ノードが複数のサイトあるいは複数の LAN に分散して存在している場合,クラスタ通信に IP を使用するのが好まれます。 Cluster over IP を使用すると,最大 800 km のサイト間距離でサイトを接続することができます。 図 C-3 にストレージの構成に IP インターコネクトを使用したマルチサイト OpenVMS クラスタを示します。
図 C-3 Cluster over IP によるマルチサイト OpenVMS Cluster 構成
ノード East1,East2,West1,および West2 は,同じ LAN でも異なる LAN でも構いません。クラスタ・トラフィックはルータブルです。東のサイトは Cluster over IP を使用して地理的に離れた西のノードと通信します。ノード East1 およびノード West1 は仮想サーキット (VC) を形成します。 VC は,SCS トラフィックのための IP チャネルから構成されます。ただし,東の 2 つのノードはそれら同士のクラスタ通信に LAN を使用します。ノード East1 は LAN チャネルを使用してノード East2 と仮想サーキットを形成します。
VMS バージョン 5.4-3 以降,FDDI は,2 地点の OpenVMS Cluster サイトを遠距離接続できる最も標準的な方法でした。高速 FDDI 光ファイバ・ケーブルにより,サイト間のケーブル経路の長さが最長で(40 km) 離れたサイト間を接続できます。
サイト間はこれらの FDDI 方式で接続できます。
- パフォーマンスを最大限に活かすには,各サイトの GIGAswitch/FDDI ブリッジ間で全二重 FDDI リンクを双方向 100 Mb/s で使用して,サイト間帯域幅を最大にします。
- 可用性を最大限に活かすには,配線コンセントレータまたは GIGAswitch/FDDI ブリッジのデュアル・アタッチメント・ステーション (DAS) ポート間でデュアル FDDI リングを 100 Mb/s で使用して,最高のリンク可用性を実現します。
- パフォーマンスと可用性の両方を最大限に活かすには,それぞれ専用のホスト・アダプタと全二重 FDDI サイト間リンクが各サイトで GIGAswitch/FDDI ブリッジに接続された分離 FDDI LAN を 2 つ使用します。
システム管理のその他の説明については,本書と『OpenVMS Cluster システム』の該当箇所を参照してください。これらのマニュアルの最新バージョンの入手方法については,『HP OpenVMS V8.4 リリース・ノート[翻訳版]』を参照してください。
OpenVMS Cluster システム固有の柔軟性と強化された OpenVMS Cluster LAN プロトコルでは, ATM と DS3 のどちらか一方,またはその両方の通信サービスを利用して,複数の OpenVMS Cluster サイトに接続できます。
ここでは,ATM と DS3 のワイド・エリア・ネットワーク (WAN) サービスの概要と, FDDI インターコネクトを ATM と DS3 のどちらか,または両方の通信サービスにブリッジする方法,そしてこれらのサービスで,マルチサイト OpenVMS Cluster システムを構成する方法を説明します。
ATM サービスと DS3 サービスでは,OpenVMS Cluster システムに構成して WAN 接続ができる長距離のポイント・ツー・ポイント通信が可能です。ATM サービスと DS3 サービスは,たいていの一般通信事業者や他のソースから利用できます。
| 注意
ヨーロッパや一部の国々では DS3 を使用できません。また,ATM は新しい,進展中の標準なので,ATM サービスをすべての個所で利用できるとは限りません。
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ATM サービスと DS3 サービスは,以下の OpenVMS バージョンで使用できます。