この章では,およそ 20 台またはそれ以上の多くのコンピュータを含む OpenVMS Cluster システムを構築する場合のガイドラインを示し,役立つプロシージャについても説明します (構成の制限については,『OpenVMS Cluster Software Software Product Description』(SPD) を参照してください)。通常,このような OpenVMS Cluster システムには,多くのサテライトが含まれます。
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CLUSTER_CONFIG_LAN.COM または CLUSTER_CONFIG.COM コマンド・プロシージャを使用して,ブート・サーバとディスク・サーバを構成する (
第 8 章 を参照)。
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OpenVMS Cluster 環境にとって必要なすべてのレイヤード製品とサイト固有のアプリケーションをインストールする。すべてをインストールできない場合は,できるだけ多くインストールする。
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最終的な OpenVMS Cluster 環境で使用されるプロシージャとできるだけ近い状態になるように,クラスタ・スタートアップ・プロシージャを準備する。
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クラスタ構成コマンド・プロシージャを使用して,少数のサテライトを追加する (2〜3 台程度)。
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クラスタをリブートして,スタートアップ・プロシージャが予測どおりに動作することを確認する。
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スタートアップ・プロシージャが正しく動作することを確認した後,各コンピュータのローカル・バッチ・キューで UETP_AUTOGEN.COM を実行して,クラスタをリブートし,プロダクション環境の初期値を設定する。クラスタがリブートされると,すべてのコンピュータのパラメータの設定が妥当な設定になっているはずである。しかし,設定に問題がないかどうか確認する。
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サテライトを追加して,サテライトの台数を 2 倍にする。その後,各コンピュータのローカル・バッチ・キューで UETP_AUTOGEN を再実行して,クラスタをリブートし,新たに追加したサテライトに対応できるように,値を適切に設定する。
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すべてのサテライトが追加されるまで,上記の手順を繰り返す。
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すべてのサテライトが追加されたら,各コンピュータのローカル・バッチ・キューで UETP_AUTOGEN を最後にもう一度実行して,クラスタをリブートし,プロダクション環境の値を新たに設定する。
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最適なパフォーマンスを実現するには,各コンピュータで同時に UETP_AUTOGEN を実行しないようにしなければなりません。そうすると,このプロシージャではユーザ負荷がシミュレートされますが,その値はおそらく,最終的なプロダクション環境の値より要求の厳しいものになるからです。このため,新しいコンピュータを追加するときに, UETP_AUTOGEN を複数のサテライト (少し前にパラメータを調整したサテライト) で実行するようにします。この手法を利用すると,サテライトがクラスタに追加された後,間もなく AUTOGEN を再実行しても,ほとんど設定が変化しないため,効率を向上できます。
たとえば,30 台のサテライトが追加された後,クラスタ全体をリブートすると,28 番目に追加されたサテライトに対しては,システム・パラメータ値があまり調整されません。これは,初期設定の一部としてそのサテライトが UETP_AUTOGEN を実行した後,2 台のサテライトだけがクラスタに追加されたからです。
デフォルト・ブート・アダプタを変更するには,代替 LAN アダプタの物理アドレスが必要です。このアドレスを使用して,MOP サーバの DECnet または LANCP データベースのサテライトのノード定義を更新して,サテライトが認識されるようにします ( 第 9.4.4 項 を参照)。追加する LAN アダプタを見つけるには SHOW CONFIG コマンドを使用します。
9.4.3 複数の LAN アダプタからのブート (Alpha のみ) |
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Alpha システムでは,ブートのために複数の LAN アダプタを使用することで,可用性を向上できます。これは,MOP サーバおよびディスク・サーバへのアクセスが異なる LAN アダプタを介して可能になるからです。複数のアダプタ・ブートを使用するには,以下の表に示す操作を実行します。