はじめよう!日本語 OpenVMS
はじめよう!日本語 OpenVMS
  
付録 B 日本語環境を設定する
 日本語 OpenVMS で日本語機能を使用するには,日本語機能を有効にする設定を行う必要があります。( 通常はシステム管理者が設定します。) この設定によって,日本語のヘルプやファイル名,日本語ユーティリティ等が有効になります。ここでは,日本語 OpenVMS 上で日本語の環境を設定する方法について説明します。
  
 日本語環境が有効になっているかどうかを調べるには,日本語環境設定ユーティリティ (JSY$CONTROL) を使用します。以下の 2 行のコマンドを入力してください。
 
 
 
    $ JSYCP == "$ SYS$SYSTEM:JSY$CONTROL.EXE"    
    $ JSYCP SHOW ALL 
 |  
 
 次のようなメッセージが表示された場合は,日本語機能が有効になっています。
 
 
 
    現在のロケールは JA_JP_SDECKANJI です。 
    論理名 SYS$HELP の値は SYS$SYSROOT:[SYSHLP.JA_JP] です。 
    論理名 HLP$LIBRARY の値は SYS$SYSROOT:[SYSHLP]HELPLIB.HLB です。    
    論理名 SYS$MESSAGE の値は SYS$SYSROOT:[SYSMSG.JA_JP] です。 
    論理名 UTIL$SMGSHR の値は JSY$SMGSHR です。 
    論理名 SMG$DEFAULT_CHARACTER_SET の値は SDK です。 
    ターミナルの入力コードは KANJI に設定されています。 
    ターミナルのマルチバイト行編集は ENABLE されています。 
 
    ファイル名コードセットは sdeckanji に設定されています。 
    ファイル名解析スタイルは EXTENDED に設定されています。 
    $ 
 |  
 
 各メッセージの詳しい意味については『日本語ユーティリティ利用者の手引き』を参照してください。メッセージ全体が英語で表示される場合には,ユーザの日本語環境は無効になっています。
  
 日本語環境を有効にするには,次のコマンドを入力します。
 
 
 
    $ JSYCP SET LOCALE ja_JP.sdeckanji    
 |  
 
 このコマンドを実行すると,以下の日本語機能が有効になります。
 
- 日本語ヘルプの使用
 - 日本語ファイル名の使用
 - PC の日本語入力機能 (IME など ) からの漢字入力を受け付け
 - 日本語ユーティリティなどで,自動的に日本語を使用
 - 標準の漢字コードが Super DEC 漢字に設定
 - プログラム開発に必要なロケールが ja_JP.sdeckanji に設定
  
 
 
 
ロケールとは 
ロケールとは,日本,中国,フランスなど特定の地理的あるいは言語的領域で,文化的な慣習に正確に対応するソフトウェア環境のことのことです。 
 | 
 
 
 
  
VT ターミナルのような,日本語入力機能を持たないデバイスから日本語 OpenVMS システムにログインしている場合は,日本語 OpenVMS の持つかな漢字変換を使って日本語を入力することができます。
 (PC ( パーソナル・コンピュータ ) から日本語 OpenVMS システムにログインしている場合は,PC の日本語入力機能 (IME など ) を使って日本語を入力することができます。)
 DCL コマンド・ラインでかな漢字変換を行うには,次のようにします。
 
- DCL プロンプトに対して以下のコマンドを入力します。
 
 
    $ INPUT START /SUBPROCESS /CONVERSION_KEY="@"    
 |  
 
 コマンドを実行すると,次のようなメッセージが表示され,かな漢字変換ユーティリティが起動されたことを示します。
 
 
 
    Creating subprocess... 
    Process YAMADA_1 spawned 
    Enter LOGOUT command to exit. Type CTRL @ to enter Kanji.    
 |  
 
  -  [Ctrl] + []@ キーまたは 
[Ctrl] + [Space] キーを押します。 
 画面の下方に以下のプロンプトが表示されるので,このプロンプト上で,かな漢字変換を行うことができます。
 
 
 標準ではコントロール・キーを利用して漢字変換やカタカナ変換を行います。
  - 入力したい文字列が確定したら 
[Return] キーを押します。 
 変換結果が DCL コマンド・ライン上の元のプロンプトに入力されます。
 - かな漢字変換ユーティリティを停止します。 
 かな漢字変換を行う必要がなくなったら,以下のコマンドを入力すると,かな漢字変換ユーティリティを停止できます。
 
 
   
 
 
 
注意 1 
日本語 EVE エディタなどの日本語を使うことを目的としたアプリケーションは,アプリケーション自身が日本語入力機能を持つため,かな漢字変換ユーティリティを終了してから起動してください。 
 | 
 
 
 
 
 
注意 2 
日本語用に設計されていないアプリケーションに日本語を入力した場合,意図しない動作をしたり,エラーが発生する場合があります。そのようなアプリケーションに対しては日本語を使わないでください。 
 | 
 
 
 
  
VT ターミナル・デバイスや CDE の漢字端末エミュレータで,日本語 OpenVMS の持つかな漢字変換を使ってカナ入力モードで文字を入力するには, 付録 B.2 節 に説明されている設定を行った上で, KANJIGEN ユーティリティの次のコマンドを使用して,かな入力を有効にします。
 
 
 
    $ KANJIGEN == "$ JSY$SYSTEM:KANJIGEN.EXE"    
    $ KANJIGEN SET /INPUT=KANA /EDIT=DISABLE 
 |  
 
 (コマンドの詳しい説明については『フォント管理ユーティリティ利用者の手引き』をご覧ください。)
 これで,かな入力が有効になります。同時に PC からの漢字入力は無効になり,IME やカット & ペーストによる漢字入力はできなくなります。
 かな入力を無効に戻すには,次のようにします。
 
 
 
    $ KANJIGEN SET /INPUT=KANJI /EDIT=ENABLE    
 |  
 
 なおローマ字入力は,この設定にかかわらず常に利用可能です。
 
 
 
      |