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HP OpenVMS: システム管理者マニュアル (下巻)第8章 OpenVMS Cluster の管理 |
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目次 この章では,OpenVMS Cluster 環境に関連する概念について説明します。 また,SHOW CLUSTER ユーティリティを使用してクラスタに関する情報を表示する方法,および SYSMAN ユーティリティを使用して OpenVMS Cluster環境を管理する方法を説明します。 この章の内容この章では次の作業を説明します。
さらに,次の項目について説明します。
OpenVMS Cluster システムとは,2 台以上のコンピュータ,および記憶サブシステムを任意に組み合わせたシステム構成です。OpenVMS Cluster は,下記のシステム 2 台以上から構成されます。
OpenVMS Cluster システムでは,システム資源のすべてまたは一部を共用しますが,ユーザからはクラスタ全体が単一のシステムに見えます。 コンピュータのグループがクラスタ全体の資源を共用すると,すべてのコンピュータが持つ記憶資源およびシステム資源が結合され,システムの処理能力,通信能力,および可用性を向上させることができます。 OpenVMS Cluster システムのどのノードからもアクセスあるいは使用できる資源 (ディスクやキューなど) を共用資源と呼びます。 データ・ファイル,アプリケーション・プログラム,およびプリンタは,それが物理的に存在するノードに関係なく,共用資源としてクラスタ上のどのユーザからもアクセスできる数少ないアイテムです。 ディスクが OpenVMS Cluster 環境内で共用資源として設定されていると,各ユーザはどのノードからログインしても同じ環境 (パスワード,特権,省略時のログイン・ディスクへのアクセス権など) を持つことになります。 ディスクの共用により,大容量記憶デバイスをより効率的に使用することができます。 これは,任意のデバイスの情報を複数のノードから利用できるので,必要とするそれぞれの場所に情報を書き込む必要がなくなるためです。 OpenVMS MSCP (大容量記憶制御プロトコル),または TMSCP (テープ大容量記憶制御プロトコル) を使用すると,直接記憶デバイスが接続されていないノードでも,サーバ・ソフトウェアによりテープを利用できるようになります。 プリント・キューおよびバッチ・キューも共用資源として設定することができます。 OpenVMS Cluster システムでプリント・キューおよびバッチ・キューを共用する場合,すべてのノードで使用されるキューが 1 つのキュー・データベースによって管理されます。 このキュー・データベースにより,どのノードからもキューを利用できます。 たとえば,ALBANY,BASEL,および CAIRO という 3 つのノードを持つクラスタ・システムで,各ノードが持つ資源が完全に共用されていれば,ALBANY というノードにログインしたユーザは,BASEL に物理的に存在するファイルを,CAIRO に物理的に接続されているプリンタに送信できます。 このとき,ユーザはこれらのファイルおよびプリンタが存在するノードを指定する必要はありません。 また,各資源の存在場所を知る必要もありません。 OpenVMS Cluster システムの計画OpenVMS Cluster ではさまざまな構成が可能です。 サポートされているデバイスと構成についての詳細は,『OpenVMS Cluster 構成ガイド』およびソフトウェア仕様書 (SPD) を参照してください。 ここでは,OpenVMS Cluster システムについて簡単に説明します。 OpenVMS Cluster 環境の設定方法と使用方法についての詳細は,『OpenVMS Cluster システム』を参照してください。 計画したシステム構成に基づいて必要なハードウェアをインストールし,各ハードウェアが適切に動作することが確認できたら,さまざまなシステム・ソフトウェア機能を使って OpenVMS Cluster システムを設定することができます。 クラスタを構築するための作業は次のとおりです。
これらの作業を行う順序は各作業環境のさまざまな要因,さらには同じ作業環境の各クラスタのさまざまな要因によって異なってきます。 システムがインストールされた後,システム管理者は,必要な機密保護を維持しながら最大の生産性と効率を得るために,ユーザおよび資源をどのように管理するかを検討する必要があります。 OpenVMS Cluster システムは,環境の条件に合うようにユーザと資源を配分できる柔軟性を備えています。 また,条件の変化に合わせて資源を容易に配分し直すことができます。 OpenVMS Cluster システムで利用できる資源の数が膨大であっても,それらを 1 つのシステムとして管理することができます。 クラスタを統合して管理するためのツールや製品が用意されています。 OpenVMS Cluster 管理用ツールオペレーティング・システムには次のシステム管理用ユーティリティが用意されています。
システム管理用アプリケーション次の製品を利用することができます。 ただし,これらの製品は OpenVMS オペレーティング・システムに付属していません。
上記のシステム管理ツールについての詳細は,それぞれの製品に関するドキュメントを参照してください。 Availability Manager は,リアルタイムの監視,診断,修正を行うツールであり,システム管理者が OpenVMS システムや OpenVMS Cluster の可用性を改善するのを支援します。 Availability Manager は,システム・プログラマやアナリストが,詳しい分析のために特定のノードやプロセスをターゲットにしたり,システム・オペレータやサービス技術者が,ハードウェアやソフトウェアの問題を解決するのに役立ちます。 Availability Manager は,複数のノードからシステム・データとプロセス・データを同時に収集して分析し,結果を Windows PC または DECwindows Motif ディスプレイに表示します。 Availability Manager は,収集したデータに基づいて,資源と拒否の問題を修正する措置を,リアルタイムで分析して検出し,提案します。 詳細は『HP OpenVMS Availability Manager User’s Guide』を参照してください。 SHOW CLUSTER ユーティリティは,OpenVMS Cluster 内のノードを監視します。 このユーティリティにより,クラスタの動作と性能に関する情報を表示することができます。 この節では,SHOW CLUSTER ユーティリティを取り上げ,次の作業方法を示します。
SHOW CLUSTER からの情報は,ターミナルの画面に表示したり,デバイスまたはファイルに送信したりできます。 SHOW CLUSTER の使用方法としては,会話形式で実行する方法,コマンド・プロシージャに記述する方法,または省略時の設定を定義する初期化ファイルに記述する方法があります。 このユーティリティは CMKRNL 特権でインストールされるので,SHOW CLUSTER は通常の特権で実行できます。 SHOW CLUSTER が収集する情報は,およそ 100 フィールドにも及びます。 そこで,レポートの書式をカスタマイズしたり,出力内容を特に必要なデータに限定するようにレポートを定義することができます。 SHOW CLUSTER のレポートは,クラスとフィールドによって構成されます。
省略時の SHOW CLUSTER レポートに,フィールドおよびクラスを追加することができます。 連続表示の途中でフィールドまたはクラスを追加すると,追加したフィールドまたはクラスのデータは自動的に表示内容に追加されます。 図 8-1 「省略時の SHOW CLUSTER レポート」 は,省略時の SHOW CLUSTER レポートの例です。 省略時のレポートには,SYSTEMS および MEMBERS の 2 つのクラスの情報が含まれます。 各クラス名の下には,各クラスの情報に対応するフィールドの欄が表示されます。 表 8-1 「省略時の SHOW CLUSTER レポートに含まれるフィールド」 では,図 8-1 「省略時の SHOW CLUSTER レポート」 の各フィールドについて簡単に説明します。 表 8-1 省略時の SHOW CLUSTER レポートに含まれるフィールド
SHOW CLUSTER レポートを使用していくうちに,レポートの中でどのフィールドやクラスが重要であるかが分かってきます。 そこで,スタートアップ初期化ファイルを作成して,省略時のレポート書式を定義することができます。 また,SHOW CLUSTER を会話形式で実行しながらコマンド・プロシージャを作成することができます。 このように,必要なデータを示すレポートを短い時間で定義することができます。 なお,スタートアップ初期化ファイルとコマンド・プロシージャについては,この章で後ほど説明します。 SHOW CLUSTER は多くのフィールドを出力するため,レポートはすぐに画面に表示しきれなくなります。 そこで,SHOW CLUSTER には次のような表示内容を制限する機能が備えられています。
これらの機能についての詳細は,『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。 SHOW CLUSTER ユーティリティを使用する場合は,SHOW CLUSTER コマンドを入力します。 修飾子を何も指定しないで実行すると,図 8-1 「省略時の SHOW CLUSTER レポート」 に示す省略時のレポートが表示された後,DCL プロンプトに戻ります。 一方,レポートを継続して表示しながら,途中で SHOW CLUSTER コマンドを入力して出力内容を変更することができます。 たとえば,表示中のレポートに特定のクラスやフィールドの情報を追加したり,レポートから削除することができます。 このような連続表示セッションを呼び出す場合は,SHOW CLUSTER コマンドに /CONTINUOUS 修飾子を指定して実行します。 なお,SHOW CLUSTER コマンドで使用する修飾子については,8.3.2.3 項 「SHOW CLUSTER での修飾子の使用」 で説明します。 作業方法省略時の SHOW CLUSTER レポートを連続モードで表示する場合は,次のコマンドを入力します。
SHOW CLUSTER は省略時のレポートを表示します。 通常,表示内容は 15 秒ごとに更新され,前回から変更された部分は反転して表示されます。 連続表示セッションを呼び出すと,省略時のレポートが表示された後で次のプロンプトが表示されます。
レポートの内容が多くて 1 つの画面に収まらないときは,Command> プロンプトが見えなくなります。 その場合は Return キーを押すとプロンプトが表示されます。 次の項では,SHOW CLUSTER ユーティリティに関する次の作業の方法を説明します。
PAN コマンドを使用すると,レポート全体をカラム単位で左右に移動したり,行単位で上下に移動して,表示されていない部分を見ることができます。
作業方法画面に表示されていない部分を表示させるためには,次のいずれかの方法を用います。
矢印キーの再設定省略時の設定では,SHOW CLUSTER の矢印キーは EDIT 機能に設定されます。 したがって,コマンド・プロンプトでは,DCL の行モード編集に似たコマンド行編集を行うことができます。 たとえば,左矢印キーを押すとカーソルは左に移動し,上矢印キーを押すと直前に実行したコマンドが呼び出されます。 DCL の行モード編集については,『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』を参照してください。 SET FUNCTION コマンドを使用する場合は,ファンクション・キーを再設定してください。 その後で矢印キーが再定義され,DCL の行モード編集が利用できなくなります。 矢印キーを再設定するには,次のコマンドを実行します。
連続表示セッションを終了するためには,次のいずれかの方法を用います。
SHOW CLUSTER のコマンドで利用できる修飾子を表 8-2 「SHOW CLUSTER で利用できる修飾子」 に示します。 詳細は『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル (下巻) 』を参照してください。 表 8-2 SHOW CLUSTER で利用できる修飾子
例連続表示モードでは,表示内容が 15 秒間隔で更新されるようにあらかじめ設定されています。 この間隔は /INTERVAL 修飾子を使って変更することができます。
このコマンドの実行により,レポートが 5 秒ごとに更新され,変更された内容は反転して表示されるようになります。 SHOW CLUSTER によって表示されるレポートには,入手可能な情報の一部しか表示されません。 図 8-1 「省略時の SHOW CLUSTER レポート」 に示したように,省略時の設定で表示されるクラスは MEMBERS および SYSTEMS です。 表 8-3 「SHOW CLUSTER レポートで入手可能なクラス情報」 では,SHOW CLUSTER レポートに表示できるすべてのクラスを簡単に説明します。 これらのクラスについての詳細は,『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル (下巻) 』を参照してください。 表 8-3 SHOW CLUSTER レポートで入手可能なクラス情報
例SHOW CLUSTER レポートに CLUSTER クラスを追加する場合は,次のコマンドを入力します。
結果として,画面に表示される内容は 図 8-2 「CLUSTER が表示されている SHOW CLUSTER レポート」 に示すように変化します。 CLUSTER クラスは,省略時の SHOW CLUSTER レポートの下に表示されます。 CLUSTER クラスのフィールドの説明については,『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』の SHOW CLUSTER の節を参照してください。 SHOW CLUSTER コマンドにより,レポートからのフィールドまたはクラスの削除,画面からのブロードキャスト・メッセージの削除,任意のタイミングでの画面表示のリフレッシュができます。 次の項では,これらの操作手順を説明します。 SHOW CLUSTER の連続表示セッション中は,さまざまなコマンドを入力して,表示されているデータを変更することができます。 『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル (下巻) 』では,SHOW CLUSTER のコマンドについて詳しく説明しています。 キーボードから入力を始めると,すぐに表示内容の更新が停止します。 コマンドを入力して Return キーを押すと,表示内容の更新が再開され,別のコマンドを入力するまで続けられます。 省略時の設定では,更新は 15 秒間隔で行われます。 その 15 秒間に新しいコマンドを入力しないとコマンド・プロンプトは消え,その場所に 2 行分のデータが表示されます。 SHOW CLUSTER の連続セッション中にシステムからのブロードキャスト・メッセージを受信すると,受信したメッセージが画面の最下部に表示されます。 メッセージが複数行にまたがる場合には,必要な数の行が使用されます。 作業方法最新のブロードキャスト・メッセージは,確認が行われるまで画面上に残ります。 確認は次のいずれかの方法で行います。
複数のブロードキャスト・メッセージを受信している場合,2 番目のメッセージは次の更新が行われるまで画面に表示されません。 また,画面の最下部には,SHOW CLUSTER からのエラー・メッセージも表示されます。 SHOW CLUSTER からのエラー・メッセージについては,『OpenVMS System Messages: Companion Guide for Help Message Users』を参照してください。 通常,連続表示は,省略時の間隔または指定された間隔で更新またはリフレッシュされます。 SHOW CLUSTER は,ソフトウェア・データベースを検索し,各フィールドのデータを抽出して保存し,新しいデータまたは変更されたデータがあれば表示し,時刻を更新します。 HP ターミナルまたは HP 互換ターミナルでは,変更されたデータが反転表示されます。 作業方法次のいずれかの方法を使用すると,いつでも画面をリフレッシュすることができます。
SHOW CLUSTER ではフィールドおよびクラスを追加できるため,作成したレポートがターミナルの画面に表示しきれなくなることがあります。 そのような場合には,必要に応じてレポートの書式を変更することができます。
レポートが画面に収まるように,フィールドまたはクラスを削除して,レポートの幅を小さくすることができます。 また,省略時の設定で表示されるフィールドやクラスの中にはそれほど重要でないものもあります。 特定の種類のデータを削除して,レポートを短くすることもできます。 作業方法複数のフィールドまたはクラス全体を削除するには,REMOVE コマンドを使用します。 1 つのフィールドまたは 1 つのクラスを削除する場合には,REMOVE コマンドに適切な修飾子を指定して使用します。 この形式で使用するクラス名および修飾子については『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル (下巻) 』のSHOW CLUSTER の節を参照してください。 例
レポートが画面に収まるようにするため,レポートの特定のフィールドの幅を小さくすることができます。 たとえば,考えられるすべての値が入るようにその幅が設定されているフィールドでも,実際にはそれほどのスペースが必要ない場合があります。 そのようなときは,SET (フィールド) コマンドを使用して,そのフィールドの幅を調整することができます。 また,SHOW CLUSTER では,ターミナルの画面のサイズを調整することができます。 ターミナルが HP 互換で幅の広いレポートをサポートしている場合,SET SCREEN コマンドに適切な値を指定することにより,画面の幅を最大 511 カラムまで増やすことができます。 例
SET (フィールド) コマンドおよび SET SCREEN コマンドについての詳細は,『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル (下巻) 』を参照してください。 省略時の設定では,SHOW CLUSTER ユーティリティは AUTO_POSITIONING ON で動作します。 すなわち,画面のスペースをできるだけ有効に利用するように,SHOW CLUSTER によってレポートの位置が自動的に調整されます。 しかし,MOVE コマンドを使用すると,レポートの位置を手動で調整することができます。 MOVE コマンドを使用すると,AUTO_POSITIONING は暗黙に OFF に設定されます。 画面に複数のレポートを表示させる場合は,まず位置を変更するレポートを選択します。 SELECT ウィンドウ名コマンドに位置を変更するレポートの名前を指定します。 たとえば,次のようにします。
別の方法として,Select ファンクション・キーあるいはキーパッド上のピリオド・キーを繰り返し押すことによって,レポートを順番に表示させることもできます。 選択されたレポートは強調表示されます。 作業方法レポートを移動する場合は,次のいずれかの操作を行います。
例
この例の各コマンドの意味は次のとおりです。
詳細は,『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル (下巻) 』の SELECT,SET FUNCTION,および DESELECT の各コマンドの説明を参照してください。 作業が終了したら,次のコマンドを入力して矢印キーの設定を元に戻しておきます。
SCROLL コマンドを使用すると,カラム・ヘッダを表示したままレポートをスクロールさせることができます。 このコマンドにより,レポートをフィールド単位で水平方向に移動したり,行単位で垂直方向に移動することができます。 垂直方向にスクロールする場合,カラム・ヘッダは固定されたままになります。 画面に複数のレポートが表示されている場合は,最初に SELECT コマンドを入力してスクロール対象のレポートを選択する必要があります。 選択されたレポートは強調表示されます。 作業方法レポートをスクロールするためには,次のいずれかの方法を使用します。
例
この例では,まず SCS レポートを選択して強調表示し,次に矢印キーをスクロール機能に設定します。 詳細は,『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル (下巻) 』の SET FUNCTION コマンドおよび SCROLL コマンドの説明を参照してください。 作業が終了したら,次のコマンドを入力して矢印キーの設定を元に戻しておきます。
スタートアップ初期化ファイルを作成して,SHOW CLUSTER の表示内容をカスタマイズすることができます。 SHOW CLUSTER を起動すると,最初にこのファイルが実行されます。 SHOW CLUSTER ユーティリティは元の省略時の表示内容から,このファイルの指定に従ってクラスおよびフィールドを追加または削除します。 この結果の表示形式が,ユーザの表示形式になります。 スタートアップ初期化ファイルの書式は次のとおりです。
このスタートアップ・プロシージャ (スタートアップ初期化ファイル) を使用すると,SHOW CLUSTER は省略時の表示内容から MEMBERS の情報を削除ます。 さらに,CIRCUITS クラスの RP_REVISION フィールドと RP_TYPE フィールド,および SYSTEMS クラスの SYS_ID フィールドを追加します。 このプロシージャの最後の行により,画面の幅が 132 カラムに設定されます。 作業方法
SAVE コマンドによって作成されたファイルにコメントを加えて読みやすくすることができます。 詳細は,『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル (下巻) 』の SAVE コマンドの説明を参照してください。 SHOW CLUSTER ユーティリティを使用しないで,コマンド・プロシージャを作成するのと同じ方法で,初期化ファイルを作成することができます。 その手順を次の項で説明します。 SHOW CLUSTER のコマンドを含むコマンド・プロシージャを作成することができます。 そのようなファイルを使用すれば,会話形式でコマンドを入力しないで表示特性を変更することができます。 SHOW CLUSTER ユーティリティの連続表示セッション中にこのコマンド・プロシージャを使用して,たとえば出力をカスタマイズするための一連のコマンドを実行することができます。 次に,SHOW CLUSTER のコマンドを含むコマンド・プロシージャを作成するためのガイドラインを示します。
次に,レポートの表示項目をカスタマイズするコマンド・プロシージャの例を示します。
このコマンド・プロシージャは,レポートから SOFTWARE フィールドと STATUS フィールドとを削除し,クラスタのクォーラムおよびボートに関する情報を示すフィールドを追加します。 SHOW CLUSTER の連続表示セッション中にコマンド・プロシージャを実行する場合は,プロシージャ実行コマンド(@) とともにプロシージャのファイル名を指定します。 コマンド・プロシージャの省略時のファイル・タイプは .COM です。 例SYSMOD.COM という名前のコマンド・プロシージャを実行します。
この例ではファイル・タイプが省略されているため,ファイル・タイプ .COM が使用されます。 コマンド・プロシージャの作成についての詳細は,『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル (下巻) 』の SAVE コマンドの説明を参照してください。 SYSMAN では,次の 2 種類の方法で OpenVMS Cluster 管理をサポートしています。
SYSMAN のコマンドを使用するためには,適切な特権が必要になります。 各コマンドについての詳細は,『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル (下巻) 』を参照してください。 システム管理ユーティリティ (SYSMAN) の CONFIGURATION コマンドにより,OpenVMS Cluster システムの機密保護データを管理することができます。 表 8-4 「CONFIGURATION コマンド」 に CONFIGURATION 関連のコマンドとそれらの機能をまとめます。 表 8-4 CONFIGURATION コマンド
グループ番号は,クラスタ内のノードのグループを識別し,対応するイーサネット・アドレスは,メッセージをクラスタ内の全ノードに送信するために使用されます。 OpenVMS Cluster パスワードにより,クラスタ・メンバシップの統一性が保護されます。 CONFIGURATION SET CLUSTER_AUTHORIZATION コマンドを使うと,SYS$SYSTEM:CLUSTER_AUTHORIZE.DATに記録されているグループ番号とパスワードが変更されます。 通常,CLUSTER_AUTHORIZE.DAT ファイル内のレコードを変更する必要はありません。 複数のシステム・ディスクがシステム構成に含まれている場合,SET ENVIRONMENT/CLUSTER コマンドによって環境がクラスタとして定義されていれば,SYSMAN は CLUSTER_AUTHORIZE.DAT の各コピーを自動的に更新します。
機密保護上の理由から,クラスタのパスワードを表示することはできませんが,CONFIGURATION SHOW CLUSTER_AUTHORIZATION コマンドを使用すると,グループ番号およびグループ・マルチキャスト・アドレスを表示することができます。 例
SYSMAN の DO コマンドを使用すると,現在の環境のすべてのノード上で,DCL コマンドおよびコマンド・プロシージャを実行することができます。 このコマンドは,OpenVMS Cluster 内のノード上でシステム管理作業をルーチン化して行う場合に便利です。 たとえば,次の作業が挙げられます。
各 DO コマンドは独立したプロセスとして実行されるため,DO コマンド相互間でプロセス・コンテキストが保持されることはありません。 このため,DCL コマンドは必ず 1 つのコマンド文字列で表現します。 また,入力データを必要とするプログラムを実行することはできません。 クラスタ環境において,SYSMAN はクラスタ内のすべてのノード上でコマンドを順次実行します。 あるノード上で 1 つのコマンドの動作が完了するまで,SYSMAN は同じコマンドを次のノードに送信しません。 コマンドを実行できないノードがあると,そのノードからエラー・メッセージが返されます。 コマンドを送信した先のノードから特定の時間内に応答がないと,SYSMAN はエラー・メッセージを表示します。 OpenVMS VAX と OpenVMS Alpha の両方を実行しているデュアル・アーキテクチャの異質 OpenVMS Cluster では,DO コマンドを使用する場合に特別な処置が必要な場合があります。 たとえば,それぞれのアーキテクチャにおいて異なる名前を持つイメージをインストールする場合は,VAX ノードおよび Alpha ノードまたは I64 ノード用に論理名テーブルを作成すれば,DO コマンドを使用することができます。 下記の例を参照してください。 DCL コマンドの中には MOUNT/CLUSTER や SET QUORUM/CLUSTER のように,クラスタ全体で動作するように設計されたものもあります。 同様に,クラスタ単位の論理名や論理テーブルへの操作はクラスタ全体に操作されるように設計されています。 環境がクラスタに設定されている場合には,このようなコマンドは SYSMAN の DO コマンドとともに使用しないようにしてください。 SPAWN コマンドを使って SYSMAN を一時的に終了させ,DCL でこれらのコマンドを使用する,またはクラスタ内部で環境を単一ノードに定義するという方法もあります。 例
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