6.6.6 シャドウイングされたディスクの分散 |
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シャドウイングはコントローラに依存しない設計であるため,コントローラの接続や OpenVMS Cluster システム内での位置とは無関係に,シャドウ・セットを管理することができ,データ可用性を向上し,非常に柔軟性の高い構成を提供するのに役立ちます。
クラスタ単位のシャドウイングの場合,メンバは OpenVMS Cluster システム内のどこに配置してもかまわず,サポートされる OpenVMS Cluster インターコネクトを介して MSCP サーバからサービスを受けることができます。
図 6-9 は,シャドウ・セット・メンバ・ユニットを,異なるノードにあるローカル・コントローラとオンライン接続する方法を示しています。この図で,ディスク・ボリュームは ATABOY および ATAGRL のそれぞれにローカルです。 MSCP サーバは LAN あるいは IP ネットワークを介してシャドウ・セット・メンバにアクセスする機能を提供します。ディスク・ボリュームは各ノードにローカルですが,ディスクは同じシャドウ・セットのメンバです。あるノードにローカルなメンバ・ユニットは,MSCP サーバを介してリモート・ノードからアクセスできます。
図 6-9 MSCP サーバを経由してアクセスされるシャドウ・セット
OpenVMS Cluster システムでマウントされるシャドウ・セットの場合,クラスタ内のあるノードでシャドウ・セットをマウントまたはディスマウントしても,システムの他のノードで実行されているアプリケーションやユーザ機能には影響ありません。たとえば,OpenVMS Cluster システムのあるノードから仮想ユニットをディスマウントしても,マウントされている他のノードでは,シャドウ・セットは動作を続行します。
シャドウ・セットに関するその他の注意事項:
- 個々のディスク・ボリュームがアクティブ・シャドウ・セットのメンバとしてすでにマウントされている場合,ディスク・ボリュームを別のノードで同時にスタンドアロン・ディスクとしてマウントすることはできません。
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システム・ディスクはシャドウイングできます。シャドウイングされたシステム・ディスクからブートされるノードはすべて,以下の条件を満たさなければなりません。
- Volume Shadowing for OpenVMS ライセンスが必要です。
- システム・ディスク・シャドウ・セットの中で,ブート・デバイスと同じ物理メンバを指定しなければなりません。