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OpenVMS マニュアル |
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Error Log Viewer (ELV) ユーティリティでは, System Event Analyzer (SEA) などのツールでエラー・ログ・ファイルのデータを包括的に分析する価値があるかを判断する前に,ユーザが読み取り可能な形式のエラー・ログ・ファイルをコマンド行から即座に検討することができます。
ELV は,新しいデバイスが接続されたシステムや,ほとんどの DS,ES,および GS シリーズなどの新しいシステム上に作成されたエラー・ログに対して威力を発揮します。また,いくつかの以前のシステムや以前のデバイスを備えたシステム上に作成されたエラー・ログに対しても使用することができます。
ELV では,次のタイプのすべてのエラー・ログ・イベントについての詳細情報を提供します。
ELV は,次のタイプのいくつかのエラー・ログ・イベントについての詳細情報を提供します。
この章では,Error Log Viewer ユーティリティがサポートする ELV コマンドとそのパラメータおよび修飾子について説明します。また,ELV TRANSLATE コマンドを使用して生成されたサンプル・レポートも紹介します。
ELV コマンドは,DCL コマンド・レベルから直接実行するか,ELV の会話型シェル・モードから実行します。
[コマンド]
ELV ユーティリティを起動するには,次の DCL コマンドを入力します。
第 10 章
Error Log Viewer ユーティリティ (ELV)10.1 ELV ユーティリティについて
10.2 ELV 使用法の要約
形式
ANALYZE/ERROR_LOG/ELV
パラメータ
コマンド
実行する ELV 操作を指定します。操作を指定しない場合は,ユーティリティが会話型シェル・モードに切り替わり, ELV> プロンプトが表示されて,コマンドを入力できるようになります。
$ ANALYZE/ERROR_LOG/ELV |
ELV コマンドを入力しないと,会話型シェル・モードになり,次の ELV プロンプトが表示されます。
ELV> |
このプロンプトで ELV コマンドを入力できます。コマンドの実行後は,ELV> プロンプトが再度表示されます。
ELV プロンプトから ELV コマンドを実行した後, DCL に直接戻るには,/NOINTERACTIVE 修飾子を使用します。
または次のように,DCL から ELV コマンドを直接入力することもできます。
$ ANALYZE/ERROR_LOG/ELV TRANSLATE ERRLOG.SYS;42 |
省略時には,コマンドの実行後,DCL プロンプトに戻ります。
DCL から直接 ELV コマンドを実行した後,会話型シェル・モードになるようにするには, /INTERACTIVE 修飾子を使用します。
10.3 イベントのカテゴリについて
ELV ユーティリティは,イベントをカテゴリ別に認識し,それに応じてイベントを操作に含めたり,操作から排除したりすることができます。イベントはまず,有効なイベントと無効なイベントに大別されます。有効なイベントが,選択したイベントと拒否したイベントに分かれます。次に,これらのカテゴリについて説明します。
ここでは,次の ELV コマンドについて説明し,例を示します。
このコマンドは,主に,ELV で変換できない古いエラー・ログ・イベントを変換可能にするために使用します。
入力ファイルを指定しない場合,省略時の入力ファイルは, SYS$ERRORLOG:ERRLOG.SYS になります。デバイスやディレクトリを指定しない場合,現在のデバイスやディレクトリが使用されます。ファイル名を指定しない場合,省略時のファイル名は ERRLOG になります。ファイル・タイプを指定しない場合,省略時のファイル・タイプは .SYS になります。
10.4 ELV コマンド
新しい形式で作成された 1 つ以上のバイナリ・エラー・ログ・ファイルからのイベントを,古い形式の 1 つの新しいエラー・ログ・ファイルに変換し,書き込みます。
形式
CONVERT [入力ファイル,...]
パラメータ
入力ファイル
古い形式に変換するバイナリ・エラー・ログ・ファイルを 1 つ以上指定します。
/BEFORE[=日時]
指定した日時より前の日付のイベントだけを選択対象として指定します。日時には,絶対時刻とデルタ時間のどちらで指定してもよく,また,両者を組み合わせて指定することもできます。時刻の指定方法については,『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』を参照してください。
日付と時刻を省略した場合は,TODAY が使用されます。
/ENTRY[=キーワード,...]
選択対象のエントリの範囲を指定します。キーワードは,次の片方だけでも,両方でも指定できます。
キーワード 説明 START[:10 進値] 選択対象のエントリ範囲の始まりを指定する。 END[:10 進値] 選択対象のエントリ範囲の終わりを指定する。
使い方に関する注意 :
- これらのキーワードは,片方だけでも両方でも指定できます。両方のキーワードを指定する場合は,括弧で囲む必要があります。
- エントリ範囲を指定せずに /ENTRY を指定した場合,省略時のエントリは,START:1,END: ファイルの終端になります。
- 値を指定せずに START または END キーワードを指定した場合,キーワードは無視されます。
/EXCLUDE=イベント・クラス[,...]
1 つ以上のイベント・クラスを拒否するように指定します。 /EXCLUDE は,/INCLUDE と併用しないでください。イベント・クラスには,次の表のキーワードを 1 つ以上指定します。複数のキーワードを指定する場合は,キーワードをコンマで区切り,リスト全体を括弧で囲んでください。
キーワード 説明 ATTENTIONS デバイス・アテンション・エントリを拒否する。 BUGCHECKS すべてのタイプのバグチェック・エントリを拒否する。 CONFIGURATION システム構成エントリを拒否する。 CONTROL_ENTRIES 制御エントリを拒否する。制御エントリには,次のエントリ・タイプがある。
- 電源障害後のシステムの再始動
- タイムスタンプ
- システム・スタートアップ
- $SNDERR メッセージ (エラー・ログにメッセージを送るシステム・サービス)
- オペレータ・メッセージ
- ネットワーク・メッセージ
- ERRLOG.SYS 作成
CPU_ENTRIES CPU 関連エントリを拒否する。 CPU エントリには,次のエントリ・タイプがある。
- SBI アラートまたはフォルト
- 未定義割り込み
- MBA/UBA アダプタ・エラー
- 非同期書き込みエラー
- UBA エラー
DEVICE_ERRORS デバイス・エラー・エントリを拒否する。 ENVIRONMENTAL_ENTRIES 環境エントリを拒否する。 MACHINE_CHECKS マシン・チェック・エントリを拒否する。 MEMORY メモリ・エラーを拒否する。 SNAPSHOT_ENTRIES スナップショット・エントリを拒否する。 SYNDROME 弊社サポート要員が問題を調べる際に使用する症状を記述するファームウェア出力エントリを拒否する。 TIMEOUTS デバイス・タイムアウト・エントリを拒否する。 UNKNOWN_ENTRIES 未知のエントリ・タイプのエントリを拒否する。 UNSOLICITED_MSCP 非要求 MSCP エントリを拒否する。 VOLUME_CHANGES ボリューム・マウント・エントリとボリューム・ディスマウント・エントリを拒否する。
/INCLUDE=イベント・クラス[,...]
1 つ以上のイベント・クラスを選択するように指定します。他のすべてのイベント・クラスは暗黙的に拒否されます。 /INCLUDE は,/EXCLUDE と併用しないでください。イベント・クラスには,次の表のキーワードを 1 つ以上指定します。複数のキーワードを指定する場合は,キーワードをコンマで区切り,リスト全体を括弧で囲んでください。
キーワード 説明 ATTENTIONS デバイス・アテンション・エントリを選択する。 BUGCHECKS すべてのタイプのバグチェック・エントリを選択する。 CONFIGURATION システム構成エントリを選択する。 CONTROL_ENTRIES 制御エントリを選択する。制御エントリには,次のエントリ・タイプがある。
- 電源障害後のシステムの再始動
- タイムスタンプ
- システム・スタートアップ
- $SNDERR メッセージ (エラー・ログにメッセージを送るシステム・サービス)
- オペレータ・メッセージ
- ネットワーク・メッセージ
- ERRLOG.SYS 作成
CPU_ENTRIES CPU 関連エントリを選択する。 CPU エントリには,次のエントリ・タイプがある。
- SBI アラートまたはフォルト
- 未定義割り込み
- MBA/UBA アダプタ・エラー
- 非同期書き込みエラー
- UBA エラー
DEVICE_ERRORS デバイス・エラー・エントリを選択する。 ENVIRONMENTAL_ENTRIES 環境エントリを選択する。 MACHINE_CHECKS マシン・チェック・エントリを選択する。 MEMORY メモリ・エラーを選択する。 SNAPSHOT_ENTRIES スナップショット・エントリを選択する。 SYNDROME 弊社サポート要員が問題を調べる際に使用する症状を記述するファームウェア出力エントリを選択する。 TIMEOUTS デバイス・タイムアウト・エントリを選択する。 UNKNOWN_ENTRIES 未知のエントリ・タイプのエントリを選択する。 UNSOLICITED_MSCP 非要求 MSCP エントリを選択する。 VOLUME_CHANGES ボリューム・マウント・エントリとボリューム・ディスマウント・エントリを選択する。
/INTERACTIVE
/NOINTERACTIVE
ELV コマンドを実行した後, ELV ユーティリティを会話型シェル・モードで実行するかどうかを指定します。省略時の設定では,現在の ELV コマンドが入力された方法から会話型シェル・モードに戻ります。詳細については, 第 10.2 節 を参照してください。
/LOG
/NOLOG
ELV ユーティリティが,制御メッセージと情報メッセージを端末に出力するかどうかを指定します。省略時の設定 /NOLOG では,これらのメッセージが端末に出力されません。/NODE[=ノード名,...]
/NONODE[=ノード名,...]
1 つ以上のノードで発生したイベントを選択するか,拒否するかを指定します。値を指定せずに /NODE を入力すると, ELV ユーティリティを実行しているノード上で発生したイベントのみが選択されます。
値を指定せずに /NONODE を入力すると,エラー・ログ・ファイルにあるすべてのノードで発生したイベントが選択されます。
/OUTPUT[=出力ファイル]
イベントの変換済みコピーを格納する出力ファイルを指定します。出力ファイル名を指定しない場合,入力ファイル名が使用されます。デバイスやディレクトリを指定しない場合,現在のデバイスやディレクトリが使用されます。ファイル・タイプを指定しない場合,省略時のファイル・タイプは .CVT になります。
/REJECTED
(選択するイベントではなく) 拒否するイベントを変換対象として指定します。詳細については, 第 10.3 節 を参照してください。/SINCE[=日時]
指定した日時より後の日付のイベントだけを選択対象として指定します。日時には,絶対時刻とデルタ時間のどちらで指定してもよく,また,両者を組み合わせて指定することもできます。時刻の指定方法については,『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』を参照してください。
日付と時刻を省略した場合は,TODAY が使用されます。
#1 |
---|
$ ANALYZE/ERROR_LOG/ELV CONVERT /INTERACTIVE /NONODE=(BEAVIS,BUTTHD) |
DCL コマンド・レベルから実行され,省略時の設定の SYS$ERRORLOG:ERRLOG.SYS ファイルにある選択されたイベントを古い形式に変換し,これらのイベントを ERRLOG.CVT ファイルに書き込みます。コマンドの実行後,ELV> プロンプトが表示されます。
選択されたイベントは,BEAVIS および BUTTHD を除くすべてのノードからのものです。
#2 |
---|
ELV> CONVERT /LOG /OUTPUT=OUTFILE |
省略時の設定の SYS$ERRORLOG:ERRLOG.SYS ファイルにあるイベントを古い形式に変換し,変換したイベントを OUTFILE.CVT に書き込みます。
また,制御メッセージと情報メッセージが端末に表示されます。
#3 |
---|
$ ANALYZE/ERROR_LOG/ELV CONVERT /NODE /BEFORE=YESTERDAY ERROR_LOG.SYS |
ERROR_LOG.SYS から選択されたイベントを古い形式に変換し,変換したイベントを ERROR_LOG.CVT に書き込みます。
選択されたイベントは,現在のノード上の YESTERDAY よりも前に発生したイベントです。
#4 |
---|
ELV> CONVERT /ENTRY=START:5 /EXCLUDE=BUGCHECKS |
省略時の設定の SYS$ERRORLOG:ERRLOG.SYS ファイル内のイベントを古い形式に変換し,変換したイベントを ERRLOG.CVT に書き込みます。
エントリ 5 で始まる選択されたイベントには, BUGCHECKS イベント・クラスは含まれません。
DUMP |
1 つ以上のバイナリ・エラー・ログ・ファイルのイベントを, OpenVMS ダンプ・スタイル形式である,新しい 1 つの ASCII 出力ファイルに書き込みます。
DUMP [入力ファイル,...]
入力ファイル
出力ダンプ・ファイルとして作成するバイナリ・エラー・ログ・ファイルの名前を 1 つ以上指定します。入力ファイルを指定しない場合,省略時の入力ファイルは, SYS$ERRORLOG:ERRLOG.SYS になります。デバイスやディレクトリを指定しない場合,現在のデバイスやディレクトリが使用されます。ファイル名を指定しない場合,省略時のファイル名は ERRLOG になります。ファイル・タイプを指定しない場合,省略時のファイル・タイプは .SYS になります。
/BEFORE[=日時]
指定した日時より前の日付のイベントだけを選択対象として指定します。 /BEFORE を /INVALID と併用しないでください。日時には,絶対時刻とデルタ時間のどちらで指定してもよく,また,両者を組み合わせて指定することもできます。時刻の指定方法については,『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』を参照してください。
日付と時刻を省略した場合は,TODAY が使用されます。
/ENTRY[=キーワード,...]
選択対象のエントリの範囲を指定します。 /ENTRY を /INVALID と併用しないでください。キーワードは,次の片方だけでも,両方でも指定できます。
キーワード 説明 START[:10 進値] 選択対象のエントリ範囲の始まりを指定する。 END[:10 進値] 選択対象のエントリ範囲の終わりを指定する。
使い方に関する注意 :
- これらのキーワードは,片方だけでも両方でも指定できます。両方のキーワードを指定する場合は,括弧で囲む必要があります。
- エントリ範囲を指定せずに /ENTRY を指定した場合,省略時のエントリは,START:1,END: ファイルの終端になります。
- 値を指定せずに START または END キーワードを指定した場合,キーワードは無視されます。
/EXCLUDE=イベント・クラス[,...]
1 つ以上のイベント・クラスを拒否するように指定します。 /EXCLUDE は,/INCLUDE と併用しないでください。イベント・クラスには,次の表のキーワードを 1 つ以上指定します。複数のキーワードを指定する場合は,キーワードをコンマで区切り,リスト全体を括弧で囲んでください。
キーワード 説明 ATTENTIONS デバイス・アテンション・エントリを拒否する。 BUGCHECKS すべてのタイプのバグチェック・エントリを拒否する。 CONFIGURATION システム構成エントリを拒否する。 CONTROL_ENTRIES 制御エントリを拒否する。制御エントリには,次のエントリ・タイプがある。
- 電源障害後のシステムの再始動
- タイムスタンプ
- システム・スタートアップ
- $SNDERR メッセージ (エラー・ログにメッセージを送るシステム・サービス)
- オペレータ・メッセージ
- ネットワーク・メッセージ
- ERRLOG.SYS 作成
CPU_ENTRIES CPU 関連エントリを拒否する。 CPU エントリには,次のエントリ・タイプがある。
- SBI アラートまたはフォルト
- 未定義割り込み
- MBA/UBA アダプタ・エラー
- 非同期書き込みエラー
- UBA エラー
DEVICE_ERRORS デバイス・エラー・エントリを拒否する。 ENVIRONMENTAL_ENTRIES 環境エントリを拒否する。 MACHINE_CHECKS マシン・チェック・エントリを拒否する。 MEMORY メモリ・エラーを拒否する。 SNAPSHOT_ENTRIES スナップショット・エントリを拒否する。 SYNDROME 弊社サポート要員が問題を調べる際に使用する症状を記述するファームウェア出力エントリを拒否する。 TIMEOUTS デバイス・タイムアウト・エントリを拒否する。 UNKNOWN_ENTRIES 未知のエントリ・タイプのエントリを拒否する。 UNSOLICITED_MSCP 非要求 MSCP エントリを拒否する。 VOLUME_CHANGES ボリューム・マウント・エントリとボリューム・ディスマウント・エントリを拒否する。
/INCLUDE=イベント・クラス[,...]
1 つ以上のイベント・クラスを選択するように指定します。他のすべてのイベント・クラスは暗黙的に拒否されます。 /INCLUDE は,/EXCLUDE と併用しないでください。
目次 索引
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