7.3.4 複数の独立したスイッチを備えた複数のホスト | 
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図 7-7 は, 2 つのスイッチに接続されている複数のホストです。このスイッチはそれぞれデュアル・ポート・ストレージ・コントローラのペアに接続されています。
図 7-7 複数の独立したスイッチを備えた複数のホスト
2 つのスイッチ構成には,これまでに説明した構成の利点の他に,以下の利点があります。
-  2 つのスイッチによって,より高いレベルの可用性が提供されます。単一点障害 (Single point of failure( 単一機器の障害がシステム全体の障害になる )) はありません。
 - ホスト・バス・アダプタの追加によってパフォーマンスが向上します。
 -  各ホストには,ストレージ・サブシステムへの複数の独立パスがあります。 2 つのスイッチは互いに接続されないため,パスは完全に独立することが保証されます。
 
7.3.5 デュアル・ファブリックを備えた複数のホスト | 
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図 7-8 は, 2 つのファブリックに接続されている複数のホストです。各ファブリックは 2 つのスイッチで構成されています。
図 7-8 デュアル・ファブリックを備えた複数のホスト
デュアル・ファブリック構成には,これまでに説明した構成の利点の他に,以下の利点があります。
-  各ファブリックにポートを使用して,追加のホストやストレージ・サブシステムを接続することができます。
 -  各ホストには,スイッチごとに 1 つずつ,4 つのホスト・バス・アダプタがあります。各ファブリックごとに 1 つずつ 2 つのアダプタだけが必須です。冗長アダプタにより,可用性とパフォーマンスを高めることができます。
 
7.3.6 より大規模なファブリックを備えた複数のホスト | 
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 ここに示す構成は,よりレベルの高いパフォーマンスと可用性を実現します。
図 7-9 は, 2 つのファブリックに接続されている複数のホストです。各ファブリックには,4 つのスイッチがあります。
図 7-9 より大規模なデュアル・ファブリックを備えた複数のホスト
図 7-10 は, 4 つのファブリックに接続されている複数のホストを示しています。各ファブリックには 4 つのスイッチがあります。
図 7-10 4 つのファブリックを備えた複数のホスト
ディスクおよびテープ・ストレージ用の Fibre Channel デバイスには,出荷時にワールドワイド ID (WWID) が割り当てられます。これらの WWID は,システムによる自動 FC アドレス割り当てに使用します。 FC WWID とアドレスは,システム管理者が FC 構成でデバイスを識別し検索するときにも利用されます。 FC WWID とアドレスは,たとえば Alpha コンソールや HSG コンソールまたは HSV コンソールによって表示されます。そのため,システム管理者はこれらの識別子の意味と OpenVMS デバイス名との関連を理解しておく必要があります。
7.4.1 Fibre Channel アドレスと WWID | 
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一般に,Fibre Channel デバイスは,一時アドレスを持つ構成にします。デバイスのアドレスは,インターコネクトが初期化されるたびに自動的に割り当てられます。デバイスは Fibre Channel が再構成され,再初期化されるたびに新しいアドレスを受け取ります。これは,Fibre Channel デバイスにアドレスジャンパを使用せずに済ませるためです。 図 7-11 に示すように,ポート当たり 1 つずつ Fibre Channel アドレスが割り当てられます。
図 7-11 Fibre Channel ホスト・アドレスとポート・アドレス
永続的な識別子を設定するため,各デバイスの各ポートには WWID が割り当てられます。これは出荷時に設定されます。各 Fibre Channel WWID は一意です。 Fibre Channel にはノード WWID も割り当てられ,マルチポート・デバイスを識別します。 WWID は,自動アドレス変更をシステムが検出し,回復するときに使用します。システム管理者にとっては,物理デバイスの識別と検索に必要なアドレスです。
図 7-12 は,出荷時に割り当てられた WWID とその Fibre Channel アドレスを備えた Fibre Channel 構成要素です。
図 7-12 Fibre Channel ホストとポートの WWID とアドレス
この図の以下の点に着目してください。
-  ホスト・アダプタのポート名とノード名はそれぞれ 64 ビットの出荷時に割り当てられた WWID です。
 -  ホスト・アダプタのアドレスは,自動的に割り当てられた 24 ビットの一時アドレスです。
 -  各 HSG ストレージ・ポートまたは HSV ストレージ・ポートには,出荷時に割り当てられた 64 ビットの WWID と,自動的に割り当てられた 24 ビットの一時アドレスがあります。
 -  HSG コントローラ・ペアまたは HSV コントローラ・ペアは,出荷時に割り当てられた 64 ビットの WWID によるノード名を共用します。
 
Fibre Channel ホスト・バス・アダプタの FC ノード名と FC ポート名は, SHOW DEVICE/FULL コマンドを使用して表示できます。たとえば,次のように表示されます。
論理ユニット番号(LUN) は,ストレージ・サブシステム内の特定のデバイスのアドレスとしてシステムが使用します。この番号は HSG コンソールまたは HSV コンソールでシステム管理者が設定し,表示します。OpenVMS SDA ユーティリティで表示することもできます。
各 Fibre Channel ディスク・デバイスには,デバイスの一意の名前を永続的に表す WWID も与えられます。 HSG デバイスまたは HSV デバイス WWID は 128 ビットです。この識別子の半分は,論理ストレージ・デバイスを作成した HSG または HSV の WWID であり,残り半分は特定の論理デバイスです。デバイス WWID は,SHOW DEVICE/FULL コマンド, HSG コンソールまたは HSV コンソールと AlphaServer コンソールが表示します。
$ SHOW DEVICE/FULL $1$DGA567: 
 
Disk $1$DGA567: (WILD8), device type HSG80, is online, mounted, file-oriented 
    device, shareable, device has multiple I/O paths, served to cluster via MSCP 
    Server, error logging is enabled. 
 
    Error count                   14    Operations completed            6896599 
    Owner process                 ""    Owner UIC                      [SYSTEM] 
    Owner process ID        00000000    Dev Prot            S:RWPL,O:RWPL,G:R,W 
    Reference count                9    Default buffer size                 512 
    WWID   01000010:6000-1FE1-0000-0D00-0009-8090-0630-0008 
    Total blocks            17769177    Sectors per track                   169 
    Total cylinders             5258    Tracks per cylinder                  20 
    Host name                "WILD8"    Host type, avail Compaq AlphaServer GS160 6/731, yes 
    Alternate host name     "H2OFRD"    Alt. type, avail AlphaServer 1200 5/533 4MB, yes 
    Allocation class               1 
 
    Volume label      "S5SH_V72_SSS"    Relative volume number                0 
    Cluster size                  18    Transaction count                     9 
    Free blocks             12811860    Maximum files allowed            467609 
    Extend quantity                5    Mount count                           6 
    Mount status              System    Cache name          "_$1$DGA8:XQPCACHE" 
    Extent cache size             64    Maximum blocks in extent cache  1281186 
    File ID cache size            64    Blocks currently in extent cache1260738 
    Quota cache size               0    Maximum buffers in FCP cache       1594 
    Volume owner UIC           [1,1]    Vol Prot    S:RWCD,O:RWCD,G:RWCD,W:RWCD 
 
  Volume Status:  ODS-2, subject to mount verification, file high-water marking, 
      write-back XQP caching enabled, write-through XFC caching enabled. 
  Volume is also mounted on H2OFRD, FIBRE3, NORLMN, BOOLA, FLAM10. 
 
  I/O paths to device              5 
  Path PGA0.5000-1FE1-0000-0D02  (WILD8), primary path. 
    Error count                    0    Operations completed              14498 
  Path PGA0.5000-1FE1-0000-0D03  (WILD8), current path. 
    Error count                   14    Operations completed            6532610 
  Path PGA0.5000-1FE1-0000-0D01  (WILD8). 
    Error count                    0    Operations completed              14481 
  Path PGA0.5000-1FE1-0000-0D04  (WILD8). 
    Error count                    0    Operations completed              14481 
  Path MSCP (H2OFRD). 
    Error count                    0    Operations completed             320530 
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