8.10.2 長所 |
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マルチサイト OpenVMS Cluster システムには,以下の利点があります。
- セカンダリ・サイトに少数のシステムをリモートに配置して,一元システム管理やプライマリ・サイトの他のリソースを活かすことができる。たとえば,メイン・オフィス・データ・センターを倉庫や小規模な製造サイトにリンクすることができる。また,その倉庫や小規模な製造サイトには,サイト固有のデバイスが直接関連付けられた少数のローカル・ノードを配置できる。あるいは,都市全体に広がるオフィス・パークにプライマリ・ビジネス・サイトからエンジニアリング・ワークステーションをインストールできる。
- ハイ・キャパシティ・コンピュータ,テープ・ライブラリ,ディスク・アーカイブ,フォトタイプセッタなどのデバイスを複数のサイトで簡単に共用できる。
- クラスタ内にある任意のサイトのアーカイブ媒体に対してバックアップが可能。一般的な例としては,マルチサイト OpenVMS Cluster のすべてのサイトのデータを, 1 個のサイトでディスクやテープにバックアップをとる方法がある。リモート・サイトのデータのバックアップは透過的に行われる (つまり,リモート・サイトでは仲介処理が不要)。
- 一般に,マルチサイト OpenVMS Cluster は,LAN OpenVMS Cluster の可用性の長所をすべて備えています。それだけでなく,複数の遠距離サイトを結合することで,マルチサイト OpenVMS Cluster 構成におけるシステムやシステム要素の可用性をさまざまな方法で強化できます。
- 論理ボリューム/データ可用性
ボリューム・シャドウイングまたは RAID (Redundant arrays of independent disks) により,両サイトにメンバがある論理ボリュームを作成できます。サイトのどちらかが使用できなくなっても,反対のサイトからデータを利用できます。
- サイト・フェールオーバ
VOTES システム・パラメータを調整しておけば,他のサイトに障害が発生したり,他のサイトとの通信ができなくなっても自動的に継続する優先サイトを選択できます。
関連項目: マルチサイト・クラスタのその他の説明については,『OpenVMS Cluster システム』を参照してください。
ディザスタ・トレラントな OpenVMS Cluster 構成では,Volume Shadowing for OpenVMS,高速ネットワーク,特別管理ソフトウェアを使用します。
ディザスタ・トレラントな OpenVMS Cluster 構成では,2 地点のサイトにあるシステムを 1 つの管理可能な OpenVMS Cluster システムに結合できます。前項で説明したマルチサイト・クラスタと同じく,これらの物理的に離れているデータ・センターは, FDDI で結合するか,T3,E3 のいずれかと FDDI の組み合わせにより結合します。
OpenVMS ディザスタ・トレラントな製品を,従来は BRS (Business Recovery Server) と称していましたが,BRS は,システム管理とソフトウェア・サービスのパッケージである Disaster Tolerant Cluster Services に包含されることになりました。Disaster Tolerant Cluster Services の詳細については,弊社のサービス担当者にお問い合わせください。