日本-日本語 |
|
|
|
OpenVMS マニュアル |
|
HP OpenVMS
|
目次 | 索引 |
/IMAGE |
コマンド修飾子ボリューム全体またはボリューム・セット全体を処理します。
バージョン 8.2 から,Integrity システム・ディスクでもこの修飾子がサポートされるようになりました。 Integrity システム・ディスクのイメージは, Alpha システムまたは Integrity システムでセーブおよびリストアできます。
/IMAGE 入力指定子 出力指定子
/IMAGE 修飾子を使用するには,ボリューム索引ファイル INDEXF.SYS とビット・マップ・ファイル BITMAP.SYS への書き込みアクセス権が必要です。書き込みアクセス権がない場合,入力媒体をライト・ロックしてください。BACKUP は,索引ファイルをオープンしてファイル・システムとの同期をとります。更新は行いません。入力媒体上のすべてのファイルへの読み込みアクセス権も必要です。/IMAGE を他の修飾子とともに使用すると,回復不可能なエラーが発生する可能性があります。
ディスクにセーブする際に /IMAGE 修飾子を使用すると,別名ディレクトリ木構造は処理されません。
注意
イメージ処理の入力デバイスと出力デバイスには,異なるデバイスを指定してください。ただし,イメージ・セーブ処理の出力デバイスは, Files-11 ディスク・セーブ・セットです。
出力ボリュームがディスクである場合,すべてのファイルは,出力ボリューム上に連続して格納されます。この結果,ディスクのフラグメンテーションが発生せず,連続した空きディスク空間ブロックが作成されます。
入力ボリューム上のすべてのファイルが処理されるので,入力ファイル選択修飾子は使用できません。ただし,イメージ・セーブ・セットからファイルをリストアする場合には,リストアするファイルを選択できます。
ボリューム・セットに対してイメージ処理を行う場合,出力指定子で指定するボリューム数は,入力ボリューム・セットのボリューム数と同じでなければなりません。
イメージのセーブまたはコピー処理は,削除するファイルや紛失ファイル (ディレクトリ・エントリのないファイル) を含む,入力ディスク・ボリューム上のすべてのファイルをセーブまたはコピーします。省略時の BACKUP イメージ操作では,属性はセーブまたはコピーされますが, NOBACKUP フラグを設定したファイルの内容はセーブまたはコピーされません。
また,省略時の設定では,イメージ・セーブ操作の時点で別のユーザがオープンして書き込んでいるファイルについては, BACKUP は属性もファイルの内容もセーブしません。これらのファイルを処理するには,コマンド修飾子 /IGNORE を BACKUP コマンド行に指定してください。コマンド修飾子 /IGNORE=NOBACKUP は,NOBACKUP のフラグが設定されているファイルをセーブまたはコピーします。コマンド修飾子 /IGNORE=INTERLOCK は,別のユーザが書き込みのためオープンしているファイルをセーブまたはコピーします。
イメージのリストアまたはコピー処理は,出力ボリュームや出力ボリューム・セットを初期化します。コマンド修飾子 /NOINITIALIZE を指定しないかぎり,初期化データは,入力ボリュームのセーブ・ボリューム要約レコードから取り出されます。/NOINITIALIZE は,出力ボリュームにすでに存在するボリューム初期化データを使用して,出力ボリュームを初期化します。
イメージのリストアまたはコピー処理では,すべてのファイルがリストアまたはコピー対象となります。出力ボリュームは,/FOREIGN 修飾子を使用してマウントする必要があります。出力ボリュームの機能は入力ボリュームと同じですが,ファイルの配置は変更されます。出力ボリュームでは,ファイルが連続して格納されます。
イメージのリストアまたはコピー処理において,出力ボリュームの構造レベルを変更することはできません。次のコマンドのように,テープとディスクの混合セーブ・セットへの BACKUP 操作はサポートされていません。
$ BACKUP SYS$DISK:/IMAGE dka0:FUN,MKA0:/SAVE/REW
#1 |
---|
$ MOUNT/FOREIGN DMA1: %MOUNT-I-MOUNTED, mounted on NODE$DMA1: $ BACKUP/IMAGE/LOG DLA2: DMA1: %BACKUP-S-CREATED, created DMA1:[000000]000000.DIR;1 %BACKUP-S-CREATED, created DMA1:[000000]BACKUP.SYS;1 %BACKUP-S-CREATED, created DMA1:[000000]CONTIN.SYS;1 %BACKUP-S-CREATED, created DMA1:[000000]CORIMG.SYS;1 %BACKUP-S-CREATED, created DMA1:[000000]ELLA.DIR;1 %BACKUP-S-CREATED, created DMA1:[ELLA]SCAT.DAT;1 %BACKUP-S-CREATED, created DMA1:[000000]JOE.DIR;1 %BACKUP-S-CREATED, created DMA1:[JOE]STRINGS.DAT;1 %BACKUP-S-CREATED, created DMA1:[000000]OSCAR.DIR;1 %BACKUP-S-CREATED, created DMA1:[OSCAR]KEYS.DAT;1 %BACKUP-S-CREATED, created DMA1:[000000]VOLSET.SYS;1 . . . $ |
MOUNT コマンドにより,イメージ・コピー処理のターゲット・ディスクを用意しています。コマンド修飾子 /LOG は,コピーするファイルに関する情報をターミナル上に表示します。BACKUP コマンドが DMA1 を初期化し,DMA1 にディスク・ボリューム DLA2 をコピーします。 DMA1 に格納されるファイルは,すべて連続しています。
#2 |
---|
$ BACKUP/IMAGE DBA2: MTA0:ET.BCK,MTA1: |
ディスク・ボリューム全体を,磁気テープ・ドライブ 2 つを使用してマルチボリューム・セーブ・セット ET.BCK にセーブしています。
#3 |
---|
$ MOUNT/FOREIGN DBA1: %MOUNT-I-MOUNTED, mounted on NODE$DBA1: $ BACKUP/IMAGE WORKDISK DBA1:28SEP.BCK/SAVE_SET |
イメージ・セーブ処理のターゲット・ディスクを MOUNT コマンドが用意しています。BACKUP コマンドにより,Files-11 セーブ・セット 28SEP.BCK に対するイメージ・セーブ処理が行われます。
/INCREMENTAL |
コマンド修飾子
追加型セーブ・セットをリストアします。
注意 /INCREMENTAL はリストア操作のみで有効です。これには,BACKUP セーブ操作のみで有効である, /NOINCREMENTAL 修飾子との関連はありません。 |
/INCREMENTAL セーブ・セット指定ディスク・デバイス名
/INCREMENTAL は,追加型セーブ・セットのリストア処理専用です。 /INCREMENTAL を使用するときの出力指定子はデバイスでなければならず,ファイル指定は使用できません。入力セーブ・セット修飾子も使用できません。追加型セーブ・セットは,コマンド修飾子 /RECORD とファイル選択修飾子 /SINCE=BACKUP または /SINCE=日付で作成できます。通常,追加型セーブ処理は毎日行ってその日に作成または変更したファイルのコピーをとり,ディスク・ボリューム上のすべてのファイルのコピーをとるフル・バックアップを定期的に行います。フル・バックアップでは,コマンド修飾子 /IMAGE を使用してください。
ディスク・ボリュームが消失,破損,または破壊されても,次の作業を行えばその内容を再作成できます。
- 最新のイメージ・バックアップ・セーブ・セットを使用してボリュームをリストアする (このセーブ・セットは, BACKUP コマンド修飾子 /IMAGE と /RECORD を使用して作成されたものであること)。
- /INCREMENTAL 修飾子を使用して,最後のフル・バックアップ以降の追加型セーブ・セットを,時間的に逆行してリストアする。
以上のようにセーブ・セットをリストアすると,追加型セーブ処理を最後に行ったときと同じファイルが出力ディスク・ボリュームに格納されます。
/INCREMENTAL 修飾子を使用するとき,/BY_OWNER=ORIGINAL 修飾子が仮定されます。したがって,元の UIC を変更する場合を除き, /BY_OWNER を指定する必要はありません。/INCREMENTAL 修飾子は, Files-11 構造レベル 2 または 5 のボリューム以外では使用できません。
/INCREMENTAL 修飾子とともに /PHYSICAL 修飾子を使用すると,回復不可能なエラーが発生する可能性があります。
公用ボリュームに対してフル・バックアップと追加型セーブ処理を行っているときに,公用ボリュームが消失,破損,または破壊された場合は,次の作業を行って公用ボリュームのコピーを新たに作成してください。まず,イメージのリストア処理により,最新のフル・バックアップからボリュームをリストアします。
『OpenVMS システム管理者マニュアル』の BACKUP の章の "Formulating a Backup Strategy" の節では,追加型バックアップに先だって,最初にディスクのバックアップを行うときに /IMAGE および /RECORD 修飾子を使用する重要性について説明しています。
$ MOUNT/FOREIGN DRA0: %MOUNT-I-MOUNTED, mounted on _DRA0: $ BACKUP/IMAGE/RECORD MTA0:FULLJUN02,MTA1 DRA0: %BACKUP-I-RESUME, resuming operation on volume 2 %BACKUP-I-RESUME, resuming operation on volume 3 %BACKUP-I-RESUME, resuming operation on volume 4 . . . $ DISMOUNT/NOUNLOAD DRA0:
次に,ファイル構造ボリュームとしてディスクをマウントし,時間的に逆行して追加型セーブ・セットをリストアします。最後に,週次追加型セーブ・セットをリストアします。正しい結果を得るには,次の例のように /INCREMENTAL 修飾子を使用してください。
$ MOUNT DRA0: PUBLIC %MOUNT-I-MOUNTED, PUBLIC mounted on _DRA0: $ BACKUP/INCREMENTAL MTA0:INCD17JUN DRA0: $ BACKUP/INCREMENTAL MTA0:INCD16JUN DRA0: $ BACKUP/INCREMENTAL MTA0:INCD15JUN DRA0: $ BACKUP/INCREMENTAL MTA0:INCW14JUN DRA0: $ BACKUP/INCREMENTAL MTA0:INCW7JUN DRA0:
追加型セーブ・セットをどの順序で指定してもボリュームは正しくリストアされますが,時間的に逆行する方法が最も能率的です。
/INITIALIZE |
コマンド修飾子出力ディスク・ボリュームを初期化し,元の内容全体を使用不可能な状態にします。出力テープの場合は,/REWIND も同じ機能を果たします。
/[NO]INITIALIZE 入力指定子 出力指定子
/[NO]INITIALIZE 修飾子を指定できるのは,リストアまたはコピー処理でコマンド修飾子 /IMAGE と併用した場合と,順編成ディスク・セーブ・セットにファイルをセーブする場合に限定されます。リストアまたはコピー処理でコマンド修飾子 /IMAGE と併用した場合, /INITIALIZE 修飾子は,入力ボリューム上のセーブ・ボリューム要約レコードから取り出したボリューム初期化データを使用して出力ボリュームを初期化します。
/NOINITIALIZE 修飾子は,出力ボリュームの既存の初期化データを使用してその出力ボリュームを再初期化します。出力ボリュームは,Files-11 ボリュームとして初期化されているものでなければなりません。初期化した出力ボリュームの既存データは消失します。出力ボリュームの構造レベルは,リストア対象セーブ・セットの構造レベルと同じでなければなりません。
注意
BACKUP/NOINITIALIZE コマンドでは,出力デバイスの動的ボリューム拡張属性が保持されません。その理由は,ターゲット・デバイスはフォーリンとしてマウントされるため, OpenVMS が拡張サイズと論理サイズを取得できないからです。この制限に対処するには,/LIMIT 修飾子と /SIZE 修飾子を使用します。
Files-11 ボリュームに対するイメージのリストアまたはコピー処理では, /INITIALIZE が省略時の値です。
/INITIALIZE 修飾子を使用して順編成ディスク・セーブ・セットを作成すると,順編成ディスク・セーブ・セットの第 1 出力ボリュームが初期化され,次に第 2 以降のボリュームが初期化されます。省略時には,第 1 ボリュームは初期化されず,第 2 以降のボリュームが初期化されます。
BACKUP/IMAGE/INITIALIZE コマンドは,物理ボリューム全体に合わせて,ストレージ・ビットマップのサイズを変更します。また,OpenVMS Version 7.2 以降では,ファイル・システムはストレージ・ビットマップが必要量より小さいボリュームを正しく処理できます。割り当て可能なボリューム上の領域は,ビットマップが記述する領域となります。この結果,ボリュームが必要とする量よりもビットマップが小さい場合,すべてのボリュームをファイル割り当てに使用できるわけではありません。 SHOW DEVICE /FULL コマンドを使うと,実際の物理ボリューム・サイズを引き続き表示することができます。ただし,表示される空きブロックは,実際に割り当てることのできるブロック数です。
#1 |
---|
$ BACKUP/IMAGE/NOINITIALIZE DBA0: DBA2: |
出力ボリューム DBA2 に存在するボリューム初期化データを使用して, DBA2 を再初期化しています。次に,DBA0 の内容が DBA2 にコピーされます。
#2 |
---|
$ BACKUP/IMAGE/INITIALIZE DBA2:OLDFILES.BCK/SAVE_SET DBA6: |
DBA2 上のセーブ・ボリューム要約レコードのボリューム初期化パラメータを使用して,出力ボリューム DBA6 を初期化しています。次に,イメージ・セーブ・セット OLDFILES.BCK が DBA6 にコピーされます。
/INPUT_FILES |
入力セーブ・セット修飾子指定したファイル内で一覧として記述されているファイル名を入力ファイルとして使用するよう BACKUP コマンドに指示します。
入力指定子 /INPUT_FILES 出力指定子/SAVE_SET
/INPUT_FILES 修飾子では,ファイルのリストを入力処理用に指定できます。入力指定子はファイルの名前であり,そのファイルには, 1 行に 1 つの OpenVMS ファイル指定が含まれています。
$ BACKUP FILE.DAT/INPUT_FILES MKA600:INFO.BCK/SAVE_SET |
この例のコマンドは,FILE.DAT ファイル内にリストされているファイルを INFO.BCK というテープ・ドライブのセーブ・セットにバックアップします。ディスク,ディレクトリ,またはファイル拡張子が指定されない場合は前のエントリからコピーされます。最初のエントリである場合は省略時の値からコピーされます。 FILE.DAT ファイルには次のエントリが含まれます。
$1$DKA0:[INFO]*.COM INFO.TEXT [PAYROLL]*.DAT
/INTERCHANGE |
コマンド修飾子他のユーティリティやシステムによる BACKUP セーブ・セットの読み込みを禁止する情報を除外することにより,データ交換 (ソフトウェア配布) に適した方式でファイルを処理します。
入力が ODS-5 のディスクまたはファイルの場合,/INTERCHANGE 修飾子は /CONVERT を含みます (/NOCONVERT 修飾子と /INTERCHANGE 修飾子は同時に指定することもできます)。
/INTERCHANGE 入力指定子 出力指定子
/INTERCHANGE 修飾子の効果は,次のとおりです。
- ファイルとして選択しないディレクトリは,コピーしない。
- アクセス制御リストは,コピーしない。
- 磁気テープのブロック・サイズを,8,192 バイトに制限する。
- エラー回復機能を使用して磁気テープに書き込むので,磁気テープ上に不良レコードが作成されない。
$ BACKUP/RECORD/INTERCHANGE [ACCOUNTS]/SINCE=BACKUP MFA0:SAVACC.BCK |
ディレクトリ [ACCOUNTS] に存在し,最後の BACKUP/RECORD 処理以降に変更されたすべてのファイルをセーブしています。/INTERCHANGE 修飾子により,データ交換可能なファイルとして処理されます。
/IO_LOAD |
コマンド修飾子OpenVMS Version 8.3 から,新しいストレージ・コントローラでより効率よく動作するように BACKUP が最適化されました。 /IO_LOAD 修飾子を使用することで, BACKUP ユーティリティによって発行される同時入出力の数を調整することができます。デフォルトは 8 です。最小値は 2 です。
コマンド行で /IO_LOAD 修飾子を省略すると,デフォルトで同時発行可能入出力数は 8 になります。
/IO_LOAD [=n]
n の値は,1 からプロセスの AST 上限値までの整数です。デフォルト値は 8 です。
#1 |
---|
$ BACKUP DKA100: DKA400: /IMAGE /IO_LOAD=8 |
この例では,/IO_LOAD=8 修飾子により,8 個のスレッドがソース・ディスクからのデータを読み込みます (発行済み入出力の数が 8 を超えることはありません)。
目次 | 索引 |
|