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OpenVMS マニュアル |
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HP OpenVMS
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目次 | 索引 |
この章では MSA ユーティリティについて説明します。
17.1 MSA ユーティリティの概要
MSA ユーティリティは,以下のコントローラを構成したり管理するための OpenVMS システム管理ツールです。
これらのコントローラは, HP StorageWorks Modular Smart Array ストレージ・アレイ・システムと, Integrity Server の内部 SCSI ドライブまたは SAS ドライブに接続します。
17.1.1 必要な特権
NETMBX,TMPMBX,SYSPRV,DIAGNOSE,PHY_IO
MSA ユーティリティを起動するには, DCL コマンド・プロンプト ($) で次のコマンドを入力します。
$ RUN SYS$SYSTEM:MSA$UTIL |
MSA ユーティリティは次のプロンプトを表示します。
MSA> |
MSA プロンプトでは,以降の項に示す任意の MSA ユーティリティ・コマンドを入力することができます。
17.1.2 制限事項
MSA ユーティリティには以下の制限事項があります。
ここでは, MSA ユーティリティのコマンドについて説明し,その使用方法の例を示します。例では,いくつかの修飾子を短縮形で示している点に注意してください。
このコマンドでは,障害としてマークされたユニット上のメディアの交換を受け入れます。
# はユニット番号を表します。
17.2 MSA ユーティリティのコマンド
ACCEPT UNIT
以前に障害が発生したユニットのすべてのドライブが正常に動作する状態になった場合に,ユニットの状態を VOLUME_OK に戻します。
注意
ACCEPT UNITS コマンドは,障害が発生したすべてのユニットの状態を VOLUME_OK にリセットします。
形式
ACCEPT UNIT <#>
例
#1 |
---|
MSA> ACCEPT UNIT 2 |
ADD UNIT |
ユニット (1 つ以上のハード・ドライブからなる論理ストレージ・ユニット) を作成します。
ADD UNIT ユニット番号 / 修飾子
ユニット番号
ユニット番号の範囲は 0 〜 31 です。
注意 以下のすべての修飾子は, 2 つ以上組み合わせて使用することはできません。 |
/ADG
ユニットの RAID タイプとして Advanced Data Guard (ADG) を指定します。/CACHE
そのユニットでコントローラのキャッシュを使用するかどうかを指定します。デフォルトでは,キャッシュ機能はオンです。キャッシュ機能を無効にするには, SET UNIT あるいは ADD UNIT コマンドで /NOCACHE 修飾子を使用します。/DISK
ユニットを構成するために使用するディスクの番号を指定します。複数のディスクを指定する場合は括弧で囲みます。次の形式で指定します。
/DISK=(ディスク番号[,...])
/IDENTIFIER
ユニットのユーザ定義の ID です。この ID は,OpenVMS によって,デバイスに名前を付けるために使用されます。 ID n の値の範囲は 1 〜 9999 です。次の形式で指定します。
/IDENTIFIER= n
注意
/IDENTIFIER 修飾子は,Smart Array コントローラでは不要です。
/JBOD
RAID タイプとして JBOD を指定します。 RAID 0 と同じです。/PARTITION
特定のユニットで使用するパーティション番号を指定します。ディスクまたはディスク・グループ上に最初に作成されるユニットには,自動的にパーティション番号 0 が割り当てられます。このディスクまたはディスク・グループ上にこの後作成するユニットは,順番にパーティション番号を付けて作成する必要があります。次の形式で指定します。
/PARTITION=(パーティション番号)
/RAID_LEVEL
ユニットの RAID タイプを指定します。この修飾子でサポートされる値は 0 (データ・ストライプ), 1 (データ・ミラー), 5 (ストライプ・パリティ付きデータ・ストライプ), 50 (パリティ付きデータ・ストライプ),および 60 (パリティ付きデータ・ストライプ) です。次の形式で指定します。
/RAID=[(0 | 1 | 5 | 50 | 60)]
/SIZE
ユニットのサイズを指定します。サイズ修飾子を指定しないと,サイズはデフォルトで RAID レベルに応じたディスクの最大容量になります。次に例を示します。
/SIZE=#(GB | MB | KB | %)
/SPARE
予備ディスクとして使用するディスクの番号を指定します。複数のディスクを指定する場合は括弧で囲みます。ドライブ・グループ内のユニットに予備ディスクを割り当てると,予備ディスクは,ドライブ・グループ内の構成済みユニットのすべてに割り当てられます。予備ディスクが割り当てられているディスク・グループ上にユニットを作成すると,新しいユニットに予備ディスクが構成されます (RAID 0 ユニットでない場合)。 1 つの予備ディスクを複数のドライブ・グループに割り当てることができます。
予備ディスクのサイズが,ドライブ・グループ内の最も小さいドライブのサイズ以上であることを確認してください。次の形式で指定します。
/SPARE=(ディスク番号[,...])
/STRIPE_SIZE
特定の RAID ボリュームのストライプ・サイズを指定します。ストライプ・サイズの値は,8,16,32,64,128, 256 のいずれかでなければなりません。 RAID 5 と ADG のストライプ・サイズは,最大 64 KB に制限されます。 RAID 0 と RAID 1 のデフォルトのストライプ・サイズは 128 KB です。 RAID 5 と ADG のデフォルトのストライプ・サイズは 16 KB です。次の形式で指定します。
/STRIPE_SIZE=(ストライプ・サイズ)
/VERBOSE
技術的な詳細ログを表示します。制限事項
以下の修飾子のいずれか 2 つあるいはすべてを組み合せて使用することはできません。
/RAID_LEVEL, /JBOD, /ADG
例
#1 MSA> ADD UNIT 2
このコマンドはユニット 2 を作成します。
#2 MSA> ADD UNIT 3/ID=1003/DISK=103/JBOD/PARTITION=0/SIZE=8GB MSA> ADD UNIT 4/ID=1004/DISK=103/JBOD/PARTITION=1/SIZE=10GB MSA> ADD UNIT 5/ID=1005/DISK=103/JBOD/PARTITION=2/SIZE=8GB
これらのコマンドは,ディスク 103 上に 3 つのユニットを作成します。パーティション番号は,同じディスクまたはディスク・グループ上でシーケンシャルに指定している点に注意してください。
#3 MSA> ADD UNIT 3/ID=1003/DISK=103/JBOD/PARTITION=0/SIZE=8GB MSA> ADD UNIT 4/ID=1004/DISK=103/JBOD/PARTITION=2/SIZE=10GB
このコマンド・シーケンスでは,このディスク上にパーティション番号 1 のユニットがないと仮定しています。ユニットにパーティション番号 2 を割り当てており,割り当てがシーケンシャルでないため,ユニット 4 の作成は失敗します。
DELETE UNIT |
ドライブからユニットを削除します。ディスクが OpenVMS 上でマウントされているかどうかにかかわらず,選択したユニットを削除する前に,続行するかどうか確認を求められます。たとえば,ディスクが OpenVMS ノードにマウントされている場合,確認のためのプロンプトが表示されるのに加えて,ディスクがマウントされていることが表示されます。
注意
ユニットが削除された後,そのユニット番号は,新しいユニットに手動で割り当てるまで使用されないままになります。ユニットを削除しても,ユニット番号は自動的に再割り当てされません。
ディスクまたはディスク・グループ上に複数のユニットが作成されている場合,最後に作成したユニットだけが削除できます。
ディスクまたはディスク・グループ上に作成したユニット番号とその順序の記録を必ず保管してください。
DELETE UNIT ユニット番号 / 修飾子
ユニット番号
ユニット番号の範囲は 0 〜 31 です。
/VERBOSE
技術的な詳細ログを表示します。/NOCONFIRM
指定したユニットを確認プロンプト無しで削除します。
#1 |
---|
MSA> DELETE UNIT 4 /NOCONFIRM |
この例では,ユニット 4 が削除対象のユニットです。これは,ADD UNIT コマンドで作成するときに指定したのと同じユニット番号です。 /NOCONFIRM 修飾子により,確認プロンプト無しでユニット 4 を削除します。
EXIT
MSA$UTIL プログラムを終了します。
FLASH FIRMWARE |
指定したコントローラのファームウェアを更新します。使用するファームウェア・ファイルの名前を指定します。
FLASH FIRMWARE ファームウェア・ファイル名 / 修飾子
ファームウェア・ファイル名
/VERBOSE
技術的な詳細ログを表示します。
HELP |
現在サポートされているすべての MSA$UTIL コマンドと,そのパラメータおよび修飾子を表示します。次の形式で入力します。ここで verb は個別のコマンドです。
HELP verb
verb
#1 |
---|
MSA> Help ADD ADD UNIT ADD UNIT is used to create UNITs (logical storage units comprising one or more hard drives). Format: ADD UNIT unit_n qualifiers Parameters Qualifiers Examples |
このコマンドは,ADD コマンドとそのパラメータの説明を表示します。
LOCATE
指定したドライブの LED を点滅させます。これらの LED は,取り付けられているストレージ・エンクロージャの前面にあります。
注意
LOCATE コマンドに制限時間を指定しない場合,LED は 30 秒間点滅します。場合によっては,LED は点滅せずに点灯し続けます。さらに,LOCATE コマンドは STANDBY コントローラからは機能しません。
LOCATE/TIME=xxx パラメータ / 修飾子
ALL
MSA ストレージ・サブシステムに接続されているすべてのドライブを点滅させます。
BOX
LOCATE BOX コマンドは,指定されたボックスまたはエンクロージャ番号に接続されているディスクを点滅させます。
BUS バス番号
指定したバスに接続されているディスクを点滅させます。
CANCEL
現在の LOCATE 操作を取り消します。
DISK ディスク番号
LOCATE DISKS コマンドは,指定されたドライブを点滅させます。ディスクは,すべてのコントローラに関して対応する SCSI バスと SCSI ID で識別されます。 SAS コントローラの場合,内部で接続されているディスクはそれらのベイ番号に基づいてナンバリングされ,外部接続のディスクは "disk_n = ボックス番号 *100 + ベイ番号" のようにボックス番号とベイ番号の組み合せでナンバリングされます。
注意
既存のディスクのディスク番号は,SHOW DISKS コマンドで取得できます。
UNIT ユニット番号
指定したユニットに構成されているディスクを点滅させます。
/TIME=時間
ディスクの LED を点滅させる時間 (秒数) を指定します。これはオプションの修飾子であり,デフォルトは 30 秒です。/VERBOSE
技術的な詳細ログを表示します。
#1 |
---|
MSA> LOCATE ALL |
このコマンドは,ストレージ・エンクロージャに取り付けられているすべてのドライブの位置を特定します。
#2 |
---|
MSA> LOCATE BUS 1 |
このコマンドは,SCSI バス 1 のすべてのドライブの位置を特定します。
#3 |
---|
MSA> LOCATE UNIT 1 |
このコマンドは,ユニット 1 のすべてのドライブの位置を特定します。
#4 |
---|
MSA> LOCATE DISK 102 |
このコマンドは,ドライブ 102 の位置を特定します。
#5 |
---|
MSA> LOCATE BOX 1 |
このコマンドは,BOX 1 のすべてのドライブを点滅させます。
READ FIRMWARE |
コントローラ上にファームウェア・イメージを読み込みます。
注意
Smart Array 5300 および Smart Array 6400 シリーズのコントローラでのみサポートされています。
READ FIRMWARE ファームウェア・ファイル名 / 修飾子
ファームウェア・ファイル名
ファームウェア・イメージのファイル名を指定します。
/VERBOSE
技術的な詳細ログを表示します。
目次 | 索引 |
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