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OpenVMS マニュアル |
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HP OpenVMS
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目次 | 索引 |
25.4.2 パーマネント・リストにエントリを作成する |
ここでは,デバイスが自動的なロードから除外されている場合や,すべてのデバイスの自動的なロードが無効になっているために, UCM が自動的に構成しなかったデバイスを構成するための手順を説明します。
UCM が USB デバイスを構成するためには,あらかじめパーマネント・リストにデバイスのエントリが登録されている必要があります。
パーマネント・リストにエントリがない既知のタイプの USB デバイスを接続する場合,UCM は読み取り専用ジェネリック・リストの情報を使用して,テンタティブ・リストにエントリを作成します。 UCM がパーマネント・リストにエントリを作成する前に,ユーザがエントリを承認する必要があります。
ただし,キーボードとマウスについては,特別なパーマネント・エントリが事前に有効になっているため,パーマネント・リストにエントリを作成する必要はありません。これらのパーマネント・エントリがあることで,システム・キーボード (KBD) とマウス (MOU) は,自動ロードの設定にかかわらず,常に接続と構成が行われます。 また,これらのエントリによって,キーボードとマウスを USB バスのどこに接続しても KBD および MOU になります。これにより,グラフィックス・カード,キーボード,マウスがあるシステムでは, DECwindows が常に正常に起動されることが保証されます。 |
構成するデバイスを設定するには,パーマネント・リストにデバイスのエントリを作成します。その後,デバイスを接続するたびに,UCM はそのデバイスを認識します。
次の例では,プリンタを USB に接続します。プリンタは既知のデバイス・タイプです。つまり,ジェネリック・リストにプリンタのエントリが登録されています。しかし,パーマネント・リストにはまだエントリが作成されていません。
デバイスを構成するには,次の操作を実行します。
$ UCM UCM> |
$ UCM Universal Serial Bus Configuration Manager, Version V1.0 UCM> SHOW DEVICE /UNCONFIGURED DEVICE DEVICE_TYPE TENTATIVE DEVICE_NAME_ROOT LPA UNIT_NUMBER 0 BUS 1 PATH 1.0.0.0.0.0 END_DEVICE UCM> |
実際の画面表示は,ここに示した表示と少し異なる可能性があります。
UCM> ADD DEVICE LPA0 UCM> EXIT |
このコマンドはデバイス情報をパーマネント・リストに登録します。
UCM イベント・ロガーは,デバイスの接続や切断,特定のエラーなどのイベントを記録します。この情報を表示するには, UCM ユーティリティの SHOW EVENTS コマンドを使用します。修飾子を使用して,さまざまなタイプのイベントの表示を制限することもできます。
イベント・ログには,次のようなイベントが記録されます。
ここでは,不明のデバイスおよび構成障害に関する情報を表示する方法について説明します。
UCM は不明デバイスの接続をイベント・ログに記録します。この情報を表示するには,SHOW EVENT コマンドに /TYPE=UNKNOWN 修飾子を追加します。
次の例の情報には,ベンダ ID,製品 ID,その他のデバイスで提供されるオプション情報が示されています。不明デバイスが USB に接続されている場合に,たとえば次のように,不明デバイスの今日の動作に関するイベントだけを表示することができます。
25.5 構成イベントの表示
25.5.1 不明なデバイスに関する情報の取得
UCM> SHOW EVENTS /TYPE=UNKNOWN /SINCE=TODAY Date Time Type Priority Component -------------------------------------------------------------------------------- 22-AUG-2005 13:04:23.26 UNKNOWN NORMAL UCM UNKNOWN DEVICE Message: VENDOR_ID = 1118 PRODUCT_ID = 8 RELEASE_NUMBER = 256 BUS_NUMBER = 1 PATH = 1.0.0.0.0.0 DEVICE_CLASS = 0 DEVICE_SUB_CLASS = 0 DEVICE_PROTOCOL = 0 NUMBER_OF_INTERFACES = 1 NUMBER_OF_CONFIGURATIONS = 1 MANUFACTURER_STRING = Microsoft PRODUCT_STRING = Microsoft SideWinder Precision Pro (USB) CONFIGURATION_NUMBER = 0. UCM> |
実際の画面表示は,ここに示した表示と少し異なる可能性があります。
UCM がパーマネント・リストからエントリを検索できないためや,ドライバ・エラーが発生したために,UCM がデバイスを構成しない場合,この情報はイベント・ログに記録されます。このような情報は,SHOW EVENTS コマンド,および表示を制限する修飾子を使用して表示できます。デバイス・ドライバがないジョイスティックを挿入する例を次に示します。
25.5.2 構成障害に関する情報の取得
UCM> SHOW EVENTS /SINCE=YESTERDAY Date Time Type Priority Component _________________________________________________________________________ 3-OCT-2005 09:06:11.20 UCM NORMAL SYS$AGDRIVER.EXE Message: Tentative device AGA0 proposed... auto-loading driver. 3-OCT-2005 09:06:11.20 UCM NORMAL SYS$AGDRIVER.EXE Message: Error from auto-load for AGA0 - status 0x18292. 3-OCT-2005 09:06:11.20 DRIVER NORMAL HUBDRIVER Message: Configured device HID0 using driver SYS$HIDDRIVER: UCM> exit |
実際の画面表示は,ここに示した表示と少し異なる可能性があります。
デバイスのエントリがジェネリック・リストにない場合は,デバイスに関して分かっている情報がログに表示されます。エラーによって障害が発生した場合は,エラー・コードがログに示されます。
UCM コマンドを使用することで,構成するデバイスを選択したり,接続,切断,エラーなどの USB イベントを表示することができます。
UCM を使用してデバイスを追加する方法についての詳細は, .PS,.PDF,HTML 形式の SYS$COMMON:[SYSHLP.EXAMPLES.USB]UGDRIVER_PROGRAMMERS_GUIDE を参照してください。このドキュメントには,USB 汎用ドライバの使用方法と, USB ジェネリック・エントリを追加する方法が説明されています。
UCM (USB (Universal Serial Bus) Configuration Manager) ユーティリティを使用すると,1 本の 4 芯ケーブルを使用して,コンピュータをさまざまな USB デバイスに接続できます。
UCM を起動するには,DCL コマンド・プロンプト ($) で「UCM」と入力します。
25.6 UCM の使用方法のまとめ
$ UCM UCM> |
UCM> プロンプトが表示されたら,UCM コマンドを入力できます。入力できるコマンドについては, 第 25.7 節 で簡単に説明し,その中の項で詳細に説明します。
また,先頭に UCM を付加することで, DCL プロンプトで UCM コマンドを入力することもできます。次の例を参照してください。
$ UCM RELOAD $ |
UCM を終了するには,UCM> プロンプトで EXIT コマンドを入力するか,Ctrl/Z を押します。
次の表は UCM コマンドの要約を示しています。
25.7 UCM コマンド
コマンド | 説明 | 必要な特権 |
---|---|---|
ADD DEVICE | 新しいデバイスを既知の USB デバイス群に追加する。 | SYSPRV |
DELETE DEVICE | デバイスを既知の USB デバイス群から削除する。 | SYSPRV |
EXIT | UCM ユーティリティを終了する。 | なし |
HELP | UCM コマンドの使用方法に関するオンライン・ヘルプ情報を表示する。 | なし |
MODIFY DEVICE | パーマネント・リストのエントリのフラグまたはユニット番号を変更する。変更はただちに有効になる。 | SYSPRV |
RELOAD | ジェネリック・リストとパーマネント・リストをディスクから読み込む。 | SYSPRV |
RESTART | 構成サーバを再起動する。 | CMKRNL |
SET AUTO | 自動ロードと永続化を有効 (/ENABLE) または無効 (/DISABLE) にします。また,対象リストと除外リストの設定も可能にします。 | SYSPRV |
SET LOG/NEW | イベント・ログ・ファイルの新バージョンを作成する。 | OPER |
SHOW AUTO | 自動ロード,自動永続化,対象リスト,除外リストの設定を表示します。 | なし |
SHOW DEVICE | USB に接続されている構成済みデバイスと未構成デバイスを表示する。 | なし |
SHOW EVENTS | イベント・ログ・ファイルに記録されているイベントを表示する。 | なし |
既知の USB デバイス群に新しいデバイスを追加します。SYSPRV 特権が必要です。
ADD DEVICE device-name:
device-name:
属性を追加するデバイスの名前。デバイス名は ddcu という形式です。各項目の意味は以下のとおりです。
dd デバイス・コード (たとえば LP)。ドライバ名はデバイス・コードに対応する。この場合,ドライバ名は SYS$LPDRIVER である。 c A〜Z のコントローラ名。 UCM が別の名前を指定しない限り,すべての USB デバイスは A である。 u ユニット番号 (0〜9999)。
OpenVMS のデバイス名は,2 文字のデバイス・コード,コントローラ名,ユニット番号 (1〜4 文字),コロン (:) で構成されます。
/BUS_NUMBER=number
デバイスの USB バス番号を指定します。このパラメータは,複数の USB バスがあるシステムで特定のデバイスを識別するときに必要です。この修飾子を使用しない場合,バス番号はデフォルトで 0 になります。番号は 0〜25 の範囲です。
/PATH=(n1[.n2.n3.n4.n5.n6])
バス上でデバイスへのパスを指定します。デバイスにシリアル番号がない場合,パスはデバイスを識別するのに使用されます。パス指定は,6 文字以内の 0 以外の数字です。各項目の意味は以下のとおりです。
n1 ルート・ハブ (階層 0) のポートの番号。 n2〜 n6 階層 1,2,3,4,5 にある下流のハブのポート番号 (後続の 0 を指定しないと,UCM サーバが 0 を追加する)。
たとえば,/PATH=1.4.3 は,デバイスが階層 2 のハブのポート 3 に接続されており,階層 2 のハブは階層 1 のハブのポート 4 に接続されており,階層 1 のハブはルート・ハブ 1 に接続されていることを示します。
パス指定の詳細については, 図 25-2 および図中のテキストを参照してください。
/UNIT_NUMBER=number
ユニット番号は 0〜9999 の範囲です。デフォルトでは,UCM は使用可能な次のユニット番号を選択します。この修飾子を使用すると,要件に適合するようにユニット番号を変更できます。
#1 |
---|
$ UCM Universal Serial Bus Configuration Manager, Version V1.0 UCM> SHOW DEVICE /UNCONFIGURED DEVICE DEVICE_TYPE TENTATIVE DEVICE_NAME_ROOT AGA UNIT_NUMBER 0 BUS 1 PATH 1.0.0.0.0.0 END_DEVICE UCM> ADD DEVICE AGA0: UCM> SHOW DEVICE /PERMANENT /FULL AGA0: DEVICE DEVICE_TYPE PERMANENT DEVICE_NAME_ROOT AGA UNIT_NUMBER 0 DRIVER SYS$AGDRIVER.EXE BUS_NUMBER 1 PATH 1.0.0.0.0.0 HID_USAGE_DATA 65540 BEGIN_INTERFACE HID_USAGE_DATA 65540 END_INTERFACE END_DEVICE UCM> |
この例では,最初の UCM コマンド SHOW DEVICE/UNCONFIGURED は,デバイスがまだ構成されていないことを示しています。ジェネリック・リストに登録されている情報,つまり,デバイス名ルート,ユニット番号,バス,パスだけが表示されます。
ADD DEVICE コマンドの後,/PERMANENT 修飾子と /FULL 修飾子を指定した 2 番目の SHOW DEVICE コマンドは,パーマネント・リストの情報を表示します。このリストには,デバイスに割り当てられているドライバの名前,バス番号, HID (Human Interface Device) 使用データ番号が含まれています。この番号は,HID インタフェース・クラスのデバイスを構成するのに使用されます。HID デバイスとしては,キーボードやマウス,ジョイスティックなどがあります。
デバイスをパーマネント・リストから削除します。SYSPRV 特権が必要です。
DELETE DEVICE device-name:
device-name:
属性を削除するデバイスの名前。デバイス名は ddcu という形式です。各項目の意味は以下のとおりです。
dd デバイス・コード (たとえば LP)。ドライバ名はデバイス・コードに対応する。この場合,ドライバ名は SYS$LPDRIVER である。 c A〜Z のコントローラ名。UCM が別の名前を指定しない限り,すべての USB デバイスは A である。 u ユニット番号 (0〜9999)。
OpenVMS のデバイス名は,2 文字のデバイス・コード,コントローラ名,ユニット番号 (1〜4 文字),コロン (:) で構成されます。
#1 |
---|
$ UCM Universal Serial Bus Configuration Manager, Version V1.0 UCM> SHOW DEVICE /PERMANENT AGA0: DEVICE DEVICE_TYPE PERMANENT DEVICE_NAME_ROOT AGA UNIT_NUMBER 0 BUS 1 PATH 1.0.0.0.0.0 END_DEVICE UCM> DELETE DEVICE AGA0: UCM> SHOW DEVICE /PERMANENT AGA0: %USB-E-NOSUCHDEV, Device name or device unit not found UCM> |
この例では,最初の SHOW DEVICE AGA0: コマンドは,パーマネント・リストに登録されているデバイスに関する情報を表示します。DELETE DEVICE AGA0: コマンドの後の 2 番目の SHOW DEVICE AGA0: コマンドは,パーマネント・リストにこれ以上デバイスが登録されていないことを示すエラー・メッセージを表示します。
UCM の実行を停止し,制御を DCL コマンド・レベルに戻します。 Ctrl/Z を押して同じ機能を実行することもできます。
EXIT
UCM コマンドの使用方法に関するオンライン・ヘルプを提供します。
HELP [command-name]
command-name
UCM コマンドの名前。コマンド名を指定して HELP コマンドを入力すると,そのコマンドで使用できるすべてのコマンド・キーワードの一覧が表示されます。
#1 |
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UCM> HELP RESTART RESTART Restarts the configuration server. Use this command only if the server is no longer responding to configuration requests or if the server does respond to client commands. To use this command, you must have the CMKRNL privilege. Format RESTART Additional information available: Qualifiers /CONFIRM RESTART Subtopic? |
HELP RESTART コマンドは,RESTART コマンドについての説明とフォーマットを表示し,修飾子など,追加情報を表示できる項目も示します。その後,/CONFIRM 修飾子に関する情報を表示するにはその修飾子の名前を入力するように求めるプロンプトが表示されます。
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