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OpenVMS マニュアル |
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HP OpenVMS
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目次 | 索引 |
SHOW CLUSTER は,必要に合わせてクラスやフィールドを追加または削除し,必要な情報を表示するようにカスタマイズできます。たとえば,CLUSTER クラスや LOCAL_PORTS クラスに属するフィールドを追加すると,そのクラスの情報を表示する欄が表示に追加されます。
省略時の設定では,SYSTEMS クラスの NODE フィールドと SOFTWARE フィールド,MEMBERS クラスの STATUS フィールドが表示されます。 図 22-1 は,HW_TYPE,VOTES,TRANSITION_TIME のフィールドを省略時の表示に追加した表示のカスタマイズ例です。
図 22-1 SHOW CLUSTER レポート
SHOW CLUSTER は,ほぼ 100 フィールドのデータを網羅しているので, 画面に収まらなくなることがよくあります。このため,表示を制御する,次のメカニズムが用意されています。
SHOW CLUSTER には多くの修飾子とコマンド,1 つの定義可能キーパッドがあり,それらを利用して表示をカスタマイズすることができます。具体的には,ウィンドウの位置を変更したり,ウィンドウの内容をスクロールしたり,表示を更新する間隔を変更したりできます。この章では,SHOW CLUSTER の修飾子とコマンドに関するリファレンス情報を記載します。キーパッドの使用方法については, 付録 J を参照してください。
SHOW CLUSTER コマンドに慣れてくると,自分にとって本当に必要なクラスやフィールドが分かってきます。スタートアップ初期化ファイルを作成すれば,ユーザ独自の省略時のレポート・フォーマットを設定できます。また,SHOW CLUSTER を会話形式で使用する,コマンド・プロシージャの作成やキーパッドの指定もできます。
SHOW CLUSTER の出力をカスタマイズすると,インストレーションに関連するデータだけを表示できます。 SHOW_CLUSTER$INIT:SHOW_CLUSTER.INI という初期化ファイルの作成については,『OpenVMS システム管理者マニュアル (下巻)』を参照してください。
SHOW CLUSTER のキーパッドをカスタマイズすると,省略時のキーパッドの機能をサイト固有の機能に再定義できます。SHOW CLUSTER のキーパッド・コマンドについては
付録 J を参照してください。
SHOW CLUSTER コマンドを修飾子を付けずに指定すると, 1 つのクラスタ・レポートが表示され,制御は DCL レベルに戻ります。 SHOW CLUSTER のレポートを連続して表示するには,次のコマンドを入力します。
連続表示モードでは,各種の SHOW CLUSTER コマンドでレポート出力を制御できます。/OUTPUT 修飾子を付けて SHOW CLUSTER コマンドを入力すれば,SYS$OUTPUT ではなく,ファイルやデバイスに出力できます。
連続表示モードを終了して DCL レベルに戻るには,EXIT コマンドを入力するか,または Ctrl/Z を押します。画面を消去せずに SHOW CLUSTER を終了するには Ctrl/C,SHOW CLUSTER を中断するには Ctrl/Y を押します。
この節では,SHOW CLUSTER 修飾子について,例を挙げて説明します。次の表は,修飾子の一覧です。
22.2 SHOW CLUSTER 使用法の要約
Show Cluster ユーティリティ (SHOW CLUSTER) は,OpenVMS Cluster システムの動作と性能を監視し,省略時のターミナルまたは指定したデバイスまたはファイルに情報を出力します。
形式
SHOW CLUSTER [/修飾子[,...]]
パラメータ
なし
説明
SHOW CLUSTER を起動するには,次のコマンドを入力します。
$ SHOW CLUSTER
$ SHOW CLUSTER/CONTINUOUS
22.3 SHOW CLUSTER の修飾子
修飾子 | 説明 |
---|---|
/BEGINNING=時間 | SHOW CLUSTER セッションを開始する時間を指定する。 |
/CONTINUOUS | SHOW CLUSTER の表示を連続的に更新するかどうかを制御する。 |
/ENDING=時間 | SHOW CLUSTER セッションを終了する時間を指定する。 |
/INTERVAL=秒数 | 画面上に情報が表示されてから,更新されるまでの秒数を指定する。 |
/OUTPUT=ファイル指定 | 現在の SYS$OUTPUT デバイスではなく,指定したファイルに SHOW CLUSTER の出力を送信する。 |
SHOW CLUSTER セッションを開始する時間を指定します。絶対時刻とデルタ時間のいずれも使用できます。また,両方を組み合わせて指定することもできます。『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』に記述された時間値構文規則に従ってください。将来の時間を指定すると,その指定した時間までプロセスはハイバネート状態となります。この修飾子に /OUTPUT と /ENDING の修飾子を付けて指定すると,ユーザが直接起動することなく SHOW CLUSTER を実行できます。
/BEGINNING =時間
時間
[dd-mmm-yyyy[:]][hh:mm:ss.cc] の形式による絶対時刻,または [dddd-][hh:mm:ss.cc] の形式によるデルタ時間で時間を指定します。絶対時刻とデルタ時間を組み合わせて指定することもできます。『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』に記述された時間値構文規則に従ってください。
#1 |
---|
$ SHOW CLUSTER/BEGINNING=31-OCT-2002:20:30 |
絶対時刻を指定しています。2002 年 10 月 31 日 20 時 30 分に,単一表示モードで出力されます。
#2 |
---|
$ SHOW CLUSTER/CONTINUOUS/BEGINNING=31-OCT-2002:21:30 |
絶対時刻を指定しています。2002 年 10 月 31 日 21 時 30 分に,連続表示モードで開始されます。
#3 |
---|
$ SHOW CLUSTER/BEGINNING=7-:30 |
デルタ時間を指定しています。今から 7 日と 30 分後に,単一表示モードで出力されます。
/CONTINUOUS |
連続的に SHOW CLUSTER 表示を更新するかどうかを制御します。この修飾子を省略した場合,単一表示モードで出力されます。出力後,制御は DCL コマンド・レベルに戻ります。連続表示モードで SHOW CLUSTER を実行すれば,SHOW CLUSTER コマンドで表示を制御できます。
/CONTINUOUS
$ SHOW CLUSTER/CONTINUOUS |
15 秒ごとに更新される連続レポートの表示を開始しています。
/ENDING=時間 |
SHOW CLUSTER セッションを終了する時間を指定します。絶対時刻とデルタ時間のいずれも使用できます。また,両方を組み合わせて指定することもできます。『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』に記述された時間値構文規則に従ってください。この修飾子に /BEGINNING と /OUTPUT の修飾子を付けて指定すると,ユーザが直接起動することなく SHOW CLUSTER を実行できます。
/ENDING =時間
時間
[dd-mmm-yyyy[:]][hh:mm:ss.cc] の形式による絶対時刻,または [dddd-][hh:mm:ss.cc] の形式によるデルタ時間で時間を指定します。絶対時刻とデルタ時間を組み合わせて指定することもできます。『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』に記述された時間値構文規則に従ってください。
$ SHOW CLUSTER/CONTINUOUS/ENDING=31-OCT-2002:15:30 |
連続表示モードで今から出力を開始し,2002 年 10 月 31 日 15 時 30 分に終了します。
/INTERVAL=秒数 |
画面上に情報を表示してから,更新するまでの秒数を指定します。省略時の設定では15 秒です。
/INTERVAL =秒数
秒数
秒単位による表示更新の間隔
$ SHOW CLUSTER/INTERVAL=5 |
5 秒ごとに更新される連続レポートを表示しています。
/OUTPUT=ファイル指定 |
現在の SYS$OUTPUT デバイスではなく,指定したファイルにSHOW CLUSTER の出力を送ります。
SHOW CLUSTER の出力は,ファイル・タイプやデバイス・タイプにかかわりなく,必ず印刷可能なファイル形式です。132 個までの欄を出力できます。また,あらゆるファイル,ターミナル,印刷デバイスに送信できます。
WRITE コマンドでも,ファイルへの出力を指定できます。
/OUTPUT =ファイル指定
ファイル指定
SHOW CLUSTER の出力先とするファイルまたはデバイスの名前。省略時のファイル名は,SHOW_CLUSTER.LIS です。SYS$OUTPUT 以外のデバイス名を指定すれば,そのデバイスに出力できます。
$ SHOW CLUSTER/OUTPUT=[OMALLEY]CLUSTER |
レポートを作成し,OMALLEY というディレクトリのファイル CLUSTER.LIS;1 に出力しています。
22.4 SHOW CLUSTER のコマンド |
連続表示モードでは,各種の SHOW CLUSTER のコマンドを使用してセッションを制御できます。次の表は, SHOW CLUSTER のコマンドの一覧です。
コマンド名 | 説明 |
---|---|
@ (実行プロシージャ) | SHOW CLUSTER コマンドを格納しているコマンド・プロシージャ・ファイルを実行する。 |
ADD CIRCUITS | 現在許可されているすべての CIRCUITS クラス・フィールドを,SHOW CLUSTER 表示に追加する。 |
ADD CLUSTER | 現在許可されているすべての CLUSTER クラス・フィールドを,SHOW CLUSTER 表示に追加する。 |
ADD CONNECTIONS | 現在許可されているすべての CONNECTIONS クラス・フィールドを,SHOW CLUSTER 表示に追加する。状態別や名前別に追加することもできる。 |
ADD COUNTERS | 現在許可されているすべての COUNTERS クラス・フィールドを,SHOW CLUSTER 表示に追加する。 |
ADD CREDITS | 現在許可されているすべての CREDITS クラス・フィールドを,SHOW CLUSTER 表示に追加する。 |
ADD ERRORS | 現在許可されているすべての ERRORS クラス・フィールドを,SHOW CLUSTER 表示に追加する。 |
ADD (フィールド) | SHOW CLUSTER 情報の特定のフィールドの表示を許可する。 |
ADD LOCAL_PORTS | 現在許可されているすべての LOCAL_PORTS クラス・フィールドを,SHOW CLUSTER 表示に追加する。 |
ADD MEMBERS | 現在許可されているすべての MEMBERS クラス・フィールドを,SHOW CLUSTER 表示に追加する。 |
ADD SYSTEMS | アクティブ・システムのすべてまたは一部について,現在許可されているすべての SYSTEMS クラス・フィールドを SHOW CLUSTER 表示に追加する。 |
DEFINE/KEY | 等価文字列と属性を,ターミナル・キーボードのキーに対応づける。 |
DESELECT | 選択されているウィンドウを選択解除する。 |
EXIT | SHOW CLUSTER 表示を終了し,制御を DCL コマンド・レベルに戻す。 |
HELP | SHOW CLUSTER のコマンド,パラメータ,修飾子に関するヘルプ情報を,オンラインで出力する。Ctrl/Z を入力すると,終了する。 |
INITIALIZE | フィールド名,クラス名,フィールド幅を,元の省略時の値に再設定する。また,REMOVE SYSTEMS コマンドで表示から削除されていたシステムを復元する。 |
MOVE | 選択したウィンドウを指定した位置に移動する。 |
PAN | 表示の視点を移動する。 |
REFRESH | 画面をクリアし,外字を削除し,すべてのフィールドを更新する。 |
REMOVE CIRCUITS | SHOW CLUSTER 表示から CIRCUITS クラス情報を削除する。 |
REMOVE CLUSTER | SHOW CLUSTER 表示から CLUSTER クラス情報を削除する。 |
REMOVE CONNECTIONS | SHOW CLUSTER 表示から CONNECTIONS クラス情報を削除する。 |
REMOVE COUNTERS | SHOW CLUSTER 表示から COUNTERS クラス情報を削除する。 |
REMOVE CREDITS | SHOW CLUSTER 表示から CREDITS クラス情報を削除する。 |
REMOVE ERRORS | SHOW CLUSTER 表示から ERRORS クラス情報を削除する。 |
REMOVE (フィールド) | SHOW CLUSTER 情報の特定のフィールドの表示を削除する。 |
REMOVE LOCAL_PORTS | SHOW CLUSTER 表示から LOCAL_PORTS クラス情報を削除する。 |
REMOVE MEMBERS | SHOW CLUSTER 表示から MEMBERS クラス情報を削除する。 |
REMOVE SYSTEMS | SHOW CLUSTER 表示から SYSTEMS クラス情報を削除する。 |
SAVE | 現在の表示を作成するスタートアップ初期化ファイルまたはコマンド・プロシージャを作成する。このスタートアップ初期化ファイルやコマンド・プロシージャを使用すれば,同じ表示を復元できる。 |
SCROLL | ウィンドウをスクロールする。 |
SELECT | スクロールまたは移動の対象ウィンドウを指定する。 |
SET AUTO_POSTIONING | ウィンドウの自動位置決定機能を許可する。 |
SET (フィールド) | 特定のフィールドの特性を変更する。 |
SET FUNCTION | SHOW CLUSTER 機能 EDIT,MOVE,PAN, SCROLL のいずれかを許可する。 |
SET INTERVAL | 表示更新間隔を変更する。省略時の時間間隔は 15 秒である。 |
SET SCREEN | 最大 511 カラムで構成される表示をターミナルに設定する。 |
WRITE | ハードコピー・デバイスで印刷できるファイルに現在の表示を出力する。 |
SHOW CLUSTER コマンドを格納しているコマンド・プロシージャ・ファイルを実行します。
@ ファイル指定
ファイル指定
実行するコマンドを格納しているファイルの名前を指定します。ファイル・タイプを省略した場合,省略時のファイル・タイプ COM が使用されます。ワイルドカード文字は,ファイル指定に使用できません。
なし
実行プロシージャ (@) コマンドは,1 つのファイルに格納されている複数の SHOW CLUSTER コマンドを実行します。たとえば,SHOW CLUSTER 表示をカスタマイズするコマンド群を,1 つのコマンド・プロシージャ・ファイルにまとめて格納することができます。 SHOW CLUSTER コマンドであれば,どれでもコマンド・プロシージャに含めることができます。コマンド・プロシージャは,16 レベルまでネストすることができます。SHOW CLUSTER は,論理名 SHOW_CLUSTER$INIT が指すディレクトリでコマンド・プロシージャを検索します。SHOW_CLUSTER$INIT が定義されていない場合やディレクトリ指定を含んでいない場合,現在の省略時のディレクトリにおいてコマンド・プロシージャの検索が行われます。
COMMAND> @MYFILE |
この例では,MYFILE.COM というコマンド・プロシージャを実行しています。ファイル・タイプが指定されていないので,COM が使用されています。
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