日本-日本語 |
|
|
|
OpenVMS マニュアル |
|
HP OpenVMS
|
目次 | 索引 |
7.9.1 共有 FC ディスクでブートするためのクラスタ・ノードの追加構成 (Integrity のみ) |
OpenVMS Cluster システムで共有 FC ディスクでブートするための追加ノードを構成するためには, OpenVMS I64 Boot Manager (BOOT_OPTIONS.COM) を実行する必要があります。
シングル・システムあるいはスタンドアロン・システムでクラスタ機能を有効に設定した後,次の手順で,共有 FC ディスクでブートする Integrity ノードを追加することができます。
注意 OpenVMS I64 Boot Manager (BOOT_OPTIONS.COM) ユーティリティは共有 FC ディスクのマウントを必要とします。クラスタに共有 FC ディスクがマウントされていない場合は,このユーティリティが /NOWRITE オプションでマウントしようとします。共有 FC ディスクがすでにクラスタにマウントされている場合は,ユーザの介入が必要です。このユーティリティについての詳細は,『OpenVMS システム管理者マニュアル (上巻)』を参照してください。 |
ホストで OpenVMS を実行中に FC インターコネクトは再構成できます。具体的には,次の機能があります。
ほとんどの FC 再構成は,OpenVMS で自動的に認識できません。 FC 再構成を安全に実行し,その初期データ構造を新しい状態に合わせて OpenVMS で確実に調整するには,次のように操作します。
SYSMAN> IO SCSI_PATH_VERIFY SYSMAN> IO AUTOCONFIGURE |
SCSI_PATH_VERIFY コマンドの目的は,システムの IO データベース内の各 FC パスを調べて,関連付けられているデバイスが変更されていないか確認することです。デバイスの変更が見つかると,FC パスの接続は IO データベースで解除されます。これで,IO AUTOCONFIGURE コマンドにより,パスは新しいデバイスに合わせて再構成できます。
注意 現在のリリースでは, SCSI_PATH_VERIFY コマンドは FC ディスク装置にのみ使用できます。 HSG コマンド・コンソール LUN (CCL) などの汎用 FC デバイスには使用できません。 ( 汎用 FC デバイスとは, $1$GGAnnnnn のような名前を持つデバイスです。したがって,OpenVMS により,HSG の CCL を特定のデバイス識別子で構成したら,そのデバイス識別子は変更しないでください。 |
7.9.3 HSG ホスト接続テーブルと構成されないデバイス |
Fibre Channel ホスト・バス・アダプタが (Fibre Channel スイッチ経由で) HSG コントローラに接続された場合,その HSG コントローラは HSG 接続テーブルにエントリを作成します。各ホスト・バス・アダプタ,およびそのアダプタが接続される各 HSG ポートに対しては個々の接続が存在します (詳細は,HSG CLI コマンドの SHOW CONNECTIONS を参照)。
HSG 接続が存在する場合,『HSG Array Controller ACS Configuration and CLI Reference Guide』に説明されているコマンドを使用してパラメータを修正することができます。接続は変更可能であるため,ホスト・バス・アダプタの接続を外した際に HSG はテーブルから接続情報を削除しません。その代りに,ユーザが接続を行った時に CLI コマンドで明示的に接続を削除する必要があります。
HSG コントローラは,限定された数の接続をサポートします。 ACS V8.5 は最大 64 の接続が可能で, ACS V8.4 は最大 32 の接続が可能です。接続制限は,シングル冗長コントローラ,デュアル冗長コントローラのどちらでも同じです。接続数が最大数に達すると,それ以上新しい接続は行われません。この状況が発生すると,OpenVMS は,その HSG 上でディスク・デバイス,あるいはディスク・デバイスへのパスを構成しません。
この問題に対する解決策は,必要のない古い接続を削除することです。ただし,Fibre Channel ファブリックが大きく,アクティブな接続の数が HSG の限界を超えている場合は,接続数を減らすためにファブリックを再構成するか,あるいは FC スイッチ・ゾーニングを使用していくつかのアダプタをいくつかの HSG ポートから隠す必要があります。
7.10 I/O パフォーマンス向上のための割り込みコアレス機能 (Alpha のみ)
OpenVMS Alpha バージョン 7.3-1 から, KGPSA ホスト・アダプタで割り込みコアレス機能がサポートされるようになりました。このサポートはデフォルトでオフになっています。割り込みコアレス機能を使用すると,ホストから確認できる割り込み数をアダプタで削減できるため, I/O 作業負荷量の多い環境でパフォーマンスを向上させることができます。この機能は KGPSA ファームウェアに実装されています。
割り込みコアレス機能の現在の設定を参照および変更するには, Fibre Channel Control Program (FC$CP) を使用します。 FC$CP を使用するには CMKRNL 特権が必要です。
FC$CP で応答回数と遅延時間 ( ミリ秒単位 ) を指定すると,アダプタでは,指定した応答回数になるまで,または指定した時間が経過するまで ( 先に指定した値になった方 ),割り込みを遅らせます。
割り込みコアレス機能によって,同期 I/O を実行しているアプリケーションのパフォーマンスが低下する場合があります。特定の KGPSA で他の I/O が処理されていない場合は,割り込みコアレス機能を有効にすると,単一の書き込みに対し,平均して 900 マイクロ秒遅延します ( 指定した応答間隔によっては,さらに長くなる場合があります )。
割り込みコアレス機能は KGPSA ごとに設定します。割り込みコアレス機能を有効にするには,特定の KGPSA で 1 秒につき 2000 以上の I/O が処理されている必要があります。
このコマンドの形式は次のとおりです。
RUN SYS$ETC:FC$CP FGx enable-value [delay][response-count] |
この形式では,次のように定義されます。
1=割り込みコアレス機能
2=応答コアレス機能
3=割り込みコアレス機能と応答コアレス機能
OpenVMS では,FC$CP コマンドを次のように設定することをお勧めします。
$ RUN SYS$ETC:FC$CP FGx 2 1 8 |
Fast Path のサポートは OpenVMS Alpha Version 7.3 で Fibre Channel に対して導入されており,デフォルトで有効になっています。シンメトリック・マルチプロセッサ・システム (SMP) で使用するように設計されています。 Fast Path が有効な場合,I/O 完了処理はプライマリ CPU だけでなく SMP システムのすべてのプロセッサで発生することが可能になります。 Fast Path は,SMP システムにおける潜在的な I/O スループットを実質的に向上させ,プライマリ CPU が飽和状態になるのを防ぎます。
Fast Path はまた,さらなる最適化,リソースの事前割り当て,メインライン・コードに対する最適化されたコード・パスを提供する次のような機能もサポートします。
Fast Path システム・サービスを使用して, Fast Path をプログラムで管理することができます。また,DCL コマンドを使用して Fast Path を管理することも,システム・パラメータ FAST_PATH および FAST_PATH_PORTS を使用して管理することもできます。 Fast Path の使用方法の詳細は,『HP OpenVMS I/O User's Reference Guide』を参照してください。
FIBRE_SCAN.EXE ユーティリティは,システムの Fibre Channel に接続されたすべてのストレージ・デバイス (構成済みデバイスおよび未構成デバイスの両方) についての情報を表示します。表示される情報は, Fibre Channel ターゲット値および LUN 値,ベンダー ID および製品 ID,デバイス・タイプ,ポート WWID およびデバイス WWID,シリアル番号,ファームウェア・リビジョン・レベル,ポート・ログイン状態などのデータです。プログラムは主にディスクとテープ・デバイスについて表示し,コントローラやその他の汎用 ($n$GGAn) デバイスについても情報を表示します。
FIBRE_SCAN は次の 2 つのモードで起動できます。
7.11 Fast Path の使用
7.12 FIBRE_SCAN ユーティリティによるデバイス情報の表示
$ MCR SYS$ETC:FIBRE_SCAN ! Scans all ports on the Fibre Channel. $ MCR SYS$ETC:FIBRE_SCAN PGx ! Scans only port x on the Fibre Channel. |
FIBRE_SCAN は CMKRNL および LOG_IO 特権を必要とします。
FIBRE_SCAN の出力をファイルに落すには, FIBRE_SCAN を実行する前に次のようなコマンドを実行してください。
$ DEFINE/USER SYS$OUTPUT xxx.log |
FIBRE_SCAN は表示専用のユーティリティで,デバイス・ドライバのローディング機能や Fibre Channel 上のデバイスの構成機能はありません。デバイスの構成には SYSMAN IO AUTOCONFIGURE コマンドを使用してください。
OpenVMS Version 8.2-1 で System Dump Analyzer (SDA) コマンド FC PERFORMANCE のサポートが追加されています。 FC PERFORMANCE は, DGA デバイスの I/O 性能特性を表示するのに使用されます。
FC PERFORMANCE は,OpenVMS Alpha Version 8.2 および OpenVMS Integrity Version 8.2 でも利用できます。さらに,OpenVMS Alpha Version 7.3-2 用の FIBRE_SCSI_V400 Fibre Channel パッチキットでも提供されています。これらのサポートされるバージョンの Fibre Channel ドライバは,構成されているディスク毎に性能データを保持します。
この SDA コマンドは,指定した DGA デバイスあるいはシステムに構成されているすべての DGA デバイスの I/O 性能特性を表示することができます。デバイス名の指定を省略すると,データがゼロでないすべての DGA ディスクの I/O 性能特性が表示されます。そのデバイスが現在マウントされているかどうかは関係ありません。 FC PERFORMANCE 配列は, LUN ごとの I/O 遅延,I/O サイズ,I/O 方向 (read/write) のカウント数を保持します。
I/O 遅延は,要求をホスト FC アダプタに送信してから中断が完了するまでの時間が計測されます。最新のディスク・ドライブでは,平均して 5-10 ms 程度の遅延が発生します。ディスク・コントローラ (HSG/EVA/MSA/XP) およびディスク・ドライブに置かれたキャッシュは,時折より低いアクセス時間を示す場合があります。
デフォルトでは,FC PERFORMANCE コマンドは /SYSTIME 修飾子を使用して遅延を計測します。 /SYSTIME 修飾子は,ミリ秒単位で更新される EXE$GQ_SYSTIME を使用します。 1 ms 以内に I/O が完了した場合は,時間ゼロで完了したように表示されます。 /SYSTIME を使用した場合, 1 ms 以内に完了した I/O 操作は <2us のカラムに表示されます。ここで us はミリ秒を意味します。
より正確な値が必要な場合は,/RSCC 修飾子を指定して System Cycle Counter タイマを使用することができます。このタイマについてを含め,コマンド修飾子については 表 7-2 を参照してください。
修飾子 | 説明 |
---|---|
[ device-name] | 性能特性を表示するデバイス。 DGA デバイス名を 1 つだけ指定できます。デバイス名の指定を省略すると,データがゼロのものを除き,システムに構成されている各 DGA デバイスの性能データが表示されます。現在マウントされていない DGA デバイスの性能データも表示されます。 |
[/RSCC|/SYSTIME] | 2 つの時間修飾子が使用できます。 /RSCC 修飾子は PAL コール Read System Cycle Counter を使用し, CPU サイクル・カウンタを取得します。この修飾子を使用するとより正確度の高い値が取得できますが, 1 つの I/O 操作ごとに 2 つの PAL コールを使用ことになります。 1 ms 未満の粒度が必要な場合はこの修飾子を使用します。 /SYSTIME 修飾子は,ミリ秒単位で更新される OpenVMS システム時間を使用します。デフォルトは /SYSTIME です。 |
[/COMPRESS] | ゼロだけのカラムを画面に表示しません。 |
[/CSV] | 値をコンマで区切った CSV 形式でファイルに出力します。 CSV は Microsoft® Excel で読み込んだりグラフ表示することができます。 |
[/CLEAR] | 性能配列をクリアします。この修飾子は,システム I/O 性能のテストを行う場合に便利です。新たにテストを開始する前に性能を計測しているデバイスの性能配列をクリアし,テストが完了した後にそのテスト結果を取り出すことができます。 |
以下に示すのは,SDA コマンド FC PERFORMANCE に /COMPRESS 修飾子を指定して取得した $1$DGA4321 デバイスの read および write 出力の例です。
この出力例の LBC (ヘッダの最初のカラム) は,論理ブロック数を示しています。 LBC カラムの各列の値は 2 の累乗になっています。個々の列には,LBC の次の列に至るまでのすべてのカウント数が含まれています。たとえば LBC 8 の列には, LBC 8 から LCB 15 までのすべての I/O のカウント数が含まれています。 256 よりも大きな LBC の I/O はこのマトリックには表示されませんが,マトリックの上に表示される "total blocks" の値には含まれています。
各カラムのカウント数は,カラムヘッダに示されている時間までに完了した I/O の数を示しています。たとえば <2ms カラムは, 1 ms よりも長く 2 ms よりも短い時間で完了した I/O を示しています。同様に,<4ms カラムの I/O は,2 ms よりも長く 4 ms よりも短い時間で完了した I/O を示しています。 <2us カラムには例外があり,/SYSTIME 修飾子を指定した場合は, 1 ミリ秒より短時間で完了したすべての I/O は <2us に含まれます。
<2us,<2ms,<4ms などのカラムヘッダが表示されていますが, /COMPRESS 修飾子が指定されている場合,カラムヘッダに対応する値が全くなければそのカラムは表示されません。デフォルトの /SYSTIME 修飾子の代わりに /RSCC 修飾子が指定されている場合, <4us,<8us,<16us および <256us に対して追加のヘッダが表示されます。
SDA> FC PERFORMANCE $1$DGA4321/COMPRESS Fibre Channel Disk Performance Data ---------------------------------- $1$dga4321 (write) Using EXE$GQ_SYSTIME to calculate the I/O time accumulated write time = 2907297312us writes = 266709 total blocks = 1432966 I/O rate is less than 1 mb/sec LBC <2us <2ms <4ms <8ms <16ms <32ms <64ms <128ms <256ms <512ms <1s === ===== ==== ==== ==== ===== ===== ===== ==== ===== ===== ==== 1 46106 20630 12396 13605 13856 15334 14675 8101 777 8 - 145488 2 52 21 8 9 5 5 6 1 2 - - 109 4 40310 13166 3241 3545 3423 3116 2351 977 88 - - 70217 8 2213 1355 360 264 205 225 164 82 5 - - 4873 16 16202 6897 3283 3553 3184 2863 2323 1012 108 - 1 39426 32 678 310 36 39 47 44 33 27 6 - - 1220 64 105 97 18 26 41 43 42 24 7 - - 403 128 592 3642 555 60 43 31 23 9 2 - - 4957 256 - 9 7 - - - - - - - - 16 106258 46127 19904 21101 20804 21661 19617 10233 995 8 1 266709 Fibre Channel Disk Performance Data ---------------------------------- $1$dga4321 (read) Using EXE$GQ_SYSTIME to calculate the I/O time accumulated read time = 1241806687us reads = 358490 total blocks = 1110830 I/O rate is less than 1 mb/sec |
LBC <2us <2ms <4ms <8ms <16ms <32ms <64ms <128ms <256ms <512ms <2s === ===== ===== ===== ===== ===== ===== ===== ===== ====== ====== ==== 1 46620 12755 6587 7767 3758 2643 1133 198 5 - - 81466 2 574 134 66 158 82 20 21 4 1 - - 1060 4 162060 35896 20059 18677 15851 11298 5527 1300 25 2 1 270696 8 355 79 46 97 59 36 28 10 - - - 710 16 241 103 32 150 77 24 13 1 - - - 641 32 916 355 76 302 316 61 25 10 - - - 2061 64 725 380 64 248 140 17 10 3 - - - 1587 128 13 22 13 36 21 6 - - - - - 111 256 10 41 28 15 49 13 2 - - - - 158 211514 49765 26971 27450 20353 14118 6759 1526 31 2 1 358490 SDA> |
目次 | 索引 |
|