この節では,DCL レベル ($) からデバッガを起動して,ユーザのプログラムをデバッガの制御下に置く一般的な方法について説明します。オプションの起動方法については,
第 9.8 節 を参照してください。
ここで説明している方法に従って,保持デバッガでデバッガを起動すると, Connect ( 第 9.5 節 を参照), Rerun ( 第 9.3 節 を参照 ),および Run ( 第 9.4 節 を参照 ) の機能を使用できるようになります。
デバッガを起動してプログラムをデバッガの制御下に置くには,次のようにします。
- 第 1.2 節 で説明したとおりにプログラムをコンパイルおよびリンクしてあることを確認する。
- 次のコマンド行を入力する。
省略時の設定では, 図 9-1 のようにデバッガが起動します。プログラムをデバッガの制御下に置く ( 手順 4) までメイン・ウィンドウは空のままです。デバッガの起動時にはユーザ定義初期化ファイルが実行されます ( 第 13.2 節 を参照 )。
図 9-1 起動時のデバッガ
- 次の 3 つのいずれかの方法を使用して,プログラムをデバッガの制御下に置く。
- プログラムがサブプロセスまたは独立プロセスとしてすでに実行されている場合, CONNECT コマンドを使用してプログラムをデバッガの制御下に置きます。 第 9.5 節 を参照してください。
- 指定のイメージの実行(最も一般的な方法)
- メイン・ウィンドウの「File」メニューから「Run Image...」を選択する。「Run Image」ダイアログ・ボックスが現れ,ユーザのカレント・ディレクトリにある実行可能なイメージの一覧が表示される ( 図 9-2 を参照 )。
- デバッグするイメージの名前をクリックして選択する。「Image:」フィールドにそのイメージ名が表示される。
- プログラムに渡す引数がある場合は,「Arguments:」フィールドに入力する。デバッガは文字列の解析時に引用符を取り除くので,引用符付きの文字列の場合は二重引用符を追加しなければならない。
- 「OK」をクリックする。
図 9-2 イメージの指定によるプログラムの実行
- DCL コマンドまたはフォーリン・コマンドのシンボルの指定によるイメージの実行
- メイン・ウィンドウの「File」メニューから「Run Foreign Command...」を選択する。「Run Foreign Command...」ダイアログ・ボックスが表示される ( 図 9-3 を参照 )。
- 「Foreign Command:」フィールドにコマンドを入力する。このようなシンボルにより,ディレクトリ選択およびファイル選択のプロセスでショートカットを使用できるようになる。図 2-3 に表示されているフォーリン・コマンド X1 は,すでに次のように定義されている。
$X1 :== RUN MYDISK:[MYDIR.MYSUBDIR]EIGHTQUEENS.EXE
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- コマンドに付けて渡す引数を「Arguments:」フィールドに入力する。
- 「OK」をクリックする。
図 9-3 コマンド・シンボルの指定によるプログラムの実行
デバッガが,プログラムを制御できるようになると,デバッガは次の動作を行います。
- 図 9-4 に示すように,メイン・ウィンドウにプログラムのソース・コードを表示する。
- メイン・プログラムの先頭で実行を中断する。ソース・コードの左にある現在位置ポインタが指している行は,次に実行されるコードを表す。
図 9-4 起動時のソース・ディスプレイ
コマンド・ビューに表示されたメッセージは,このデバッグ・セッションが C プログラム用に初期化されており,ソース・モジュールの名前が EIGHTQUEENS であることを示しています。
ある種のプログラムでは,メイン・プログラムの前に,初期化コードの先頭でプログラムの実行が中断されるよう一時的なブレークポイントが設定され,次のメッセージが表示されます。