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OpenVMS マニュアル


 

OpenVMSドキュメント
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タイトルページ
目次
まえがき
第 1 部:概要
第 1 章:OpenVMS の現在,過去,未来
第 2 部:基本操作
第 2 章:ログイン/ログアウト
第 3 章:DCL コマンド
第 4 章:パスワードの変更
第 5 章:ヘルプとシステム・メッセージ
第 6 章:キーボード
第 7 章:エディタ
第 8 章:ファイル指定
第 9 章:ディレクトリ作成
第 10 章:ファイル操作コマンド
第 11 章:ファイル保護
第 3 部:OpenVMS の便利な機能
第 12 章:ファイルの印刷
第 13 章:バッチ・キュー
第 14 章:プロセス
第 15 章:シンボル
第 16 章:論理名
第 17 章:コマンド・プロシージャ
付録 A :システムの起動と停止
付録 B :日本語環境の設定
付録 C :ネットワークを利用したファイル操作
付録 D :JMAIL ユーティリティ
付録 E :レキシカル関数一覧
付録 F :Linux または UNIX,MS-DOS,日本語 OpenVMS コマンド対応表
付録 G :関連アプリケーション
付録 H :PC 関連製品
付録 I :クイック・リファレンス
付録 J :日本語マニュアル・クイック・リファレンス
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はじめよう!日本語 OpenVMS

はじめよう!日本語 OpenVMS


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第 14 章
プロセスについて

この章では

日本語 OpenVMS は,同時に複数の利用者が作業をしたり,複数のプログラムを実行できるマルチタスクのオペレーティング・システムです。しかし,利用者からは自分が 1 台のコンピュータを専有して使用しているように見えるので,他の利用者が何をしているのかを気にする必要はありません。これは,日本語 OpenVMS が利用者一人一人にプロセスというものを与えているからです。

この章では,プロセスについて説明します。

関連資料

  • 『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』

  • 『OpenVMS DCL ディクショナリ』



14.1 プロセスとは

プロセスは,システムとの会話を可能にするために日本語 OpenVMS で作成される "ユーザの作業環境" あるいは "プログラムの実行環境" です。DCL コマンドやプログラムは,必ずこのプロセスという環境の中で実行されます。

ユーザが次のいずれかのタスクを実行すると,システムはプロセスを作成します。

  • ログイン
    システムはユーザがログインするたびにそのユーザ用にプロセスを作成します。

  • バッチ・ジョブの登録
    システムはバッチ・ジョブを受け取るとそのジョブ用にプロセスを作成します。バッチ・ジョブが完了すると,システムはプロセスを削除します。

  • サブプロセスの生成
    ユーザが SPAWN コマンドを使用すると,システムはプロセスを作成します。

  • プログラムの実行
    /DETACHED 修飾子または /UIC=uic 修飾子を使用してプログラムを実行すると,システムはプロセスを作成します。

図 14-1 は,プロセスの構成要素を概念的に表しています。

図 14-1 プロセスの構成要素


プロセスの構成要素は次のとおりです。

◆イメージ

実行可能なプログラムのことです。イメージは必ずプロセスの環境の中で実行されます。この環境を規定するのが他の 3 つの構成要素です。

◆仮想アドレス空間

イメージが参照している仮想アドレスの情報を持つ空間です。

◆ハードウェア・コンテキスト

CPU のことです。

◆ソフトウェア・コンテキスト

プロセスのソフトウェア状態を規定するもので,次のような項目を含んでいます。

  • プロセスの優先順位 (Priority)
    プロセスの切り替えを行う際の優先順位

  • 特権 (Privilege)
    どのような作業を行うことができるかを規定する権限

  • クォータ (Quota)
    システムのいろいろな資源をどれだけ使用できるかを規定する制限値

  • ユーザ識別コード (UIC)

これらの情報は,システム管理者がユーザ登録簿にユーザ名,パスワードを登録する際に設定します。

14.2 プロセスの種類

日本語 OpenVMS では,おもに次の 3 のプロセスの種類があります。

◆会話型プロセス

ユーザがログインした時に作られる会話型ログイン

ネット経由の COPY や FTP (ネットワーク・プロセス)

◆サブプロセス

SPAWN コマンドなどで作られる ($ SPAWN)

◆独立プロセス

バッチ処理をする時などに使われるバッチ・プロセス ($ SUBMIT)

指定されたイメージを実行するプロセスを作成する ($ RUN/DETACH)

14.3 自分のプロセスの状態を表示する--- SHOW PROCESS

自分のプロセスの状態を確認するには次のようにします。

    $ SHOW PROCESS    

修飾子には次のようなものがあります。

/ALL 詳細な情報もつけて表示する
/SUBPROCESS プロセスの親子関係を字下げして表示する



14.4 プロセス名を変更する--- SET PROCESS

プロセス名を変更するには次のようにします。

    $ SET PROCESS/NAME="プロセス名"    

プロセス名を二重引用符 (") で囲った文字列に変更します。 15 字以内の文字列が指定できます。

14.5 サブプロセスを作成する--- SPAWN

サブプロセスを作成し,制御をサブプロセスに移すには次のようにします。

    $ SPAWN    

修飾子には次のようなものがあります。

/NOWAIT 制御は親プロセスに置く

サブプロセスを終了するには,次のようにします。

    $ LOGOUT    



14.6 指定したプロセスに制御を移す--- ATTACH

指定したプロセスに制御を移すには次のようにします。

    $ ATTACH [/IDENTIFICATION=pid] [プロセス名]    



14.7 指定したプロセスを強制終了する--- STOP

プロセスを強制的に終了させるには次のようにします。

    $ STOP [/IDENTIFICATION=pid] [プロセス名]    

プロセス名,または PID (Process IDentification) の一方を指定します。

14.8 各種プロセスに関する情報をユーザ名で得る--- SHOW USERS

各種プロセスに関する情報をユーザ名で得るには,次のようにします。

    $ SHOW USERS [ユーザ名]    

ユーザ名を指定するとそのユーザに関する情報のみが得られます。

修飾子には次のようなものがあります。

/FULL 各ユーザが持っているプロセスの情報を表示する
/INTERACTIVE 会話型プロセスのみを表示する
/SUBPROCESS サブプロセスのみを表示する



14.9 システム上にある全プロセスを表示する--- SHOW SYSTEM

システム上にあるすべてのプロセスを表示するには,次のようにします。

    $ SHOW SYSTEM    

修飾子には次のようなものがあります。

/BATCH バッチ・プロセスのみを表示する
/INTERACTIVE 会話型プロセスのみを表示する
/NETWORK ネットワーク・プロセスのみを表示する
/SUBPROCESS サブプロセスのみを表示する


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