日本-日本語 |
|
|
|
OpenVMS マニュアル |
|
HP OpenVMS
|
目次 | 索引 |
1 回の読み込み動作における読み込みページ数は,現在, 1 秒あたり約 3 ページであることを示しています (Page Read Rate を Page Read I/O Rate で割る)。ページ・フォルト率は現在最も高く,大半のページは,ディスクではなくメモリからフォルトしています。
MONITOR PROCESSES
MONITOR PROCESSESコマンドを実行すると,PROCESSESクラスの監視が開始され,システム内の全プロセスに関する情報が表示されます。マルチファイル要約を要求した場合には,CLUSTERとPROCESSESのクラスが無視されます。コマンド行でこれらのクラスしか指定しないと, MONITORはこれらのクラスを無視し,"no classes specified" というエラー・メッセージを表示します。
OpenVMS Version 8.3 から,4 つの新しい修飾子 (/TOPKERNEL, /TOPEXECUTIVE,/TOPSUPERVISOR,および /TOPUSER) を使用することで,プロセスの単位でモードの使用状況を監視できるようになりました。これらの修飾子は,さまざまな CPU モードについて使用頻度の高いプロセスを調べる際に役に立ちます。たとえば,MONITOR MODES コマンドによって,スーパバイザ・モードが大量に使用されていることが分かった場合,新しい MONITOR PROCESSES/TOPSUPERVISOR の表示によって,どのプロセス (すなわちどのユーザ) によるものかが分かります。
MONITOR PROCESSES
/修飾子[,...]
1 つ以上の修飾子。本章の「コマンド修飾子の説明」を参照してください。
クラス名修飾子 |
/TOPBIO
画面への出力と要約の出力について,標準的な形式ではなく,入出力のバッファリング回数が多いユーザを棒グラフで出力することを指定します。値は,1秒あたりのバッファリングされた入出力回数で表されます。/TOPCPU
画面への出力と要約の出力について,標準的な形式ではなく,CPUの使用時間が多いユーザを棒グラフで出力することを指定します。値は,1秒あたりのクロック・チック(10ミリ秒)回数で表されます。バージョン 7.3 より前の OpenVMS では, MONITOR PROCESSES/TOPCPU 表示で 1 つの画面に最大 8 プロセスしか表示できませんでした。 OpenVMS バージョン 7.3 以降は,システムの CPU 数に応じて, 3 種類の画面から適切なものが表示されるようになりました。この項の例を参照してください。
/TOPDIO
画面への出力と要約の出力について,標準的な形式ではなく,直接入出力の回数が多いユーザを棒グラフで出力することを指定します。値は,1秒あたりの直接入出力の回数で表されます。/TOPEXECUTIVE
標準の表示と要約の出力ではなく,エグゼクティブ・モードを使用している上位ユーザを示す棒グラフを生成することを指定します。値は,1秒あたりのクロック単位時間 (10 ms) 数で表現されます。/TOPFAULT
画面への出力と要約の出力について,標準的な形式ではなく,ページ・フォルトの回数が多いプロセスを棒グラフで出力することを指定します。値は,1秒あたりのページ・フォルト回数で表されます。/TOPKERNEL
標準の表示と要約の出力ではなく,カーネル・モードを使用している上位ユーザを示す棒グラフを生成することを指定します。値は,1秒あたりのクロック単位時間 (10 ms) 数で表現されます。/TOPSUPERVISOR
標準の表示と要約の出力ではなく,スーパバイザ・モードを使用している上位ユーザを示す棒グラフを生成することを指定します。値は,1秒あたりのクロック単位時間 (10 ms) 数で表現されます。/TOPUSER
標準の表示と要約の出力ではなく,ユーザ・モードを使用している上位ユーザを示す棒グラフを生成することを指定します。値は,1秒あたりのクロック単位時間 (10 ms) 数で表現されます。
例にあるとおり,PROCESSES 表示と要約出力は,他のクラスと形式が異なり,次の情報が出力されます。
データ項目 説明 PID システムが設定した 16 進プロセス識別子 STATE プロセスのスケジューラ状態 (STATES コードについては, MONITOR STATES コマンドの項を参照) PRI 基本優先順位に相対する,プロセスの現在の優先順位 NAME プロセス名 PAGES 共用可能ページ数と,現在プロセスが使用している総ページ数 DIOCNT プロセス作成後にプロセスが実行した直接入出力動作数 プロセスをスワップ・アウトした場合は表示されません。
FAULTS プロセス作成後のページ・フォルト数 プロセスをスワップ・アウトした場合は表示されません。
CPU TIME プロセス作成後にプロセスが使用した CPU 時間 形式は, 時間 : 分 : 秒 です。プロセスをスワップ・アウトした場合は表示されません。
表示の上部左右には,システムを最後にブートした後のシステム内のプロセス数と,日付と時間が示されます。スワップ・アウトしたプロセスは,その旨記されます。
画面上に一度に表示できる数を超えるプロセスが存在する場合,複数の画面が使用されます。/VIEWING_TIME 修飾子で指定した時間間隔で,画面が切り替わります。5 種類の /TOP 棒グラフ表示には, 8 名のトップ・ユーザそれぞれについて,PID とプロセス名が表示されます。
他の棒グラフ表示と同様,トップ・ユーザの表示では,値が近似整数に丸められます。0 以外の値を持つプロセスが,最大 16 個表示されます。トップ・ユーザ・リストに入るためには,プロセスが表示間隔の始めと終わりに存在し,スワップ・インされていなければなりません。この資格条件は,要約出力のすべての対象期間の始めと終わりにも適用されます。
1 つの MONITOR 要求で選択できるのは,トップ・ユーザの中の 1 つまたは通常の PROCESSES 表示です。
#1 |
---|
MONITOR> MONITOR/INPUT=PROCS.DAT/INTERVAL=6 PROCESSES Process Count: 20 OpenVMS Monitor Utility Uptime: 1 23:26:10 PROCESSES on node SAMPLE 29-APR-2003 12:39:09 PID STATE PRI NAME PAGES DIOCNT FAULTS CPU TIME 00000081 HIB 16 SWAPPER 0/0 0 0 00:00:15.8 00000102 LEFO 4 SAMPLE1001 87/232 SWAPPED OUT 00000103 COM 4 SAMPLE1101 16/100 7127 51298 00:05:11.0 00000084 HIB 8 ERRFMT 64/174 2750 125 00:00:43.9 00000086 LEF 8 OPCOM 73/272 283 178 00:00:07.7 00000087 HIB 9 JOB_CONTROL 57/293 707 167 00:00:10.5 00000088 HIB 8 CONFIGURE 43/205 22 123 00:00:00.6 0000008A HIB 6 SYMBIONT_0001 5/56 50 617 00:03:15.1 0000008B HIB 8 JNLACP 75/580 15149 4922 00:21:51.1 0000008C HIB 8 NETACP 5/954 11 1057 00:25:06.8 0000008D HIB 5 EVL 7/56 44 34384 00:00:20.5 0000008E HIB 9 REMACP 5/54 13 107 00:00:01.3 00000112 COM 4 SAMPLE1601 45/111 13131 39992 00:06:39.1 0000011E CUR 9 SMITH 89/298 138 830 00:00:07.1 |
PROCS.DAT という入力ファイルで作成した PROCESSES 表示です。システム内の各プロセスにつき,1 行が表示されます。表示されるのは現在値だけであり,平均値,最小値,最大値は表示されません。スワップ・アウトされたプロセスの場合,右側の 3 つの項目は適用されないので,これらの項目に SWAPPED OUT と表示されます。プレイバックが要求されているので,MONITOR データが記録された時点のシステム使用可能時間が表示されています。
表示不能文字は,ピリオドで表されます。
#2 |
---|
MONITOR> MONITOR/INPUT=PROCS.DAT PROCESSES/TOPDIO OpenVMS Monitor Utility TOP DIRECT I/O RATE PROCESSES on node SAMPLE 29-APR-2003 16:13:38 0 25 50 75 100 + - - - - + - - - - + - - - - + - - - - -+ 000000C7 SAMPLE0901 25 |********** | | | | | 00000112 SAMPLE1601 17 |****** | | | | | 00000102 SAMPLE1001 14 |***** | | | | | 00000103 SAMPLE1101 12 |**** | | | | | 00000080 NULL 12 |**** | | | | | 0000011E SMITH 4 |* | | | | | 0000008C NETACP 1 | | | | | | | + - - - - + - - - - + - - - - + - - - - -+ |
最後の監視期間における直接入出力ユーザのトップは, 1 秒あたり 25 のプロセス SAMPLE091 であることを示しています。
#3 | |
---|---|
MONITOR> MONITOR PROCESSES/TOPCPU
|
単一 CPU システムの MONITOR PROCESSES/TOPCPU 画面表示を示しています。
#4 |
---|
MONITOR> MONITOR PROCESSES/TOPCPU OpenVMS Monitor Utility TOP CPU TIME PROCESSES on node BRS012 5-JUN-2003 10:48:39.38 0 25 50 75 100 + - - - - + - - - - + - - - - + - - - - -+ 0000012B BATCH_46 7 ** 00000128 BATCH_43 6 ** 0000012A BATCH_45 5 ** 00000125 BATCH_40 5 ** 00000123 BATCH_38 5 ** 00000121 BATCH_36 5 ** 00000129 BATCH_44 5 ** 0000011F BATCH_34 5 ** 0000011E BATCH_33 5 ** 0000011D BATCH_32 5 ** 00000117 BATCH_26 5 ** 00000127 BATCH_42 5 ** 00000120 BATCH_35 5 ** 0000011B BATCH_30 5 ** 00000119 BATCH_28 5 ** |
12 CPU システムの MONITOR PROCESSES/TOPCPU 画面表示を示しています。
#5 |
---|
MONITOR> MONITOR PROCESSES/TOPCPU OpenVMS Monitor Utility TOP CPU TIME PROCESSES on node BRS016 5-JUN-2003 10:51:10.89 0 25 50 75 100 + - - - - + - - - - + - - - - + - - - - -+ 00000127 BATCH_42 6 ** 00000125 BATCH_40 6 ** 00000124 BATCH_39 5 ** 00000118 BATCH_27 5 ** 00000129 BATCH_44 5 ** 00000122 BATCH_37 5 ** 00000120 BATCH_35 5 ** 0000011F BATCH_34 5 ** 0000011D BATCH_32 5 ** 0000011C BATCH_31 5 ** 00000119 BATCH_28 5 ** 00000128 BATCH_43 5 ** 00000123 BATCH_38 5 ** 0000011B BATCH_30 4 * 0000012B BATCH_46 4 * 00000126 BATCH_41 4 * |
16 CPU システムの MONITOR PROCESSES/TOPCPU 画面表示を示しています。
#6 |
---|
MONITOR> MONITOR PROCESSES/TOPSUPERVISOR OpenVMS Monitor Utility TOP SUPERVISOR MODE PROCESSES on node QUEBIT 7-DEC-2005 14:04:24.19 0 25 50 75 100 + - - - - + - - - - + - - - - + - - - - + 74E000AD BATCH_3 5 ** 74E000AC BATCH_2 4 * 74E000AA BATCH_1 3 * 74E000AB _RTA3: 3 * + - - - - + - - - - + - - - - + - - - - + |
この例では,スーパバイザ・モードで CPU 時間を消費している上位 16 プロセスの棒グラフを表示しています。値は,秒あたりのクロック単位時間 (10 ms) 数で表現されます。
MONITOR RLOCK |
MONITOR RLOCK コマンドは, RLOCK (動的なロック再マスタリング) 統計クラスの監視を起動します。
MONITOR RLOCK
/修飾子[,...]
1 つ以上の修飾子。本章の「コマンド修飾子の説明」を参照してください。
クラス名修飾子 |
/ALL
すべての統計項目 (現在,平均,最小,最大) を表示出力と要約出力に含めることを指定します。要約出力の場合,すべてのクラスについて,この修飾子が省略時の値です。要約出力以外の場合,CLUSTER,MODES,PROCESSES,STATES,SYSTEM, VECTOR を除くすべてのクラスについて,この修飾子が省略時の値です。/AVERAGE
平均統計の棒グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。/CURRENT
現在の統計の棒グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。この修飾子は,CLUSTER,MODES,STATES, SYSTEM,VECTOR の各クラスの省略時の値です。/MAXIMUM
最大統計の棒グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。/MINIMUM
最小統計の棒グラフを表示出力と要約出力に含めることを指定します。
RLOCK クラスを使うと,ノードの動的なロック再マスタリング統計を監視できます。ローカルなロック処理はリモート・ロック処理よりもコストがかからないので,ロック・ツリーは性能を向上させるためにノード間で移動されます。ロック・ツリーの移動には次のような理由が考えられます。
- 現在のマスタよりも,同じクラスタ内の別のノードの方がツリーに対してさらにアクティブである場合
- 高い LOCKDIRWT のノードが,低い LOCKDIRWT のノードがマスタであるリソースへのロックをキューに登録する場合
- このリソースに対してロックを持つノードがクラスタ内でただ 1 つなので,それがマスタになる場合
RLOCK クラスは,次のデータ項目から構成されます。これらのデータ項目は秒単位の割合として表示されます。
データ項目 説明 Lock Tree Outbound Rate このノードから移動されたロック・ツリーの割合。 Higher Activity クラスタ内の別のノードにおけるロック処理が高いために移動されたツリーの割合。 Higher LOCKDIRWT SYSGEN パラメータ LOCKDIRWT の値が高いノードに移動されたツリーの割合。 Sole Interest 移動先のノードがツリーに残っているロックの唯一のノードであるために,そのノードに移動されたツリーの割合。 Remaster Msg Send Rate このノードから送信された再マスタリング・メッセージの割合。 Lock Tree Inbound Rate このノードに移動されたツリーの割合。 Remaster Msg Receive Rate このノードで受信された再マスタリング・メッセージの割合。
MONITOR> MONITOR RLOCK DYNAMIC LOCK REMASTERING STATISTICS on node JYGAL2 30-OCT-2003 12:19:55.27 CUR AVE MIN MAX Lock Tree Outbound Rate 0.33 0.02 0.00 0.33 (Higher Activity) 0.33 0.02 0.00 0.33 (Higher LCKDIRWT) 0.00 0.00 0.00 0.00 (Sole Interest) 0.00 0.00 0.00 0.00 Remaster Msg Send Rate 2.66 0.25 0.00 2.66 Lock Tree Inbound Rate 0.00 0.01 0.00 0.33 Remaster Msg Receive Rate 0.00 0.09 0.00 1.66 |
この例で,送出される数は少量です。ほとんどの場合,これらの数値が非常に大きな値になることはあり得ません。再マスタリングは 8 秒ごとしか試行されず,そのとき,一度に処理されるツリーは最大で 5 ツリーです。例外は,通常のシャットダウンのときであり,システムはノードのシャットダウン時にすべてのツリーを強制的にオフにします。
目次 | 索引 |
|