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HP OpenVMS CIFS Version 1.2 ECO1: 管理者ガイド第2章 HP CIFS Server のインストールおよび構成 |
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目次
この章では,HP CIFS Server ソフトウェアのインストールおよび構成の手順について説明します。 以下のような項目について説明します。 HP CIFS Server をインストールする前に,ご使用のシステムが以下の要件および制約を満たすことを確認してください。 HP CIFS Server のインストレーションには,OpenVMS Alpha の場合は約 32.68 MB, OpenVMS Integrity の場合は約 40 MB のディスク容量が必要です。 HP CIFS Server は,以下のようなコンポーネントで構成されています。
HP CIFS Serverのソフトウェア要件は以下のとおりです。
『HP CIFS リリース・ノート』には,製品をインストールする前に知っておくべき重要な情報が記載されています。 インストールを開始する前に,このリリース・ノートを読むことをお勧めします。 インストール前にキット内のリリース・ノートを取り出す方法は以下のとおりです。
CIFS ソフトウェアがインストール済みのシステムでは,リリース・ノート SYS$HELP:CIFS_REL_NOTES.TXT を参照あるいは印刷できます。 ここでは,お使いのシステムに HP CIFS Server ソフトウェアをインストールする前に実施すべき作業について説明します。 手順1: ネットワーク・ハードウェアの確認HP CIFS Server ソフトウェアは,ソフトウェア要件を満たした OpenVMS Alpha システムまたは OpenVMS Integrity サーバーで動作します。 PC ローカル・エリア・ネットワーク (LAN) には,次のものが必要です。
手順2: システムアカウントへのログインHP CIFS Server ソフトウェアをインストールする前に,システムアカウントで,またはインストレーション・プロシージャを実行するために必要なすべての権限を持つアカウントで OpenVMS システムにログインする必要があります。
手順3: 必要なソフトウェアの確認HP CIFS Server ソフトウェアには,次のものが必要です。
手順4: システムのバックアップ貴重なデータが失われないように,HP では,あらゆるレイヤード製品のインストールの前に,お使いのシステムのすべてのディスク (または,少なくともシステム・ディスク) のバックアップを取ることを推奨しています。 システム・バックアップを実行するには,OpenVMS BACKUP コマンドを使用します。 詳細は,『HP OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。 手順5: リリース・ノートの確認ソフトウェアをインストールする前に,リリース・ノートを必ずお読みください。 リリース・ノートの参照方法については,2.2 項 「リリース・ノートについて」を参照してください。 手順6: ディスク容量の確認インストールに必要なディスク・ブロック数については,2.1.1 項 「必要なディスクスペース」を参照してください。 システム・ディスク上の空きブロック数を確認するには,次のコマンドを入力します。 SHOW DEVICE デバイス名 OpenVMS システムは,空きブロック数など,システム・ディスクに関する情報を表示します。 たとえば,デバイス NEWTON$DKA0 の空き容量を確認するには,次のようなコマンドを入力します。
手順7: TCP/IP ステータスを確認次のコマンドを実行して,TCP/IP の状態を確認してください。
手順8: OpenVMS クラスタ構成の確認
HP CIFS Server は,OpenVMS クラスタで以下の構成をサポートします。
次のような状況では, クラスタのいずれかのノードで HP CIFS Server をスタンドアロン・エンティティとしてインストールするのが便利です。
負荷バランシングやクラスタ・フェールオーバ機能が必要な場合は, クラスタの複数のノードで共通のエンティティとして HP CIFS Server を実行することができます。 この場合,CIFS クラスタにメンバーとして参加したノードは次のように動作します。
これらの CIFS クラスタ機能をサポートするためには,以下のような前提条件を満たす必要があります。
HP CIFS Server は,クライアントが HP CIFS Server に接続する際に名前を解決する手段として,以下の名前解決方法をサポートします。 HP CIFS Server がスタンドアロン・エンティティとして構成され, 名前解決に DNS あるいは WINS を使用するようにクライアントが構成されており, DNS あるいは WINS サーバーにより HP CIFS Server 名が解決できる場合は, クライアントおよびサーバー上で必要な操作は特にありません。 ただし,複数のノードで同じ samba$root ディレクトリを共有する CIFS クラスタに対しては,さらに設定が必要になります。 これらの設定について,以降の各項で説明します。 複数のノードで同じ samba$root ディレクトリを共有するような CIFS クラスタで, 共通の CIFS 別名を使用してクライアントがリソースにアクセスできるようにするためには, さらに設定が必要になります。 まず, OpenVMS クラスタで CIFS が使用するホスト名を設定します。 このホスト名は DNS に登録し,CIFS for OpenVMS が稼働するクラスタ内の個々のノードの IP アドレスと関連付けます。 このホスト名は NetBIOS 名として使用されるので,15 文字を超えない長さにします。 HP CIFS Server は,HP CIFS クラスタ・メンバーにクライアント・セッションを展開する際,TCP/IP と DNS の負荷バランシング・メカニズムを利用します。 負荷バランシングおよびフェールオーバ機能を利用するためには,クライアントは HP CIFS クラスタ名を使用している HP CIFS Server に接続する必要があります。 たとえば,CIFS クラスタ別名 CIFSALIAS が次の 3 つのクラスタ・ノードで使用される場合を例に説明します。 10.0.0.1 NODEA 10.0.0.2 NODEB 10.0.0.3 NODEC DNS エントリは以下のようになります。 10.0.0.1 A NODEA 10.0.0.2 A NODEB 10.0.0.3 A NODEC 10.0.0.1 A CIFSALIAS 10.0.0.2 A CIFSALIAS 10.0.0.3 A CIFSALIAS DNS はラウンド・ロビン方式でアドレスを提供するため,ある程度の負荷バランシングとフェールオーバを提供します。 システム負荷に基づいたフェールオーバ機能を備えた本来の負荷バランシング機能を利用したい場合,TCP/IP Services for OpenVMS を使用している場合であれば,TCP/IP クラスタ名の作成には Load Broker および METRIC Server で提供される機能を使用すべきです。 Load Broker の構成ファイルで指定する TCP/IP クラスタ名は,DNS ネーム・スペースで登録される CIFS クラスタ別名と同じである必要があります (SMB.CONF の NETBIOS NAME パラメータで指定されているのが何であろうと)。 Load Broker および Metric Server の構成についての詳細は,『TCP/IP Services for OpenVMS Management』および『TCP/IP Services for OpenVMS Concepts and Planning』を参照してください。 Multinet あるいは TCPware を実行している場合に負荷バランシングとフェールオーバがどのように実現されるかについては,これらの製品のドキュメントを参照してください。 複数のノードで同じ samba$root ディレクトリを共有するような CIFS クラスタで, 共通の名前を使用してクライアントがリソースにアクセスできるようにするために, WINS サーバーで共通の CIFS クラスタ別名をHP CIFS Server が登録できるようにする必要があります。 この処理は以下の操作で実行します。
DNS あるいは WINS 名前解決ではクライアントが HP CIFS Server 名を解決できないような ネットワークでは,LMHOSTS ファイルを使用できます。 この方法は,単一の IP アドレスに対する名前の解決に使用できます。 スタンドアロンの HP CIFS Server ノードでは,この方法は, HP CIFS Server を実行しているノードの IP アドレスに対する HP CIFS Server 名の解決に使用できます。 複数のノードが同じ samba$root ディレクトリを共有し 共通の CIFS クラスタ別名を使用する CIFS クラスタでは, LMHOSTS ファイルは, HP CIFS Server を実行しているいずれかのノードの IP アドレスに対する CIFS クラスタ別名を解決するように構成できます。 代替ノードの IP アドレスをポイントするように LMHOSTS ファイルが更新されない限り, クライアントは,CIFS クラスタ別名でポイントされる既存の IP アドレス参照し続けます。 このため LMHOSTS 名前解決は, CIFS クラスタ・ノードの負荷バランシングあるいはフェールオーバには使用できません。 クライアントが LMHOSTS 名前解決を使用したファイル・アクセスのために HP CIFS Server 名あるいは別名に接続できるように, クライアントの LMHOSTS ファイルに次のような行を追加してください。 <IP-address-of-CIFS-Server-node> <CIFS-Server-Name-or-Alias> #PRE たとえば,HP CIFS Server 名のエントリに IP アドレスが 10.20.30.40 の PIANO という名前を 追加するには,次のような行を使用します。 10.20.30.40 PIANO #PRE Windows システムで LMHOSTS ファイルを更新した後, CMD プロンプトで次のようなコマンドを実行して ネームキャッシュをリロードしてください。 nbtstat -R ここでは,PCSI ユーティリティを使用して HP CIFS Server ソフトウェアをインストールする方法について説明します。 PCSI ユーティリティについては,『HP OpenVMS システム管理者マニュアル』を参照しいてください。 インストレーションを開始する前に,2.3 項 「インストール前の作業」に示した事前作業が完了していることをご確認ください。 HP CIFS Server ソフトウェアのインストール手順は以下のとおりです。
この節では,PCSI ユーティリティによる HP CIFS Server ソフトウェアのアップグレード方法について説明します。 PCSI ユーティリティについての詳細は, 『HP OpenVMS システム管理者マニュアル』を参照してください。 インストールを開始する前に,2.3 項 「インストール前の作業」 に示す準備作業を実行してください。 HP CIFS Server ソフトウェアをアップグレードする際,論理名 SAMBA$ROOT: で定義されている場所にある既存のすべてのイメージおよびスクリプトは,新しいキットのイメージおよびスクリプトで置き換えられます。
HP CIFS Server ソフトウェアのアップグレード手順は以下のとおりです。
PCSI ユーティリティは,再インストールの際,その製品の以前のインストールで使用されたパスとは異なるインストール先パスに製品をインストールすることはできません。 あるディスクから別のディスクへ SAMBA$ROOT の内容を移動するには,まず BACKUP コマンドで SAMBA$ROOT の内容のバックアップを取ります。 その後,HP CIFS Server を削除し,以下のように /DESTINATION 修飾子を使用して適当な場所に再インストールします。
この後,/REPLACE 修飾子を指定して SAMBA$ROOT セーブセットの内容を <new-location> で指定した場所にリストアします。 上記の手順は,システムディスクが複数存在するクラスタや,異なる SAMBA$ROOT に HP CIFS Server がインストールされて複数のインスタンスを持つクラスタでは,正しく実行できな可能性があります。 また,他のシステム・ディスクに SAMBA$DEFINE_ROOT.COM のコピーが存在するかもしれないという点も考慮する必要があります。 インストレーションや構成の状態に応じて,それぞれ注意する必要があります。 インストールが完了したら,次の手順を実行します。
OpenVMS クラスタ環境では,以下のような条件に一致する場合, インストレーション・ノードの SAMBA$ROOT:[CLUSTER] ディレクトリににある SAMBA$DEFINE_ROOT.COM, SAMBA$STARTUP.COM,および SAMBA$SHUTDOWN.COMファイルを クラスタ内の他の各ノードの SYS$COMMON:[SYS$STARTUP] へコピーする必要があります。
HP OpenVMS CIFS ソフトウェアをインストールした後,ご使用の環境に適用される CIFS 設定要件を満たすための構成を行なう必要があります。 構成に関する基本的な要素は以下のものがあります(これがすべてではありません)。
HP CIFS Server は,OpenVMS システムから Samba 構成ユーティリティを使用して,あるいは Web ブラウザを通して Samba Web Administration Tool (SWAT) を使用して構成できます。
HP OpenVMS CIFS version 1.2 以降,自動化された Samba 構成ユーティリティ SAMBA$CONFIG.COM を使用して HP CIFS Server を構成することができます。 このユーティリティは,HP CIFS Server の基本的な構成を設定するのに使用できます。共有や信頼の設定には使用できません。 Samba 構成ユーティリティを実行するまえに,以下の事前準備を実行する必要があります。
OpenVMS システムの DCL プロンプトから Samba 構成ユーティリティを実行するには,次のコマンドを実行します。
SAMBA$CONFIG.COM ユーティリティを実行すると,以下の処理が行なわれます。
以降の項では, Samba 構成ユーティリティを通して設定可能ないくつかの構成オプションについて説明します。 Samba 構成ユーティリティの Main Menu では,次のような構成オプションが表示されます。
これらのオプションについて以下に説明します。
HP CIFS Server をはじめて構成する場合は,オプション A を選択してください。 オプション A は,Main Menu のオプション 1 から 3 のすべてに関して CIFS Server 構成の設定を行ないます。 一度オプション A で HP CIFS Server を構成した後は,将来 HP CIFS Server の再構成が必要になった場合に Main Menu から適切なオプションを選択して構成を行なってください。 複数のノードが同じ samba$root ディレクトリを共有するような OpenVMS クラスタ環境では,Main Menu のオプション A はクラスタ内の 1 つのノードでのみ実行します。 他のノードではオプション 3 を実行してください。 たとえば, NODE A,NODE B,および NODE C が同じ samba$root ディレクトリを共有する CIFS クラスタの場合, NODE A で "Main Menu" のオプション "A" を実行します。 NODE B および NODE C では, "Main Menu" のオプション "3" を使用します。 Samba 構成ユーティリティの Main Menu で HP CIFS Server のコア環境を構成するには,1 あるいは A のどちらかのオプションを選択します。 どちらの場合も,Samba 構成ユーティリティは次のようなメニューを表示します。
HP CIFS Server が構成済みの場合は,次のような警告メッセージが表示されます。
OpenVMS クラスタでは,HP CIFS Server クラスタ別名を指定するための次のようなオプションが表示されます。
Core environment メニューの各サブオプションが以下のように展開されます。 オプション 1 Enable WINBIND mapping を使用すると,YES または NO を指定することにより WINBIND マッピングを有効または無効にすることができます。 WINBIND は,自動マッピング,ネストしたグループのサポート,信頼機能などを提供する HP CIFS Server の特別な機能です。 WINBIND の自動マッピング機能 (WINBIND マッピング) により,HP CIFS Server は OpenVMS ユーザあるいはグループ (リソース識別子) を自動的に作成し,対応するドメイン・ユーザあるいはグローバル・グループにマッピングします。 OpenVMS ユーザ名あるいはグループ (リソース識別子) は,既存のマッピングが存在しない場合のみ作成されます。 WINBIND と自動マッピング機能についての詳細は,第7章 「WINBIND のサポート」 を参照してください。 このオプションは,HP CIFS Server をメンバーサーバーとして構成した場合に便利です。 このオプションに対し YES を指定して WINBIND マッピングを有効にした場合,Core environment オプションは次のようなサブ・オプションを表示します。
WINBIND マッピングが有効な場合,2 つのサブ・オプション "1A" および "1B" に対して値を指定する必要があります。 UIC group number range: で指定した値の範囲は,Samba 構成ファイル・パラメータ idmap uid にマッピングされます。 1A. UIC Group number range: オプションを選択した場合,次のようなメッセージが表示されます。
このプロンプトで HELP を入力すると,UIC group number range についての詳細情報が表示されます。 UIC group number range オプションについての詳細は,第7章 「WINBIND のサポート」を参照してください。 POSIX Group IDentifier range で指定した値の範囲は,Samba 構成ファイル・パラメータ idmap gid にマッピングされます。 1B. POSIX Group IDentifier range オプションを選択した場合,以下のようなメッセージが表示されます。
このプロンプトで HELP を入力すると,POSIX group identifier range についての詳細情報が表示されます。 POSIX グループ識別子の範囲についての詳細は,第7章 「WINBIND のサポート」 を参照してください。 このオプションは,Samba 構成ファイル・パラメータ passdb backend のマッピングを行ないます。 オプション 2. Passdb backend を選択すると,構成ユーティリティは以下のようなメッセージを表示します。
デフォルトでは,passdb backend は TDBSAM に設定されます。 Enter Passdb Backend to use プロンプトで LDAPSAM を指定することにより,passdb backend の設定を LDAPSAM に変更することができます。 passdb backend が LDAPSAM に設定されている場合,HP CIFS Server は,指定した LDAP サーバーにユーザおよびグループ情報を保管します。 LDAPSAM バックエンドについての詳細は, 第5章 「LDAP統合のサポート」を参照してください。 LDAPSAM バックエンドは以下の Samba 構成ファイル・パラメータも制御します。
passdb backend に LDAPSAM が指定されている場合,HP CIFS Server のユーザおよびグループ情報を保管するのに HP CIFS Server が使用できる LDAP サーバーについての詳細を提供する必要があります。 passdb backend が "LDAPSAM" の場合,LDAP サーバーについての詳細を指定できるように,Samba 構成ユーティリティの Core environment メニューに次のような passdb backend の 3 つのサブオプションが表示されます。
LDAP Server nodenamepassdb backend として LDAPSAM が選択されている場合,LDAP サーバーをホストするシステムの名前を HP CIFS Server の構成ユーティリティで指定する必要があります。 LDAP サーバーのシステム名には,完全に修飾されたドメイン名 (FQDN: Fully Qualified Domain Name) あるいはシステムの IP アドレスが使用できます。 システムの FQDN は,nodename.myorg.dom の形式になります。 LDAP サーバーをホスとするシステム名の FQDN は,次のようなプロンプトで指定します。
LDAP サーバーのシステム名が FQDN で解決できない場合,LDAP サーバー・システムの IP アドレスを指定するためのプロンプトが表示されます。 LDAP Server portデフォルトでは,LDAP Server は待ち受けポートとして TCP ポート 389 を使用します。 これとは異なるポートを使用するようにホスト・システムの LDAP Server が構成されている場合,そのポート番号を LDAP Server の待ち受けポートとして指定する必要があります。 ポート番号は,次のプロンプトで指定することができます。
LDAP Server Admin dnLDAP Server からユーザ情報を取り出す際,HP CIFS Server は LDAP Server Admin Distinguished Name (DN) を使用します。 この DN は,次の例のような完全な DN でなければなりません。 dc=my-domain,dc=com 構成ユーティリティが次のようなプロンプトを表示したら,LDAP Server Admin DN を指定することができます。
このオプションでは,Samba 構成ファイルの workgroup パラメータをマッピングします。 ドメインとは,共通のアカウント・データベースとポリシーを共有するコンピュータの集まりです。 各ドメインはユニークな名前を持ちます。 ネットワークには多数のドメインを含めることができます。 HP CIFS Server ドメインとは,HP CIFS Server が存在するドメインです。 CIFS Server ドメイン名には,最大 15 文字まで使用できます。 ドメイン名はコンピュータ名とは別でなければなりません。 デフォルトのドメイン名は LANGROUP です。 通常は,企業名やグループ名などをドメイン名として使用します。 Samba 構成ユーティリティが次のようなプロンプトを表示したら,HP CIFS Server ドメインの名前を指定することができます。
このオプションでは,Samba 構成ファイルのパラメータ domain master,domain logons,add user to group script,および delete user from group script を制御します。 さらに,HP CIFS Server の役割が PDC あるいは BDC の場合,security パラメータにも影響を与えます。 ドメインのタイプに従って,HP CIFS Server は PDC,BDC,あるいはマスタ・サーバーとしてドメインに参加できます。あるいは,独立したスタンドアロン・サーバーとして構成することもできます。 それぞれの役割について以下に簡単に説明します。 サーバーの役割についての詳細は 第3章 「HP CIFSの導入モデル」 を参照してください。 プライマリ・ドメイン・コントローラ (PDC)PDC は,セキュリティ・アカウント・データベースのドメインのマスタ・コピーを保管します。 HP CIFS Server をインストールして新しい Windows NT ドメインを作成する場合,その新しいサーバーはデフォルトでは PDC になります。 サーバー・ソフトウェアをインストールして既存のドメイン名を指定した場合,そのサーバーは BDC あるいはメンバーサーバーとして既存のドメインに参加することができます。 OpenVMS クラスタ環境では,単一のノードが samba$root インストール・ディレクトリを使用する場合のみ,HP CIFS Server を PDC として構成できます。 HP CIFS Server を PDC として構成する場合,OpenVMS クラスタ内で同じ SAMBA$ROOT インストール・ディレクトリを共有するノードを複数設定することはできません。 バックアップ・ドメイン・コントローラ (BDC)BDC はドメインに必ず必要なものではありませんが,1 つ以上構成しておくことをお勧めします。 BDC は,ドメインのマスタ・セキュリティ・アカウント・データベースのコピーを保管します。 PDC と BDC は,そのドメインのログイン要求を認証します。
メンバーサーバーメンバーサーバーは,ドメインのセキュリティ・アカウント・データベースのコピーを保管せず,ログイン要求の認証を行ないません。 メンバーサーバーは,メンバーサーバー共有へのアクセスを要求しているユーザの認証に関しては,ドメイン・コントローラに依存します。 HP CIFS Server Version 1.2 以降,Kerberos 認証を使うネイティブ・モードの Active Directory Windows ドメインでメンバーとして参加できます。 HP CIFS Server は,どのドメインでも NT4 型メンバーサーバーとして動作できます。 スタンドアロン・サーバースタンドアロン・サーバーは,ネットワーク上のドメイン・コントローラからは独立しています。 ドメイン・メンバーではなく,ワークグループ・サーバーと同じように機能します。 多くの場合,スタンドアロン・サーバーは,提供されているすべてのデータにすべてのユーザが容易にアクセスできるように最低限のセキュリティ制御で構成されます。 CIFS サーバーの役割の変更HP CIFS Server をはじめて構成する場合,そのドメインにおけるサーバーの役割を選択します。 そのサーバーの役割を変更しなければならないような状況が発生することがあるかもしれません。 サーバーを変更するのに使用する方法は,そのサーバーの現在の役割と,どの役割に変更したいかに依存します。 役割の変更には Samba 構成ユーティリティが使用できますが,次のような制限があります。
スタンドアロンの OpenVMS システムでは,このオプションは Samba 構成ファイルの netbios name パラメータをマッピングします。 OpenVMS クラスタ環境では,このオプションはそのノードの netbios aliases をマッピングします。 ドメイン内のサーバーはこのユニークな名前で識別されます。 構成プロシージャの実行時に,この名前を定義するかデフォルト値を使用することができます。 他のノードあるいはクラスタが既にその名前を定義しており,その役割で実行中であっても,Samba 構成ユーティリティでは同じ名前の PDC をユーザが指定することを妨げません。 しかし,同じ名前を定義すると名前の解決で矛盾を導くことになります。 PDC はドメイン内でユニークでなければなりません。 デフォルトのコンピュータ名は,そのサーバーの SCSNODE 名と同じです。 このオプションでは,OpenVMS クラスタ環境で Samba 構成ファイルの netbios name パラメータをマッピングします。 お使いのサーバーが OpenVMS Cluster のメンバーサーバーの場合,netbios name (CIFS cluster alias) は,同じ SAMBA$ROOT インストール・ディレクトリを使用するクラスタ内のすべてのサーバーが共有する名前になります。 この別名により,リモート・ノード (クライアントを含む) がクラスタ内のすべてのメンバーサーバーを単一のサーバーとして扱うことが可能になります。 たとえば,クライアント・ユーザは,そのクラスタのサーバーへの接続に HP CIFS Server のクラスタ別名を指定できます。この場合,ユーザは接続時にクラスタ内の個々のノードの名前を知っておく必要はありません。 デフォルトの HP CIFS Server クラスタ別名は nodename-ALIAS です。 nodename は,Samba 構成ユーティリティを最初に実行したクラスタ・メンバーの SCSNODE 名になります。 HP CIFS Server がメンバーサーバーとして構成されている場合,Samba 構成ユーティリティは次のようなメニューを表示します。
Security mode が ADS の場合,次のメニューも表示されます。
このオプションは,Samba 構成ファイルの client channel パラメータのマッピングを行ないます。 NETLOGON Secure Channel は,ユーザ認証要求とドメイン・コントローラの通信に使用されるセキュリティのレベルを制御する手段を提供します。 最も安全なセキュリティは署名 (signing) と暗号化 (sealing) によって提供されます。 以下の 3 つのオプションが用意されています。
このオプションは,Samba 構成ファイルの require strongkey パラメータのマッピングを行います。 このオプションは HP OpenVMS CIFS 固有のもので,オープンソースの Samba にはこれに相当するパラメータは存在しません。 Require strong session key のセキュリティ設定は,Secure Channel データの暗号化に 128-bit キーを使用するかどうかを決定します。
このオプションは,HP CIFS Server 固有のグローバル・セクション構成パラメータ vms asv domain を割り当てるためのものです。 Advanced Server for OpenVMS (ASV) ドメインでは, OpenVMS システムあるいは AVS を実行している OpenVMS ノードのクラスタは, そのドメインの PDC として動作します。 HP CIFS Server をそのような ASV ドメインのメンバーとして構成する場合は, "Member in OpenVMS ASV domain" のプロンプトに対して "YES" を指定してください。 Member in OpenVMS ASV Domain [y/n]: [no] パスワード・サーバーを指定する際,以下のことが必要です。
Enter Password Servers (comma separated): [*] このオプションは,グローバル構成パラメータ password server を割り当てるためのものです。 HP CIFS Server がドメインのメンバーサーバーとして構成される場合は, そのドメイン内のいずれかのドメイン・コントローラのとコンタクトして そのドメインに属するユーザを認証します。 ドメイン内のドメイン・コントローラの名前をパスワード・サーバーとして指定 することにより, HP CIFS Server はドメイン内の特定のドメイン・コントローラを使用して ユーザ名あるいはパスワードの正当性を確認できます。 このオプションでは, 使用するパスワード・サーバーの名前あるいは IP アドレスを設定できます。 このオプションで "*" を設定すると,CIFS Server は, DOMAINNAME<1C> の名前で問い合わせを行い,その結果として 名前解決ソースから IP アドレスのリストとして返された 各サーバーにコンタクトすることにより, 認証のためにプライマリあるいはバックアップ・ドメイン・コントローラを 自動検索しようとします。 サーバーのリストに名前/IPと "*" の両方が含まれる場合, そのリストは優先されるドメイン・コントローラ (DC) として扱われますが, 残りのすべての DC の自動検索もそのリストに追加されます。 CIFS Server は,最も近い DC を探してこのリストを最適化するような 処理は行いません。 このオプションは,Samba 構成ファイル・パラメータ security のマッピングを行ないます。 HP CIFS Server をメンバーサーバーあるいはスタンドアロン・サーバーとして構成する場合,セキュリティ・モードを指定することができます。 HP CIFS Server が PDC あるいは BDC として構成する場合,セキュリティ・モードは user に設定されます。 メンバーサーバーとしては,HP CIFS Server は次の 2 つのセキュリティ・モードが指定可能です。
スタンドアロン・サーバーでは,サーバーへのユーザおよびパスワード情報の転送を行なうかどうか (およびその方法) をどのクライアントが決定できるかに基づいて,HP CIFS Server のセキュリティ・モードを指定できます。 スタンドアロン・サーバーでは以下のセキュリティ・モードが使用できます。
HP CIFS Server の役割として PDC が選択されている場合, Samba 構成ユーティリティは,コア構成で次のようなメニューも表示します。
HP CIFS Server の役割として BDC が選択されている場合, Samba 構成ユーティリティは, Domain Controller Optional Parameters Configuration Menu に 次のような 2 つのオプションも自動表示します。
このオプションは,HP CIFS Server 構成ファイルに logon drive パラメータを割り当てるためのものです。 logon drive パラメータは, Windows がホームディレクトリに割り当てるドライブ文字を指定します。 ドライブの文字としては D~Z が使用できます。 これはオプションのパラメータです。 このオプションは,HP CIFS Server 構成ファイルに logon path パラメータを割り当てるためのものです。 ログオン・パス指示子は,ユーザがローミング・プロファイルで設定するものです。 この指示子は, 各ユーザのプロファイルの場所に対する Windows ネットワーク・パスを 含まなければなりません。 ユーザのプロファイル・ディレクトリが存在しない場合, プロファイル・ディレクトリは同じ場所に作成されます (そのユーザがそのディレクトリに対する書き込み権限を持っている場合)。 Samba の変数置き換えを利用してアーキテクチャ ごとにユーザのプロファイルを区分することもできます。 次のような指示子を使用して,WinXP,WinNT などの Windows の各バージョンに関連してユーザのプロファイルを区分することができます。 logon path = \\%L\profiles\%U\%a この機能は,ユーザが,コンピュータごとに異なるバージョンの Windows を 使用しているような場合に便利です。 この場合,指定するログオン・パスはプロファイル共有に対する相対パスです。 ローミング・プロファイルを無効にするためには, logon path パラメータに空文字を設定してきださい。 このオプションは,HP CIFS Server 構成ファイルに logon script パラメータを割り当てるためのものです。 このログオン・スクリプトは,ユーザ・ログオン時にに実行する オプションのログオン・スクリプトの名前を指定します。 ログオン・スクリプトはバッチ・ファイル (.BAT あるいは .CMD のファイル拡張子) でも実行プログラム (.EXE のファイル拡張子) でもかまいません。 1 つのログイン・スクリプトを 1 つあるいは複数のユーザ・アカウントに割り当てることができます。 ユーザ・ログオンの際,ログオンを認証するサーバーは, ユーザによって指定されたそのサーバーのログイン・スクリプト・パスに従ってログオン・スクリプトを探します。 このスクリプトは,[netlogon] 共有に対する 相対パスでなければなりません。 [netlogon] 共有が SAMBA$ROOT:[NETLOGON] のパス,および logon script = SCRIPTS\LOGON.BAT を指定する場合, 次のようなファイルがダウンロードされます。 SAMBA$ROOT:[NETLOGON.SCRIPTS]LOGON.BAT ユーザ・ログイン時にログオン・スクリプトを実行しないようにするには, logon script パラメータに空文字列を設定します。 このオプションは,HP CIFS Server 構成ファイルで client schannel パラメータを割り当てるためのものです。 NETLOGON セキュア・チャネルは, ユーザ認証要求とドメイン・コントローラの通信に使用する セキュリティ・レベルのネゴシエーションの手段を提供します。 最も高いセキュリティは,署名と暗号化を有効にすることにより提供されます。 次の 3 つのオプションがあります。
HP CIFS Server を Advanced Server for OpenVMS に対する BACKUP として構成している場合,NO を指定します。 そうでない場合はデフォルトのオプションを選択します。 このオプションは,HP CIFS Server 構成ファイルで vms asv domain パラメータを割り当てるためのものです。 ASV ドメインでは, ASV を実行している OpenVMS システムあるいは OpenVMS ノードのクラスタは そのドメインの PDC として動作します。 HP CIFS Server をそのような ASV ドメインのバックアップとして構成する場合, "Backup in OpenVMS ASV domain" プロンプトで "YES" と指定してください。
Core environment メニューでオプションの選択を行なうと,そこで構成を終了することも,先に進むこともできます。 HP CIFS Server が BDC あるいはメンバーサーバーの場合, HP CIFS Server の構成を選択した後,そのドメインの PDC の FQDN (IP address if FQDN fails to resolve to IP) を指定するためのプロンプトが表示されます。 さらに,HP CIFS Server が追加されているドメインに属するユーザの認証情報も提示する必要があります。 提供するドメイン・ユーザ・アカウントは,そのドメインでマシン・アカウントを追加するための特権を持ったものでなければなりません。 HP CIFS Server をはじめて構成する際に,HP CIFS Server を管理するための管理特権を付与したいドメイン・ユーザ・アカウントを指定することができます。 必要な情報を提供したら,Samba 構成ユーティリティは HP CIFS Server のコア構成環境のセットアップを行ないます。 コア環境の構成が完了した後,自動生成される Samba コア構成ファイル SAMBA$ROOT:[LIB]CORE_SMB.CONF あるいは TESTPARM ユーティリティを使用して,それぞれのパラメータ値を参照することができます。 SAMBA$ROOT:[LIB]CORE_SMB.CONF ファイルを手動で編集してパラメータの変更を行なう必要はありません。 さらに,コア環境設定作業の中で,log file,username map,printing,および load printers の各パラメータを Samba コア構成ファイルに追加することもできます。
HP CIFS Server のコア環境を設定した後,OpenVMS ファイル・フォーマット・サポート,文字セット,ホーム (パーソナル) 共有などを構成する必要があります。 この設定は,Samba 構成ユーティリティのメイン・メニューでオプション 2 あるいは A を選択して Generic options サブオプションを選択することにより実行できます。 Samba 構成ユーティリティの Main Menu に表示されるオプション 2 あるいは A を使用すると,HP CIFS Server の一般オプションを設定することができます。 どちらのオプションを選択した場合も,次のような Generic options メニューが表示されます。
このオプションは,Samba 構成ファイル・パラメータ dos charset および unix charset のマッピングを行ないます。 HP CIFS Server は,ISO-8859-1 および UTF-8 文字セットのファイル名をサポートします。 ヨーロッパの文字は ISO-8859-1 でサポートされ,その他の言語の文字は UTF-8 でサポートされます。 さらに,ヨーロッパの文字のサポートする場合, ユーザ・ローカル・コードページ (そのユーザの Windows コードページ) が CP850 に設定されます。 日本語および中国語の文字をサポートする場合,ユーザ・ローカル・コードページは CP932 に設定されます。 デフォルトのユーザ・ローカル・コードページは ASCII です。 ユーザ・ローカル・コードページは SMB.CONF ファイルの dos charset パラメータにマッピングされます。 Samba 構成ユーティリティは,文字セットのサポートのための次のようなオプションを表示します。
ご使用の環境での HP CIFS Server のファイル名文字サポートに応じて,適切なオプションをサポートしてください。 このオプションは,HP CIFS Server 構成ファイルに guest account パラメータを割り当てるためのものです。 ゲスト・アカウントは, ゲスト・アクセスが有効 (guest ok) と指定されているサービスにアクセスするための ユーザ名です。 このユーザの特権は,このゲスト・サービスに接続するどのクライアントでも有効です。HP CIFS Server は,指定されたゲスト・アカウントが SYSUAF データベースに存在することを必要とします。 指定されたユーザが SYSUAF データベースに存在しない場合, ユーティリティは, SYSUAF データベースに必要なゲスト・アカウント名を作成することができます。 このオプションは,HP CIFS Server 構成ファイルに print command パラメータを割り当てるためのものです。 print コマンドでは,OpenVMS の DCL PRINT コマンドの以下の修飾子を 使用することができます。
これらの修飾子についての詳細は, HELP PRINT <qualifier> コマンドを実行して DCL ヘルプを参照してください。 プリント・ジョブを OpenVMS システムの特定のスプール・ファイルに送信する際,HP CIFS Server は,指定した print コマンド修飾子を SYS$SNDJBC の対応する項目コードに変換します。 print command のデフォルト値は /DELETE です。 このオプションでは,Samba 構成ファイルの server string パラメータのマッピングを行ないます。 このサーバーコメント文字は,HP CIFS Server がネットワーク上での存在を通知する場合や,ユーザが有効なサーバーの一覧を表示したりする場合に,HP CIFS Server が表示するテキストです。 デフォルトの文字列は Samba %v running on %h (OpenVMS) です。 実際の表示では,%v は,オープンソースの Samba のバージョンに置き換えられ,%h はノード名に置き換えられます。 このオプションでは,Samba 構成ファイルの wins server パラメータのマッピングを行ないます。 HP CIFS Server がドメイン・コントローラなどの他のシステムへのアクセスを開始した場合,HP CIFS Server はまずリモート・システムの NetBIOS 名を解決して IP アドレスを認識する必要があります。 HP CIFS Server は,WINS,LMHOSTS ファイル,ローカル・サブネットでのブロード・キャスト,あるいは場合によっては DNS など,いくつかの手段で NetBIOS から IP アドレスを取得できます。
WINS 名前解決を有効にすることで,WINS サーバー IP アドレスを指定することができます。 HP CIFS Server は,この IP アドレスを使用して WINS にアクセスして名前を解決します。 WINS name resolution オプションを有効にした後,複数の WINS サーバー IP アドレスを指定することもできます。
このオプションは,HP CIFS Server 構成ファイルで cluster addresses パラメータを割り当てるためのものです。 WINS name resolution パラメータが有効な場合, クラスタ・アドレス値を入力する必要があります。 OpenVMS クラスタでは,クラスタの複数のノードが同じ samba$root ディレクトリを共有する場合, WINS サーバーに共通の CIFS クラスタ別名を登録する必要があります。 この共通の CIFS クラスタ別名は,CIFS クラスタで 同じ samba$root ディレクトリを共有する すべてのノードの IP アドレスを示さなければなりません。 これにより,共通の CIFS クラスタ別名を使用して, 登録されているノードにクライアントが接続できるようになります。 WINS サーバーでは, 同じ samba$root ディレクトリを共有する OpenVMS クラスタのすべてのノードの IP アドレスを 共通の CIFS クラスタ別名に正しく登録するには, ユーティリティが次のようなメッセージを表示したときに これらのすべてのノードの IP アドレスを コンマで区切って指定する必要があります。 IP addresses of cluster nodes sharing same samba$root: [] このオプションは,HP CIFS Server 構成ファイルに name resolve order パラメータを 割り当てるためのものです。 Name resolution order パラメータは, どのネーミング・サービスを使用して どのような順序で IP アドレスに対するホスト名を解決するかを Samba スイート内のプログラムが決定するのに使用されます。 このオプションは NETBios 名前解決処理を制御します。 名前解決オプションの文字列はコンマで区切って指定します。 オプション文字列としては,lmhosts,host,wins および bcast を使用できます。 たとえば,WINS 名前解決パラメータが有効な場合に, WINS オプションを使用するように名前解決の順序を変更したい といった場合があるかもしれません。 この場合,新しい名前解決順序を次のように指定することができます。 wins,lmhosts,host,bcast 一般構成メニューのオプションで値を指定した後,Samba 構成ユーティリティは汎用の Samba 構成ファイル SAMBA$ROOT:[LIB]GENERIC_SMB.CONF を作成します。 一般構成メニューで変更できるパラメータだけでなく,Samba 構成ユーティリティはさらに OpenVMS ファイル・フォーマットをサポートするための vfs objects パラメータを追加することができます。 SAMBA$ROOT:[LIB]GENERIC_SMB.CONF ファイルのどのオプションも手動では変更しないでください。
Samba 構成ユーティリティの Main Menu の3 つ目のオプションは System specific setup です。 このオプションでは,SMBD や SWAT のような HP CIFS サービス,ファイル・サーバー・クライアント機能,使用するネットワーク・インタフェース,オープン・ファイル・キャッシュ機能などを構成することができます。 Samba 構成ユーティリティの Main Menu でオプション 3 あるいは A を選択すると,次のような構成メニューが表示されます。
このオプションでは,Samba 構成ファイル・パラメータ smb ports のマッピングを行ないます。 また,TCP/IP データベースで HP CIFS SMBD サービスを設定する方法を制御することもできます。 デフォルトでは,HP CIFS Server サーバーは,TCP ポート 139 (NetBIOS over TCP/IP) および TCP ポート 445 (SMB over TCP/IP) の両方で着信要求を待ち受けます。 ユーザは,HP CIFS Server が着信要求を受けとるのに使用する TCP ポートを 445 あるいは 139 のどちらかに制限することができます。 このオプションでは,Samba 構成ファイルの max smbd processes パラメータのマッピングを行ないます。 OpenVMS では,max smbd processes パラメータはクライアント制限を制御できません。 クライアント制限は,TCP/IP データベースで SMBD サービスを設定する際に Limit 修飾子で制御できます。 クライアント・キャパシティは,HP CIFS Server への同時アクセスが可能なクライアント数の上限で決まります。 Samba 構成ユーティリティを使用すると,このクライアント・キャパシティを指定することができます。 デフォルトでは,HP CIFS Server は TCP/IP ポート 139 および 445 を使用するように設定されます。 HP CIFS Server が使用する TCP/IP ポートが制限されていなければ,各ポートのクライアント・キャパシティが指定された数に設定されます。 たとえば,指定されたクライアント・キャパシティが 100 の場合,HP CIFS Server はポート 139 の上限を 100,ポート 445 の上限を 100 と指定します。 このため,クライアント・キャパシティを 100 と指定すると,HP CIFS Server の最大クライアント数は 200 に設定されます。 SWAT (Samba Web Administration Tool) サービスを使用すると,システム管理者は Web ブラウザから HP CIFS のサーバー構成ファイル (SMB.CONF) の参照および変更することができます。 SWAT についての詳細は 2.10.2 項 「Samba Web Administration Tool (SWAT) による HP CIFS の構成」 を参照してください。 このオプションでは,Samba 構成ファイルの bind interfaces only および interfaces パラメータのマッピングを行ないます。 OpenVMS システムのインストール時に HP TCP/IP Services を使用するように設定されている場合,このオプションによる設定は,TCP/IP データベースの SMBD サービスの設定時に /address 修飾子が使用される方法にも影響を与えます。 SMBD サービスは, HP TCPIP Services の TCPIP SET SERVICE コマンドで登録されます。 複数のネットワーク・インタフェースを持つシステムでは,HP CIFS Server が着信要求の待ち受けに使用するネットワーク・インタフェースを Samba 構成ユーティリティで指定できます。 使用するネットワーク・インタフェースを制限することを選択した場合,そのインタフェースの IP アドレスを指定するためのプロンプトが表示されます。 コンマを使用すると,複数のインタフェース IP アドレスを指定することができます。 システム固有構成メニューで選択されたオプションに基づいて,Samba 構成ユーティリティは TCP/IP データベースの SMBD および SWAT サービスを設定します。 さらに,適用されるパラメータが設定されたノード固有の構成ファイル SAMBA$ROOT:[LIB]<SCSNODE>_SPECIFIC_SMB.CONF も作成します。 パラメータ値の変更のためこのファイルを手動で編集するのは避けてください。
Samba 構成ユーティリティを使用すると,HP CIFS Server の基本的な構成を行なうことができます。 HP CIFS Server の基本的な構成が設定されると,HP CIFS サーバーを起動して接続を行なうことができます。 Samba 構成ファイルに既存の HP CIFS Server 共有がない場合は,アクセスの前に Samba 構成ファイルに共有を明示的に追加する必要があります。 構成ユーティリティでは,共有を追加するためのオプションは用意されていません。 このユーティリティでは,HP CIFS Server が提供している多くの Samba 構成ファイル・パラメータのうち,基本的なパラメータのみが設定されます。 その他のパラメータの追加あるいは修正に関しては, Samba 構成ファイル SMB.CONF を手動で編集する必要があります。
SWAT は,Windows から HP CIFS Server を管理するための Web インタフェースです。 このユーティリティを使用するためには,次のコマンドを実行して,SAMBA$ROOT:[UTILS]SAMBA$SWAT_FILES.BCK ファイルを SAMBA$ROOT:[SWAT...] ディレクトリ以下にリストアする必要があります。
SWAT についての詳細は以下の URL を参照してください。 http://www.samba.org/samba/docs/man/Samba-HOWTO-Collection/SWAT.html HP CIFS 構成ファイルのデフォルトのファイル名は SMB.CONF で,この構成ファイルの形式は Windows の .ini ファイルと同じです。 SMB.CONF ファイルはプレーン・テキスト・ファイルであるため,通常使用している編集ツールで編集できます。 SMB.CONF ファイルには,必須の構成パラメータが含まれています。
以下に,構成ファイルの構造の例を示します。 [global] ... [homes] ... [<file/printer share-name>] ... 大括弧内の名前は,SMB.CONF ファイルの固有のセクションを表します。 各セクションは,そのセクションが参照する共有名 (またはサービス名) を指定します。 たとえば,[homes] セクションは特別なディスク共有で,このセクションには,CIFS サーバー上の特定のホーム・ディレクトリに割り当てるオプションが含まれます。 [global] セクションを除き,SMB.CONF ファイルで定義されるセクションはすべて,ディスクまたはプリンタ共有として,HP CIFS Server に接続するクライアントから利用できます。 SMB.CONF ファイル内の各セクションは,HP CIFS Server上の共有を表しています。 "global" は,ある特定の共有に対してではなく,CIFS サーバー全体に対して適用される設定が含まれている特別なセクションです。 特別なセクションとしては,[global],[homes] および [<file/printer share-name>] の 3 つがあります。 以下にこれらのセクションについて説明します。 特別なセクション[global] セクション このセクションのパラメータは,サーバー全体に適用されるか,対応する項目が特に指定されていない各セクションのデフォルト値となります。 [homes] セクション 構成ファイルに homes というセクションが含まれていれば,クライアント・ユーザ自身のホーム・ディレクトリに接続するサービスを,サーバーによって自動作成できます。 [file/printer share-name>] セクション 指定された名前が共有名になり,Printable パラメータが YES に設定されていると, この共有はプリンタ共有として機能します。 Printable パラメータが NO に設定されていると,この共有はファイル共有またはディスク共有として機能します。 パラメータパラメータは,各セクションの特定の属性を定義します。 パラメータは 2 種類あり,次のように呼ばれます。
次のコマンドを入力して,SMB.CONF の内容を検証します。
TESTPARM は,SMB.CONF ファイルに構文エラーがないか調べ,エラーが見つかった場合は,お使いのシステムで有効なサービスのリストと共にエラーを出力します。
[global] server string = Samba %v running on %h (OpenVMS) security = user passdb backend = tdbsam domain master = yes guest account = SAMBA$GUEST domain logons = Yes log file = /samba$root/var/log.%m log level = 0 load printers = no printing = OpenVMS [homes] comment = Home Directories browsable = no read only = no create mode = 0750 [HPLASER] path = /samba$root/spool/ printable = yes min print space = 2000 [test1] browsable = yes writeable = yes path = /DKA0/users/test1/ ここでは,HP CIFS Server の起動と停止について説明します。 HP CIFS Server を手動で起動するには,次のコマンドを入力します。
HP CIFS Server が起動され,次のようなメッセージが表示されます。
OpenVMS システムのブート時に HP CIFS Server が必ず自動起動するように設定するには,サイト固有のスタートアップ・ファイル SYS$STARTUP:SYSTARTUP_VMS.COM を編集します。 CIFS 起動コマンドを,ネットワーク・トランスポートを起動するすべての行の下に追加します。次に例を示します。
同じ OpenVMS Cluster 内の複数のノードで HP CIFS Server をインストールし,構成した場合,SYSMAN ユーティリティを使って,すべてのクラスタ・メンバー上で手動で同時に CIFS を起動することをお勧めします。 すべてのクラスタ・ノードで同時に CIFS を起動するには,いずれかのメンバー・ノード上で SYSTEM アカウントへログインしていることを確認してから SYSMAN を実行してください。 表 2-1 に SYSMAN ユーティリティについて説明します。 表 2-1 SYSMAN ユーティリティ
HP CIFS Server のインストールあるいは構成の際に遭遇する可能性のあるいくつかの問題について説明します。
クライアント接続を確認する前に,すべてのセキユリティと構成の設定を完了させてください。 クライアントからユーザが正しく接続できるかどうかは,以下の手順で確認します。
NFS も CIFS も,これらはどちらも複数のシステムからファイル・ストレージへのファイルシステム・アクセス機能を提供します。 ただし,ファイルへのアクセス制御,特に書き込みアクセスのためのファイル・オープンは,NFS システムおよび CIFS システムの両方から同時に行うことはできません。 NFS と CIFS はそれぞれ独自のロック・メカニズムを持っており,それらは相互には機能しないため,特定のリソースに対して同時にアクセスすることはできません。 HP CIFS Server V1.1 (および Samba 3.0.x) では,ポート 139 の他,ポート 445 で接続することができます。 ただし,ポート 445 接続は SMB over TCP 用で NetBIOS プロトコルはサポートしないため,NetBIOS 名はポート 445 ではサポートされません。 このため,NetBIOS に依存する HP CIFS Server の機能は,このポートでは機能しません。 たとえば, include = /etc/opt/samba/SMB.CONF.%L により他の SMB.CONF.<netbiosname> を参照する virtual server テクニックは機能しません。 サーバーがどのポート でSMB トラフィックを認識するかは SMB.CONF パラメータ smb ports を使用して指定できます。 smb ports に 139 を設定してポート 445 を無効にしてください。 デフォルトでは,smb ports は 445 および 139 に設定されています。 ここでは,お使いのシステムから HP CIFS Server ソフトウェアを削除する方法を説明します。 クラスタ内の特定のノードで HP CIFS Server 構成を削除する場合は,次のコマンドを入力してください。
このコマンド・プロシージャは,そのノードで定義されているすべての HP CIFS Server 論理名の定義を解除し,構成時に設定される SMBD や SWAT などの TCP/IP サービスを削除します。 HP CIFS Server ソフトウェアのアンインストールの手順は以下のとおりです。
この削除コマンドにより,次の処理が行われます。
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