OpenVMS Alpha バージョン 7.2 またはそれ以降のバージョンを実行しているシステムでは, ODS-5 ボリューム上で拡張ファイル指定機能のすべてを利用することができます。また,バージョン 7.2 より前のファイルおよびディレクトリも,引き続き扱うことができます。たとえば,次のようなことができます。
- ODS-2 ボリューム上に深いディレクトリ構造を作成し,アクセスする。
- 以前のバージョンの OpenVMS で作成された BACKUP セーブセットを読み込む。
- ODS-5 形式の名前を持つファイルを,以前のバージョンの OpenVMS を実行しているシステム上の ODS-2 形式の名前のファイルにコピーする。
複数のバージョンまたは複数のアーキテクチャが混在する OpenVMS Cluster で作業する場合は,いくつかの制限事項があります。以前のバージョンの OpenVMS を実行しているシステムは, ODS-5 ボリュームをマウントできず,拡張ファイル名を正しく扱えず,拡張ファイル名を表示することもできません。バージョン 7.2 より前のバージョンの OpenVMS 上のユーザは, ODS-5 ボリューム上のファイルにアクセスできません。ボリュームが CI または SCSI バスに物理的に接続されている場合でも, MSCP または QIO サーバによって接続されている場合でも同様です。また,これらのユーザは ODS-5 イメージ・セーブセットを作成したり復元することもできません。ただし,ODS-5 セーブセットから ODS-2 準拠のファイル名を復元することはできます。
OpenVMS バージョン 7.2 VAX システムで使用可能な拡張ファイル指定機能は,次のものに限られます。
- ODS-5 ボリュームをマウントする。
- ODS-5 ボリューム上に ODS-2 準拠ファイルを書き込み,管理する。
- ODS-5 ファイル指定にアクセスしたときには,擬似名 (
\pISO_LATIN\.??? または \pUNICODE\.???が表示される
OpenVMS Alpha システムと OpenVMS VAX システムの両方が含まれている環境で作業を行う場合には,ユーザが次のことを認識していることが重要です。
- システム・タイプとオペレーティング・システムのバージョン
- 省略時のディレクトリは ODS-2 と ODS-5 のどちらか
- 新しいファイルを作成するのは ODS-2 と ODS-5 のどちらのボリュームか
OpenVMS バージョン 7.2 を使用すると, VAX システムから ODS-5 ボリュームをマウントすることができます。ただし,OpenVMS VAX システム上のユーザがアクセスできるのは, ODS-2 準拠のファイル名を持つファイルだけです。
OpenVMS Alpha システム上のボリュームを ODS-5 に変換するかどうかを選択することができます。 ODS-2 ボリュームと ODS-5 ボリュームの複合環境で作業を行う場合には, ODS-5 ボリューム上でファイルを作成するときの ODS-2 ファイル名の制限事項に注意してください。ファイル名に特殊文字が含まれている ODS-5 ボリューム上のファイルを ODS-2 ボリューム上にコピーするには, ODS-2 準拠の名前を付ける必要があります。