による通常のシャットダウン

4.8.1 項 「SHUTDOWN.COM による通常のシャットダウン」

SHUTDOWN.COM のカスタマイズによるサイト別の処理

4.8.3 項 「SHUTDOWN.COM のカスタマイズによるサイト別の処理」

SYSMAN による通常のシャットダウン

4.8.4 項 「SYSMAN ユーティリティによる通常シャットダウンの実行」

OPCCRASH.EXE プログラムによる緊急シャットダウン

4.8.5 項 「OPCCRASH.EXE プログラムによる緊急時のシャットダウン」

コンソール・コマンドによる緊急シャットダウン

4.8.6 項 「コンソール・コマンドによる緊急時のシャットダウン」

Boot Manager ユーティリティの BOOT_OPTIONS による OpenVMS I64 システム上のデバイスの再構成の使用

4.9.3 項 「BOOT_OPTIONS 構成メニューのオプションの使用方法」

さらに,次の項目について説明します。

項目

参照箇所

ブートおよびスタートアップ・プロセス

4.1.1 項 「ブートとスタートアップ・プロセス」

ノンストップ・ブート: 最も一般的なブート操作

4.1.3.1 項 「ノンストップ・ブート: 最も一般的なブート操作」

会話型ブート: 特殊ブート機能

4.1.3.2 項 「会話型ブート: 特殊なブート機能」

システム・スタートアップと STARTUP.COM

4.1.4 項 「システム・スタートアップと STARTUP.COM」

システム・シャットダウン・プロシージャ

4.8 項 「システムのシャットダウン」

シャットダウン・イベントの順序

4.8.2 項 「シャットダウン・イベントの順序」

OpenVMS I64 システムでのブート・デバイス,ダンプ・デバイス,デバッグ・デバイスの再構成

4.9 項 「OpenVMS I64 システムでのデバイスの再構成」

4.1 ブートとシステム・スタートアップ

ブート とは,システム・ディスク上のシステム・ソフトウェアをプロセッサのメモリにロードすることです。 システムをブートするとき,自動的にシステムをスタートアップさせるためのタスクを自動的に行います。 これらのタスクは,システム・スタートアップ と呼ばれます。

はじめてシステムをブートする前には,オペレーティング・システムをインストールしておかなければなりません。

ブート・プロシージャは,システムによって異なります。 たとえば,コンソール記憶デバイスを搭載しているコンピュータは,ブート・コマンド・プロシージャを使用します。 このブート・コマンド・プロシージャをコピーして編集すれば, ターゲットとなるシステム・ディスクを変更することができます。 また,内部メモリ・デバイスを持つコンピュータは, そこからシステム・ディスク名を取得します。

Alpha システムおよび I64 システムの場合,磁気テープ・デバイスからブートを行うことはできません。

4.1.1 ブートとスタートアップ・プロセス

ブートとスタートアップ・プロセスは,次のステップから構成されます。

  1. BOOT コマンドを入力する。 ブート・ブロック は,1 次ブートストラップ・イメージ を指す。 これはディスク上の固定された記憶位置を指す。 このイメージはディスクからメイン・メモリに読み込まれる。

    VAX システムでは,1 次ブートストラップ・イメージは VMB.EXE である。

    Alpha システムでは,1 次ブートストラップ・イメージは APB.EXE である。

    I64 システムでは,1 次ブートストラップ・イメージは IPB.EXE である。

    1 次ブートストラップ・イメージを使用すると, システム・ディスクにアクセスできる。 このプログラムは,2 次ブートストラップ・イメージ SYS$SYSTEM:SYSBOOT.EXE を検索してメモリにロードする。

  2. SYSBOOT.EXE は,省略時のパラメータ・ファイルに保存されたシステム・パラメータをメモリにロードする (省略時のパラメータ・ファイルとブート時におけるシステム・パラメータのロードについての詳細は, 4.2 項 「システム・パラメータ値の変更」 を参照)。

    会話型ブートを行う場合,プロシージャは停止し, SYSBOOT> プロンプトが表示される (会話型ブートについての詳細は, 4.1.3.2 項 「会話型ブート: 特殊なブート機能」 を参照)。 その他の場合,SYSBOOT.EXE はオペレーティング・システム実行可能イメージをメモリにロードし,その実行可能イメージに制御を渡す。

  3. 実行可能イメージが終了すると,SWAPPER プロセスを実行する。

  4. SWAPPER は SYSINIT プロセスを生成する。

  5. 他の処理と同時に SYSINIT は STARTUP プロセスを生成する。

  6. STARTUP は SYS$SYSTEM:STARTUP.COM を実行する (SYSMAN,SYSGEN,会話型ブートで他のファイルを指定している場合を除く)。 STARTUP.COM は,SYSTARTUP_VMS.COM を含む, その他のスタートアップ・コマンド・プロシージャを実行する (STARTUP.COM についての詳細は 4.1.4 項 「システム・スタートアップと STARTUP.COM」 を, その他のスタートアップ・プロシージャについての詳細は 5.2.1 項 「サイト別スタートアップ・コマンド・プロシージャ」を参照)。

    システム・パラメータの現在の値は,省略時のパラメータ・ファイルに書き込まれる。

  7. ブート・プロセスが終了すると,オペレーティング・システムにログインできる。

    注記: VAX システムと Alpha システムでは,ブート・デバイスとダンプ・デバイスを再構成するには,システムをシャットダウンし,コンソールからコマンドを入力しなければなりません。

    I64 システムでは,システムをシャットダウンする前にブート・デバイスとダンプ・デバイスを再構成することも,シャットダウンした後に再構成することもできます。 これらの方法を,4.9 項 「OpenVMS I64 システムでのデバイスの再構成」で説明します。

4.1.2 AlphaServer 4100 コンピュータにおけるメモリ・テストの延期

システムの電源投入からユーザ・ログインまでの時間を短縮するために, AlphaServer 4100 コンピュータでは,メモリ・テストの一部を延期させることができるようになりました。 このオプションを選択すると,コンソールは必要最小限のメモリをテストし, 残りのメモリのテストをオペレーティング・システムに任せます。

この新しい機能を使用するには,コンソールで MEMORY_TEST 環境変数に特定の値を指定してからブートする必要があります。 MEMORY_TEST に指定する値は次のとおりです。

説明

FULL (オフ)

コンソールがすべてのテストを行う。

NONE

ブート前に 32 MB のメモリがテストされる。

PARTIAL

ブート前に 256 MB のメモリがテストされる。

MEMORY_TEST を NONE または PARTIAL に設定した場合, 次に示すいずれか,または両方の期間に, テストされていない残りのメモリを OpenVMS が必要に応じてテストします。

  • オペレーティング・システムがブートしている最中

  • 実行可能なプロセスがないときでスケジューラがアイドル・ループ中

MEMORY_TEST の値を変更したときには, 必ず INIT コンソール・コマンドを実行してその新しい値を有効にしてください。 このため,ブートする前に,コンソールから次の手順を行う必要があります。

  1. (必要に応じて) MEMORY_TEST の値を変更する。

  2. コンソールから INIT コマンドを実行する。

  3. オペレーティング・システムをブートする。

メモリが実際にテストされる際,OpenVMS からさらに細かく制御することもできます。 システム・パラメータ MMG_CTLFLAGS の 2 番目のビットは, 次のようにメモリ・テストの延期を制御します。

  • 2 番目のビットが設定されていない場合 (省略時の値) は, OpenVMS はバックグラウンドでメモリのテストを行う。 これは,必ずしもブートストラップ処理の完了前に行うわけではない。

  • 2 番目のビットが設定されている場合, OpenVMS は,システムのブートストラップ処理の EXEC_INIT の最後までに, つまり,IPL が 31 から下げられる前までに, すべてのメモリをテストすることを保証する。

4.1.3 ブート操作のタイプ

次のタイプのブート操作を行うことができます。

タイプ

目的

参照箇所

ノンストップ・ブート

特殊な操作を行うためにストップすることなくブートを行う。 ほとんどの場合,この種類のブートが使用される。

4.1.3.1 項 「ノンストップ・ブート: 最も一般的なブート操作」

会話型ブート

特殊な操作を行う。 たとえば,ブート前のシステム・パラメータの変更など。

4.1.3.2 項 「会話型ブート: 特殊なブート機能」

4.1.3.1 ノンストップ・ブート: 最も一般的なブート操作

最も多く使用されるブート方法は, システム・ディスクからのノンストップ・ブート です。 ブート前にシステム・パラメータ値を変更した後, レイヤード製品をインストールした後, またはスタンドアロン・バックアップの後でノンストップ・ブートを行います。

ノンストップ・モードでのブート手順については, 次のマニュアルを参照してください。

  • VAX システムの場合,最新の『OpenVMS VAX Upgrade and Installation Manual』と,VAX コンピュータに対するアップグレードとインストレーションの補足情報を参照。

  • Alpha システムおよび I64 システムの場合,『HP OpenVMS インストレーション・ガイド[翻訳版]』を参照。

4.1.3.2 会話型ブート: 特殊なブート機能

会話型ブート は,プログラミングの研究または開発が行われる環境のように,実験,テスト,またはデバッグのために動作条件を変更しなければならない場所で使用されます。 会話型ブートでは,次の操作を行うことができます。

操作

参照箇所[4]

システム・パラメータ値を表示または変更してからのブート [4]

4.2.1 項 「システム・パラメータ値を表示または変更してからのブート」

代替パラメータ・ファイルのシステム・パラメータ値によるブート[4]

4.2.2 項 「代替パラメータ・ファイルのシステム・パラメータ値によるブート」

省略時のシステム・パラメータ値によるブート (変更したシステム・パラメータ値を使用すると,システムがブートできない場合など)[4]

4.4.1 項 「省略時のシステム・パラメータ値によるブート」

スタートアップ・プロシージャまたはログイン・プロシージャを使用しないブート (変更したスタートアップ・プロシージャまたはログイン・プロシージャを使用すると,システムがブートできない場合など)

4.4.2 項 「スタートアップ・プロシージャまたはログイン・プロシージャを使用しないブート」

ユーザ登録ファイルを使用しないブート (変更したユーザ登録ファイルを使用すると,ログインができない場合など)

4.4.3 項 「利用者登録ファイルを使用しないブート」

代替汎用スタートアップ・プロシージャによるブート

4.5.1 項 「代替汎用スタートアップ・プロシージャによるブート」

簡易スタートアップによるブート

4.5.3 項 「簡易スタートアップによるブート」

スタートアップ・プロシージャのコマンドを表示しながらのブート

4.5.4 項 「スタートアップ・プロシージャのコマンドを表示しながらのブート」

[4] システム・パラメータを変更する場合には,なるべく AUTOGEN を使用すること。 会話型ブートを使用してシステム・パラメータを変更するのは,一時的な場合に限定する。 変更したパラメータを恒久的に使用する場合には,MODPARAMS.DAT を編集してから AUTOGEN を実行する。 変更したパラメータを恒久的に使用する方法については,『OpenVMS システム管理者マニュアル (下巻)』を参照。

会話型ブートは,次のマニュアルに示す手順に従って行ってください。

  • VAX システムの場合,最新の『OpenVMS VAX Upgrade and Installation Manual』と,VAX コンピュータに対するアップグレードとインストレーションについての補足情報を参照。

  • Alpha システムおよび I64 システムの場合,『HP OpenVMS インストレーション・ガイド[翻訳版]』を参照。

4.1.4 システム・スタートアップと STARTUP.COM

システム・ブートの直後,システムをスタートアップし,スタートアップ・イベントの進行を制御するために汎用コマンド・プロシージャ SYS$SYSTEM:STARTUP.COM が実行されます。 この項では,STARTUP.COM について説明します。

重要:

SYS$SYSTEM:STARTUP.COM は変更しないでください。 このファイルは,システムのオペレーティング・システムを次のバージョンにアップグレードするたびに削除され,置き換えられます。 STARTUP.COM をそのままにしておくことによって, ファイル中のコマンドを間違って変更したりすることを防げます。 逆に,このファイルを変更すると, スタートアップ・プロシージャ の実行が失敗することもあります。

STARTUP.COM は変更すべきではありませんが,システムのブート時に, 汎用のスタートアップを制御するような特殊なケースがあります。 詳細は4.5 項 「通常のスタートアップ・コマンド・プロシージャを使用しないブート」を参照してください。

STARTUP.COM は次のスタートアップ・タスクを行うために, コマンド・プロシージャ,実行可能イメージ,データベース・ファイルを使用します。

  • シンボリック・デバッガ,言語プロセッサ,リンカ,イメージ・アクティベータ,ヘルプ・プロセッサに必要なシステム単位の論理名を定義する。

  • エラー・ログ,SMISERVER (システム管理サーバ), ジョブ・コントローラ,オペレータ・ログ・ファイル, 機密保護監査を制御するプロセスを開始する。

  • SYCONFIG.COM プロシージャを呼び出し,システムに物理的に接続されているデバイスを接続する。 デバイスを構築し,その入出力ドライバをロードする。

    注意:

    STARTUP.COM が CONFIGURE プロセスを作成するのはフル・ブート時のみである。 他の種類のブート (簡易ブートまたはアップグレード・ブート) で外部デバイスが必要な場合は,次の行を SYS$MANAGER:SYLOGICALS.COM に追加する。

    $IF P1 .NES. "FULL" THEN @SYS$SYSTEM:STARTUP CONFIGURE
    
  • 最も一般的な実行イメージを起動するときの入出力のオーバヘッドを減らすため,また,特別な特権を持つ必要があるイメージを識別するために, 既知イメージをインストールする。

STARTUP.COM は,次のサイト別 スタートアップ・コマンド・プロシージャを,次の順番で実行します。

  1. SYS$MANAGER:SYCONFIG.COM

  2. SYS$MANAGER:SYLOGICALS.COM

  3. SYS$MANAGER:SYPAGSWPFILES.COM

  4. SYS$MANAGER:SYSECURITY.COM

  5. SYS$MANAGER:SYSTARTUP_VMS.COM

サイト別スタートアップ・コマンド・プロシージャについての詳細は,5.2 項 「サイト別スタートアップ・コマンド・プロシージャの変更」 を参照してください。

4.1.5 ブートとスタートアップが進行していることを示すメッセージ

システムのブートに成功するとバナーが表示され, さらに次のようなメッセージが表示されます。

  1. 次のメッセージは,システムがコマンド・プロシージャ SYS$SYSTEM:STARTUP.COM を実行していることを示す。

    The OpenVMS system is now executing the system startup procedure.
    

    このプロシージャはシステムを構築および初期化し, いくつかのサイト別コマンド・プロシージャを実行する。 詳細は4.1.4 項 「システム・スタートアップと STARTUP.COM」 を参照。

  2. 数分後,システムは次のようなメッセージを表示する。

    The OpenVMS system is now executing the site-specific system startup commands.
    

    このメッセージは,システムが SYSTARTUP_VMS.COM を実行していることを示す。 このファイルを変更すれば,スタートアップ時にさまざまな操作を実行することができる。 詳細は5.2.7 項 「通常の操作を行うための SYSTARTUP_VMS.COM の変更」 を参照。

  3. 最後に,このプロシージャは情報メッセージとアカウント情報を表示する。

    
    %SET-I-INTSET, login interactive limit=64, current interactive value = 0
    19-APR-2000 15:00:00.00
      SYSTEM       job terminated at 19-APR-2000 15:00:00.00
    
    Accounting information:
     Buffered I/O count:       133     Peak working set size:        401
     Direct I/O count:          12     Peak pagefile size:          2379
     Page faults:              325     Mounted volumes:                0
     Charged CPU time: 0 00:00:55.23   Elapsed time:       0 00:01:31.24
    

    システムがこの情報を表示した後,ログインが可能になる。

4.2 システム・パラメータ値の変更

会話型ブートを使用すれば,システム・パラメータ値を変更することができます。

作業

参照箇所

システム・パラメータ値を表示または変更してからのブート

4.2.1 項 「システム・パラメータ値を表示または変更してからのブート」

代替パラメータ・ファイルのシステム・パラメータ値によるブート

4.2.2 項 「代替パラメータ・ファイルのシステム・パラメータ値によるブート」

省略時のシステム・パラメータ値によるブート

4.4.1 項 「省略時のシステム・パラメータ値によるブート」

会話型ブートでシステム・パラメータ値を表示または変更するにあたって, 次の用語を理解しておく必要があります。

用語

定義

アクティブ値

メモリに格納されて, アクティブなシステムによって使用されているシステム・パラメータ値。

現在値

省略時のパラメータ・ファイルに格納されているシステム・パラメータ値。 システムのブート時,システム・パラメータのアクティブ値を設定するために使用される値。

 

VAX システムの場合,省略時のシステム・パラメータ・ファイルは SYS$SYSTEM:VAXVMSSYS.PAR である[5]

 

Alpha システムの場合,省略時のシステム・パラメータ・ファイルは SYS$SYSTEM:ALPHAVMSSYS.PAR である[6]

 

I64 システムの場合,省略時のシステム・パラメータ・ファイルは IA64VMSSYS.PAR である[7]

省略時の値

省略時のリストに格納されて,省略時に使用されるシステム・パラメータ値。

[5] VAX のみ

[6] Alpha のみ

[7] I64 のみ

システム・パラメータについての詳細は, 『OpenVMS システム管理者マニュアル (下巻)』を参照してください。

4.2.1 システム・パラメータ値を表示または変更してからのブート

会話型ブートでは,実際にシステムをブートする前に, 個々のパラメータ値を表示または変更することができます [8]

会話型ブートの場合, メモリ上とシステム・パラメータ・ファイルの両方の値が変更されます。

作業方法

  1. 会話型ブートの手順については,次のマニュアルを参照。

    • VAX システムの場合,最新の『OpenVMS VAX Upgrade and Installation Manual』と,インストールとアップグレードの補足情報を参照。

    • Alpha システムおよび I64 システムの場合,『HP OpenVMS インストレーション・ガイド[翻訳版]』を参照。

  2. SYSBOOT> プロンプトに対して,SHOW または SET コマンドを入力して,システム・パラメータ値を表示または変更する。

    SYSBOOT> SET UAFALTERNATE 1
    

    SET コマンドと SHOW コマンドについては,『OpenVMS システム管理者マニュアル (下巻)』の SYSGEN の項目を参照。

  3. システムに未チューニングのレイヤード・プロダクトがあり, ハングが起る可能性があるために,システムのすべてのレイヤード・プロダクトを起動せずにシステムを起動したい場合があります。 このためにはパラメータ STARTUP_P1 を次のように設定します。

    SYSBOOT> SET STARTUP_P1 "MIN"
    
  4. CONTINUE コマンドを入力して,ブートを継続する。

    SYSBOOT> CONTINUE
    

SYSBOOT> SHOW UAFALTERNATE
Parameter Name            Current    Default     Min.     Max.     Unit
Dynamic
--------------            -------    -------    -------  -------   ----
UAFALTERNATE                    0          0         0         1   Boolean
SYSBOOT> SET UAFALTERNATE 1
SYSBOOT> CONTINUE

4.2.2 代替パラメータ・ファイルのシステム・パラメータ値によるブート

プログラミングの研究または開発を行う場合には, 実験,テスト,またはデバッグのために動作条件を変更しなければならないことがあります。 このような運用においては, 一時的に,省略時以外のパラメータ・ファイルに格納された値を使用して, システムをブートすることがあります。 会話型ブートを使用すれば, 省略時以外のパラメータ・ファイルからアクティブ値を再設定することができます。

作業方法

  1. 会話型ブートの手順については,次のマニュアルを参照。

    • VAX システムの場合,最新の『OpenVMS VAX Upgrade and Installation Manual』と,インストールおよびアップグレードの補足情報を参照。

    • Alpha システムおよび I64 システムの場合,『HP OpenVMS インストレーション・ガイド[翻訳版]』を参照。

  2. SYSBOOT> プロンプトに対して USE コマンドを入力する。

    USE ファイル指定

    ファイル指定には,代替パラメータ・ファイルの名前とタイプを指定する。 指定可能なファイルは SYS$SYSTEM に存在するファイルであり,デバイス名を指定することはできない。

    SYSBOOT> USE ALTPARAMS.DAT
    
  3. CONTINUE コマンドを入力して,ブートを継続する。

    SYSBOOT> CONTINUE
    

SYSBOOT> USE ALTPARAMS.DAT
SYSBOOT> CONTINUE

4.3 SYSBOOT によるポート割り当てクラスの割り当て

ポート割り当てクラスを定義する場合は, なるべく CLUSTER_CONFIG プロシージャを使用してください。 このプロシージャを使用できない場合 (たとえば,プライベート・システム・ディスクを既存のクラスタにブートしている場合など) には,SYSBOOT SET/CLASS コマンドを使用して, ポート割り当てクラスを共有 SCSI ポートに割り当てることができます。 たとえば,ポート PKB が SCSI バスに接続されており, 別のノードがそのバスに対してポート割り当てクラス 152 をすでに割り当てている場合には,次のコマンドを入力します。

SYSBOOT> SET/CLASS PKB 152

この場合,DEVICE_NAMING パラメータを 1 に設定して,新しいデバイス名の指定を有効に設定してください。 次の例を参照してください。

SYSBOOT> SET DEVICE_NAMING 1

ポート割り当てクラスの割り当てを解除するには,クラス番号を指定せずに, ポート名だけを入力します。 次の例を参照してください。

SYSBOOT> SET/CLASS PKA

4.4 緊急ブート

システムに障害が発生したためにシステムがブートできない場合は, 緊急ブートを行う必要があります。 用途別緊急ブートのリストを表 4-1 「緊急ブート方法」 に示します。

表 4-1 緊急ブート方法

タイプ

用途

参照箇所

省略時のシステム・パラメータ値によるブート

パラメータ・ファイルのパラメータ値を変更して, システムがブート不能になった場合

4.4.1 項 「省略時のシステム・パラメータ値によるブート」

スタートアップ・プロシージャまたはログイン・プロシージャを使用しないブート

スタートアップ・プロシージャまたはログイン・プロシージャにエラーがあって, ログインできない場合

4.4.2 項 「スタートアップ・プロシージャまたはログイン・プロシージャを使用しないブート」

ユーザ登録ファイルを使用しない緊急ブート

パスワードを忘れて,特権付きアカウントにログインできない場合

4.4.3 項 「利用者登録ファイルを使用しないブート」

 

4.4.1 省略時のシステム・パラメータ値によるブート

パラメータ・ファイルの現在値の設定を間違えると, システムがブートできなくなることがあります。 このような場合は,会話型ブートで, すべてのシステム・パラメータのアクティブ値を省略時の値に戻します。

システム・パラメータを変更する場合には, なるべく AUTOGEN を使用してください。 会話型ブートを使用してシステム・パラメータを変更するのは,一時的な場合に限定してください。 変更したパラメータを恒久的に使用する場合には,MODPARAMS.DAT を編集してから AUTOGEN を実行します。 変更したパラメータを恒久的に使用する方法については, 『OpenVMS システム管理者マニュアル (下巻)』を参照してください。

作業方法

  1. 会話型ブートの手順については,次のマニュアルを参照。

    • VAX システムの場合,最新の『OpenVMS VAX Upgrade and Installation Manual』と,インストールおよびアップグレードの補足情報を参照。

    • Alpha システムおよび I64 システムの場合,『HP OpenVMS インストレーション・ガイド[翻訳版]』を参照。

  2. SYSBOOT> プロンプトに対して,次のコマンドを入力する。

    SYSBOOT> USE DEFAULT
    

    このコマンドによって,すべてのパラメータに省略時の値が設定される。

  3. 手順 2 で行った STARTUP_P1 パラメータの変更を,オペレーティング・システムが以後のリブート用に記録することがないように,次のコマンドを入力する。

    SYSBOOT> SET WRITESYSPARAMS 0
    
  4. CONTINUE コマンドを入力して,ブートを継続する。

    SYSBOOT> CONTINUE
    
  5. ブートが終了したら,問題の原因となるパラメータを見つけて, そのパラメータ値を修正する。 AUTOGEN パラメータ・ファイル MODPARAMS.DAT に入っているパラメータ値の指定に誤りがある場合は,このファイル内のパラメータ値を訂正して, AUTOGEN を実行する (『OpenVMS システム管理者マニュアル (下巻)』参照)。

  6. システムをシャットダウンして,リブートする。

SYSBOOT> USE DEFAULT
SYSBOOT> SET WRITESYSPARAMS 0
SYSBOOT> CONTINUE
Username: SYSTEM
Password: 

$ EDIT SYS$SYSTEM:MODPARAMS.DAT
⋮
[Insert the following line in MODPARAMS.DAT:]
MIN_NPAGEDYN = 2999808
⋮
$ @SYS$UPDATE:AUTOGEN SAVPARAMS REBOOT

4.4.2 スタートアップ・プロシージャまたはログイン・プロシージャを使用しないブート

システムがスタートアップ・プロシージャの実行に失敗した場合, つまり,ログインできなかった場合,スタートアップ・プロシージャまたはログイン・プロシージャを無視する必要があります。 弊社が提供するスタートアップ・プロシージャやログイン・プロシージャは必ず動作します。 しかし,スタートアップ・プロシージャやログイン・プロシージャを変更している場合,システムに入れないことがあります。 このような場合は次の手順に従ってください。

作業手順

  1. 会話型ブートの手順については,次のマニュアルを参照。

    • VAX システムの場合,最新の『OpenVMS VAX Upgrade and Installation Manual』と,インストールおよびアップグレードの補足情報を参照。

    • Alpha システムおよび I64 システムの場合,『HP OpenVMS インストレーション・ガイド[翻訳版]』を参照。

  2. SYSBOOT> プロンプトに対して,次のコマンドを入力する。

    SYSBOOT> SET/STARTUP OPA0:
    
  3. 手順 2 で行った STARTUP_P1 パラメータの変更を,オペレーティング・システムが以後のリブート用に記録することがないように,次のコマンドを入力する。

    SYSBOOT> SET WRITESYSPARAMS 0
    
  4. CONTINUE コマンドを入力して,ブートを継続する。

    SYSBOOT> CONTINUE
    
  5. ブートが終了したら,オペレータのコンソールに DCL コマンド・プロンプトの ($) が表示される。 これで,ユーザのログインは完了している。

  6. 次の DCL コマンドを入力する。

    $ SET NOON
    

    このコマンドが入力されると,オペレーティング・システムはエラーを無視する。 このコマンドを入力せずにエラーが発生した場合は, 強制的にログアウトさせられる。

  7. ログインの失敗の原因となっているエラー,すなわち, スタートアップ・プロシージャまたはログイン・プロシージャ, あるいは UAF 内のエラーを訂正する。

    ファイルの訂正にはテキスト・エディタを使用する。 システム・コンソールの中には,スクリーン・エディタが用意されていないものがあるので注意が必要である。 また,RENAME と DELETE の両方のコマンドを用いて正しいファイルをコピーして, 間違ったファイルのバージョンを削除する方法もある。

  8. SYSMAN を起動し,そこから次のコマンドを入力して, スタートアップ・プロシージャを再設定する。

    $ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN
    SYSMAN> PARAMETERS USE CURRENT
    SYSMAN> PARAMETERS SET/STARTUP SYS$SYSTEM:STARTUP.COM
    SYSMAN> PARAMETERS WRITE CURRENT
    SYSMAN> EXIT
    $ 
    
  9. 次のコマンドを入力して,通常のスタートアップ・プロシージャを実行する。

    $ @SYS$SYSTEM:STARTUP
    

SYSBOOT> SET/STARTUP OPA0:
SYSBOOT> SET WRITESYSPARAMS 0
SYSBOOT> CONTINUE
$ SET NOON
$ SET DEFAULT SYS$SYSROOT:[SYSEXE]
$ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN
SYSMAN> PARAMETERS USE CURRENT
SYSMAN> PARAMETERS SET/STARTUP SYS$SYSTEM:STARTUP.COM
SYSMAN> PARAMETERS WRITE CURRENT
SYSMAN> EXIT
$ @SYS$SYSTEM:STARTUP

4.4.3 利用者登録ファイルを使用しないブート

通常,弊社が提供するスタートアップ・プロシージャとログイン・プロシージャは必ず動作します。 しかし,ユーザが何らかの変更を行った場合,正しく動作しないことがあります。 システムにログインできなくなる多くの原因は, 設定したパスワードを忘れることです。 このような場合には,標準の利用者登録ファイルを使用せずに, 代替利用者登録ファイルを使用して,システムをブートします。

注意:

この方法を使えるのは,コンソール・ターミナルからシステムにログインする場合だけです。 他のターミナル回線の場合は使用できません。

システム・パラメータ UAFALTERNATE を設定すると, 論理名 SYSUAF は SYS$SYSTEM:SYSUAFALT.DAT を指すよう定義されます。 通常のログイン中にこのファイルが見つかると, システムはその内容を読み取ってアカウントを検証し, ユーザ名とパスワードの入力を求めます。

SYS$SYSTEM:SYSUAFALT.DAT ファイルが見つからない場合, システムは利用者登録ファイルが壊れたものと仮定し, コンソールからの任意のユーザ名とパスワード (2 つ) が認められ, システムにログインできます。 他のターミナルからはログインできません。

この手順を実行した場合,システムは次の値をユーザのアカウントに割り当てます。

フィールド

名前

ユーザ名

UIC

[001,004]

コマンド・インタプリタ

DCL

ログイン・フラグ

なし

優先順位

DEFPRI システム・パラメータの値

資源

PQL システム・パラメータの値

特権

すべて

通常,プロセス名は,ログインを行ったデバイスの名前になります (_OPA0: など)。

作業方法

  1. 会話型ブートの手順については,次のマニュアルを参照。

    • VAX システムの場合,最新の『OpenVMS VAX Upgrade and Installation Manual』と,インストールおよびアップグレードの補足情報を参照。

    • Alpha システムおよび I64 システムの場合,『HP OpenVMS インストレーション・ガイド[翻訳版]』を参照。

  2. SYSBOOT> プロンプトに対して,次のコマンドを入力する。

    SYSBOOT> SET UAFALTERNATE 1
    
  3. DECwindows Motif for OpenVMS システムを実行している場合は, 次のコマンドを入力して,ウィンドウ・システムの動作を停止する。

    SYSBOOT> SET WINDOW_SYSTEM 0
    
  4. CONTINUE コマンドを入力して,ブートを継続する。

    SYSBOOT> CONTINUE
    
  5. スタートアップ・プロシージャが完了したら, コンソール・ターミナルからログインする。 このとき,Username: プロンプトと Password: プロンプトに対して, 任意のユーザ名とパスワード (2 つ) が入力できる。

  6. 次のコマンドを入力して,省略時の UAF を使用する。

    $ DEFINE/SYSTEM/EXECUTIVE_MODE SYSUAF SYS$SYSTEM:SYSUAF.DAT
    
  7. AUTHORIZE ユーティリティを使用して,システムにログインできなかった原因 (パスワードを間違えたなど) を修正する。 パスワードの修正についての詳細は, UAF> プロンプトに対して HELP MODIFY と入力する。 詳細は『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照。

  8. 次のコマンドを入力して,SYSMAN を起動し,ステップ 2 で設定した UAFALTERNATE システム・パラメータをクリアする。

    $ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN
    SYSMAN> PARAMETERS USE CURRENT
    SYSMAN> PARAMETERS SET UAFALTERNATE 0
    

    システム・パラメータを変更する場合には,なるべく AUTOGEN を使用する。 しかし,この例では一時的にパラメータを変更しているだけなので, SYSMAN または SYSGEN を使用している。

  9. ステップ 3 でウィンドウ・システムを無効にしている場合は, 次のコマンドを入力して,ウィンドウ・システムを有効にする。

    SYSMAN> PARAMETERS SET WINDOW_SYSTEM 1
    
  10. 次のコマンドを入力して,変更したシステム・パラメータ値を保存する。

    SYSMAN> PARAMETERS WRITE CURRENT
    
  11. システムをシャットダウンして,リブートする。

SYSBOOT> SET UAFALTERNATE 1
SYSBOOT> SET WINDOW_SYSTEM 0
SYSBOOT> CONTINUE
Username: Return
Password: Return
Password: Return
$ DEFINE/SYSTEM/EXECUTIVE_MODE SYSUAF SYS$SYSTEM:SYSUAF.DAT
$ SET DEFAULT SYS$SYSTEM
$ RUN AUTHORIZE
AUTHORIZE> MODIFY SYSTEM/PASSWORD=FGLFTUTU
AUTHORIZE> EXIT

$ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN
SYSMAN> PARAMETERS USE CURRENT
SYSMAN> PARAMETERS SET WINDOW_SYSTEM 1
SYSMAN> PARAMETERS SET UAFALTERNATE 0
SYSMAN> PARAMETERS WRITE CURRENT

SYSMAN> EXIT
$ @SYS$SYSTEM:SHUTDOWN

4.5 通常のスタートアップ・コマンド・プロシージャを使用しないブート

4.1.4 項 「システム・スタートアップと STARTUP.COM」 に,汎用スタートアップ・コマンド・プロシージャSYS$SYSTEM:STARTUP.COM が説明されています。 省略時の設定では, ブートされたシステムは自動的に STARTUP.COM を実行して, スタートアップ・イベントを行います。 しかし,ある特殊な状況では, 変更した汎用スタートアップ・コマンド・プロシージャをそのまま使用しないでシステムをブートすることがあります。 具体的には,次のような方法があります。

ブート方法

参照箇所

代替汎用スタートアップ・プロシージャによるブート

4.5.1 項 「代替汎用スタートアップ・プロシージャによるブート」

代替省略時スタートアップ・コマンド・プロシージャによるブート

4.5.2 項 「代替省略時スタートアップ・コマンド・プロシージャによるブート」

簡易スタートアップによるブート

4.5.3 項 「簡易スタートアップによるブート」

実行中のスタートアップ・プロシージャ・コマンドの表示

4.5.4 項 「スタートアップ・プロシージャのコマンドを表示しながらのブート」

重要:

STARTUP.COM は変更しないでください。 システムを正しく立ち上げるためには,このプロシージャが必要です。 サイト別スタートアップ・プロシージャを変更して, サイト別に操作を行う方法については, 5.2 項 「サイト別スタートアップ・コマンド・プロシージャの変更」 を参照してください。

4.5.1 代替汎用スタートアップ・プロシージャによるブート

省略時のシステム・スタートアップ・プロシージャは SYS$SYSTEM:STARTUP.COM です。 このプロシージャを変更せずにそのまま使用することをお勧めします。 しかし,サイトによっては,システムに特殊なスタートアップ・コマンドを実行させる必要がある場合もあります。 会話型ブートを使用すれば,一時的に代替スタートアップ・プロシージャでシステムをブートすることができます。

また,サイト別スタートアップ・コマンド・プロシージャにコマンドを追加して,サイト別にスタートアップ・イベントを実行することもできます。 詳細は 5.2 項 「サイト別スタートアップ・コマンド・プロシージャの変更」 を参照してください。

作業方法

  1. 会話型ブートの手順については,次のマニュアルを参照。

    • VAX システムの場合,最新の『OpenVMS VAX Upgrade and Installation Manual』と,インストールおよびアップグレードの補足情報を参照。

    • Alpha システムおよび I64 システムの場合,『HP OpenVMS インストレーション・ガイド[翻訳版]』を参照。

  2. 次のコマンドを入力して,現在のスタートアップ・ファイルを表示する。

    SYSBOOT> SHOW/STARTUP
    
  3. SET/STARTUP コマンドを入力して, 代替汎用スタートアップ・コマンド・プロシージャを指定する。

    SET/STARTUP ファイル指定

    ファイル指定には, スタートアップ・ファイルの完全ファイル指定を指定する。

    SYSBOOT> SET/STARTUP SYS$SYSTEM:XSTARTUP.COM
    

    ファイル指定で指定されたスタートアップ・ファイルが存在しない場合,次のメッセージが表示される。

    Error opening primary input file SYS$INPUT
    File not found
    

    入力したファイル名が正しいか確認すること。

  4. 次のコマンドを入力して,変更に間違いがないか確認する。

    SYSBOOT> SHOW/STARTUP
    
  5. CONTINUE コマンドを入力して,ブートを継続する。

    SYSBOOT> CONTINUE
    

代替汎用スタートアップ・プロシージャを省略時のスタートアップ・プロシージャにする方法については,4.5.2 項 「代替省略時スタートアップ・コマンド・プロシージャによるブート」 を参照してください。

SYSBOOT> SHOW/STARTUP
Startup command file = SYS$SYSTEM:STARTUP.COM
SYSBOOT> SET/STARTUP SYS$SYSTEM:XSTARTUP.COM
SYSBOOT> SHOW/STARTUP
Startup command file = SYS$SYSTEM:XSTARTUP.COM
SYSBOOT> CONTINUE

4.5.2 代替省略時スタートアップ・コマンド・プロシージャによるブート

省略時のシステム・スタートアップ・プロシージャは SYS$SYSTEM:STARTUP.COM です。 しかし,サイトによっては, システムに特殊なスタートアップ・コマンドを実行させる必要がある場合があります。 頻繁に SYS$SYSTEM:STARTUP.COM 以外のスタートアップ・コマンド・プロシージャを使う場合は, そのプロシージャを省略時の設定で使用するよう指定することができます。

作業方法

  1. SYS$SYSTEM:MODPARAMS.DAT ファイルを編集する。 AUTOGEN はこのファイルを使用して,パラメータを変更する。

  2. 代替プロシージャ名を STARTUP シンボルに割り当てる行を MODPARAMS.DAT に追加する。

    STARTUP = "SYS$SYSTEM:MY_STARTUP.COM"
  3. 準備ができたら AUTOGEN を起動する。 システムをリブートすると,ステップ 2 で指定したプロシージャが省略時のスタートアップ・コマンド・プロシージャになる。

$ EDIT SYS$SYSTEM:MODPARAMS.DAT
⋮
[Insert the following line in MODPARAMS.DAT:]
STARTUP = "SYS$SYSTEM:MY_STARTUP.COM"$ @SYS$SYSTEM:AUTOGEN SAVPARAMS REBOOT

4.5.3 簡易スタートアップによるブート

スタートアップ・イベントの一部を省いて, システムをブートしなければならない場合もあります。 たとえば,スタートアップ・イベントに問題があってログインできない場合,スタートアップを実行せずにシステムをブートすれば,ログインして問題を解決できます。

簡易スタートアップでブートする場合は, システムを実行するのに必須な要素しか起動しません。 これらのタスクは,オペレーティング・システムのリリースによって変わることがあります。

注意:

簡易スタートアップでブートする場合は,CONFIGURE プロセスが作成されません。 このブートで外部デバイスが必要な場合は,次の行を SYS$MANAGER:SYLOGICALS.COM に追加します。

$IF P1 .NES. "FULL" THEN @SYS$SYSTEM:STARTUP CONFIGURE

作業方法

  1. 会話型ブートの手順については,次のマニュアルを参照。

    • VAX システムの場合,最新の『OpenVMS VAX Upgrade and Installation Manual』と,インストールおよびアップグレードの補足情報を参照。

    • Alpha システムおよび I64 システムの場合,『HP OpenVMS インストレーション・ガイド[翻訳版]』を参照。

  2. SYSBOOT> プロンプトに対して,次のコマンドを入力する。

    SYSBOOT> SET STARTUP_P1 "MIN"
    
  3. CONTINUE コマンドを入力して,ブートを継続。

    SYSBOOT> CONTINUE
    
  4. システムのブートが終了すれば,ログインする。 そして,次のコマンドで SYSMAN を起動して, ステップ 2 で設定した STARTUP_P1 パラメータをクリアする。

    $ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN
    SYSMAN> PARAMETERS USE CURRENT
    SYSMAN> PARAMETERS SET STARTUP_P1 ""
    SYSMAN> PARAMETERS WRITE CURRENT
    

[perform a conversational boot]
SYSBOOT> SET STARTUP_P1 "MIN"
SYSBOOT> CONTINUE
[system completes booting]
Username: Return
Password: Return

$ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN
SYSMAN> PARAMETERS USE CURRENT
SYSMAN> PARAMETERS SET STARTUP_P1 ""
SYSMAN> PARAMETERS WRITE CURRENT
重要:

VAXCLUSTER システム・パラメータの値を 0 に設定して簡易スタートアップによるブートを行う場合は, アクセス可能な HSC デバイスまたは DSSI デバイスだけがブート・デバイスとなります。 またその際,ブート・デバイスが HSC コントローラまたは DSSI コントローラで制御されている必要があります。

HSC デバイスと DSSI デバイスをアクセス可能にするには, 次のいずれかの操作を行います。

  • 次のコマンドを使用する。

    $ RUN SYS$SYSTEM:CONFIGURE/DETACH
    

    この方法を使用すると,システムをリブートせずにデバイスをアクセス可能にできる。

  • STARTUP_P1 システム・パラメータを "" に設定してシステムをリブートする。

  • VAXCLUSTER システム・パラメータを 1 または 2 に設定してシステムをリブートする。

4.5.4 スタートアップ・プロシージャのコマンドを表示しながらのブート

スタートアップ・コマンド・プロシージャをテストする場合, あるいはスタートアップ中の問題の原因を究明する場合, スタートアップ・コマンドを実行しながら, それらのコマンドを表示することができます。

作業方法

  1. 会話型ブートの手順については,次のマニュアルを参照。

    • VAX システムの場合,最新の『OpenVMS VAX Upgrade and Installation Manual』と,インストールおよびアップグレードの補足情報を参照。

    • Alpha システムおよび I64 システムの場合,『HP OpenVMS インストレーション・ガイド[翻訳版]』を参照。

  2. SYSBOOT> プロンプトに対して,次のコマンドを入力する。

    SYSBOOT> SET STARTUP_P2 "YES"
    
  3. CONTINUE コマンドを入力して,ブートを継続する。

    SYSBOOT> CONTINUE
    
  4. システムのブートが終了すれば,ログインする。 さらに,次のコマンドで SYSMAN を起動して,ステップ 2 で設定した STARTUP_P2 パラメータをクリアする。

    $ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN
    SYSMAN> PARAMETERS USE CURRENT
    SYSMAN> PARAMETERS SET STARTUP_P2 ""
    SYSMAN> PARAMETERS WRITE CURRENT
    


[perform a conversational boot]
SYSBOOT> SET STARTUP_P2 "YES"
SYSBOOT> CONTINUE
[system completes booting]
Username: Return
Password: Return

$ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN
SYSMAN> PARAMETERS USE CURRENT
SYSMAN> PARAMETERS SET STARTUP_P2 ""
SYSMAN> PARAMETERS WRITE CURRENT

4.5.5 SYSMAN によるスタートアップ・プロシージャ・コマンドの表示

会話型ブートを実行してスタートアップ・プロシージャを表示させるのに加えて,SYSMAN の STARTUP SET OPTIONS コマンドを使用してもスタートアップ状態を表示できます。 SYSMAN を利用する利点は,複数のノードを同時に検証しログをとることができることです。

SYSMAN スタートアップ・ログは STARTUP_P2 を次の項目を指定するように再定義します。

  • STARTUP.COM が表示するデバッグ情報の総数

  • スタートアップのログを保存するかどうか

STARTUP SET OPTIONS コマンドには, 表 4-2 「スタートアップ・ログ・オプション」 に示す 4 つのオプションがあります。

表 4-2 スタートアップ・ログ・オプション

オプション

機能

/VERIFY=FULL

コンポーネント・スタートアップ・プロシージャと STARTUP.COM によって実行されたすべての DCL 行を表示する。

/VERIFY=PARTIAL

コンポーネント・スタートアップ・プロシージャによって実行されたすべての DCL 行を表示する。 ただし,STARTUP.COM によって実行された DCL 行は表示しない。

/OUTPUT=FILE
/OUTPUT=CONSOLE

SYS$SPECIFIC:[SYSEXE]STARTUP.LOG を作成する。 スタートアップ・プロシージャによって生成されたすべての出力を含む。 または,この出力をコンソールに表示できる。

/CHECKPOINTING

各スタートアップ・フェーズとコンポーネント・ファイルの時間と状態を記述した情報メッセージを表示する。

 

作業方法

  1. $ プロンプトに対し,次のコマンドを入力する。

    $ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN
    
  2. SYSMAN> プロンプトに対し,次のコマンドを入力する。

    SYSMAN> STARTUP SET OPTIONS/[ 修飾子 ]
    

    修飾子は,表 4-2 「スタートアップ・ログ・オプション」 に挙げたオプションを使用できる。 これらのオプションは,次回システムをブートしたときも有効である。

$ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN
SYSMAN> STARTUP SET OPTIONS/VERIFY=FULL/OUTPUT=FILE/CHECKPOINTING

この例は,次の条件でスタートアップ・ログを要求しています。

  • 完全検証

  • STARTUP.LOG ファイルへの出力

  • チェックポイント

現在のスタートアップ・オプションを確認するには,次のコマンドを入力します。

SYSMAN> STARTUP SHOW OPTIONS

詳細は『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。

4.6 ブート中の問題の解決

BOOT コマンドを入力したときにハードウェアまたはソフトウェアが誤動作すると, オペレーティング・システムがブートできないことがあります。

ハードウェア上の問題

ディスク・ドライブやコンソール・メディアの読み取りエラー,あるいはマシン・チェック時のエラーは,ほとんどの場合, ハードウェアの誤動作が原因です。 ハードウェア上の問題が発生すると, 通常,システム・コンソール・ターミナルには,先頭に疑問符 (?) の付いたエラー・メッセージが表示されます。 次のいずれかまたは両方を実行してください。

  • ハードウェア・マニュアルを参照する。

  • 弊社のサポート担当者に連絡する。

ソフトウェア上の問題

オペレーティング・システムがメモリにロードされたものの, STARTUP.COM コマンド・プロシージャが動作しない場合は, ほとんどの場合,ソフトウェア上の誤動作が原因です。 特に,次のメッセージが表示されない場合は,その可能性が高くなります。

The OpenVMS system is now executing the system startup procedure.

この問題に対しては,次のいずれかまたは両方を実行してください。

  • ブート・プロシージャを繰り返す。 会話型ブートの手順については,次のマニュアルを参照。

    • VAX システムの場合, 最新の『OpenVMS VAX Upgrade and Installation Manual』と, インストールおよびアップグレードの補足情報を参照。

    • Alpha システムおよび I64 システムの場合,『HP OpenVMS インストレーション・ガイド[翻訳版]』を参照。

    着脱式のシステム・ディスクを使用している場合は, バックアップ・コピーのディスクと入れ換え,もう一度ブートしてみる。

  • 元のドライブにシステム・ディスクを残したまま, スタンドアロンの BACKUP を使ってシステム・ディスクのバックアップ・コピーを復元し(11.17 項 「システム・ディスクのバックアップと復元」 参照), もう一度ブートしてみる。

4.7 システム・ディスクへのブート・ブロックの書き込み

システム・ディスクのブロック 0 はブート・ブロック です。 このブロックには,システムをブートするときに使用される 1 次ブートストラップ・イメージの大きさと位置が記憶されています。

VAX システムでは,1 次ブートストラップ・イメージは VMB.EXE です。

Alpha システムでは,1 次ブートストラップ・イメージは APB.EXE です。

I64 システムでは,1 次ブートストラップ・イメージは IPB.EXE です。

いくつかのプロセッサは, このブート・ブロックを読み取り,1 次ブートストラップ・イメージの位置を知ります。 ブート・ブロックを読み取るプロセッサを次に示します。

  • VAX-11/750

  • VAX 8200,8250,8300,8350

  • VAX 6000-200,6000-300,6000-400,6000-500,6000-600

  • VAX 7000,10000

  • すべての Alpha システムおよび I64 システム (将来は変更される予定)

ユーザのシステムがブート・ブロックを読み取るかどうかについては, 次のマニュアルを参照してください。

  • VAX システムの場合, 最新の『OpenVMS VAX Upgrade and Installation Manual』 と,インストールおよびアップグレードの補足情報を参照。

  • Alpha システムおよび I64 システムの場合,『HP OpenVMS インストレーション・ガイド[翻訳版]』を参照。

システム・ディスクのブート・ブロックが不正と思われる場合は,WRITEBOOT ユーティリティを使って新しいブート・ブロックを書き込むことができます。 ブート・ブロックが不正になる原因として考えられるのは, 次のような場合です。

  • SET FILE/MOVE コマンドまたは $MOVEFILE システム・サービスで 1 次ブートストラップ・イメージを変更した場合。

  • /IMAGE 修飾子なしで作成したシステム・ディスクのバックアップを復元した場合。

  • オペレーティング・システムのアップグレード中などに新しいバージョンの 1 次ブートストラップ・イメージを追加した場合。 新しいバージョンの 1 次ブートストラップ・イメージを追加する場合, アップグレード・プロシージャは自動的に WRITEBOOT を使用する。

  • 新しいバージョンの 1 次ブートストラップ・イメージを追加し, これがディスク上の連続した領域にない場合。 これを判断するには,DIRECTORY/FULL コマンドを使用する。

注記: WRITEBOOT ユーティリティの使用手順は,VAX システムと Alpha システムでは多少異なります。 VAX システムと Alpha システムでこの作業を実行する手順を,以下に示します。 WRITEBOOT を使用するには,LOG_IO 特権が必要です。

I64 システムでは,ブート・ブロックを書き込むには SETBOOT を使用します。 この作業を実行する手順についても,この項で説明します。

VAX システムでの作業方法

VAX システムの場合,次の手順に従って WRITEBOOT ユーティリティを使用します。

  1. 次のコマンドを入力して,WRITEBOOT ユーティリティを起動する。

    $ RUN SYS$SYSTEM:WRITEBOOT
    
  2. このプロシージャは次のメッセージを表示する。

    Target system device (and boot file if not VMB.EXE):?
    

    VAX システムでは,VMB.EXE は省略時のブートストラップ・イメージである。 次のフォーマットで応答を入力する。

    device:[VMS$COMMON.SYSEXE]VMB.EXE;

    ユーザのシステムのアップグレードとインストールのマニュアルに記載されているデバイス名フォーマットを使用すること。 省略時以外のブートストラップ・イメージでブートする場合, デバイスとディレクトリを含む,イメージの完全ファイル指定を指定しなければならない。

  3. 次のメッセージが表示される。

    Enter VBN of boot file code (default is one): 
    

    通常,ブート・コードは,ブートストラップ・イメージの仮想ブロック番号 (VBN) 1 に位置する。 Return を押して,そのまま省略時の値の 1 を選択する。

  4. 次のメッセージが表示される。

    Enter load address of primary bootstrap in HEX (default is 200): 
    

    ロード・アドレス は,システムがブートストラップ・イメージをロードするメモリ上の位置 (16 進法)。 通常,ブートストラップ・イメージはアドレス 200 にコピーする。 Return を押して,そのまま省略時の値の 200 を使用する。

  5. 指定した情報がシステム・ディスクのブート・ブロック (ブロック 0) に書き込まれる。

VAX システムの場合,WRITEBOOT ユーティリティは,以下のエラー・メッセージを表示することがあります。

  • You lack LOG_IO privilege.

    WRITEBOOT ユーティリティを使用するために必要な特権がないことを示す。

  • You lack READ and/or WRITE access to TARGET DEVICE. DISMOUNT and reMOUNT it.

    ターゲット・デバイスに対するアクセス権が制限されていることを示す。 ディスク・デバイスの書き込み禁止ボタンを調べる。

  • Boot file is not contiguous.

    1 次ブートストラップ・イメージ VMB.EXE がディスク上で連続した領域にないことを示す。 次のコマンドを入力する。

    $ COPY/CONTIGUOUS device:[VMS$COMMON.SYSEXE]VMB.EXE; -
    _$  device:[VMS$COMMON.SYSEXE]
    

    WRITEBOOT を再度実行して,新しいイメージのブート・ブロックを再書き込みする。

  • VBN must be >= 1.

    このメッセージは,仮想ブロック番号 (VBN) に 0 は指定できないことを示す。

例:

次の例では,VAX システムで,システム・ディスクにブート・ブロックを書き込みます。

$ RUN SYS$SYSTEM:WRITEBOOT
Target system device (and boot file if not VMB.EXE):? 
DUA0:[VMS$COMMON.SYSEXE]VMB.EXE
Enter VBN of boot file code (default is one):[Return] 
Enter load address of primary bootstrap in HEX (default is 200): [Return] 

Alpha システムでの作業方法

Alpha システムの場合,次の手順に従って,WRITEBOOT ユーティリティを使用します。

  1. 次のコマンドを入力して,WRITEBOOT ユーティリティを起動する。

    $ RUN SYS$SYSTEM:WRITEBOOT
    

    ブート・ブロックの VAX 部分を書き込むか尋ねてくる。

    Update VAX portion of boot block (default is Y):
    
  2. NO を入力する。

  3. 次のプロンプトが表示される。

    Update Alpha portion of boot block (default is Y):
    

    Reterun キーを押すと,省略時の設定で Y になる。

  4. Alpha ブートストラップ・イメージの指定を求める次のプロンプトが表示される。

    Enter Alpha boot file:
    

    Alpha システムの場合,APB.EXE が省略時のブートストラップ・イメージである。 次の形式で応答する。

    デバイス: [VMS$COMMON.SYSEXE]APB.EXE;

    デバイスには,システム・ディスクのデバイス名を指定する。

  5. 指定した情報がシステム・ディスクのブート・ブロック (ブロック 0) に書き込まれる。

Alpha システムの場合,WRITEBOOT ユーティリティは,次のエラー・メッセージを表示することがあります。

  • You lack LOG_IO privilege.

    WRITEBOOT ユーティリティを使用するために必要な特権がないことを示す。

  • You lack READ and/or WRITE access to TARGET DEVICE. DISMOUNT and reMOUNT it.

    ターゲット・デバイスに対するアクセス権が制限されていることを示す。 ディスク・デバイスの書き込み禁止ボタンを調べる。

  • Boot file is not contiguous.

    1 次ブートストラップ・イメージ APB.EXE がディスク上で連続した領域にないことを示す。 次のコマンドを入力する。

    $ COPY/CONTIGUOUS device:[VMS$COMMON.SYSEXE]APB.EXE; -
    _$  device:[VMS$COMMON.SYSEXE]
    

    WRITEBOOT を再度実行して,新しいイメージのブート・ブロックを再書き込みする。

例:

Alpha システムの場合,次のように入力すると,システム・ディスクにブート・ブロックを書き込みます。

$ RUN SYS$SYSTEM:WRITEBOOT
Update VAX portion of boot block (default is Y): N
Update Alpha portion of boot block (default is Y): Return 
Enter Alpha boot file: DUA0:[VMS$COMMON.SYSEXE]APB.EXE;

I64 システムでの作業方法

OpenVMS I64 システムでのブート・ブロックの書き込みには,DCL SET BOOTBLOCK コマンドが用意されています。 このコマンドは,OpenVMS Alpha システムで使用される WRITEBOOT ユーティリティ (WRITEBOOT.EXE) と同様に機能します。 (WRITEBOOT ユーティリティは,OpenVMS I64 システムでは使用しないでください。)

SET BOOTBLOCK を使用すると,当初,次のいずれかの方法で作成されたディスクから,ブート可能な OpenVMS Alpha システム・ディスクを作成することができます。

  • OpenVMS I64 システム・ディスクの非イメージ・バックアップ (ブート・ブロックが壊れる可能性がある)。

  • イメージ・セーブ・セットからの,OpenVMS I64 システム・ディスクの非イメージ復元。

SET BOOTBLOCK コマンドを使用すると,OpenVMS I64 システム・ディスクのブート・ブロックを,以前ディスクにコピーした,新しいバージョンの OpenVMS I64 一次ブートストラップ・ファイル (SYS$EFI.SYS) を指すように書き直すこともできます (ファイルは,連続した領域に存在しなければなりません)。

ブート・ブロックをディスクに書き込むには,次のコマンドを入力します。

$ SET BOOTBLOCK 

ブート・ファイルをコマンドで指定できます。 省略時の設定では,このコマンドはブート・ファイル SYS$SYSDEVICE:[VMS$COMMON.SYS$LDR]SYS$EFI.SYS を作成します。 ブート・ファイルは,連続した領域に存在しなければなりません。 連続していない場合は,DCL COPY/CONTIGUOUS コマンドまたは同等のコマンドを使用して,領域が連続しているブート・ファイルを再度作成してください。 さらに,ディスクのデフラグメント・ツールの正常な動作で発生する可能性のあるブートストラップ障害を回避するために,ブート・ファイルは (DCL SET FILE/NOMOVE コマンドを使用して) NOMOVE とマークされていなければなりません。

代わりに,次のコマンドを入力してブート・ブロックを書き込むこともできます。

$ RUN SYS$SYSTEM:SYS$SETBOOT

このユーティリティは,(OpenVMS Alpha WRITEBOOT ユーティリティと同様に) 必要な入力を求めるプロンプトを表示します。

4.8 システムのシャットダウン

オペレーティング・システムには,次のシャットダウン・プロシージャが用意されています。

プロシージャ

目的

参照箇所

SHUTDOWN.COM

通常のシャットダウン・プロシージャ。 このプロシージャでは,ログインの禁止,バッチと出力キューの停止, ボリュームのディスマウント,ユーザ・プロセスの停止など, ハウスキーピングを行いながらシステムをシャットダウンする。

4.8.1 項 「SHUTDOWN.COM による通常のシャットダウン」

OPCCRASH.EXE

緊急のシステム・シャットダウン・プログラム。 SHUTDOWN.COM による通常のシャットダウンができない場合, OPCCRASH 緊急シャットダウン・プログラムを実行する。

4.8.5 項 「OPCCRASH.EXE プログラムによる緊急時のシャットダウン」

コンソール・コマンドを使用したシャットダウン

緊急シャットダウン・コマンド。 コンソール・シャットダウン・コマンドは, OPCCRASH.EXE が失敗したときだけ使用する。

4.8.6 項 「コンソール・コマンドによる緊急時のシャットダウン」

4.8.1 SHUTDOWN.COM による通常のシャットダウン

SYS$SYSTEM:SHUTDOWN.COM は,通常時にシステムをシャットダウンするときに使用するプロシージャです。 シャットダウン・イベントの順序については,4.8.2 項 「シャットダウン・イベントの順序」 を参照してください。

SHUTDOWN.COM は変更しないでください。 シャットダウン中にサイト別の操作を行う方法については,4.8.3 項 「SHUTDOWN.COM のカスタマイズによるサイト別の処理」を参照してください。

通常,シャットダウンは, 省略時の設定ですべての特権を持つ SYSTEM アカウントから行います。 SHUTDOWN.COM を実行するには,SETPRV 特権,または次のすべての特権が必要です。

  • AUDIT

  • CMKRNL

  • EXQUOTA

  • LOG_IO

  • NETMBX

  • OPER

  • SECURITY

  • SYSNAM

  • SYSPRV

  • TMPMBX

  • WORLD

SHUTDOWN.COM が次のメッセージを表示するまでの間であれば, Ctrl/Y を押すことによって,問題なくシステム・シャットダウンをキャンセルできます。

%SHUTDOWN-I-SITESHUT, The site-specific shutdown procedure will now be invoked.

このメッセージが表示された後で Ctrl/Y を押した場合, すでにシャットダウンされたシステム要素もあるので, 手動で回復しなければなりません。 たとえば,プロセスの再起動,ディスクのマウント,システムのリブートなどは手動で行うことになります。

作業方法

  1. システム管理者のアカウント (SYSTEM) か, 必要な特権を持つアカウントにログインし,次のコマンドを入力する。

    $ @SYS$SYSTEM:SHUTDOWN.COM
    

    このコマンドは,通常のシャットダウン・プロシージャを呼び出す。 このプロシージャは,いくつかの質問とメッセージを表示する。 省略時の応答が,各質問の最後に括弧に囲まれて表示される。 Return キーを押すと,省略時の応答が選択される。

  2. 次の質問が表示される。

    How many minutes until final shutdown [0]?
    

    整数を入力する。 システム論理名 SHUTDOWN$MINIMUM_MINUTES を定義している場合, 入力可能な最小値はその整数値である。 たとえば,この論理名を 10 と定義している場合は, 最終的なシャットダウン時間として少なくとも 10 分を指定する必要があり, それ以下の時間を指定すると,エラー・メッセージが表示される。 値を省略した場合,SHUTDOWN.COM は論理名の値を使用する。

    重要:

    省略時の設定ではゼロ (0) 分です。 論理名 SHUTDOWN$MINIMUM_MINUTES の定義がなく,かつ値が省略された場合は, 最後の質問の応答後ただちにシステムはシャットダウンします。

  3. 次の質問が表示される。

    Reason for shutdown [standalone]:
    

    システムをシャットダウンする理由を 1 行で入力する。 たとえば “Monthly preventive maintenance” と入力する。

  4. 次の質問が表示される。

    Do you want to spin down the disk volumes [No]?
    

    YES (Y) または NO (N) を入力する。 ただし,システム・ディスクを停止することはできない。 また多くのディスク,特に SCSI ディスクは停止できない。

  5. 次の質問が表示される。

    Do you want to invoke the site-specific shutdown procedure [Yes]?
    

    サイト別のシャットダウン・プロシージャを呼び出すかどうかを指定する。 SYSHUTDWN.COM にサイト別のコマンドを入力している場合は,Return キーを押す。 詳細は 4.8.3.2 項 「サイト別シャットダウン・コマンド・プロシージャの変更」 を参照。

  6. 次の質問が表示される。

    Should an automatic system reboot be performed [No]?
    

    省略時の設定では,システムは自動的なリブートを行わない。 しかし,YES と応答すると,システムは, シャットダウンが終了してから自動的にリブートを行おうとする。 たとえば,SYSMAN または SYSGEN で非動的システム・パラメータ値を変更して, 新しい値を有効にするためには,システムをリブートする必要がある。 このような場合は,YES と応答する。

  7. 次の質問が表示される。

    When will the system be rebooted [later]?
    

    ステップ 6 で YES を入力した場合,この質問に対する省略時の応答は“[shortly via automatic reboot]” となる。

    Return キーを押せば,省略時の値をとる。 その他の場合,希望のリブート時間を任意のフォーマットで入力する。 たとえば IMMEDIATELY,IN 10 MINUTES と指定したり, 2 P.M. または 14:00 などの時刻形式で指定することもできる。 再びシステムが使用できる時期がはっきりしない場合は, Return を押して "later" を選択する。

  8. プロシージャは,1 つまたは複数のシャットダウン・オプションを指定するよう,次のプロンプトを表示する。 ユーザのシステムが OpenVMS Cluster 環境のメンバでない場合, このプロシージャは REBOOT_CHECK と SAVE_FEEDBACK オプションしか表示しない。

    Shutdown options (enter as a comma-separated list):
     REMOVE_NODE         Remaining nodes in the cluster should adjust quorum
     CLUSTER_SHUTDOWN    Entire cluster is shutting down
     REBOOT_CHECK        Check existence of basic system files
     SAVE_FEEDBACK       Save AUTOGEN feedback information from this boot
     DISABLE_AUTOSTART   Disable autostart queues
    Shutdown options [NONE]
    

    希望のオプションを選択する。 次の中から選択すること。

    オプション

    説明

    REMOVE_NODE

    クラスタ内の他のノードの EXPECTED_VOTES システム・パラメータの値を減少させる。 このパラメータは,ノードがクラスタに追加されるたびに自動的に増加される。 REMOVE_NODE を指定しても EXPECTED_VOTES はクォーラム値を下回ることはない。

    このオプションは,シャットダウンするノードが, かなり長い期間クラスタの外にある場合に使用する。

    このオプションを使用する場合,すべてのローカルに接続されたディスクはクラスタ全体でディスマウントされます。 このため,ローカルに接続されたディスク上でファイルをオープンした他のノード上のアプリケーションは必ずシャットダウンする必要があります。

    CLUSTER_SHUTDOWN

    クラスタのシャットダウンの同期をとる。 各ノードのシャットダウンが一定のポイントまで進行していないと, シャットダウンは完了しない。

    このオプションは,クラスタ内の各ノードのシャットダウンの同期をとる場合に使用する。

    REBOOT_CHECK

    シャットダウン完了後,システムのリブートに必要なファイルが存在するか確認する。

    このプロシージャは,必要なファイルの有無をチェックし,結果をユーザに通知する。 処理を続ける前に存在しないファイルを適切な場所にコピーしておく。

    SAVE_FEEDBACK

    システムが最後にブートされてから集められたそのシステムのフィードバック・データを記録し, AUTOGEN フィードバック・データ・ファイルの新しいバージョンを作成する。 このファイルは,AUTOGEN が次回実行されたときに使用される。

    AUTOGEN フィードバック機構の使用方法についての詳細は 『OpenVMS システム管理者マニュアル (下巻)』を参照

    DISABLE_AUTOSTART

    DISABLE AUTOSTART/QUEUES コマンドとシステム・シャットダウンの間の時間を指定する。 詳細は14.7.1.9 項 「システムのシャットダウン前のキューの停止」 を参照

$ @SYS$SYSTEM:SHUTDOWN


         SHUTDOWN -- Perform an Orderly System Shutdown

How many minutes until final shutdown [0]: 10
Reason for shutdown: [Standalone] MONTHLY PREVENTIVE MAINTENANCE
Do you want to spin down the disk volumes [No]? 
Do you want to invoke the site-specific shutdown procedure [Yes]?  
Should an automatic system reboot be performed [No]? 
When will the system be rebooted [later]? 12:30
Shutdown options (enter as a comma-separated list):
 REMOVE_NODE         Remaining nodes in the cluster should adjust quorum
 CLUSTER_SHUTDOWN    Entire cluster is shutting down
 REBOOT_CHECK        Check existence of basic system files
 SAVE_FEEDBACK       Save AUTOGEN feedback information from this boot
 DISABLE_AUTOSTART   Disable autostart queues
Shutdown options [NONE]

SHUTDOWN message on AVALON, from user SYSTEM at _AVALON$OPA0:   12:00:00.20
AVALON will shut down in 10 minutes; back up 12:30. Please log off node AVALON.
MONTHLY PREVENTIVE MAINTENANCE

%SHUTDOWN-I-OPERATOR, This terminal is now an operator's console.
%%%%%%%%%%%  OPCOM, 16-MAY-2000 12:01:00.15  %%%%%%%%%%%
Operator status for operator _AVALON$OPA0:
CENTRAL, PRINTER, TAPES, DISKS, DEVICES, CARDS, NETWORK, OPER1, OPER2,
OPER3, OPER4, OPER5, OPER6, OPER7, OPER8, OPER9, OPER10, OPER11,
OPER12

%SHUTDOWN-I-DISLOGINS, Interactive logins will now be disabled.
%SET-I-INTSET, login interactive limit = 0 current interactive value = 17
%SHUTDOWN-I-SHUTNET, The DECnet network will now be shut down.



SHUTDOWN message on AVALON, from user SYSTEM at _AVALON$OPA0:   12:05:00.20
AVALON will shut down in 5 minutes; back up 12:30. Please log off node AVALON.
MONTHLY PREVENTIVE MAINTENANCE

17 terminals have been notified on AVALON.

SHUTDOWN message on AVALON from user SYSTEM at _AVALON$OPA0:   12:06:55.28
AVALON will shut down in 3 minutes; back up 12:30. Please log off node AVALON.
MONTHLY PREVENTIVE MAINTENANCE


%%%%%%%%%%%  OPCOM, 16-MAY-2000 12:07:12.30  %%%%%%%%%%%
Message from user DECnet on AVALON
DECnet event 2.0, local node state change
From node 2.161 (AVALON), 16-MAY-1998 12:07:22.26
Operator command, Old state = On, New state = Shut
SHUTDOWN message on AVALON user SYSTEM at _AVALON$OPA0:   12:08:12.56
AVALON will shut down in 2 minutes; back up 12:30. Please log off node AVALON.
MONTHLY PREVENTIVE MAINTENANCE

%%%%%%%%%%%  OPCOM, 16-MAY-2000 12:08:12:30  %%%%%%%%%%%




	

Message from user SYSTEM on AVALON





-SYSTEM-S-NORMAL, normal successful completion

%%%%%%%%%%%  OPCOM, 16-MAY-2000 12:08:42.30  %%%%%%%%%%%
Message from user DECNET on AVALON
DECnet shutting down

%SYSTEM-I-STOPQUEUES, The queues on this node will now be stopped.
SHUTDOWN message on AVALON from user SYSTEM at _AVALON$OPA0:   12:09:12.56
AVALON will shut down in 1 minute; back up 12:30. Please log off node AVALON.
MONTHLY PREVENTIVE MAINTENANCE

SHUTDOWN message on AVALON, from user SYSTEM at _AVALON$OPA0:   12:10:00.20
AVALON will shut down in 0 minutes; back up 12:30. Please log off node AVALON.
MONTHLY PREVENTIVE MAINTENANCE

17 terminals have been notified on AVALON
%SHUTDOWN-I-SITESHUT, The site-specific shutdown procedure will now be invoked.
%SHUTDOWN-I-STOPUSER, All user processes will now be stopped.
%SHUTDOWN-I-REMOVE, All installed images will now be removed.
%SHUTDOWN-I-DISMOUNT, All volumes will now be dismounted.
%%%%%%%%%%%  OPCOM, 16-MAY-2000 12:09:42.30  %%%%%%%%%%%
Message from user System on AVALON
_AVALON$OPA0:, AVALON shutdown was requested by the operator.

%%%%%%%%%%%  OPCOM, 16-MAY-2000 12:10:02.44  %%%%%%%%%%%
Logfile was closed by operator _AVALON$OPA0:
Logfile was SYS$SYSROOT:[SYSMGR]OPERATOR.LOG;8

%%%%%%%%%%%  OPCOM, 16-MAY-2000 12:10:32.20  %%%%%%%%%%%
Operator _AVALON$OPA0: has been disabled, username SYSTEM

        SYSTEM SHUTDOWN COMPLETE

VAX システムの場合,次のメッセージも表示される。

USE CONSOLE TO HALT SYSTEM

このメッセージが表示されたらシステムを停止すること。 %OPCOM, 16-MAY-2000 12:09:30.00, message from user SYSTEM on AVALON

4.8.2 シャットダウン・イベントの順序

シャットダウンが進行すると,次に示すイベントが順番に発生します。 そして,シャットダウン・プロシージャは,イベントごとにメッセージをターミナルに表示します。

  1. SHUTDOWN.COM は,システムのすべてのユーザに対してログアウトを求めるメッセージを時間間隔を狭めながら繰り返しブロードキャストする。

  2. SHUTDOWN.COM は,システム論理名 SHUTDONW$TIME にシャットダウン絶対時刻を定義する。 たとえば,SHUTDOWN.COM の実行後,12 時ちょうどに最初の質問に対して 10 と答えた場合,SHUTDOWN.COM は論理名 SHUTDOWN$TIME をその日の 12 時 10 分に設定する。 シャットダウンが行われているか,あるいは実際のシャットダウン時間を確認したい場合は, SHOW LOGICAL SHUTDOWN$TIME コマンドを入力する。 この機能は,シャットダウン・ブロードキャスト・メッセージを見逃した場合などに便利である。

  3. システム・シャットダウンの遅くとも 6 分前,SHUTDOWN を起動したターミナルはオペレータ・コンソールになる。 これにより,SHUTDOWN は以降のすべてのオペレータ以外のログインを無効にする。 DECnet ネットワークが動作している場合は,それをシャットダウンする。 この時点で,SET HOST コマンドでシステムにログインしたユーザのセッションはなくなる。

  4. シャットダウンの 1 分前,SHUTDOWN.COM はバッチと出力キューを停止し,さらにキュー・マネージャの実行を停止する。

  5. シャットダウン絶対時刻になり,ユーザが要求すれば, SHUTDOWN.COM はサイト別のシャットダウン・コマンド・プロシージャSYS$MANAGER:SYSHUTDWN.COM を起動する。

  6. SHUTDOWN.COM は,残りのすべてのユーザ・プロセスを停止させる。 しかし,システム・プロセスの実行は継続される。 また,補助制御プロセス (ACP) は,マウントされていたボリュームが最終的にディスマウントされてから,自分を削除する。

  7. マルチプロセッサ・システムの場合,SHUTDOWN.COM は, サブプロセスを停止する。

  8. SHUTDOWN.COM は,インストールされているすべてのイメージを削除する。

  9. SHUTDOWN.COM は,マウントされているすべてのボリュームをディスマウントする。 ユーザが要求すれば,ディスクを停止する。 SHUTDONW$VERBOSE が定義されていた場合は, ディスマウントされたディスクの一覧が表示される。

    このプロシージャでは,システム・ディスクの停止は行われない。 また,クォーラム・ディスクが存在する場合,クォーラム・ディスクのディスマウントや停止も行われない。

  10. SHUTDOWN.COM は,オペレータ・ログ・ファイルをクローズする。

  11. SHUTDOWN.COM は,SYS$SYSTEM:OPCCRASH プログラムを起動して, システムをシャットダウンする。

  12. 必要な制御が行われている場合で自動リブートの要求があった場合には, システムはリブートする。 自動リブートを要求するためには,次の質問に YES と答える。

    Should an automatic system reboot be performed [No]?
    

    自動リブートの要求がなかった場合は,システム・コンソールには次のようなメッセージが表示される。

    SYSTEM SHUTDOWN COMPLETE
    

    VAX システムの場合,次のメッセージも表示される。

    USE CONSOLE TO HALT SYSTEM
    

    このメッセージが表示されたらシステムを停止すること。

4.8.3 SHUTDOWN.COM のカスタマイズによるサイト別の処理

SHUTDOWN.COM の実行時にシャットダウン・オプションを選択するという方法の他にも,次のいずれかの方法で,SHUTDOWN.COM をカスタマイズして,サイト別の処理を行うことができます。

方法

参照箇所

論理名の定義

4.8.3.1 項 「論理名の定義」

サイト別シャットダウン・プロシージャの変更

4.8.3.2 項 「サイト別シャットダウン・コマンド・プロシージャの変更」

4.8.3.1 論理名の定義

SHUTDOWN.COM を実行する前に,次の論理名を定義しておけば, コマンド・プロシージャの動作を制御することができます。

論理名

説明

SHUTDOWN$DECNET_MINUTES

DECnet がシャットダウンするまでの時間を分単位で指定する。 この論理名は /SYSTEM 修飾子を使用して定義する必要がある。 省略時の値は 6 分。

SHUTDOWN$DISABLE_AUTOSTART

キュー用のオートスタートが無効になり,システムがシャットダウンするまでの時間を分単位で指定する。 この論理名は /SYSTEM 修飾子を使用して定義する必要がある。 詳細は14.7.1.9 項 「システムのシャットダウン前のキューの停止」 を参照。

SHUTDOWN$INFORM_NODES

システムのシャットダウン時,シャットダウンについて通知される OpenVMS Cluster ノードを指定する。 この論理名の詳細は以降で説明する。

SHUTDOWN$MINIMUM_MINUTES

通知からシャットダウンまでの最少時間を指定する。 たとえば,通知から 30 分経過してからシャットダウンするためには, この論理名を 30 と定義する。 この論理名は/SYSTEM 修飾子を使用して定義する必要がある。

SHUTDOWN$QUEUE_MINUTES

キューがシャットダウンされるまでの時間を分単位で指定する。 /SYSTEM 修飾子を使用して定義する必要がある。 省略時の値は 1 分。

SHUTDOWN$TIME

シャットダウンの絶対時刻を定義する。 この論理名は /SYSTEM 修飾子とともに定義する必要がある。

SHUTDOWN$VERBOSE

何らかの文字列を定義すると,シャットダウン・コマンド・プロシージャはディスクがディスマウントされるたびにそのディスクを表示する。

SHUTDOWN.COM を実行するときに必ず指定するオプションがあれば, その論理名をサイト別スタートアップ・コマンド・プロシージャSYLOGICALS.COM に定義します。 詳細は5.2.5 項 「システム単位の論理名を定義するための SYLOGICALS.COM の変更」 を参照してください。

システムのシャットダウン時に通知するノードを指定する

論理名 SHUTDOWN$INFORM_NODES に, シャットダウン時に通知される OpenVMS Cluster ノードを定義することができます。 この論理名は, SYS$SYSTEM:SHUTDOWN.COM を実行する前に定義する必要があります。

SHUTDOWN$INFORM_NODES を定義するためには, 次の形式で DEFINE コマンドを入力します。

DEFINE SHUTDOWN$INFORM_NODES " ノード・リスト "

ノード・リストには,次に示すように,通知するノードを指定します。

$ DEFINE SHUTDOWN$INFORM_NODES "NODE1,NODE2,NODE3"

システムをシャットダウンするとき必ず同じノードに通知する場合は, このコマンドをサイト別のスタートアップ・コマンド・プロシージャ SYLOGICALS.COM に追加します (5.2.5 項 「システム単位の論理名を定義するための SYLOGICALS.COM の変更」 参照)。

SHUTDOWN$INFORM_NODES を定義した場合, ノード・リストに定義されたすべてのメンバが SHUTDOWN.COM 実行時に通知されます。 シャットダウンが実行されるノード上のユーザには必ず通知されます。 これは,SHUTDOWN$INFORM_NODES の有無に関係ありません。 シャットダウンされるノードの名前を DEFINE コマンドのノード・リストに指定しない場合でも,SHUTDOWN.COM は自動的にその名前を追加します。

表 4-3 「シャットダウン中のノード通知」 に, SHUTDOWN$INFORM_NODES が定義されているかどうかに分けて, シャットダウンのフェーズごとにどのノードに通知されるかを示します。

表 4-3 シャットダウン中のノード通知

シャットダウン・フェーズ

SHUTDOWN$INFORM_NODES が定義されていない場合

SHUTDOWN$INFORM_NODES が定義されている場合

最初のシャットダウン通知

すべてのノード上のすべてのターミナルに通知

ノード・リストに指定されたノード上のすべてのターミナルに通知

最初のシャットダウン通知からファイナル・シャットダウンの 2 分前まで

シャットダウンするノードにログインしているすべてのターミナルに通知

ノード・リストに指定されたノードにログインしているすべてのユーザに通知

ファイナル・シャットダウン通知からファイナル・シャットダウンまでの 2 分間

すべてのノードにログインしているすべてのユーザに通知

ノード・リストに指定されたノードにログインしているすべてのユーザに通知

シャットダウンがキャンセルされたとき

すべてのノード上のすべてのターミナルに通知

ノード・リストに指定されたすべてのノード上のすべてのターミナルに通知

 

4.8.3.2 サイト別シャットダウン・コマンド・プロシージャの変更

サイト別シャットダウン・プロシージャ SYS$MANAGER:SYSHUTDWN.COM にサイト別コマンドを追加することができます。 空の SYSHUTDWN.COM ファイルは,ディストリビューション・キットに含まれています。

サイト別プロシージャ SYSHUTDWN.COM を実行したいか尋ねられます。

Do you want to invoke the site-specific shutdown procedure [Yes]?

ここで,Return キーを押すと省略時の応答である YES が選択され, サイト別プロシージャ SYSHUTDWN.COM が起動されます。

4.8.3.3 サイト固有のシャットダウン・プロシージャでのシャドウ・セットのディスマウント

オペレーティング・システムとともに出荷されている SHUTDOWN.COM プロシージャは,マウントされているすべてのボリュームに対して DISMOUNT/ABORT/OVERRIDE=CHECKS 操作を行います。 マウントされているシャドウ・セット上でオープンされたままのファイルがある場合は,システムのリブート時に,シャドウ・セットへのマージ操作が必要になります。

このような不要なマージ操作を避けるには,サイト固有の SYSHUTDWN.COM コマンド・プロシージャを変更して,/ABORT/OVERRIDE=CHECKS コマンド修飾子を使用せずにシャドウ・セットをディスマウントしてください。 オープンされたままのファイルがある場合は,それらをクローズしてください。

4.8.4 SYSMAN ユーティリティによる通常シャットダウンの実行

SYSMAN でシャットダウンする利点は, 複数のノードを迅速にシャットダウンできる点です。 SYSMAN を使用すれば, SHUTDOWN.COM の会話型ダイアログにいちいち応えなくても, シャットダウン・パラメータをすべて 1 行に入力すれば, 複数のノードをシャットダウンできます。 SYSMAN では,ノードがシャットダウンするのを待っている必要はありません。 シャットダウン・プロシージャ実行後,ただちに別の SYSMAN コマンドを実行できます。

作業方法

  1. DCL プロンプト($) に対して次のコマンドを入力する。

    $ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN
    
  2. SYSMAN> プロンプトに対し,次のコマンドを入力する。

    SYSMAN> SHUTDOWN NODE/[ 修飾子 ]
    

次の修飾子を指定できます。

修飾子

機能

MINUTES_TO_SHUTDOWN

シャットダウン開始までの時間 (分) を示す。

REASON

シャットダウンの理由を示す。

REBOOT_TIME

システムをリブートする時間を示す。 LATER, 2 P.M. あるいは 14:00 のように指定する。 この時間はシャットダウン・メッセージとともにユーザに表示される。

[NO]SPIN_DOWN_DISKS

ディスクをスピン・ダウンする。 省略時の値は NO。 システム・ディスクはスピン・ダウンできない。

[NO]INVOKE_SYSHUTDOWN

サイト別シャットダウン・プロシージャを呼び出す。 省略時の値は INVOKE_SYSHUTDOWN。

[NO]AUTOMATIC_REBOOT

シャットダウン完了時に,システムを自動的にリブートする。 省略時の値は NO。

[NO]REBOOT_CHECK

基本オペレーティング・システム・ファイルをチェックし, 存在しなければユーザに通知する。 省略時の値は NO。

[NO]CLUSTER_SHUTDOWN

OpenVMS Cluster 全体をシャットダウンする。 省略時の値は NO。

[NO]REMOVE_NODE

アクティブなクラスタ・クォーラムからノードを削除する。 長期間,シャットダウン・ノードをクラスタのメンバにする予定がないときに使用する。 省略時の値は NO。

このオプションを使用する場合,すべてのローカルに接続されたディスクはクラスタ全体でディスマウントされます。 このため,ローカルに接続されたディスク上でファイルをオープンした他のノード上のアプリケーションは必ずシャットダウンする必要があります。

[NO]SAVE_FEEDBACK

システムが最後にブートされてからのそのシステムのフィードバック・データを記録し, AUTOGEN フィードバック・データ・ファイルの新しいバージョンを作成する。 このファイルは,次回ユーザが AUTOGEN を実行したときに使用される。 省略時の設定は NO。

$ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN
SYSMAN> SHUTDOWN NODE/MINUTES_TO_SHUTDOWN=10/REBOOT_TIME="later" -
_SYSMAN> /REASON="DISK CORRUPTION PROBLEMS"/REBOOT_CHECK/SAVE_FEEDBACK

このコマンド例を NODE21 で入力した場合, 次の条件で NODE 21 のシャットダウンを要求します。

  • すべてのクラスタ・ノード上のユーザにメッセージを送る。

    SHUTDOWN message on node NODE21, from user SYSTEM at _NODE21$0PA0:
    12:00:00:20. NODE21 will shut down in 10 minutes; back up later.
    Please log off node NODE21. DISK CORRUPTION PROBLEMS
    
  • オペレーティング・システム・ファイルがなくなっていないかチェックし,なくなっているファイルがあれば通知する。

  • このシステムが最後にブートされてから収集されたフィードバック・データをもとに,新しい AUTOGEN フィードバック・データを生成する。

詳細は,『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。

4.8.5 OPCCRASH.EXE プログラムによる緊急時のシャットダウン

通常は,通常のシャットダウン・プロシージャ SHUTDOWN.COM でシステムをシャットダウンします。 SHUTDOWN.COM は,通常のハウスキーピング作業を実行した後, SYS$SYSTEM:OPCCRASH.EXE プログラムを呼び出してシステムをシャットダウンします。 OPCCRASH.EXE は,次に挙げる最低限のハウスキーピング機能しか実行しません。

  • 変更されたページ・リストのディスクへの書き込み。

    これによって,書き込み可能なセクションのすべてのファイルは, システムがクラッシュしてメモリの内容が消える前の状態に復帰できる。

  • クラッシュ・ダンプの作成(論理名 OPC$NODUMP が指定されていない場合)。

    これは,物理メモリをシステム・ダンプ・ファイルに書き込むことである。 システム・ダンプ・ファイルに関する詳細は, 『OpenVMS システム管理者マニュアル (下巻)』を参照。

SHUTDOWN.COM を使用できない緊急の場合は,OPCCRASH.EXE を実行して, 通常のシャットダウンで行われるハウスキーピング機能を実行せずにただちにシステムをシャットダウンします。

注意:

OPCCRASH.EXE プログラムを直接使用するのは,SHUTDOWN.COM が失敗したときだけです。

作業方法

OPCCRASH.EXE プログラムを実行するためには,CMKRNL 特権が必要です。 OPCCRASH コマンドは,特権アカウントであれば, どのターミナルからでも実行できます。 次の手順に従ってください。

  1. 任意の特権アカウントにログインする。

  2. 次のコマンドを入力する。

    $ RUN SYS$SYSTEM:OPCCRASH
    
  3. 数分経過してもシステムから応答がない場合は, CRASH プロシージャを使用する。 CRASH プロシージャがない場合は, 次のマニュアルに示されている緊急シャットダウン・コマンドを使用する。

    • VAX システムの場合, 最新の『OpenVMS VAX Upgrade and Installation Manual』と, インストールおよびアップグレードの補足情報を参照。

    • Alpha システムおよび I64 システムの場合,『HP OpenVMS インストレーション・ガイド[翻訳版]』を参照。

  4. 次のようなメッセージがコンソールに表示される。

    SYSTEM SHUTDOWN COMPLETE
    

    VAX システムの場合,次のメッセージも表示される。

    USE CONSOLE TO HALT SYSTEM
    

    このメッセージが表示されたらシステムを停止すること。

次の例は,OPCCRASH プログラムを実行して強制的にシステムをクラッシュさせて,システムを停止している例です。

$ RUN SYS$SYSTEM:OPCCRASH

         SYSTEM SHUTDOWN COMPLETE

Ctrl/P 
>>>HALT

     HALTED AT 8000708A

VAX システムの場合,次のメッセージも表示されます。

USE CONSOLE TO HALT SYSTEM

このメッセージが表示されたらシステムを停止してください。

4.8.6 コンソール・コマンドによる緊急時のシャットダウン

さらに,CRASH コマンドという緊急コマンドを用意しているシステムもあります。 CRASH コマンドがシステムに存在する場合は, コンソール・メディア上にあります。 CRASH プロシージャは, コンソール・ターミナルのコンソール・プロンプトからしか実行できません。 次に例を示します。

P00>>> CRASH

CRASH コマンドがコンソールに存在しなければ, 手動でシステムをシャットダウンできます。

注意:

クラッシュ・コマンドをコンソールから使用するのは, OPCCRASH.EXE プログラムが失敗したときだけです。

VAX システムでは,次のコマンドを入力します。

P00>>> D PSL 041F0000
P00>>> D PC FFFFFFFF
P00>>> CON

Alpha システムでは,次のコマンドを入力します。

P00>>> D PS 1F00
P00>>> D PC FFFFFFFFFFFFFF00
P00>>> CON

I64 システムでは,次のいずれかの手順を実行できます。

  • Ctrl/P を入力します。 XDELTA ブート・フラグが設定されていない場合,システムは,クラッシュするためのプロンプトを表示します。

  • MP コンソールに移動し,コマンド・メニューから TC (Take Crash) と入力します。

CRASH プロシージャ,またはそれに類する強制緊急シャットダウン・コマンドについての説明は,次のマニュアルを参照してください。

  • VAX システムの場合, 最新の『OpenVMS VAX Upgrade and Installation Manual』と, インストールおよびアップグレードの補足情報を参照。

  • Alpha システムおよび I64 システムの場合,『HP OpenVMS インストレーション・ガイド[翻訳版]』を参照。

4.9 OpenVMS I64 システムでのデバイスの再構成

次の 2 つのいずれかの時点で,I64 システムのブート・デバイスとダンプ・デバイスを再構成できます。

  • インストール後にシステムをシャットダウンし,システムをブートする前。 この方法を使用するには,EFI Boot Manager の EFI Shell> オプションで起動される,OpenVMS 用 EFI ユーティリティのコマンドを実行します。 この方法は,『HP OpenVMS インストレーション・ガイド[翻訳版]』の付録 B で説明されています。 EFI ユーティリティのコマンドについては,『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル(上巻)』の「EFI Utilities for OpenVMS」の章を参照してください。

  • インストールおよび初回のブート後で,システムをシャットダウンする前。 この方法の場合,DCL コマンド・プロンプトから DCL コマンドを入力し,OpenVMS I64 Boot Manager ユーティリティ (BOOT_OPTIONS.COM) のメニューからオプションを選択します。 BOOT_OPTIONS コマンド・プロシージャを使用すると,リブートに先立つシステム・シャットダウン前に,ブート・デバイスや,ダンプ・デバイス,デバッグ・デバイスを再構成できます。

2 番目の方法について,以降の項で説明します。

4.9.1 OpenVMS I64 Boot Manager ユーティリティ (BOOT_OPTIONS.COM) について

OpenVMS I64 Boot Manager ユーティリティは,BOOT_OPTIONS.COM という名前のコマンド・プロシージャです。 このユーティリティは,OpenVMS I64 システムで管理されている下記のリストのエントリを操作するためのオプションを選択できるメニューを表示します。

  • ブート・デバイス・リスト

  • ダンプ・デバイス・リスト

  • デバッグ・デバイス・リスト

変更するリストを選択した後,そのリストのエントリの追加,表示,削除を行ったり,リスト内のエントリの位置を変更したりできます。 ブート・デバイス・リストでは,エントリを検証し,訂正することもできます。

4.9.2 BOOT_OPTIONS.COM の使用開始

オペレーティング・システム・メニューのオプション 1 を使用して OpenVMS システムをインストールすると,システムは,8 つのオプションを備えたオペレーティング・システム・メニューを表示します。 (これ以前の手順についての詳細は,『HP OpenVMS インストレーション・ガイド[翻訳版]』を参照してください。)

オペレーティング・システム・メニューで,オプション 7,「Execute DCL commands and procedures」を選択します。 DCL プロンプトから,次のコマンドを入力します。

$ @SYS$MANAGER:BOOT_OPTIONS 

その後システムは,例 4-1 「BOOT_OPTIONS 構成メニュー」 に示す,BOOT_OPTIONS メイン構成メニューを表示します。

例 4-1 BOOT_OPTIONS 構成メニュー

OpenVMS I64 Boot Manager Boot Options List Management Utility

   (1) ADD an entry to the Boot Options list
   (2) DISPLAY the Boot Options list
   (3) REMOVE an entry from the Boot Options list
   (4) MOVE the position of an entry on the Boot Options list 
   (5) VALIDATE Boot Options and fix them as necessary
   (6) Modify the Boot Options TIMEOUT setting

   (B) Set to operate on the Boot Device Options list
   (D) Set to operate on the Dump Device List
   (G) Set to operate on the Debug Device List

   (E) EXIT configuration procedure

   You can also enter CTRL/Y at any time to abort this utility

Enter your choice:

例 4-1 「BOOT_OPTIONS 構成メニュー」 のオプションの詳細を,表 4-4 「BOOT_OPTIONS 構成メニューのオプション」 で説明します。

表 4-4 BOOT_OPTIONS 構成メニューのオプション

オプション 説明
1ADD選択したオプション・リストにエントリを追加します。
2DISPLAY選択したオプション・リストの内容を表示します。
3REMOVE選択したオプション・リストからエントリを削除します。
4MOVE選択したオプション・リスト内のエントリの位置を変更します。
5VALIDATE選択したオプション・リストのエントリを検証し,必要に応じてリスト内のエントリを訂正します。
6TIMEOUTタイムアウト値を変更します。
   
BBOOTブート (デバイス) オプション・リストを選択します (省略時の設定)。
DDUMPダンプ・デバイス・リストを選択します。
GDEBUGデバッグ・デバイス・リストを選択します。
   
EEXITDCL プロンプトに戻ります。

 

BOOT_OPTIONS 構成メニューには,以下の種類のリストがあります。

  • ブート (デバイス) オプション・リスト

    このリストには,EFI Boot Manager がブートに利用できるデバイスが含まれています。 このリストは,一部の EFI ドライバにより,ブート・デバイスの選択候補としても使用されます。 たとえば,HP 2Port 2Gb Fibre Channel Adapter EFI ドライバは,ファイバ・チャネルデバイスのアダプタ・パスを含むエントリを,ブート・デバイス・オプション・リストで検索します。 SAN Name Server 上で一致したすべてのエントリが,EFI シェルに記録され報告されます。

  • ダンプ・デバイス・オプション・リスト

    このリストは,Dump Off the System Disk (DOSD) を構成するために使用されます。 手順については,『OpenVMS システム管理者マニュアル (下巻)』を参照してください。

  • デバッグ・デバイス・オプション・リスト

    このリストは,System Code Debugger のデバッグ・デバイスを構成するために使用されます。 このオプションは現在,このリリースではサポートされていません。

現在選択されているオプション・リストの名前が,BOOT_OPTIONS 構成メニュー (例 4-1 「BOOT_OPTIONS 構成メニュー」 を参照) のバナーに表示されます。 構成メニューには,選択した種類のリストで利用可能なコマンドだけが表示されます。 最初にコマンド・プロシージャを実行したときに,省略時の設定で選択されるオプション・リストは,ブート (デバイス) オプション・リストです。

選択されているオプション・リストを変更するには,次のいずれかのコマンドを入力します。

ブート (デバイス) オプション・リストの場合は,B または BOOT。
ダンプ・デバイス・リストの場合は,D または DUMP。
デバッグ・デバイス・リストの場合は,G または DEBUG。

4.9.3 BOOT_OPTIONS 構成メニューのオプションの使用方法

以降の項で,BOOT_OPTIONS 構成メニューのオプションを使用して,以下の操作を行う方法を説明します。

  • ブート (デバイス) オプション・リストへのエントリの追加。

  • ブート (デバイス) オプション・リストの表示。

  • オプション・リストからのエントリの削除。

  • オプション・リスト内のエントリの位置の変更。

  • ブート (デバイス) オプション・リストのエントリの検証。

  • ブート (デバイス) オプション・リストのタイムアウト時間の変更。

  • ダンプ・デバイス・オプション・リストへのエントリの追加。

上記のリストのとおり,一部の操作は,複数のオプション・リストに使用できます。 他の操作は,1 つのリストだけに適用されます。 また,エントリの追加については,ブート (デバイス) オプション・リストへのエントリの追加手順と,ダンプ・デバイス・オプション・リストへのエントリの追加手順は,異なっています。

4.9.3.1 ブート (デバイス) オプション・リストへのエントリの追加

ブート (デバイス) オプション・リストへエントリを追加するには,ブート・オプション構成メニュー (例 4-1 「BOOT_OPTIONS 構成メニュー」 を参照) で,1 を選択します。

ブート (デバイス) オプション・リストにエントリを追加するには,いくつかの項目を入力する必要があります。 表 4-5 「ブート (デバイス) オプション・リストへエントリを追加するために必要な入力」 に,必要な入力項目を示します。

表 4-5 ブート (デバイス) オプション・リストへエントリを追加するために必要な入力

オプション入力説明
位置# (# は番号)リストに追加するエントリの位置 (16 進数)。 省略時の値は 1 で,エントリをリストの先頭に置きます。
 ?ブート (デバイス) オプション・リストの現在の内容を表示します。
デバイスDxy# (# は番号)

システム・ディスクのデバイス名。

注意: デバイス名は,次の要件を満たさなければなりません。

  • ブート可能な OpenVMS Integrity システム (I64) ディスクでなければならない。
  • ユーティリティを実行する前にマウントされていなければならない。

 ?利用可能なディスクをすべて表示します。
ブート・フラグx,yOpenVMS のブート・フラグ。 省略時の値は NULL で,-fl 0,0 と同じです。
説明任意の文字列ブート (デバイス) エントリの,文字列による説明。 省略時の値は,デバイス名文字列です。 Fibre デバイスの場合,ターゲットの Fibre ディスクのポート名と WWID が,説明文字列の後に付加されます。 SCSI デバイスの場合,SCSI ディスクのポート名が,説明文字列の後に付加されます。 マルチパス Fibre Channel デバイスの場合,指定されたデバイスへのパスがすべて,自動的に追加されます。

 

ブート (デバイス) オプション・リストへエントリを追加したときの出力例を,例 4-2 「ブート (デバイス) オプション・リストへのエントリ追加時の出力」 に示します。

例 4-2 ブート (デバイス) オプション・リストへのエントリ追加時の出力

Enter the device name (Enter "?" for a list of devices): $1$DGA1

Enter the desired position number (1,2,3,,,) of the entry.
To display the Boot Options list, enter "?" and press Return. 
Position [1]:
 
Enter the value for VMS_FLAGS in the form n,n.  
VMS_FLAGS [NONE]:

Enter a short description (do not include quotation marks). 
Descrition ["$1$DGA1"]: 

efi$bcfg: $1!dga1: (Boot0002) Option successfully added 

efi$bcfg: $1$dga1: (Boot0003) Option successfully added 

efi$bcfg: $1$dga1: (Boot0004) Option successfully added

4.9.3.2 ブート (デバイス) オプション・リストの表示

ブート (デバイス) オプション・リストのエントリを表示するには,省略時のブート・オプション構成メニュー (例 4-1 「BOOT_OPTIONS 構成メニュー」 を参照) で,2 を選択します。 次の操作のいずれかを実行することができます。

  • すべてのエントリを表示する。

  • 表示するエントリの番号を入力する。

  • 表示するエントリのデバイス名を入力する。

どのオプション・リストでも,上記のオプションのいずれかを選択できます。 選択したオプション・リストの種類に応じて,システムは次のいずれかを表示します。

- ブート (デバイス) オプション・リストの場合,エントリ番号,デバイス名,PCI アドレス,デバイスの特性,エントリの説明文字列,オプションの OpenVMS ブート・フラグが表示されます。
- ダンプ・デバイス・オプション・リストとデバッグ・デバイス・オプション・リストの場合,エントリ番号,デバイス名,PCI アドレス,デバイスの特性が表示されます。

ブート (デバイス) オプション・リストのエントリを表示したときの出力例を,例 4-3 「ブート (デバイス) オプション・リストのエントリ表示時の出力」 に示します。

例 4-3 ブート (デバイス) オプション・リストのエントリ表示時の出力

To display all entries in the Boot Options list, press Return,
To display specific entries, enter the entry number or device name.
(Enter "?" for a list of devices):

EFI Boot Options list:   Timeout = 10 secs.
-----------------------------------------------------------------------
01. $1$DGA1 PCI(0|60|1|1) Fibre(50001FE10011B158,LunE000000000000) 
"OpenVMS V8.2 FGD0.5000-1FE1-0011-B158" OPT -fl 0,0
02. $1$DGA1 PCI(0|60|1|0) Fibre(50001FE10011B15C,LunE000000000000) 
"OpenVMS V8.2 FGC0.5000-1FE1-0011-B15C" OPT -fl 0,0
03. $1$DGA1 PCI(0|40|1|1) Fibre(50001FE10011B15D,LunE000000000000) 
"OpenVMS V8.2 FGB0.5000-1FE1-0011-B15D" OPT -fl 0,0
04. VenHw(d65a6b8c-71e5-4df0-d2f009a9) "EFI Shell [Built-in]"
-----------------------------------------------------------------------
4 entries found.

4.9.3.3 オプション・リストからのエントリの削除

いずれかのオプション・リストからエントリを削除するには,省略時のブート・オプション構成メニュー (例 4-1 「BOOT_OPTIONS 構成メニュー」 を参照) で,3 を選択します。 次の操作のいずれかを実行することができます。

  • オプション・リストから,すべてのエントリを削除する。

    すべてのエントリを削除すると,オプション・リストには,EFI Shell 用のエントリが作成されます。

  • 削除するエントリの番号を入力する。

    削除するエントリを選択すると,オプション・リストは,選択されたエントリを表示し,削除してもよいかを確認してから処理を続行します。

ブート (デバイス) オプション・リストからエントリを削除したときの出力例を,例 4-4 「ブート (デバイス) オプション・リストからのエントリ削除時の出力」 に示します。

例 4-4 ブート (デバイス) オプション・リストからのエントリ削除時の出力

Enter the entry number to delete.
To clear the Boot Options list, enter "ALL".
(Enter "?" to display Boot Options list): 1

EFI Boot Options list:   Timeout = 10 secs.
-----------------------------------------------------------------------
01. $1$DGA1 PCI(0|60|1|1) Fibre(50001FE10011B158,LunE000000000000) 
"OpenVMS V8.2 FGD0.5000-1FE1-0011-B158" OPT -fl 0,0
-----------------------------------------------------------------------
1 entries found.

Do you really want to delete this option? (Yes/No) y

efi$bcfg: Entry 5  Boot0005 removed.

4.9.3.4 オプション・リスト内のエントリの位置の変更

いずれかのオプション・リストのエントリの位置を変更するには,省略時のブート・オプション構成メニュー (例 4-1 「BOOT_OPTIONS 構成メニュー」 を参照) で,4 を選択します。

移動するエントリの番号を入力するプロンプトが表示されます。 エントリの番号を入力するか,"?" を入力するとオプションのリストが表示されます。 その後,移動先のエントリ番号の入力を求められます。

ブート・オプション・リストのエントリ 4 を位置 1 に移動したときの出力例を,例 4-5 「ブート (デバイス) オプション・リストのエントリの移動」 に示します。 (ダンプ・オプション・リストとデバッグ・オプション・リストでも,エントリの位置を同様に変更できます。) この例では,エントリ 4 が,ブート (デバイス) オプション・リストの最上位の選択肢になります。

例 4-5 ブート (デバイス) オプション・リストのエントリの移動

Enter the entry number to move.
(Enter "?" to display the Boot Options list): 2
Enter the position to which this entry will be moved: 1
efi$bcfg: Option moved from 2 to 1

4.9.3.5 ブート (デバイス) オプション・リストのエントリの検証

このオプションを利用できるのは,ブート (デバイス) オプション・リストだけです (例 4-1 「BOOT_OPTIONS 構成メニュー」 を参照)。

このオプションを使用すると,ブート (デバイス) オプション・リストのエントリが適切か検証できます。 この検証は通常,OpenVMS のインストールやアップグレード後にエントリを再使用する場合や,何らかの状況でディスク・パーティション・テーブルが変更されたときにエントリを再使用する場合に行います。

ブート (デバイス) オプション・リストのエントリを検証するには,ブート・オプション構成メニュー (例 4-1 「BOOT_OPTIONS 構成メニュー」 を参照) で,5 を選択します。 このオプションを選択すると,必要な場合は問題の訂正も行われます。 次の操作のいずれかを実行できます。

  • すべてのエントリを検証する。

  • 検証するエントリの番号を入力する。

  • 検証するエントリのデバイス名を入力する。

検証操作後,検証されたブート・エントリに対して,次のメッセージがコンソールに表示されます。

 
             efi$bcfg: Option Validated.  Success.

ブート・エントリは,訂正する必要があると判断された場合,適切になるように自動的にアップデートされます。

ブート (デバイス) オプション・リストのエントリを検証したときの出力例を,例 4-6 「ブート (デバイス) オプション・リストのすべてのエントリの検証」 に示します。

例 4-6 ブート (デバイス) オプション・リストのすべてのエントリの検証

To validate all entries in the Boot Options list, press Return.
To validate specific entries, enter the entry number or device name.
(Enter "?" to display Boot Options list): Return

Do you really want to validate all list entries? (Yes/No) Yes

Validate EFI Boot Options list:   Timeout = 100 secs.
-----------------------------------------------------------------------

01. $1$DGA1 PCI(0|60|1|1) Fibre(50001FE10011B158,LunE000000000000) 
"OpenVMS V8.2 FGD0.5000-1FE1-0011-B158" OPT -fl 0,0
efi$bcfg: Option Validated.  Success.

02. $1$DGA1 PCI(0|60|1|0) Fibre(50001FE10011B15C,LunE000000000000) 
"OpenVMS V8.2 FGC0.5000-1FE1-0011-B15C" OPT -fl 0,0
efi$bcfg: Option Validated.  Success.

03. $1$DGA1 PCI(0|40|1|1) Fibre(50001FE10011B15D,LunE000000000000) 
OpenVMS V8.2 FGB0.5000-1FE1-0011-B15D" OPT -fl 0,0
efi$bcfg: Option Validated.  Success.

04. VenHw(d65a6b8c-71e5-4df0-d2f009a9) "EFI Shell [Built-in]"
efi$bcfg: Option Validated.  Success.

05. DQA0 PCI(0|0|2|0) ATA(Primary,Master) "DVD-ROM "
efi$bcfg: Option Validated.  Success.

06. EWA0 PCI(0|20|2|0) Mac(00306e3967a5) "GigB Ethernet "
efi$bcfg: Option Validated.  Success.

07. DKB0 PCI(0|20|1|1) Scsi(Pun0,Lun0) "dkb0: PKB0.0"
efi$bcfg: Option Failed.  Fixing Boot Entry automatically.

efi$bcfg: Boot0007 removed 7
efi$bcfg: DKB0 PCI(0|20|1|1) Scsi(Pun0,Lun0)  (Boot0007) Option 
successfully added

-----------------------------------------------------------------------

7 entries validated.

この例では,エントリ 07 に異常があり,ブート・エントリの訂正が行われています。

4.9.3.6 タイムアウト時間の変更

このオプションを利用できるのは,ブート (デバイス) オプション・リストだけです (例 4-1 「BOOT_OPTIONS 構成メニュー」 を参照)。

TIMEOUT オプションを使用すると,EFI Boot Manager がブート (デバイス) オプション・リストの各エントリのブートを始めるまでのタイムアウト時間 (秒) を変更できます。 値 0 は,タイムアウトを無効にします。

タイムアウトを変更するには,BOOT_OPTIONS のメインの構成メニューで 6 (「Modify Boot Options TIMEOUT setting」) を選択します。

タイムアウト時間を 20 秒に変更したときの出力例を,例 4-7 「ブート (デバイス) オプション・リストのタイムアウト時間の変更」 に示します。

例 4-7 ブート (デバイス) オプション・リストのタイムアウト時間の変更

Enter your choice: 6
efi$bcfg: Boot Timeout period is 10 secs

Would you like to modify the Timeout value? (Yes/No) [NO] Y

Please enter the Timeout value in seconds: 20

efi$bcfg: Boot Timeout period is 20 secs

4.9.3.7 ダンプ・デバイス・オプション・リストへのエントリの追加

ダンプ・デバイス・オプション・リストを選択するには,省略時のブート・オプション構成メニュー (例 4-1 「BOOT_OPTIONS 構成メニュー」 を参照) で DUMP の D を入力します。 その後システムは,ダンプ・デバイス・オプション・メニューを表示します。

ダンプ・デバイス・オプション・リストの追加手順についての詳細は,『OpenVMS システム管理者マニュアル (下巻)』の第 2 章を参照してください。



[8] システム・パラメータを変更する場合には,なるべく AUTOGEN を使用すること。 会話型ブートを使用してシステム・パラメータを変更するのは,一時的な場合に限定する。 変更したパラメータを恒久的に使用する場合には,MODPARAMS.DAT を編集してから AUTOGEN を実行する。 変更したパラメータを恒久的に使用する方法については,『OpenVMS システム管理者マニュアル (下巻)』を参照。

プライバシー 本サイト利用時の合意事項
© 2011 Hewlett-Packard Development Company, L.P.