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OpenVMS マニュアル |
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HP OpenVMS
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目次 | 索引 |
$ BACKUP MTA0:SAVE.BCK/SELECT=[SAVE...] [SAVE...] |
BACKUP の動作は,修飾子を指定することで変更することもできます。使用できる修飾子は,以下の 5 種類です。
それぞれの修飾子の違いを,十分理解するようにしてください。 BACKUP コマンド行のどこに修飾子を入力するかによって,結果が異なります。コマンド修飾子は,コマンド行のどこにでも入力できますが,入力指定子と出力指定子の修飾子は,位置によって意味が決まります。入力指定子修飾子は入力指定子の直後,出力指定子修飾子は出力指定子の直後に入力してください。
また,BACKUP の修飾子には,入力指定子修飾子としても出力指定子修飾子としても使用できる修飾子がいくつかあります。期待する結果となるように,位置によって意味が決まる修飾子は,必ず正しい位置に入力してください。たとえば /SAVE_SET 修飾子は, BACKUP セーブ処理の出力セーブ・セット修飾子としても, BACKUP リストア処理の入力セーブ・セット修飾子としても使用します。
BACKUP の修飾子の正しい組み合わせの詳細は,
付録 G を参照してください。 表 7-2 に,BACKUP の修飾子を種類ごとに示します。
7.4 BACKUP の修飾子
BACKUP コマンドの省略時の動作を変更します。コマンド修飾子は,コマンド行のどこに入力してもよく,入力指定子や出力指定子に指定されているすべてのファイルに作用します。
入力指定子からファイルを選択します。入力指定子の直後に入力します。
出力ファイルのリストア方法を変更します。出力指定子の直後に入力します。
リストア処理時または比較処理時の入力セーブ・セットの扱い方を指定します。入力指定子の直後に入力します。
セーブ処理時に出力セーブ・セットを処理する方法を定義します。出力指定子の直後に入力します。
注意
イメージ処理では,入力指定子や出力指定子は使用できません。
修飾子 | 説明 |
---|---|
コマンド修飾子 | |
/[NO]ALIAS | 別名ファイル・エントリと 1 次ファイル・エントリの複数回の処理に関して,前バージョンの動作を使用するかどうかを指定する。 |
/[NO]ASSIST | BACKUP 処理時に磁気テープをマウントできなかった場合,オペレータやユーザによる操作を可能とする。 |
/BRIEF | セーブ・セット内の各ファイルについて,ファイル指定,ブロック数によるサイズ,作成日付を /LIST 修飾子に表示させる。 |
/COMPARE | 第 1 パラメータの内容を第 2 パラメータの内容と比較する。 |
/DELETE | BACKUP のセーブ処理やコピー処理において,すべてのファイルの処理が正常終了した場合,選択した入力ファイルを入力ボリュームから削除することを指定する。 |
/ENCRYPT | 暗号化されたセーブ・セットを作成およびリストアする。 |
/FAST | 高速ファイル検索で入力指定子を処理し,処理時間を短縮する。 |
/FULL | /LIST コマンド修飾子が出力する情報を, DCL の DIRECTORY/FULL コマンドと同じ形式で表示する。 |
/IGNORE | BACKUP のセーブ処理やコピー処理において,ファイルに対する制約を変更すること,またはテープ・ラベル処理チェックを行わないことを指定する。 |
/IMAGE | ボリューム全体またはボリューム・セット全体を処理する。 |
/INCREMENTAL | 一連の追加型セーブ・セットから 1 つのディスク・ボリュームをリストアする (/NOINCREMENTAL とは無関係)。 |
/[NO]INITIALIZE | 出力ディスク・ボリュームを初期化する。以前のすべての内容は使用不能となる。 |
/INTERCHANGE | BACKUP セーブ・セットから,他のユーティリティやシステムが読み込めなくなるような情報を除外することにより,データ交換 (ソフトウェア配布) に適した方式でファイルを処理する。 |
/IO_LOAD | BACKUP ユーティリティが発行する同時入出力の数を調整する。デフォルトは 8。最小値は 2。 |
/JOURNAL | BACKUP セーブ処理で BACKUP ジャーナル・ファイルを作成すること,または BACKUP ジャーナル・ファイルに情報を付加することを指定する。 |
/LIMIT | リストア操作またはセーブ操作時の拡張サイズの制限を指定する。 |
/LIST | BACKUP セーブ・セットとセーブ・セット内のファイルに関する情報をリストする。 |
/[NO]LOG | 処理するファイルの詳細を SYS$OUTPUT に表示する。 |
/NOINCREMENTAL | セーブ操作でセーブされるデータの量を制御する (/INCREMENTAL とは無関係)。 |
/PHYSICAL | 入力ボリュームのファイル構造を無視し,論理ブロック単位で入力ボリュームを処理することを指定する。 |
/PROGRESS_REPORT | バックアップ操作の進行状況を現在の出力デバイスに表示する。 |
/RECORD | ファイルのセーブ処理やコピー処理が正常終了したとき,各ファイル・ヘッダの BACKUP 日付フィールドに現在の日時を記録する。 |
/RELEASE_TAPE | BACKUP のセーブ操作でセーブ・セットの書き込みと確認を終えた場合や,テープの終わりに達した場合に,テープをディスマウントしてアンロードする。 |
/SIZE | ターゲット・デバイス上の論理ボリュームサイズを保持するか,ターゲット・デバイスの論理サイズを指定する。 |
/[NO]TRUNCATE | コピー処理やリストア処理において,順編成出力ファイル作成時に,ファイルの終端 (EOF) でファイルを切り捨てるかどうかを制御する。 |
/VERIFY | セーブ処理,リストア処理,またはコピー処理が終了した後,出力指定子の内容を入力指定子の内容と比較することを指定する。 |
/VOLUME | ディスク・ボリューム・セット内の特定のディスク・ボリュームを処理対象とすることを指定する。 |
入力ファイル選択修飾子 | |
/BACKUP | BACKUP/RECORD コマンドでファイル・ヘッダ・レコードに書き込んだ BACKUP 日付をもとにファイルを選択する。 |
/BEFORE | 指定した日時より前の日付のファイルを選択する。 |
/BY_OWNER | 指定した UIC が所有するファイルを処理する。 |
/CONFIRM | 各ファイルを処理する前に,確認プロンプトをターミナル上に表示する。 |
/CONVERT | ODS-5 ファイル名を ODS-2 ファイル名に変換する。 |
/CREATED | 各ファイル・ヘッダ・レコード内の作成日付フィールド値をもとにファイルを選択する。 |
/EXCLUDE | セーブ処理やコピー処理で,選択基準を満たすファイルを処理対象から除外する。 |
/EXPIRED | 各ファイル・ヘッダ・レコード内の満了日付フィールド値をもとに,ファイルを選択する。 |
/FILES_SELECTED | セーブ・セットのリストア時に選択する予定のファイルのリストを含むファイルを指定する。 |
/HEADER_ONLY | BACKUP が shelved ファイルおよび preshelved ファイルのファイル・ヘッダのみをセーブするかどうかを制御する。 |
/MODIFIED | 各ファイル・ヘッダ・レコードの変更日付フィールド値 (ファイルを最後に変更した日付) をもとに,ファイルを選択する。 |
/SINCE | 指定した日時以降の日付のファイルを選択する。 |
出力ファイル修飾子 | |
/BY_OWNER | リストアするファイルの所有者 UIC (ユーザ識別コード) を再定義する。 |
/NEW_VERSION | ファイルのリストア先やコピー先に,同じファイル指定のファイルがすでに存在している場合,新しいバージョンのファイルを作成する。 |
/OVERLAY | リストア処理において,同名のファイルが存在する場合,既存のファイルを上書きする。 |
/REPLACE | 出力指定子のファイルを,入力指定子と同名のファイルと置き換える。 |
入力セーブ・セット修飾子 | |
/[NO]CRC | セーブ・セットのデータ・ブロックにコード化されているソフトウェア巡回冗長チェック (CRC) をチェックする。 |
/INPUT_FILES | 入力指定子をファイル・リストのファイル名として扱うように BACKUP に指示する。このファイルは BACKUP 操作の入力ファイルを指定する。 |
/[NO]REWIND | 入力ボリュームを読み込む前に,入力テープ・リールをテープの先頭マーカまで巻き戻す。 |
/SAVE_SET | 入力ファイルを BACKUP セーブ・セットとして扱う。 |
/SELECT | 指定したファイルを処理対象として選択する。 |
出力セーブ・セット修飾子 | |
/BLOCK_SIZE | BACKUP セーブ・セットおよびディスク間コピーでのデータ・レコードの出力ブロック・サイズをバイト単位で指定する。 |
/BY_OWNER | セーブ・セットの所有者 UIC (ユーザ識別コード) を指定する。 |
/COMMENT | 出力セーブ・セットの BACKUP 要約レコードとする文字列を入力する。 |
/[NO]CRC | CRC を計算し,出力セーブ・セットのデータ・ブロックに結果を格納することを指定する。 |
/DENSITY | 出力磁気テープの記録密度を指定する。 |
/EXACT_ORDER | BACKUP 操作で使用するテープ・ボリューム・ラベルの正確な順序を指定する。 |
/GROUP_SIZE | 各冗長グループのブロック数を定義する。 |
/LABEL | セーブ・セットの書き込み先である磁気テープまたはディスクに対し,それぞれ 6 文字または 12 文字以内のボリューム・ラベルを指定する。 |
/MEDIA_FORMAT | データ・レコードを自動的に圧縮しブロッキングするかどうかを制御する。 |
/PROTECTION | ディスク上にセーブ・セットを作成する場合,出力セーブ・セットに適用する保護を定義する。磁気テープ上にセーブ・セットを作成する場合,磁気テープ・ボリュームに適用する保護を定義する。 |
/[NO]REWIND | 出力テープをテープの先頭マーカまで巻き戻し,出力テープを初期化する。 |
/SAVE_SET | 出力ファイルを BACKUP セーブ・セットとして扱う。 |
/TAPE_EXPIRATION | 現在の日付以外の日付を,セーブ・セットのファイル・ヘッダ・ラベルに満了日付として書き込む。 |
BACKUP ユーティリティは,ファイルやファイル・ボリュームの複製を作成することによって,データの消失や破損を防止します。
BACKUP は,公用媒体の保護を目的としてシステム管理者やオペレータが使用することを主な目的としています。ただし,BACKUP は誰でも利用できるため,個人的にファイルのバックアップ・コピーを作成したり, OpenVMS システム間でファイルを転送したりできます。
システム・ディスクは次のいずれかの方法でバックアップをとることができます。
DECnet ノード名は,セーブ・セット指定以外には使用できません。
媒体が磁気テープである場合,OpenVMS 標準ファイル指定とセーブ・セット指定にワイルドカード文字を使用できます。
DECnet ノード名は,セーブ・セット指定以外には使用できません。
Files--11 ボリュームを出力指定子とする場合,ワイルドカード文字を使用できます。 BACKUP セーブ・セットを出力指定子とする場合や BACKUP/PHYSICAL や BACKUP/IMAGE で作成したボリュームを出力指定子とする場合は,ワイルドカード文字を使用できません。 BACKUP コマンドでワイルドカード文字を使用する際の制約については, 第 7.3.2 項 を参照してください。
BACKUP コマンドを入力すると,入力指定子,出力指定子,および修飾子をもとに,実行する処理のタイプが決定されます。入力指定子は,ユーティリティに入力を取り込むのに使用され,出力指定子は,出力先を決めるのに使用されます。出力指定子は,ディスク上のファイルやセーブ・セット,磁気テープ上のセーブ・セットのいずれも指定できます。
コマンドの実行が終了すると,DCL コマンド・レベルに戻ります。 BACKUP コマンドの実行を中断するには,Ctrl/Y を押します。作成中のファイルがある場合,Ctrl/Y を押すと同時にそのファイルはクローズされ,クローズされるまでに出力された部分だけでファイルが作成されます。
BACKUP をバッチ・モードで使用する場合,オペレータ・ターミナルにメッセージを送るには,ユーザ特権 TMPMBX が必要です。順編成ディスクで構成されるボリューム・セットに対してセーブ処理を行う場合,継続ボリュームに書き込むためには,ユーザ特権 PHY_IO または LOG_IO が必要です。BACKUP のいくつかの修飾子でも,特権が必要となります。どのような特権が必要であるかについては,それぞれの修飾子の項で説明します。
7.5 BACKUP 使用方法の要約
形式
BACKUP 入力指定子 出力指定子
パラメータ
入力指定子
BACKUP 処理の入力を指定します。入力指定子には, OpenVMS 標準ファイル指定,BACKUP セーブ・セット指定,デバイス名のどれでも使用できます。ディスク上のセーブ・セット指定を入力指定子とする場合,入力セーブ・セット修飾子 /SAVE_SET を含めてください。
出力指定子
BACKUP 処理の出力を指定します。入力指定子と同様, OpenVMS 標準ファイル指定,BACKUP セーブ・セット指定,デバイス名のどれでも使用できます。ディスク上のセーブ・セットを出力指定子とする場合,出力セーブ・セット修飾子 /SAVE_SET を含めてください。
説明
オンライン BACKUP を起動するには,使用したい BACKUP コマンドを DCL プロンプトに入力します。スタンドアロン BACKUP の起動方法については,『OpenVMS システム管理者マニュアル』を参照してください。
/ALIAS
コマンド修飾子
別名ファイル・エントリと 1 次ファイル・エントリの複数回の処理に関して,前バージョンの動作を使用するかどうかを指定します。
注意 OpenVMS バージョン 6.2 またはそれより前の非常に古いセーブ・セットをリストアしているときには, /ALIAS 修飾子のみを使用してください。現在の省略時の動作は,ほとんどすべての他の状況で有効です。この修飾子を使用してよいかどうかがわからない場合には,弊社のサポート担当にお問い合わせください。 |
/ALIAS セーブ・セット指定 (省略時の設定)/NOALIAS
/ALIAS 修飾子は,以前のバージョンの BACKUP の,別名ファイル・エントリと 1 次ファイル・エントリを同じものとして扱うという動作を使用します。このため,1 つまたは複数の別名ファイル・エントリが同じ 1 次ファイル・エントリを参照する場合,BACKUP は同じ 1 次ファイルを複数回処理することがあります。/NOALIAS を指定すると,別名ディレクトリ・エントリと別名ファイル・エントリは無視されます。このため,1 次ファイルが複数回処理されることはなくなり,時間とセーブ・セット・ファイルのスペースが節約できます。セーブ・セットの作成時に /NOALIAS 修飾子が使用されたのに,リストア操作の際に /ALIAS 修飾子が使用された場合は,/ALIAS 修飾子が無視されることを示すメッセージが表示されます。
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