日本-日本語 |
|
|
|
OpenVMS マニュアル |
|
HP OpenVMS
|
目次 | 索引 |
/SELECT |
入力セーブ・セット修飾子指定したファイルを処理対象として選択します。
入力セーブ・セット指定 /SELECT=(ファイル指定[,...]) 出力指定子
複数のファイルを指定する場合,それぞれのファイル指定をコンマで区切り,リスト全体を括弧で囲みます。ファイル選択にデバイス指定は使用しないようにしてください。一般的なワイルドカード文字は使用できますが,ファイルの最新バージョンを示す文字 (;) や,ファイルの相対バージョンを示す文字 (;-n) は,使用できません。一時的ファイル指定の省略時の値は,リスト内で適用されません。ファイル指定 [000000...]*.*;* から,各ファイル指定が独立して省略時の値を取り出します。
$ BACKUP DBA1:JUL20.BCK/SAVE_SET/SELECT=[SNOW]BALL.PAS [WINTER.GAME]BALL.PAS |
順編成ディスク・セーブ・セットから [SNOW]BALL.PAS ファイルを選択し,現在の省略時のデバイス上のディレクトリ [WINTER.GAME] にリストアしています。
/SINCE |
入力ファイル選択修飾子指定した日時以降の日付のファイルを選択します。
入力指定子/SINCE= 日時 出力指定子
/SINCE 修飾子は,各ファイル・ヘッダ・レコードの指定フィールドに格納されている日時を,コマンド行で指定した日時と比較することにより,ファイルを選択します。次に,/SINCE と併用できるファイル選択修飾子とその機能を示します。これらの修飾子を指定できるのは,一度に 1 つだけです。
修飾子 機能 /BACKUP 指定した日付以降に BACKUP/RECORD で最後にセーブまたはコピーしたファイルを選択する。BACKUP 日付のないファイルも選択する。 /CREATED 指定した日付以降に作成したファイルを選択する。 /EXPIRED 指定した日付以降に満了したファイルを選択する。 /MODIFIED 指定した日付以降で最後に変更したファイルを選択する。他の修飾子を /SINCE と併用しない場合,/MODIFIED が省略時の値として使用される。
日時は,[dd-mmm-yyyy[:]][hh:mm:ss.cc] の形式によるデルタ時間または絶対時刻で指定してください。次に,日時指定に使用できる予約語を示します。
BACKUP ファイルに対する最後の BACKUP/RECORD 操作の日付(Files-11構造レベル2または5のボリュームのみ) TODAY 現在の年,月,日の 00:00:00.0 時 TOMORROW 最後の午前 0 時の 24 時間後 YESTERDAY 最後の午前 0 時の 24 時間前
通常の追加型バックアップを行う前に,必ず BACKUP/IMAGE/RECORD コマンドを使用してイメージ・バックアップを行ってください。イメージ・バックアップはディスク全体のコピーをセーブし,各ファイルに対してセーブ済みのマークを付けます。それ以降に実行される通常の追加型バックアップは,イメージ・バックアップがすでに実行されていると仮定し,新しいファイルと変更されたファイルだけをセーブします。先にイメージ・バックアップを行っておかないと,追加型バックアップは,追加型リストアの成功を保証するために,必要以上のファイルをセーブすることになります。
$ BACKUP [PLI.WORK]/SINCE=YESTERDAY/MODIFIED [PLI.SAV] |
ディレクトリ [PLI.WORK] 内で選択したファイルを,ディレクトリ [PLI.SAV] にコピーしています。昨夜午前 0 時より前の 24 時間以降に変更されたファイルだけが処理されます。この例では /MODIFIED を指定していますが,この修飾子は /SINCE 修飾子の省略時の修飾子であるため,指定する必要はありません。
/SIZE |
コマンド修飾子バックアップ処理で,論理ボリューム・サイズがセーブ・セット・ヘッダに記録されます。デフォルトでは,リストア処理の際に,論理ボリューム・サイズは保持されません。これは,たとえば 2 GB のセーブ・セットを 4 GB のディスクにリストアすると,空きディスク領域のうち 2 GB だけが使用されるためです。
しかし,/SIZE 修飾子を使用すると,ターゲット・デバイス上で論理ボリューム・サイズを保持することができます。また,オプションのキーワード値 n を使用することで,ターゲット・デバイスの論理ボリューム・サイズを指定することもできます。
/SIZE(=[n])
/SIZE を指定すると,ターゲット・デバイスのジオメトリは, $GETDVI を呼び出してデバイスの物理的な上限を確認して決定されるのではなく,元のソースの論理サイズから決定されます。/SIZE 修飾子では,ターゲット・デバイスの新しい論理サイズとして,オプションの値 n を指定できます。この新しい値はセーブ・セット内の既存の値より優先されます。(これは, INITIALIZE ユーティリティでの /SIZE 修飾子の動作と同じです。)
#1 |
---|
$ BACKUP LEEHE.BCK/SAVE DKA100:/IMAGE/SIZE=8000000 |
この例では,セーブ・セットはデバイス DKA100 にリストアされます。 DKA100 の論理ボリューム・サイズは,8,000,000 ブロックに初期化されます。
/TAPE_EXPIRATION |
出力セーブ・セット修飾子現在の日付以外のファイル満了日付を,セーブ・セットのファイル・ヘッダ・ラベルに書き込みます。
入力指定子 出力セーブ・セット指定 /TAPE_EXPIRATION[=日付]
磁気テープへのセーブ処理で出力セーブ・セット修飾子 /REWIND を指定すると,テープを初期化する前に,テープの第 1 ファイルの満了日付が過ぎていることがチェックされます。テープを初期化すると,格納されていた以前のデータへのアクセス権が取り消されます。/REWIND を使用して磁気テープ上に BACKUP セーブ・セットを作成する場合は,必ず満了日付を指定するようにしてください。毎日の BACKUP テープの満了期間は 7 日,毎週の BACKUP テープの満了期間は 1 ヶ月,毎月の BACKUP テープの満了期間は 1 年とします。
日付は,次の形式で指定してください。
dd:mmm:yyyyここで,
dd 日付 mmm 月を表す 3 文字の略称 yyyy 年
テープ上のファイルの HDR1 ANSI ラベルに満了日付が書き込まれます。/TAPE_EXPIRATION 修飾子を指定しない場合,今日の日付が満了日付となります。
$ BACKUP DBA1: _To: MTA0:13SEPBAK.BCK/REWIND/TAPE_EXPIRATION=20-SEP-2002/LABEL=SEPW02 |
セーブ・セット・ファイル 13SEPBAK.BCK の満了日付を, 2002 年 9 月 20 日と設定しています。/REWIND 修飾子を指定しているので,13NOVBAK.BCK はテープ上の第 1 ファイルであり,テープの満了期間は 7 日です。
/TRUNCATE |
コマンド修飾子コピーまたはリストア処理において,順編成出力ファイルの作成時にファイルの終端 (EOF) で切り捨てるかどうかを制御します。
/[NO]TRUNCATE 入力指定子 出力指定子
省略時のコピーまたはリストア処理では,入力ファイルの設定をもとに出力ファイルのサイズが決定されます。出力ファイルをファイルの終端 (EOF) で切り捨てる場合は, /TRUNCATE を指定します。
$ DIRECTORY/SIZE [FRANKIE]ORIGINAL.DAT Directory DMA0:[FRANKIE] ORIGINAL.DAT 35 Total of 1 file, 35 blocks $ COPY ORIGINAL.DAT EXTENDED.DAT/ALLOCATION=500 $ BACKUP [FRANKIE]EXTENDED.DAT MFA0:20JUL.BCK/LABEL=WKLY03 $ BACKUP/TRUNCATE MFA0:20JUL.BCK/LABEL=WKLY03 DMA0:[FRANKIE] |
上記のコマンドは,次の処理を行います。
- ファイル ORIGINAL.DAT の長さを 35 ブロックとする。
- ORIGINAL.DAT を EXTENDED.DAT にコピーし,EXTENDED.DAT に 500 ブロックを割り当てる。
- ファイル EXTENDED.DAT を MFA0 上のセーブ・セット 20JUL.BCK にセーブする。セーブしたファイルのファイル・ヘッダ・レコードにファイル割り当てサイズを書き込むが,セーブ・セットには 35 ブロックだけをセーブする。
- MFA0 上のセーブ・セット・ファイルを DMA0 にマウントされているボリュームにリストアし,出力ファイルを EOF で切り捨てる。リストアしたファイルの長さは,35 ブロックである。
/VERIFY |
コマンド修飾子セーブ,リストア,コピーのいずれかの処理が終了した後,出力指定子の内容を入力指定子の内容と比較することを指定します。
/VERIFY 入力指定 出力指定
/VERIFY 修飾子は,コマンド修飾子 /COMPARE とは異なります。コマンド修飾子 /COMPARE は,セーブ,リストア,コピー,リストの各処理では使用できません。 /VERIFY 修飾子では,まずコピー,セーブ,リストアのいずれかの処理を行い,次に比較処理を行います。ファイル構造のコピー処理では,ファイルをコピーしてから比較します。物理コピー処理では,ボリュームをコピーしてから比較します。セーブまたはリストア処理では,独立したパスでチェックが行われます。チェック開始前に,次のメッセージが表示されます。
%BACKUP-I-STARTVERIFY, starting verification pass
比較処理で問題が検出されると,次のエラー・メッセージが表示されます。
%BACKUP-E-VERIFYERR, verification error for block 'block-number' of 'disk:[directory]file_name.file_type;version_number'
出力ファイル修飾子 /NEW_VERSION を併用した場合,リストアまたはコピー処理では,/VERIFY 修飾子は動作しません。 /NEW_VERSION 修飾子は出力ファイルのバージョンを再設定するため,コピー元である入力ファイルを出力ファイルと正確に対応づけることは不可能となります。
$ BACKUP/VERIFY/LOG *.LIS MFA0:LIST.BCK %BACKUP-S-COPIED, copied DISK$DEFAULT:[WONDER]CRE.LIS;1 %BACKUP-S-COPIED, copied DISK$DEFAULT:[WONDER]CRETIME.LIS;1 %BACKUP-S-COPIED, copied DISK$DEFAULT:[WONDER]EXC.LIS;1 %BACKUP-S-COPIED, copied DISK$DEFAULT:[WONDER]NOREB.LIS;1 %BACKUP-S-COPIED, copied DISK$DEFAULT:[WONDER]REB.LIS;1 %BACKUP-S-COPIED, copied DISK$DEFAULT:[WONDER]SETREB.LIS;1 %BACKUP-S-COPIED, copied DISK$DEFAULT:[WONDER]VERS.LIS;1 %BACKUP-I-STARTVERIFY, starting verification pass %BACKUP-S-COMPARED, compared DISK$DEFAULT:[WONDER]CRE.LIS;1 %BACKUP-S-COMPARED, compared DISK$DEFAULT:[WONDER]CRETIME.LIS;1 %BACKUP-S-COMPARED, compared DISK$DEFAULT:[WONDER]EXC.LIS;1 %BACKUP-S-COMPARED, compared DISK$DEFAULT:[WONDER]NOREB.LIS;1 %BACKUP-S-COMPARED, compared DISK$DEFAULT:[WONDER]REB.LIS;1 %BACKUP-S-COMPARED, compared DISK$DEFAULT:[WONDER]SETREB.LIS;1 %BACKUP-S-COMPARED, compared DISK$DEFAULT:[WONDER]VERS.LIS;1 |
磁気テープ・セーブ・セットを MFA0 上に作成し,セーブ処理終了後にチェック・パスを起動します。 /LOG 修飾子は,ファイルを処理するときにファイル名を表示します。
/VOLUME |
コマンド修飾子ディスク・ボリューム・セット内の特定のディスク・ボリュームを処理することを指定します。/VOLUME 修飾子を指定できるのは, /IMAGE 修飾子と併用した場合に限定されます。
/IMAGE/VOLUME= n 入力指定子 出力指定子
/VOLUME 修飾子を指定すれば,入力ボリューム・セット内のディスクより 1 つ多いディスク・ドライブを使用して,イメージのセーブ,リストア,コピーを行えます。 /VOLUME を使用する場合は,入力ボリューム・セット全体をライト・ロックしてください。/VOLUME 修飾子を使用してイメージのコピーまたはセーブ処理を行う場合,入力ボリューム・セット内のすべてのディスクがマウントされている必要があります。ターゲット・ボリューム・セットのボリュームは,一度に 1 つずつマウントしてください。入力ボリューム・セットの各ディスクに対し,別々に BACKUP コマンドを入力します。/VOLUME 修飾子で作成したセーブ・セットは,リストア処理でも /VOLUME 修飾子を使用する必要があります。
/VOLUME 修飾子は,あらゆるイメージ・セーブ・セットのリストアに使用できます。出力ボリューム・セットのディスクは,すべてマウントされている必要があります。入力ボリューム・セットのディスクは,一度に 1 つずつマウントしてください。 /VOLUME を使用したリストア処理にコマンド修飾子 /NOINITIALIZE を使用することはできません。
/VOLUME 修飾子を使用してディスク・ボリューム・セットを比較する処理では,両方のボリューム・セットにディスクをすべてマウントしている必要があります。テープ上のセーブ・セットとディスク・ボリューム・セットを比較する処理では,ディスク・ボリューム・セットのディスクをすべてマウントしている必要があります。
$ BACKUP/IMAGE/VOLUME=3 DISK$PUBLIC DRA1: |
ボリューム・セット DISK$PUBLIC の第 3 ボリュームと機能的に等しいコピーを DRA1 に作成しています。 DRA1 にマウントされているディスクが,イメージ・コピー・ボリューム・セットの第 3 ボリュームとなります。
/WINDOW |
割り当てるファイル入出力バッファの数を制御します。
/WINDOW=[キーワード]
デフォルトではファイル入出力バッファは 7 つのマッピング・ポインタを持ちますが,ファイルがより断片化されていると入出力バッファの数はそれに従い増加します。ファイル入出力バッファはノンページ・プールから取り出され, BYTLM プロセス・クォータに対してチャージされます。ディスク上で連続する領域に保管されているファイルは常に完全にマッピングされますが,断片化されている場合,完全にはマッピングされない場合があります。この結果,断片化されたファイルの 8 番目の部分を BACKUP がマッピングしようとした時に BYTLM クォータを消費し,クォータ超過エラーが発生して性能が低下することがあります。/WINDOW 修飾子には次のキーワードを使用できます。
FULL フル・マッピング(省略時の値) LIMITED ファイル入出力バッファの数を制限
LIMITED キーワードを指定することで,クォータ超過エラーの発生を回避することができます。
7.6 BACKUPの例 |
#1 |
---|
$ BACKUP _From: DBA1:[000000...] _To: MTA0:13NOVBAK.BCK,MTA1:/LABEL=(DLY101,DLY102) |
この BACKUP コマンドは,ディスク DBA1 の内容全体をマルチボリューム・テープ・セーブ・セットにセーブします。このコマンドでは,セーブ・セットの最初のテープは初期化されませんが, 2 番目以降のテープは初期化されます。セーブ・セットの最初のテープは, DLY101 というラベルでなければなりません。 2 番目のテープは,DLY102 というラベルでなければなりません。
#2 |
---|
$ BACKUP [PLI.WORK]/SINCE=YESTERDAY/MODIFIED [PLI.SAV] |
この BACKUP コマンドは,ディレクトリ [PLI.WORK] に登録されているファイルのうち,選択されたファイルをディレクトリ [PLI.SAV] にコピーします。今日の午前 0 時より 24 時間前以内に変更されたファイルだけが処理されます。この例では /MODIFIED 修飾子は必要ありません。これは,/SINCE 修飾子を指定した場合に,省略時の設定としてこの修飾子が適用されるからです。
#3 |
---|
$ BACKUP DBA2:[PLI.WORK]*.*; DBA3:[SAVE]23MAR82.BCK/SAVE_SET |
この BACKUP コマンドは,ディレクトリ [PLI.WORK] に登録されている各ファイルの最新バージョンを DBA3 上のディスク・セーブ・セットにセーブします。この例では,出力セーブ・セットが Files-11 ディスク上にあるため, /SAVE_SET 修飾子を指定しなければなりません。
#4 |
---|
$ BACKUP/PHYSICAL DYA0: DYA1: |
この BACKUP コマンドは, DYA0 というデバイスにマウントされている RX02 フロッピー・ディスク全体を, DYA1 というデバイスにマウントされている RX02 フロッピー・ディスクにコピーします。どちらのデバイスも,DCL の MOUNT/FOREIGN コマンドを使用してマウントしておかなければなりません。
#5 |
---|
$ BACKUP _From: DB1:[SCHED]*.* _To: DENVER::DBA2:[SAVE]SCH.BCK/SAVE_SET |
この BACKUP コマンドは,ローカル・ノードの DB1 というディスク上の SCHED ディレクトリに登録されているすべてのファイルを,リモート・ノード DENVER 上のネットワーク・セーブ・セット SCH.BCK にセーブします。出力指定を Files-11 ディスク上のセーブ・セットとして指定するために, /SAVE_SET 修飾子が必要です。
#6 |
---|
$ BACKUP/LIST DENVER::DBA2:[SAVE]SCH.BCK/SAVE_SET |
この BACKUP コマンドは,BACKUP 概略情報と,使用した元の BACKUP コマンド,前の例で作成されたセーブ・セット内の各ファイルのファイル名,サイズ,作成日を表示します。入力指定を Files-11 デバイスのセーブ・セットとして指定するために, /SAVE_SET 修飾子が必要です。
#7 |
---|
$ BACKUP MTA0:NOV2SAVE.BCK/REWIND/SELECT=[USER...] [USER...] |
このコマンドは,NOV2SAVE.BCK という名前の磁気テープ・セーブ・セットから,セーブされたファイルをその元のディレクトリ階層([USER] ディレクトリ階層)にリストアします。/REWIND 修飾子は,リストア操作を開始する前に,テープをその先頭まで巻き戻すように BACKUP に要求します。
#8 |
---|
$ BACKUP WORK$:[TESTFILES...]*.*;* MUA0:TEST.SAV - _$ /MEDIA_FORMAT=COMPACTION /REWIND |
この BACKUP コマンドは,ディレクトリ [TESTFILES] とそのサブディレクトリ下に登録されている全ファイルの全バージョンを TA90E テープ・ドライブを使用してセーブ・セット TEST.SAV にセーブします。 /MEDIA_FORMAT=COMPACTION 修飾子は,テープ・ドライブが自動的にデータ圧縮とレコード・ブロッキングを行うように指定しています。
目次 索引
|