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OpenVMS マニュアル


 

OpenVMSドキュメント
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目次
まえがき
第1章:システム構成の概要
第2章:ビジネス要件とアプリケーション要件の決定
第3章:システムの選択
第4章:インターコネクトの選択
第5章:ストレージ・サブシステムの選択
第6章:SCSI と Fibre Channel ストレージに対するマルチパスの構成
第7章:ストレージ・インターコネクトとしての Fibre Channel の構成
第8章:可用性を目的とした OpenVMS Cluster の構成
第9章:スケーラビリティを目的とした OpenVMS Cluster の構成
第10章:システム管理の手法
付録A :インターコネクトとしての SCSI
付録B :MEMORY CHANNEL 技術概要
付録C :マルチサイト OpenVMS Cluster
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OpenVMS Cluster 構成ガイド


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MEMORY CHANNEL 構成では,全ノードがシステムの物理アドレス領域の 1 セクションを共用します。あるシステムがこのアドレス領域にデータを書き込むと,MEMORY CHANNEL ハードウェアもグローバル書き込みを実行し,これによって他のシステムのメモリにもデータが保存されます。つまり,MEMORY CHANNEL アダプタが占有する PCI アドレス領域にノード CPU がデータを書き込むと,データは MEMORY CHANNEL インターコネクトを通じて他のノードにも送信されます。他のノードの PCI アダプタは,このデータをそれぞれのメモリにマップします。このインフラストラクチャでは,あるシステム上の I/O アドレスに書き込むと,他のシステムの物理アドレスにも書き込むことができます。以下の 2 つの図は,これをさらに詳しく説明したものです。

図 B-8 は,物理メモリにおける MEMORY CHANNEL グローバル・アドレス領域のアドレス指定です。

図 B-8 物理メモリと I/O アドレス領域


図 B-8 は,システムの典型的なアドレス領域の例であり,物理メモリと I/O アドレス領域に分かれています。PCI I/O アドレス領域で,MEMORY CHANNEL は, 128 MB から 512 MB のアドレス領域を消費します。そのため,MEMORY CHANNEL PCI アダプタをこの領域内でアドレス指定でき,この範囲に CPU はデータを書き込むことができます。

MEMORY CHANNEL クラスタの全システムは,このアドレス領域を MEMORY CHANNEL データと通信に割り当ています。このアドレス領域を利用して,CPU は他のノードのメモリにグローバル書き込みを実行します。

グローバル書き込みの例として, 図 B-9 では,ノード A とノード B による 2 ノード内部バス・アーキテクチャを示します。

図 B-9 MEMORY CHANNEL バス・アーキテクチャ


図 B-9 に示す図では,以下の順序でノード A がノード B のメモリにグローバル書き込みを実行します。

  1. ノード A の CPU は,MEMORY CHANNEL アドレス領域に書き込みを実行します。 MEMORY CHANNEL アドレス領域は,PCI アドレス領域の一部です。書き込みは, PCI バスから PCI/MEMORY CHANNEL アダプタに送られ,MEMORY CHANNEL インターコネクトから出力します。

  2. ノード B の PCI アダプタはデータを受信します。受信したデータは PCI バスによって取り上げられ,メモリに DMA マップされます。

同様にクラスタ内の全ノードを MEMORY CHANNEL グローバル・アドレス領域にアドレス指定すると,同じアドレス領域と同じデータを仮想的に"共用"できます。このため,MEMORY CHANNEL アドレス領域は 図 B-9 で中央アドレス領域として表現されます。

MEMORY CHANNEL グローバル・アドレス領域は,8 KB (8,192 バイト) のページに分割されています。これらを MC ページといいます。この 8 KB ページは,システム間で同じようにマップできます。

MEMORY CHANNEL グローバル・アドレス領域の"共用"機能は,PCI アダプタに,ページ制御テーブルか PCT でセットアップします。PCT には,MC ページごとに設定できる属性があります。これらの属性については, 表 B-3 を参照してください。

表 B-3 MEMORY CHANNEL ページ属性
属性 説明
ブロードキャスト すべてのシステムにデータが送信されます。ノード ID を指定すると,そのシステムにだけデータが送信されます。
ループバック クラスタ内の他のノードに送信されたデータは,送信ノードの PCI アダプタによってメモリにも書き込まれます。これにより,メッセージの順序が維持されるとともに,すぐれたエラー検出機能を確保できます。
割り込み 現在の MC ページに場所を書き込むと,CPU に割り込みを生成します。これは,他のノードに対する通知に使用できます。
エラー後の送受信機能の停止 現在のページにエラーが発生すると,エラー条件が解消されるまで送受信処理ができなくなることを指定します。
ACK ページに書き込むと,各受信システムのアダプタが ACK (肯定応答) で応答し,それぞれのホストを割り込むことなくリモート・ノードに書き込み (または他の処理) が発生します。これはエラー・チェックとエラー回復に使用します。



B.2.4 MEMORY CHANNEL の実装

MEMORY CHANNEL ソフトウェアは,OpenVMS Cluster ソフトウェアにバンドルされています。ハードウェアをセットアップした場合は,CLUSTER_CONFIG.COM プロシージャのプロンプトに従って, MEMORY CHANNEL ソフトウェアを構成します。ローカル・コンピュータのノード間通信で MEMORY CHANNEL を有効にするかどうかを確認するプロンプトが表示されたら, "Yes" と応答します。MEMORY CHANNEL が有効かどうかを示すシステム・パラメータの MC_SERVICES_P2 が 1 に設定されます。この設定でドライバ PMDRIVER がロードされ,他の MEMORY CHANNEL システム・パラメータのデフォルト値が有効になります。

MEMORY CHANNEL システム・パラメータの意味については,『OpenVMS Cluster システム』マニュアルを参照してください。

MEMORY CHANNEL ハブ,リンク・ケーブル,PCI アダプタのセットアップの詳細については,『MEMORY CHANNEL User's Guide』(EK-PCIMC-UG.A01) を参照してください。


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