はじめよう!日本語 OpenVMS
はじめよう!日本語 OpenVMS
第 6 章 キーボードを使用する
この章では
キーの割り当ては,使用するキーボードやソフトウェアによって異なります。ここでは,ワークステーション用の標準的なキーボード,パーソナル・コンピュータ (PC) のキーボードで Reflection や Teraterm Pro を使用する場合について説明します。
また,日本語 OpenVMS では,コマンド列をキーボードの 1 つのキーに割り当て,そのキーを押すだけでコマンド列を入力したようにさせることができます。これを,キー定義といいます。日本語 OpenVMS がデフォルトで割り当てているキーもありますが,ユーザがキーを定義することもできます。よく使用するコマンドを特定のキーに割り当てておくと便利です。
関連資料
- 『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』
- 『日本語 EVE リファレンス・マニュアル』
- 『日本語 EVE ユーザーズ・ガイド』
- 『日本語 OpenVMS ユーザ・キー定義 利用者の手引き』
- 『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』
使用するキーボードによってキーの配列が異なります。また,キーの割り当てはキーボードや使用するソフトウェアなどによって異なります。
ここでは弊社のワークステーションの標準的なキーボードとパーソナル・コンピュータ (PC) の標準的なキーボードでの役割,割り当てについて説明します。
6.1.1 キーの表記 | |
本書では,次のようにキーを表しています。
[x]
|
キーを表す。
|
[Ctrl] +
[x]
|
コントロール・キーを押しながら,別のキーを押す。
|
[PF1] →
[x]
|
[PF1] を押してから,別のキーを押す。
|
<
X|
|
デリート(1文字削除) キーを表す。
|
6.1.2 キーボードの配列 | |
図 6-1 キーボードの配列例
キーボードには,4 つのキー・グループがあります。キー・グループは機能によって,次のように分かれています。
◆メイン・キーパッド
キーボードの左側の部分。英数字と記号,カタカナと句読点が含まれています。
◆エディタ・キーパッド
メイン・キーパッドのとなりにあるキーパッド。矢印キー ([↑],[↓],[→],[←]) と
[Find], [Select] キーなどのエディタ・キーが含まれています。
◆補助キーパッド(テンキー)
キーボードの右側にある数値キーパッド。
◆ファンクション・キー
キーボードの上部に並んでいるキー。
6.1.3 日本語 OpenVMS (CDE) のキー割り当て | |
ワークステーション用の標準的なキーボードと日本語 OpenVMS (CDE) のキーの割り当ては,次のようになっています。日本語 EVE エディタを使用する際に選ぶ変換キーパッドや日本語 OpenVMS のさまざまなユーティリティによってキー割り当ては異なってきます。 (詳しくは,日本語 EVE エディタやユーティリティの説明書を参照してください。)
図 6-2 日本語 OpenVMS (CDE) のキー割り当て
表 6-1 日本語 OpenVMS (CDE) の一般的なキー割り当て
ファンクション・キー
(
[Fx] )
|
特別な機能が割り当てられているキー。
|
[F1]
|
[F1] キーを押すとキーボードの Hold インディケータが点燈し,画面表示が一時停止されていることを示す。もう一度
[F1] キーを押すとインディケータは消え,画面表示は再開さる。
|
[Shift]
|
キーの上段にかかれた文字 (アルファベットの大文字,特殊記号など) を入力するときは,
[Shift] キーを押しながら,該当するキーを押す。
|
[Return] または
[Enter]
|
改行するときに押す。また,ある特定の動作が終了したことをシステムに知らせる役割もある。
|
[Ctrl]
|
かな漢字変換など,特定のキーに割り当てられた機能を実行させるときに使用。
|
[Lock]
|
このキーを押すと,キーボードの上部にある Lock 表示ランプが点燈する。この状態でアルファベット・キーを押すと,その大文字が表示される。もう 1 度
[Lock] キーを押すと, Lock 表示ランプが消え,アルファベット・キーを押すと小文字が表示される。
|
<
X|
|
カーソルの左側の文字を 1 文字消去する。
|
[Tab]
|
カーソルを次の (指定された) タブ位置まで移動。
|
[Do]
|
日本語 EVE エディタでコマンドを入力する Command: プロンプトを表示。
|
[Help]
|
日本語 EVE エディタでキーについてのヘルプを表示。
[Do] キーを押して Command: プロンプト上に HELP と入力した場合は,日本語 EVE のコマンドのヘルプが表示される。
|
[F14] または
[Ctrl] +
[A]
|
入力モードを切り替える。
|
[PF1] (
[Gold] ともいう)
|
かな漢字変換などで使われる。
|
[Find]
|
文字列を探す。
|
[Insert Here]
|
文字列を挿入。
|
[Remove]
|
文字列を削除。
|
[Select]
|
文字列を選択。
|
[Prev]
|
現在の画面の前に移動。
|
[Next]
|
現在の画面の後に移動。
|
DCL コマンド・ラインでよく使用されるキーの割り当ての一覧は 表 I-7 を,日本語 EVE エディタで JVMS キーパッドを選択した場合のよく使用されるキー割り当ての一覧は 表 7-2 をご覧ください。
6.1.4 Reflection のキー割り当て | |
パーソナル・コンピュータ (PC) 用の標準的なキーボードでの Reflection のキーの割り当ては,次のようになっています。
図 6-3 Reflection のキー割り当て
表 6-2 Reflection と日本語 OpenVMS (CDE) のキー割り当て対照表
ファンクション
・キー
|
ファンクション
・キー
|
上段はシフト・キーを押しながら該当するキーを押した時のキー割り当てを示す。下段はそのままキーを押した時のキー割り当てを示す。日本語 OpenVMS で用いる F3 〜 F4 キーは,Reflection では割り当てられていない。
|
[F1]
|
[Scroll Lock]
|
Scroll Lock キーを押すとキーボードの Scroll Lock インディケータが点燈し,画面表示が一時停止されていることを示す。もう一度 Scroll Lock キーを押すとインディケータは消燈し,画面表示は再開される。
|
[Shift]
|
[Shift]
|
キーの上段にかかれた文字 (アルファベットの大文字,特殊記号など) を入力するときは,
[Shift] キーを押しながら,該当するキーを押す。
|
[Return]
|
[Enter]
|
改行するときに押す。また,ある特定の動作が終了したことをシステムに知らせる役割もある。
|
[Ctrl]
|
[Ctrl]
|
かな漢字変換など,特定のキーに割り当てられた機能を実行させるときに使用。
|
[Lock]
|
[Shift]+
[Caps Lock]
|
このキーを押すと,キーボードの上部にある表示ランプが点燈する。この状態でアルファベット・キーを押すと,その大文字が入力される。もう 1 度
[Shift] +
[Caps Lock] キーを押すと,表示ランプが消え,アルファベット・キーを押すと小文字が入力される。
|
<
X|
|
[Back Space]
|
1 文字削除する。このキー割り当てを有効にするには,Reflection 側での設定が必要。
[Back Space] キーを 1 文字削除キーに割り当てるためには,「端末の設定」ダイアログ・ボックス ( 図 2-9 ) で「VT Backspace キー」の項目を「削除」に設定。
|
[Tab]
|
[Tab]
|
カーソルを次の (指定された) タブ位置まで移動。
|
[Do]
|
[Shift] +
[F6]
|
日本語 EVE エディタでコマンドを入力する Command: プロンプトを表示。
|
[Help]
|
[Shift] +
[F5]
|
日本語 EVE エディタでキーについてのヘルプを表示。
[Do] キーを押して Command: プロンプト上に HELP と入力した場合は,日本語 EVE のコマンドのヘルプが表示される。
|
[F14] または
[Ctrl] +
[A]
|
[Shift] +
[F4]
|
入力モードを切り替える。
|
[PF1]
(
[Gold] ともいう)
|
[Num Lock]
|
かな漢字変換などで使われる。Reflection の場合,Num Lock キーを押している間はキーボードの Num Lock インディケータが点燈するが,これは無視する。
|
|
[F2]
|
現在 Reflection ウインドウに表示されている端末画面が, PC に接続されているプリンタに印刷される。
|
[Insert Here]
|
[Insert]
|
文字列を挿入。
|
[Find]
|
[Home]
|
文字列を探す。
|
[Prev]
|
[Page Up]
|
現在の画面の前に移動。
|
[Remove]
|
[Delete]
|
文字列を削除。
|
[Select]
|
[End]
|
文字列を選択。
|
[Next]
|
[Page Down]
|
現在の画面の後に移動。
|
DCL コマンド・ラインでよく使用されるキーの割り当ての一覧は 表 I-7 を,日本語 EVE エディタで JVMS キーパッドを選択した場合のよく使用されるキー割り当ての一覧は 表 7-2 をご覧ください。
6.1.5 Tera Term Pro のキー割り当て | |
パーソナル・コンピュータ (PC) 用の標準的なキーボードでの Tera Term Pro のキー割り当ては,次のようになっています。
図 6-4 Tera Term Pro のキー割り当て
表 6-3 Tera Term Pro と日本語 OpenVMS (CDE) のキー割り当て対照表
ファンクション
・キー
|
ファンクション
・キー
|
上段はシフト・キーを押しながら該当するキーを押した時のキー割り当てを示す。下段はそのままキーを押した時のキー割り当てを示す。
|
[Shift]
|
[Shift]
|
キーの上段にかかれた文字 (アルファベットの大文字,特殊記号など) を入力するときは,
[Shift] キーを押しながら,該当するキーを押す。
|
[Return]
|
[Enter]
|
改行するときに押す。また,ある特定の動作が終了したことをシステムに知らせる役割もある。
|
[Ctrl]
|
[Ctrl]
|
かな漢字変換など,特定のキーに割り当てられた機能を実行させるときに使用。
|
[Lock]
|
[Shift]+
[Caps Lock]
|
このキーを押すと,キーボードの上部にある表示ランプが点燈する。この状態でアルファベット・キーを押すと,その大文字が入力される。もう 1 度
[Shift] +
[Caps Lock] キーを押すと,表示ランプが消え,アルファベット・キーを押すと小文字が入力される。
|
<
X|
|
[Back Space]
|
1 文字削除する。このキー割り当てを有効にするには, Tera Term Pro 側での設定が必要。
[Back Space] キーを 1 文字削除キーに割り当てるためには,「Keyboard Setup」ダイアログ・ボックス ( 図 2-5 ) で「Transmit DEL by」の項目を「Backspace Key」に設定する。
|
[Tab]
|
[Tab]
|
カーソルを次の ( 指定された ) タブ位置まで移動。
|
[Do]
|
[Shift] +
[F6]
|
日本語 EVE エディタでコマンドを入力する Command: プロンプトを表示する。
|
[Help]
|
[Shift] +
[F5]
|
日本語 EVE エディタでキーについてのヘルプを表示。
[Do] キーを押して Command: プロンプト上に HELP と入力した場合は,日本語 EVE のコマンドのヘルプが表示される。
|
[F14] または
[Ctrl] +
[A]
|
[Shift] +
[F4]
|
入力モードを切り替える。
|
[Gold] または
[PF1]
|
[Num Lock]
|
かな漢字変換などで使われる。Tera Term Pro の場合, Num Lock キーを押すたびにキーボードの Num Lock インディケータが点いたり消えたりしますが,これは無視する。
|
[Find]
|
[Insert]
|
文字列を探す。
|
[Insert Here]
|
[Home]
|
文字列を挿入。
|
[Remove]
|
[Page Up]
|
文字列を削除。
|
[Select]
|
[Delete]
|
文字列を選択。
|
[Prev]
|
[End]
|
現在の画面の前に移動。
|
[Next]
|
[Page Down]
|
現在の画面の後に移動。
|
DCL コマンド・ラインでよく使用されるキーの割り当ての一覧は 表 I-7 を,日本語 EVE エディタで JVMS キーパッドを選択した場合のよく使用されるキー割り当ての一覧は 表 7-2 をご覧ください。
コマンド列をキーボードの 1 つのキーに定義するには,次のようにします。
- キー名
コマンド列を割り当てるキーの名前
- コマンド列
割り当てるコマンド列
実際のコマンド列と同じ形式で指定する。コマンド列の中に空白文字が含まれる場合,コマンド列を二重引用符 (") で囲む
修飾子には次のようなものがあります。
/IF_STATE=(状態名,・・・)
|
キーを使用したときに設定されている状態名が,指定したリストにあれば,この定義を使用する。
|
/NOLOG
|
キー定義したときのシステム・メッセージの出力をさけることができる。
|
/SET_STATE=状態名
|
キーを使用したときに,指定した状態名を設定する。
|
/TERMINATE
|
キーを入力するだけですぐにコマンドを実行する。
|
次にキーを定義した例を示します。
PF1 キーに,"SHOW DEFAULT" を割り当てます。
$ DEFINE/KEY PF1 "SHOW DEFAULT"
%DCL-I-DEFKEY, DEFAULT 状態の PF1 キーが定義されました。
|
PF1 キーの定義を確認します。
$ SHOW KEY PF1
DEFAULT keypad definitions:
PF1 = "SHOW DEFAULT"
|
PF1 キーを押します。
PF1 キーを押した行に "SHOW DEFAULT" と表示されます。このコマンドを実行する場合は,[Return] キーを押します。
|