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HP OpenVMS: システム管理者マニュアル (下巻)第12章 LAT ソフトウェアの管理 |
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目次 この章では,LAT ソフトウェアの機能と,システム上に LAT ソフトウェアをインプリメントして,管理するために必要な作業について説明します。 この章の内容この章では次の作業について説明します。
さらに,次の項目について説明します。
オペレーティング・システムは,ローカル・エリア・ネットワーク (LAN) 内でターミナル・サーバおよび他のシステムと通信を行うときに LAT (ローカル・エリア・トランスポート)ソフトウェアを使用します。 ターミナル・サーバは,ターミナル,モデム,またはプリンタの LAN への接続を専門に行う通信デバイスです。 ターミナル・サーバには次の特長があります。
LAT プロトコルをインプリメントする LAT ソフトウェアにより,オペレーティング・システムはターミナル・サーバがアクセスすることができる資源,すなわちサービスを提供することができます。 LAT サービスを提供するシステムをサービス・ノードと呼びます。 また,ノードは,LATCP を使って外部への接続を開始し,DCL の SET HOST/LAT コマンドを使用することによって LAT サービスにアクセスすることができます。 この章の以降の説明では,「サーバ」という用語は,専用のターミナル・サーバと他の LAT サービスへの外部アクセスを可能にするノードの両方の意味で使用しています。 LAT サービスは,コンピュータ・システムのすべての資源で構成することも,アプリケーション・プログラムのような特定の資源だけで構成することもできます。 システムを汎用タイムシェアリング・サービスとして設定することにより,システムのすべての資源を LAN 上の各ユーザから使用可能にしたり,システム上の特定のサービス (アプリケーション・プログラム) へのアクセスを制限したりできます。 この章および『OpenVMS I/O User's Reference Manual』では,専用のアプリケーション・プログラムへのアクセスを設定するための手順の概要を説明します。 LAT プロトコルは,ターミナル・サーバおよびコンピュータがイーサネットまたは FDDI (Fiber Distributed Data Interconnect) などを利用した LAN 上で相互に通信を行うことを可能にします。 LAT プロトコルは,ターミナルなどのデバイスと LAN のシステム資源 (サービス) とを照合します。 LAT ターミナルはアクセスしようとするコンピュータ (サービス・ノード) に直接接続されていないため,ターミナルから出されるサービス要求を受け付け,要求を出したターミナルと要求されたサービスを提供するコンピュータとを照合する機能がローカル・サーバに必要となります。 LAT プロトコルを使用することにより,オペレーティング・システムは提供可能なサービスを LAN 上に通知します。 サーバは,LAN の通知をリッスンして,サービス情報のデータベースを構築します。 このデータベースにより,サーバはユーザ・ターミナルからシステム・サービスを要求されたときに,そのサービスを提供するシステムを特定することができます。 たとえば,あるユーザ・ターミナルからオペレーティング・システム上の汎用処理サービスまたはデータ・エントリ・プログラムを要求された場合,サーバは LAT プロトコルを使用して要求側のターミナルとオペレーティング・システムとの間の接続を確立して,保持します。 オペレーティング・システムは,ターミナル・サーバに対してサービスを要求できる場合があります。 LAT プロトコルを使用すると,システムは,ターミナル・サーバに直接接続されているプリンタなどのデバイスへの接続を要求することができます。 ターミナル・サーバおよびオペレーティング・システムが LAT プロトコルを使用しているローカル・エリア・ネットワークのことをLAT ネットワークと呼びます。 LAT ネットワークは,同じ LAN 上で他のプロトコルと共存することができます。 LAT プロトコルはターミナル・サーバおよびオペレーティング・システムの両方で動作し,LAN 上でデータが安全に送信される設計になっています。 LAT ネットワークのコンポーネントは次のとおりです。
サービス・ノードはローカル・ネットワークのためにシステム資源を提供します。 一方,ターミナル・サーバ・ノード (または外部への接続が可能なノード) は,ユーザ・ターミナルまたはアプリケーション・プログラムから要求があると,ターミナル,モデム,またはプリンタをシステム資源に移植します。 LAT ネットワークでは,サービスにアクセスするノードをマスタ・ノードと呼ぶことがよくあるので注意してください。 この呼び方によって,このノードをサービスを提供するだけのノードと区別できます。 LAT 制御プログラム (LATCP) を使用して,システムに合わせて LAT 特性を構成することができます。 LATCP を使用すると,システムのサポートする内容を次のように設定することができます。
外部から内部への LAT 接続をサポートするシステムは,サービス・ノードです。 LATCP を使用して,外部からのアクセスと外部へのアクセスをともにサポートしないようにシステムを設定することもできます。 サービス・ノードは,LAT ネットワークを構成するノードの種類の 1 つです。 LAT ネットワーク上では,OpenVMS オペレーティング・システムが稼働していないノードも OpenVMS ノードとともに使用することができます。 サービス・ノードは,ユーザおよびデバイスに資源を提供する LAN 上の個々のコンピュータです。 OpenVMS オペレーティング・システムには LAT プロトコルが含まれているため,どの OpenVMS システムでも LAT ネットワーク上でサービス・ノードとして構成することができます。 各ノードはその資源をサービスとして提供します。 多くの場合,各ノードからは汎用処理サービスを提供しますが,制限されたサービスや特殊なアプリケーション・サービスを提供することもできます。 また,1 つのノードから提供するサービスの一部あるいはすべてを特殊なアプリケーションにすることが可能です。 たとえば,サービス・ノードから提供できるサービスには次のものがあります。
汎用処理サービスでは,汎用のシステム環境を使用することができます。 一方,データ・エントリや株式相場のサービスの場合はその環境が制限され,サービス・ノードのアプリケーション・サービスへの接続は行われますが,他の部分への接続は行われません。 各サービスはシステム管理者によって割り当てられた名前によって区別されます。 OpenVMS Cluster では,サービス名はクラスタ名と同じにしてください。 独立したノードでは,サービス名はそのノード名と同じにしてください。 特殊なサービス・アプリケーションを使用するサービスには,そのアプリケーションの名前を付けるようにします。 サービス・ノードはそのサービスの内容を一定の間隔で LAN 上に通知します。 ターミナル・サーバ (および外部への接続が可能な OpenVMS システム) は,それによって各ネットワーク・サービスが利用可能かどうかを知ることができます。 通知される内容は,物理ノード名,サービス名,サービスの内容説明,そのサービスの現在の利用量です。 サーバは LAN への通知をリッスンして,情報をデータベースに記録します。 外部への接続が可能なノードでは,このデータベースは LAT 補助制御プロセス (LATACP) によって保守されます。 LATACP データベースの管理についての詳細は,12.7 項 「LATACP データベースのサイズの管理」 を参照してください。 ユーザ・ターミナルまたはアプリケーション・プログラムからサービスの要求を受け取るたびに,サーバ・ノードは適切なサービス・ノードに接続を行います。 LATCPコマンドSET NODEに/NOANNOUNCEMENTS修飾子を指定して使用することにより,マルチキャスト・サービスからローカル・ノードを無効にすることができます。 ただし,遠隔ノードは,ローカル・ノードに接続するためには,LATプロトコル・バージョン5.2 (またはそれ以上) の LAT サービス応答機能に依存しなければならないため,新しいモデルのターミナル・サーバおよびホストがあるネットワーク環境 (LAT ホスト,ターミナル・サーバ,および PC がすべて,LAT プロトコルのバージョン 5.2 以上を実行している) でのみ,この修飾子を使用してください。 この環境以外で使用した場合,バージョン 5.2 より前の LAT プロトコルを実行しているシステム (DECserver 100,200,500 システムなど) は,LAT サービス通知を無効にしているシステムとは接続できません。 サービス・ノードがターミナル・サーバにサービスを要求できる場合がいくつかあります。 最も一般的なケースは,システムがターミナル・サーバのポートに接続されているプリンタを使用する場合です。 システムはプリント要求をターミナル・サーバのプリント・キューに登録します (このプリント・キューは OpenVMS のスタートアップ・プロシージャの中で設定されて,初期化されます)。 キューに要求が登録されると,LAT シンビオント (大容量記憶デバイスとの間でデータを転送するプロセス) により,LAT ポート・ドライバに対して遠隔プリンタへの接続の確立と終了が要求されます。 LAT ポートに接続されているプリンタのキューを設定する方法については,『OpenVMS システム管理者マニュアル (上巻)』を参照してください。 ターミナル・サーバ・ノードは,LAT ネットワークを構成するノードのもう 1 つの種類です。 通常,ターミナル・サーバ・ノードはそれがサポートするターミナルおよびプリンタの近くに存在します。 ターミナルおよびプリンタは,ケーブルによってターミナル・サーバに物理的に接続され,LAN ケーブルには直接接続されません。 LAN ケーブルはターミナル・サーバに物理的に接続されます。 ターミナル・サーバはネットワーク上の各ノードからの通知に基づいてサービスのディレクトリを作成し,それを管理します。 ターミナル・サーバはターミナル・ユーザから要求を受け取ると,サービス・データベースを検索し,要求されたサービスを提供するコンピュータの位置を特定します。 ターミナル・サーバは要求されたサービスを提供するノードを探すだけでなく,そのノードのサービスの利用量を調べることがあります。 要求されたサービスが複数のノードから提供されている場合,サービスの利用量が最も少ないノードを選択し,そのノードと要求側のユーザ・ターミナルとの間に論理接続を確立します。 1 つの論理接続により,1 つのターミナル・サーバ・ノードからサービス・ノードに向けられたすべてのデータが運ばれます。 つまり,サーバは同じノードと通信を行っているすべてのターミナルからのデータを 1 つの接続上に結合します。 ターミナル・サーバは,論理接続がまだ存在しない場合にだけサービス・ノードとの論理接続を確立します。 何らかの理由で接続に失敗すると,ターミナル・サーバは同じサービスを提供している別のノードを探し,そのノードとの接続を確立することによって,ユーザがコンピューティング・セッションを続行できるようにします。 ターミナルからの接続は 1 つにまとめられても,個々のターミナルはそのターミナル名によって区別されます。 ターミナル名は 2 つの部分から構成されます。 最初の部分はターミナル回線が接続されているターミナル・サーバ上のポートの名前を示し,2 番目の部分はターミナル・サーバ・ノードの名前を示します。 ノードは,外部からの接続だけ,外部への接続だけ,またはその両方が可能になるように設定することができます。 ターミナル・サーバなどのノード (外部からの接続だけが可能なノードは除く) は,サービス・ノードの位置を特定して,接続を設定することができます。 利用可能なノードとサービスに関する情報格納したデータベースは,LAT 補助制御プロセス (LATACP) によって保守されます。 LATACP データベースの管理についての詳細は,12.7 項 「LATACP データベースのサイズの管理」 を参照してください。 外部への LAT 接続が可能になるように設定されたノード上では,ユーザは SET HOST/LAT コマンドを入力することによって LAT ネットワーク上の他のノードに接続することができます。 詳細は,『OpenVMS DCL ディクショナリ』の SET HOST/LAT コマンドの定義を参照してください。 図 12-1 「LAT ネットワークの構成例」 は,LAT ネットワークのコンポーネントを示しています。 ネットワークは,サービス・ノード,ターミナル・サーバ・ノード,およびそれらを接続するイーサネット・ケーブルから構成されます。 図 12-1 「LAT ネットワークの構成例」 にある NOE,LARRY,ALEXIS は,ネットワーク上のターミナル・サーバ・ノードにそれぞれのサービスを提供するノードです。 サービス・ノードのうちの NOE と LARRY は,コンピュータ・インターコネクト (CI) とスター・カプラによってクラスタ OFFICE を形成しています。 クラスタ化されているこの 2 つのノードのサービス名はクラスタ名と同じになっています。 この 2 つのサービス・ノードはともに OFFICE サービスを提供するため,ターミナル・サーバ・ノードは両方の OFFICE ノード上の作業負荷を調べ,利用量が少ない方のサービスを提供するノードに対して接続を確立します。 もう 1 つのサービス・ノード ALEXIS は LAT ネットワーク上の独立ノードのため,サービス名はノード名と同じになっています。 ノード NOE は一次的な OFFICE サービスに加えて NEWS と呼ばれるアプリケーション・サービスを提供します。 この特殊化されたサービスを利用すれば,ユーザ・ターミナルはそのサービス・ノードにログインしたり,そのノードの汎用コンピュータ資源に通常のアクセスをしなくても,オンライン・ニュース・サービスに直接接続を行うことができます。 図 12-1 「LAT ネットワークの構成例」 のノード FINANCE はターミナル・サーバ・ノードです。 このノードは多数の会話型ターミナル,モデム,およびプリンタをサポートします。 ノード PROCESSING は,外部への接続が可能なノードです。 このノードはいくつかの会話型ターミナルをサポートします。 ノード FINANCE は 3 つのサービス・ノードのいずれからもプリント要求を受け付けることができます。 ただし,各サービス・ノードでターミナル・サーバ上の遠隔プリンタをサポートするようにプリント・キューが設定されていることが必要です。 ノード PROCESSING はサービス・ノードとしても機能し,サービス COMPUTE を提供します。 LAT システムを構成する際には,システムが効率的に機能するように構成するために,LATソフトウェアとネットワークの関係を十分に理解しておく必要があります。 以降の各項では,次のことを理解する上で役立つ情報を提供します。
LAT プロトコルは OpenVMS Cluster ソフトウェアとは独立して機能しますが,サービス・ノードは OpenVMS Cluster の概念を補うように構成します。 そのために,OpenVMS Cluster 内の各ノード上にサービスを用意し,そのサービスにクラスタ名を割り当てます。 ターミナル・サーバはクラスタ・サービスの可用性を調べて,利用量が最も少ないノードに対して接続を確立します。 このように,LAT プロトコルはクラスタの負荷を分散する役割を果たします。 クラスタ内のノードの 1 つに障害が発生した場合,ターミナル・サーバは障害があった接続をクラスタ内の別のサービス・ノードに転送することができます。 LAT ソフトウェアはメッセージ伝送ファシリティとして DECnet を使用せず,代わりに独自の仮想サーキット層を使用して伝送メカニズムをインプリメントします。 LAT と DECnet ソフトウェアは共通の LAN 環境でそれぞれから独立して機能します。 サービス・ノードを DECnet ノードとしても使用する場合は,互換性のためにサービス・ノード名は DECnet ノード名と同じにしてください。 イーサネット・ポートが DECnet と LAT の両方を実行している場合には,LAT ソフトウェアを起動する 前に DECnet ソフトウェアを起動しなければなりません。 最初に DECnet ソフトウェアを起動しなければ,存在するすべての LAN 接続が終了し,LAT を介したシステムへの再接続が不可能になることがあります。 DECnet がシステム上に構成されている場合 (あるいはシステムがクラスタに組み込まれている場合),SCSSYSTEMID システム・パラメータはゼロ以外の値を含むことがあります。 同じ論理 LAN に接続された LAN コントローラがシステムに複数台ある場合を除いて,通常これは問題になりません。 たとえば,システムに FDDI コントローラとイーサネット・コントローラがある場合には,FDDI コントローラに接続された FDDI リングとイーサネット・コントローラに接続されたイーサネット・セグメントが,10/100 LAN ブリッジ (FDDI からイーサネット) でブリッジされるように構成することができます。 このような構成では,SCSSYSTEMID が 0 でない場合,同じコントローラ上で LAT とDECnet とを実行 しなければなりません。 同じコントローラ上で実行しなければ,DECnet が最初に起動するため,他のコントローラで起動する LAN が異常終了します。 これは,LAT が起動時に AA-00-04-00-xx-xx アドレス (DECnet LAN アドレス) を使用しようとしても,DECnet がすでに別のコントローラでこのアドレスを使用しているため,データ・リンク層が,そのアドレスを使用した LAT の起動を妨げるためです (単一の論理 LAN においては,すべてのデータ・リンク・アドレスは固有のものでなければなりません。 両方のコントローラが同じアドレスの使用を試みるため,固有ではなくなります)。 次のコマンドで LAT リンクを作成しても,LAN ドライバが SCSSYSTEMID に基づいたアドレスを使用しようとするため,失敗します。
SCSSYSTEMID を 0 に設定すると,異なるコントローラ上で LAT と DECnet を構成することが可能になります。 ただし,クラスタ環境では SCSSYSTEMID を 0 に設定することはできません。 1 つの LAT ノードに複数の LAN アドレスを使用すれば,同じ論理LANに接続された複数のLANアダプタを持つシステムを構成できます。 LAT ソフトウェアは各アダプタで同時に実行でき,接続も良好に維持されます。 たとえば,仮想サーキットで 1 次パスを選び,すべての LAT メッセージ転送に使用した場合には,もとのパスが遮断されても,LAT ソフトウェアは,別のアダプタまたは論理パスを介して通信を継続できます。
複数の LAN アダプタで LAT を実行することはできますが,1 つの論理 LAN から別の論理 LAN に LAT を経路指定することはできません。 次に示すのは,LAT プロトコル・バージョン 5.3 を実行しているノード (バージョン 5.2 および 5.1 を実行しているノードも含む) のためのサポートされている LAT 構成の例です。 この広く使用されている構成では,LAT バージョン 5.3 ソフトウェアを実行している OpenVMS システムが,同じ物理 LAN に接続されている 2 つのイーサネット・アダプタ (図のラベル A および B) を介して DECserver 200 に接続されています。 DECserver 200 と OpenVMS システムの間で LAT 接続が開始されると,LAT ソフトウェアは,A と B の両方のアダプタが LAT 仮想サーキットに使用できると判断します。 一方のアダプタは 1 次通信パスとして選択され,もう一方は 1 次通信パスに障害が起こった場合に備えておきます。 たとえば,ユーザが DECserver 200 から OpenVMS システムに接続すると,OpenVMS システムは,パスが 2 つあるが,そのうちアダプタ B を 1 次通信パスとして使用することを決定します。 ユーザが,OpenVMS システムから大量の出力を生成するプログラムを実行しているとき,出力中にアダプタ B が何らかの理由で障害を起こした場合には,LAT ソフトウェアは,アダプタ A を介して,OpenVMS システムから DECserver への通信を続行しようとします。 図 12-3 「複数アドレスのLAT構成: 2つのLANにバージョンが混在するLATノードが ある場合」に,ブリッジされた2つのLANを示します。 ただし,この構成は,図 12-2 「複数アドレスのLAT構成: 1つのLANにバージョンが混在するLATノードが ある場合」に示した構成と同じ特徴を示しています。
図 12-4 「複数アドレスのLAT構成: 2つのLANにバージョン5.3のLATノードがある場合」の構成の例では,2 つの OpenVMS システム間で作成された仮想サーキットには,2 つのパスがあります。 コントローラ B と C,および A と D を介するパスです。 1 つのパスで障害が起こった場合,仮想サーキットはもう一方のパスを介して続行されます。 両方のパスに障害が起こった場合には,仮想サーキットは結果として時間切れになります。 バージョン 5.3 の LAT ソフトウェアを実行する OpenVMS システムを使用するために,ネットワークを構成する場合には,図 12-5 「サポートされない複数アドレスのLAT構成」に示すような構成は避けてください。 この図に示したような構成は,予期しない結果となり機能しなくなります。 ネットワーク環境では,LATのバージョン5.1および5.2のノードは,1つの論理LANアドレスだけしか持つことができません。 図 12-5 「サポートされない複数アドレスのLAT構成」の構成はこの規約に違反します。 図 12-4 「複数アドレスのLAT構成: 2つのLANにバージョン5.3のLATノードがある場合」に示す構成は有効です。 LATソフトウェアはすべてのパスを同じコストがかかる,2地点間通信とみなします。 LATソフトウェアは最高で8個のLANアダプタを同時にサポートできます (さらに,すべてのコントローラを同じ論理LANに接続することもできます)。 パス障害に備えて,最大数のアダプタを用意するためには,各論理リンクを作成してから,LATノード状態をSYS$MANAGER:LAT$SYSTARTUP.COMでONに設定してください。 たとえば,システムに2つのFDDIアダプタ(FCA0とFCB0)を持つイーサネット・アダプタ(デバイスESA0)が1つあり,システム管理者がすべてのアダプタを介してLATを実行することを選択した場合,LAT$SYSTARTUP.COMファイルには,次のコマンドが含まれます。
LATプロトコルの開始後,論理LATデータリンクを作成することができます。 既存の仮想サーキットは,新しく作成された論理リンクが使用できるようになると,これを使用して,新しいパスを探そうとします。 ただし,この時点ではリンクを作成しないでください。 この間,LATプロトコルは既存の仮想サーキットを使用し,この新しく作成されたデータリンクを介して,新しいパスを見つけようとするため,新しいパスが見つかる前に仮想サーキットに障害が起こる可能性があります。 OpenVMS LATソフトウェアはディレクトリ・サービスと送信請求を組み合わせて使用して,各仮想サーキットのパスを取得します。 仮想サーキットの開始時にパスの発見を早めるには,LATサービスおよびノード・データベースを保守するために複数のLANアダプタを持つシステムを,次のように構成してください。
外部への接続を無効にして,サービスおよびノード・データベースなしで実行されているOpenVMSシステムは,各仮想サーキットに複数のパスがあっても実行できます。 これらのパスは,LAT送信請求プロセスで発見されますが,長い時間がかかるでしょう (すべてのパスが発見される前に,仮想サーキットで障害が起こる可能性があります)。 万一,パスに障害が起こった場合は,OpenVMS LATソフトウェアが別の有効なパスを見つけるのに時間がかかります (時間は遠隔ノードがアクセスしているアダプタの数によって異なります)。 したがって,有効になる可能性のあるLATマスタ・ノード上の次のLATパラメータを変更してください。
複数のアダプタを介すことにより,LATバージョン5.1またはLATバージョン5.2のマスタ・ノードに仮想サーキットの実行を続けさせることはできますが,これらのノードへの接続が失敗することもあります。 LAT バージョン5.2およびLATバージョン5.1のマスタ・ノードは,サービスを提供するLATノードへの複数のパスを識別することができません。 これらのマスタ・ノードは,一度に1つの遠隔アドレスを介してだけ,そのようなノードと通信できます。 したがって,LATバージョン5.1またはバージョン5.2を実行しているLATマスタ・ノードが,サービスを提供しているLATバージョン5.3の遠隔ノードに接続しようとした時にLAN パスに障害が起こった場合には,LATバージョン5.3のノードは時間内にこの障害を見つけ出すことができず,LATマスタ・ノードは時間切れで接続を切断する可能性があります。 再伝送制限をできるだけ高く設定することによって,この障害を部分的には解決することができます。 また,1次パスに障害が起きたとき,サービスを提供しているLATバージョン5.3のノードが,仮想サーキットが完全にアイドル状態であると判断した場合には,代替パスのいずれかを使用しようとする試みは行われません (前述の LAT バージョン5.2および5.1の制約を参照)。 したがって,複数の LAN アダプタが古い LAT のインプリメンテーションで動作していても,OpenVMSオペレーティング・システムのバージョン7.0以降にアップグレードして,LATバージョン5.3プロトコルを取得する必要があります。 これにより,このタイプの問題が解決されます。 このタイプの問題は,アイドル状態にある接続だけに影響します。 このような状況の例としては,昼休みや終業時刻にすべてのユーザが同時にシステムを離れた場合などがあります。 OpenVMS LATソフトウェアは,FDDIコントローラを介した仮想サーキットで,大容量のバッファを使用しようとします。 この機能は,代わりの仮想サーキット・パスがイーサネットを介さなければならない場合に,障害を起こすことがあります。 図 12-6 「LAT FDDIリングおよび大容量のバッファ」に,障害を起こす構成の例を示します。 この図では,コントローラBおよびCにより作成されるパスを介することにより,大きなパケットを使用して,2つのOpenVMSシステムが通信することも可能です。 大きなパッケットとは,1500バイトを超えるデータのことです (イーサネット・メッセージは最大1500バイトのデータを含むことができます)。 コントローラBおよびCにより作成されるパスに障害が起こった場合には,AおよびDによって作成されるパスを介して通信を続行することはできません。 コントローラAおよびDにより作成されるパスは,イーサネット LANセグメントを通過します。 10/100ブリッジを介して経路指定されるメッセージは,イーサネット・メッセージの最大サイズより大きくすることはできません。 OpenVMS LATソフトウェアはこのタイプの構成を常に検出できるとは限らないため,障害が起こる可能性があります。 前述の構成の問題を回避するには,次の2つの方法があります。 最も簡単な方法は,イーサネット・アダプタを使用して,論理LATリンクを作成する方法です (いずれかのシステムにイーサネットLANアダプタがある場合)。 この方法では,メッセージ・サイズ折衝により,イーサネット・メッセージの最大サイズを超えることはありません。 どちらのシステムにもイーサネット・コントローラがない (したがって,最初の方法が使用できない) 場合は,新しいLATCPコマンド修飾子/[NO]LARGE_BUFFERを使用して,大容量のバッファ・サポートの使用を無効にします。 たとえば,次のように入力します。
SET NODE/NOLARGE_BUFFERコマンドは,すべての論理LATリンクを作成した後,LATノードを起動する前に使用するようにします。 たとえば,次に示すLAT$SYSTARTUP.COMのコマンドの順序に注意してください。
LATCP (LAT 制御プログラム) ユーティリティは,OpenVMS システム上の LAT ソフトウェアの構成と制御を行うためのユーティリティ・プログラムです。 LATCP のコマンドにより,LAT プロトコルをインプリメントする LAT ドライバの停止と起動,および OpenVMS ノードの LAT 特性の変更や表示を行います。 LATCP ユーティリティにより,システムをサービス・ノードとして設定し,1 つ以上の資源 (サービス) をローカル・エリア・ネットワーク(LAN)上の他のシステムのユーザから利用可能にすることができます。 さらに,LAN 上の他のシステムのサービスをローカル・システムのユーザが利用できるように設定することも可能です。 この場合,システムはターミナル・サーバのように動作して,他のノード上のサービスへの接続を行う複数のユーザ・セッションを同時に管理します。 LATCP を使用すると,システムを外部からのアクセスだけをサポートするように設定することができます。 また,外部へのアクセスだけを可能にしたり,両方向のアクセスを可能にすることもできます。 さらに,両方向のアクセスともサポートしないようにシステムを設定することもできます。 外部へのアクセスをサポートするように設定されていると,LAT ソフトウェアは LAT サービスとノードのデータベースを管理します。 このソフトウェアは,ノード上で外部へのアクセスを可能にするとデータベースを構築します。 さらに,LAT のサービスの通知 (LAT サービス・ノードから送信されるマルチキャスト・メッセージ) の収集を開始し,これらのサービス通知に基づいてデータベースを構築します。 このデータベース内に登録されているサービスおよびノードを表示したり,データベースのサイズを設定したりするときにも LATCP ユーティリティを使用します。 スタンドアロン・システムのようにオーバヘッドの増加をある程度許容できるシステムでは,外部へのアクセスを可能にしてください。
LAT プロトコルを使用すると,LAN 上の LAT ターミナル・サーバまたはサービス・ノードに接続されたプリンタおよび他の非同期デバイスに各ユーザがアクセスすることができるように,ローカル・ノード上で LAT アプリケーション・ポートを設定することができます。 その場合,リモート・デバイスは適切に構成する必要があります。
LATCP> プロンプトが表示されている状態で,LATCP の各コマンドを入力することができます。 LATCP を終了するためには,このプロンプトに対して EXIT と入力するか,Ctrl/Z を押します。 また,次の例のように DCL 文字列代入文を使用して,単一の LATCP コマンドを実行することもできます。
LATCP は SET NODE コマンドを実行したのち,DCL に制御を返します。 表 12-1 「LATCP コマンド」 は,LATCP の各コマンドについてまとめています。 表 12-1 LATCP コマンド
LATCP の各コマンドと指定可能な修飾子についての詳細は,『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。 システム管理者として,LAT プロトコルをスタートアップし,ローカル・ノードをサービス・ノードとして構成します。 そのためには,コマンド・プロシージャ SYS$STARTUP:LAT$STARTUP を実行します。 このプロシージャは,次の 2 つのプロシージャを実行します。 作業方法システムのブート時に必ず LAT プロトコルが起動されるようにするためには,以下に示すように,汎用のサイト別スタートアップ・コマンド・プロシージャにこのプロシージャを実行するコマンドを追加します。 このコマンド・プロシージャについての詳細は『OpenVMS システム管理者マニュアル (上巻)』を参照してください。 そこでは,オペレーティング・システムでこのコマンド・プロシージャを特定するためのファイル指定などを示しています。 システムがブートするたびにローカル・ノードを LAT サービス・ノードとして設定し,システム上で LAT プロトコル・ソフトウェアを起動するには,汎用のサイト別スタートアップ・コマンド・プロシージャに次の行を追加します。
汎用のサイト別スタートアップ・コマンド・プロシージャがこのコマンドを実行すると,LAT$STARTUP.COM が呼び出されます。 LAT$STARTUP.COM は,コマンド・プロシージャの LAT$CONFIG および LAT$SYSTARTUP を呼び出します。 LAT$STARTUP を呼び出すコマンド行に次の引数を指定して,ローカル・ノード独自の LAT 特性を指定することができます。 プロシージャはこれらの引数を LAT$SYSTARTUP.COM に渡して,指定された LAT 特性を定義します。
P1 から P5 にパラメータを渡すよりも,できるだけ LAT$SYSTARTUP.COM を直接変更するようにしてください。 P1 から P5 を使用する場合は,次の表を参照して各パラメータの意味を理解してください。
LAT ネットワークに関する以下のいずれかの作業を行う場合は,LAT$SYSTARTUP.COM を変更する必要があります。 変更内容については,12.6 項 「LAT 特性のカスタマイズ」 を参照してください。
LATCP コマンドとその修飾子に関する全情報については,『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。 例次のコマンドは,クラスタ OFFICE に属するサービス・ノード NOE 上にサービス OFFICE を定義します (図 12-1 「LAT ネットワークの構成例」 を参照)。
ローカル・ノードの特殊な LAT 特性を定義する場合は,サイト別コマンド・プロシージャ SYS$MANAGER:LAT$SYSTARTUP.COM を編集します。 このコマンド・プロシージャには,LAT 特性を定義するための LATCP のコマンドが含まれています。 LAT$SYSTARTUP.COM は,コマンド・プロシージャ LAT$STARTUP を実行すると呼び出されます。 12.5 項 「LAT プロトコルのスタートアップ」 で説明したように,通常は LAT$STARTUP.COM を汎用のサイト別スタートアップ・コマンド・プロシージャから実行します。 ローカル・ノードを会話型ターミナルからの接続だけをサポートする LAT サービス・ノードとして設定する場合には,LAT$SYSTARTUP.COM を変更する必要はありません。 12.5 項 「LAT プロトコルのスタートアップ」で説明したように,コマンド・プロシージャ SYS$STARTUP:LAT$STARTUP を呼び出すときにパラメータを指定することにより,サービス名および他の特性を割り当てることができます。 ただし,LAT$SYSTARTUP.COM を編集すると,ローカル・ノードの LAT 特性をカスタマイズするための LATCP のコマンドを追加することができます。 カスタマイズ可能な項目は次のとおりです。
LAT$SYSTARTUP.COM には LATCP ユーティリティのコマンドを追加するだけにしてください。 また,コマンドの順序は,テンプレート・ファイル SYS$MANAGER:LAT$SYSTARTUP.TEMPLATE 内の順序に従ってください。 12.6.5 項 「LAT$SYSTARTUP.COM プロシージャの変更例」 に,LAT$SYSTARTUP プロシージャの変更例を示します。 『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル(上巻)』には,LAT$SYSTARTUP.COM に含むことができるすべての LATCP コマンドの全情報が示されています。 弊社が提供する LAT$SYSTARTUP.COM プロシージャは,1 つのサービスを定義します。 このプロシージャで定義するサービスは,ユーザが汎用のシステム環境にアクセスするために使用する1次サービス,あるいはデータ・エントリ・プログラムやオンライン・ニュース・サービスのような特殊なアプリケーション・サービスのどちらにすることもできます。 Alpha システムの場合,12.6.2.3 項 「制限されたサービスの設定」 で説明するように,決まった数の LTA デバイスに制限されたサービスを定義することもできます。 LAT$SYSTARTUP.COM プロシージャが定義するサービスの名前はローカル・ノードの名前と同じになります。 ただし,12.5 項 「LAT プロトコルのスタートアップ」 で説明したように,@SYS$STARTUP:LAT$STARTUP.COM コマンドの引数として一意のサービス名を指定すれば,その名前が割り当てられます。 作業方法LAT$SYSTARTUP.COM によって定義するサービスのほかにもサービスを定義する場合は,CREATE SERVICE コマンドを使用します。 このコマンドは,LAT$SYSTARTUP.COM に追加することができます。 アプリケーション・サービスを定義する場合,そのサービスにはできるだけアプリケーション・プログラムの名前を割り当てるようにしてください。 LATCP ユーティリティの CREATE SERVICE コマンドについての詳細は,『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。 例次の例は,ローカル・ノード上にアプリケーション・サービス NEWS を定義します。
弊社が提供する LAT$SYSTARTUP.COM ファイルには,サービス・ノード上に論理ポートを作成したり,それらのポートをターミナル・サーバ・ノード上の物理ポートやサービスに対応づけたりするためのサンプル・コマンドが含まれています。 これらのポートは,アプリケーション・サービスおよび遠隔プリンタに使用できます。 作業方法ポートを作成する場合は,LAT$SYSTARTUP.COM ファイルのサンプル・コマンドの前にある感嘆符(!) を削除します。 あるいは,必要に応じてサンプル・コマンドと同様の CREATE PORT コマンドおよび SET PORT コマンドをファイルに追加します。 LATCP ユーティリティのコマンド CREATE PORT および SET PORT については,『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル(上巻)』を参照してください。
LCP CREATE PORT LTA5001:/APPLICATION などのコマンドを使用してアプリケーション・ポートを作成しようとしているとき,次のようなエラーが発生する場合があります
このエラーは,作成しようとしている LAT アプリケーション・ポートが他のアプリケーションによってすでに作成されていることを示します。 このポートは,LATCP 自身が作成したものである場合もあります。 LATCP のポート LATCP$MGMT_PORT は,LTDRIVER と通信を行うときに使用されます。 このエラーが発生しないようにするためには,アプリケーション・ポートまたは専用ポートを作成するどのコマンドを実行するよりも前に,SET NODE/STATE=ON コマンドを実行します。 LATCP の SET NODE/DEVICE_SEED コマンドを使用する方法もあります。 SET NODE/DEVICE_SEED コマンドについての詳細は,『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル(上巻)』を参照してください。 プリンタ用のポートを設定する場合は,以下の作業も同時に行う必要があります。
これらの作業については,『OpenVMS システム管理者マニュアル (上巻)』で説明しています。 特殊アプリケーション・サービスを確立するためには,LAT ポートを定義するときに /DEDICATED 修飾子を指定します。 サービスの接続先のアプリケーション・プログラムで,同じ専用ポートを定義する必要があります。 たとえば,次のコマンドは NEWS というアプリケーション・サービスのためのポートを設定します。
アプリケーション・サービスを LAT ネットワーク上のユーザ・ターミナルから利用可能にするためには,アプリケーション・プログラムを起動する必要があります。 通常は,アプリケーション起動のためのコマンドを SYLOGIN.COM に追加します。 専用ポートを持ったアプリケーション・サービスを使用すると,システムが提供するプロセスの制御下にある LTA デバイス (LAT ターミナルなど) を,あらかじめ決まった数だけ作成できます。 ただし,このような環境では,専用 LTA デバイスがシステム・ログイン・イメージ (LOGINOUT.EXE) を実行する方法がないので,ユーザはサービスにログインできません。 制限されたサービスを作成して,このサービスに関連する,あらかじめ決まった数の LTA デバイスにユーザがログインできるようにすることが可能です。 LTA デバイスがすべて使用中の場合,LAT ソフトウェアはこのサービスへの追加接続要求を拒否して,“service in use” というエラー・メッセージを表示します。 このようにして制限されたサービスを作成すると,システム上の LAT ユーザの数を制限できます。 ただし,ユーザが制限されたサービスに接続する際の LTA デバイスの割り当て方は制御できません。 次の例は,2 つの LTA デバイスを持つ制限されたサービスを設定します。
ユーザが RESTRICTED という名前の制限されたサービスに接続を試みると,LAT ソフトウェアは LTA100 または LTA101 の内,最初に使用できる方を選択して,接続を完了します。 これでユーザはシステムにログインできます。 別のユーザがサービスに接続しようとすると,もう一方の LTA デバイスに割り当てられます。 このユーザは 2 番目のシステムにログインできます。 RESTRICTED という名前の制限されたサービスに関連するこの 2 つのデバイスが両方とも使用中であれば,この制限されたサービスへのこれ以降の接続要求は拒否されて,エラー・メッセージ “service in use” が表示されます。 ユーザがシステム (LTA100 または LTA101) からログアウトしても,LTA デバイスは削除されません。 制限されたサービスへの次の接続要求を受け付けられるように再設定されます。 省略時の設定では,制限されたサービスまたはアプリケーション・サービスへの外部からの接続要求はキューに登録されます。 つまり,ユーザが (順方向キュー登録が可能なターミナル・サーバ・ポートを使用するか,または DCL コマンド SET HOST/LAT/QUEUE を入力して) 制限されたサービスまたはアプリケーション・サービスへの接続を要求すると,サービスでポートが使用できない場合には,LAT ソフトウェアはこの接続要求を拒否するのではなくキューに登録します。 作業方法外部からの接続要求をキューに登録するサービスは,次のような設定および管理を行うことができます。
キュー登録要求のサポートに使用する LATCP コマンドおよび修飾子の詳細は『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル(上巻)』を参照してください。 例次は,システム上でのキュー登録の許可方法を示す例です。
各ノードの省略時の設定では,外部への LAT 接続は不可能になっています。 各ユーザがSET HOST/LAT コマンドによりローカル・ノードから LAT 接続を確立することを許可する場合は,外部への接続が可能になるように LAT$SYSTARTUP.COM を変更します。 SET HOST/LAT コマンドを使って外部への LAT 接続を行う方法についての詳細は,『OpenVMS DCL ディクショナリ』にあるこのコマンドの説明を参照してください。 外部への接続を可能にするコマンドは,弊社が提供する LAT$SYSTARTUP.COM ファイルに含まれています。 実行したいコマンドがあれば,その前に付いている感嘆符(!) を削除します。 あるいは,必要に応じて同様のコマンドをこのファイルに追加します。 詳細は,『OpenVMS システム管理 ユーティリティ・リファレンス・マニュアル(上巻)』の中の LATCP ユーティリティのパートにある,SET NODE コマンドの修飾子 /CONNECTIONS および /USER_GROUPS の説明を参照してください。 SET HOST/LAT の性能を最適化し,ポートの性能を向上させるためには,システム・パラメータTTY_ALTYPAHD の値を 1,500 に設定してリブートします。 ローカル・ノードを外部からの接続だけが可能なサービス・ノードとして設定する場合は,LAT$SYSTARTUP.COM を変更する必要はありません。 ただし,次の場合は LAT$SYSTARTUP.COM を変更します。
次に示すのは,LAT$SYSTARTUP.COM プロシージャを変更した例です。 この変更により,サービスの定義,ポートの作成と設定,外部からおよび外部への両方向の接続の許可が行われます。
OpenVMS ノード上では,LAT ソフトウェアの別のコンポーネントである LAT 補助制御プロセス (LATACP) によって,利用可能なノードとサービスのデータベースが保守されます。 このデータベースには,遠隔 LAT ノードからマルチキャストされたノードとサービス,あるいは,ローカル・システムで定義したローカル・ノードと 1 つ以上のローカル・サービスが登録されます。 このデータベースのサイズの上限は,システム・パラメータ CTLPAGES の値に依存します。 LATCP コマンドの入力後,次のような応答メッセージを受け取ることがあります。
このメッセージは,データベースのサイズが CTLPAGES で指定されている上限に達したことを示します。 次にいずれかの方法でこの状態を修正することができます。
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