A.2.1 OpenVMS Cluster システムにおけるシングル・ホスト SCSI アクセス |
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OpenVMS バージョン 6.2 より前のバージョンでは, OpenVMS Cluster システムは,埋め込み SCSI アダプタ,またはオプションの外部 SCSI アダプタ,あるいは専用の RAID (redundant arrays of independent disks) コントローラで単一ホストに接続された SCSI ストレージ・デバイスをサポートしていました。この場合,SCSI バスに接続できるホストは 1 つだけでした。
A.2.2 OpenVMS Cluster システムにおけるマルチホスト SCSI アクセス |
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OpenVMS Alpha バージョン 6.2 以降,OpenVMS Cluster システム上の複数の Alpha ホストを 1 本の SCSI バスで接続できるようになり,SCSI ストレージ・デバイスのアクセスを共用できるようになりました。 SCSI ストレージ・デバイスのアクセスを共用することで高い可用性が実現できます。
図 A-2 は,SCSI インターコネクトで SCSI デバイスのアクセスを共用する OpenVMS Cluster 構成です。ただし,ホスト間 OpenVMS Cluster (System Communications Architecture [SCA]) 通信には,もう 1 本のインターコネクト (ローカル・エリア・ネットワーク [LAN] など)が必要です。
図 A-2 共用 SCSI アクセスによる可用性が高いサーバ
3 ノード OpenVMS Cluster システムを構築するには,ストレージ・インターコネクトに共用 SCSI バスを使用します。また大規模な OpenVMS Cluster 構成に共用 SCSI バスを組み込むこともできます。SCSI バスでクォーラム・ディスクを使用すると, 2 ノード構成や 3 ノード構成の可用性を強化できます。共用 SCSI ストレージ・デバイス向けには,ホスト方式の RAID (ホスト方式のシャドウイング) と MSCPサーバがサポートされています。
この項では,マルチホスト SCSI OpenVMS Cluster システムにおける構成上の要件とサポートされているハードウェアを紹介します。
A.3.1 構成上の要件 |
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表 A-1 は,SCSI OpenVMS Cluster システムに構成できるソフトウェアとハードウェアの基本構成要素の要件と性能をまとめたものです。