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OpenVMS マニュアル |
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HP OpenVMS
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目次 | 索引 |
会計情報ユーティリティ (ACCOUNTING) は,システム・リソースの使用状況を示すレポートを出力します。
ACCOUNTING の修飾子を使用すると,次の処理が行えます。
レポートにより,システムの使用状況と動作状況を調べることができます。
リソース使用状況のレポートを出力します。
ファイル指定には,パーセント (%) とアスタリスク (*) を使用できます。デバイスやディレクトリを指定しない場合,現在の省略時のデバイスやディレクトリが使用されます。また,ファイル名を指定しない場合は ACCOUNTING が使用され,ファイル・タイプを指定しない場合は DAT が使用されます。
指定した会計情報ファイルの処理が終了すると,DCL レベルに戻ります。
省略時の設定では,現在の SYS$OUTPUT デバイスに処理結果が出力されます。ファイルに出力する場合は,/OUTPUT 修飾子を使用します。
指定する会計情報ファイルとこれらのファイルを格納するディレクトリとに対する読み込みアクセス権が必要です。
この項では,ACCOUNTING の修飾子について,例を挙げて説明します。次の表で,ACCOUNTING 修飾子について要約します。
第 2 章
会計情報ユーティリティ (ACCOUNTING)2.1 ACCOUNTING について
2.2 ACCOUNTING 使用法の要約
形式
ACCOUNTING [ファイル指定[,...]]
パラメータ
ファイル指定[,...]
処理対象の会計情報ファイルを指定します。
使用法の要約
ACCOUNTING ユーティリティは,次の DCL コマンドで実行します。
$ ACCOUNTING [ファイル指定[,...]]
2.3 ACCOUNTING の修飾子
修飾子 | 説明 |
---|---|
/ACCOUNT | アカウント名を指定し,レコードを選択または拒否する。 |
/ADDRESS | DECnet for OpenVMS要求を作成したノードを指定し,レコードを選択または拒否する。 |
/BEFORE | 指定した時刻より前のタイムスタンプを持つすべてのレコードを選択する。 |
/BINARY | 選択したレコードをバイナリ形式で新ファイルにコピーする。 |
/BRIEF | 選択したレコードの簡略レポートを出力する。 |
/ENTRY | 印刷ジョブとバッチ・ジョブのキュー・エントリ番号を指定し,レコードを選択または拒否する。 |
/FULL | 選択したレコードの詳細レポートを出力する。 |
/IDENT | プロセスを指定し,レコードを選択または拒否する。 |
/IMAGE | イメージを指定し,レコードを選択または拒否する。 |
/JOB | 印刷ジョブとバッチ・ジョブのジョブ名を指定し,レコードを選択または拒否する。 |
/LOG | 情報メッセージを出力する。 |
/NODE | DECnet for OpenVMS要求を作成したノードを指定し,レコードを選択または拒否する。 |
/OUTPUT | 出力ファイルを指定する (Alpha および Integrity)。 |
/OWNER | サブプロセスを作成したプロセスを指定し,レコードを選択または拒否する。 |
/PRIORITY | 優先順位を指定し,レコードを選択または拒否する。 |
/PROCESS | プロセス・タイプを指定し,レコードを選択または拒否する。 |
/QUEUE | 印刷ジョブとバッチ・ジョブを実行するキューを指定し,レコードを選択または拒否する。 |
/REJECTED | 拒否されたレコードを新ファイルにコピーする。 |
/REMOTE_ID | DECnet for OpenVMS要求を作成したリモート ID を指定し,レコードを選択または拒否する。 |
/REPORT | 要約レポートの対象となるリソースを指定する。 |
/SINCE | 指定した時刻より後のタイムスタンプを持つすべてのレコードを選択する。 |
/SORT | 選択したレコードをソートする。 |
/STATUS | 最新の終了状態を指定し,レコードを選択または拒否する。 |
/SUMMARY | 選択したレコードの要約レポートを出力する。 |
/TERMINAL | 会話形式セッションが行われるターミナルを指定し,レコードを選択または拒否する。 |
/TITLE | 要約レポートの 1 行目に表示するタイトルを指定する。 |
/TYPE | レコード・タイプを指定し,レコードを選択または拒否する。 |
/UIC | UIC を指定し,レコードを選択または拒否する。 |
/USER | ユーザ名を指定し,レコードを選択または拒否する。 |
/WIDE | レポートのバッファード入出力フィールドと直接入出力フィールドの幅を 8 文字から 10 文字に変更する。 |
アカウント名を指定して,レコードを選択または拒否します。
/ACCOUNT= ([-]アカウント[,...])
/ACCOUNT 修飾子では,アカウント・フィールド値によって処理対象のレコードを選択します。このフィールドは,ファイル逆方向リンク・レコードとファイル順方向リンク・レコード以外のすべてのレコードに存在します。/ACCOUNT 修飾子は,指定したアカウント・フィールド値を持つレコードだけを選択します。値の前にマイナス記号を付けると,指定した値以外の値を持つすべてのレコードを選択します。
次の表に,ログイン障害レコードとシステム初期化レコードのアカウント・フィールド値を示します。
値 説明 <batch> バッチ・ジョブ・ログイン障害 <det> 独立プロセス・ログイン障害 <login> 会話形式ログイン障害 <net> ネットワーク・ログイン障害 <start> システム・スタートアップ
これらのアカウント・フィールド値を修飾子の値として指定する場合は,引用符で囲んでください。他のすべての DCL コマンド同様,ACCOUNTING コマンドは,引用符で囲まれていない文字列を大文字に変換します。
#1 |
---|
$ ACCOUNTING /ACCOUNT=(SALES, QA) |
SYS$MANAGER:ACCOUNTNG.DAT ファイルを処理する例です。アカウント名 SALES と QA のすべてのレコードについて,簡略レポートを出力します。
#2 |
---|
$ ACCOUNTING /ACCOUNT=(-SALES, QA) /FULL |
SYS$MANAGER:ACCOUNTNG.DAT ファイルを処理する例です。アカウント名 SALES と QA 以外のすべてのレコードについて,詳細レポートを出力します。
/ADDRESS |
DECnet for OpenVMS要求を作成したノードを指定して,レコードを選択または拒否します。
/ADDRESS= ([-]ノード・アドレス[,...])
/ADDRESS 修飾子では,リモート・ノード・アドレス・フィールド値によって処理対象のレコードを選択します。このフィールドは,ファイル逆方向リンク・レコードとファイル順方向レコード以外の,すべてのレコードに存在します。DECnet for OpenVMS 要求に関する情報を格納するレコードの場合,このフィールドには,要求を行ったノードのアドレスが格納されます。/ADDRESS 修飾子は,指定したリモート・ノード・アドレス・フィールドに値を持つレコードだけを選択します。値の前にマイナス記号を付けると,指定した値以外の値を持つすべてのレコードを選択します。
/NODE 修飾子と /REMOTE_ID 修飾子も参照してください。前者は,DECnet 要求を作成したノード名を指定して,レコードを選択または拒否する修飾子です。後者は, DECnet for OpenVMS要求を作成したリモート ID を指定して,レコードを選択または拒否する修飾子です。
$ ACCOUNTING /ADDRESS=19656 |
SYS$MANAGER:ACCOUNTNG.DAT ファイルの処理例です。アドレスが 19656 のノードが行った DECnet for OpenVMS要求のすべてのレコードについて,簡略レポートを出力します。(このアドレスの 10進数等価値は 19.200.です。)
/BEFORE |
指定した時刻より前のタイムスタンプを持つすべてのレコードを選択します。
/BEFORE [=時刻]
会計情報ファイル内のレコードにはすべて,レコードがファイルに記録された時刻を示すタイムスタンプが付けられます。/BEFORE 修飾子は,指定した時刻より前のタイムスタンプを持つレコードだけを選択します。絶対時刻とデルタ時間のどちらでも指定できます。絶対時刻とデルタ時間を組み合わせることもできます。時刻を省略すると,現在の日付で 00:00 が使用されます。
/SINCE 修飾子も参照してください。/SINCE 修飾子は,指定した時刻より後のタイムスタンプを持つレコードを選択する修飾子です。
$ ACCOUNTING /SINCE=1-NOV-2002 /BEFORE=1-DEC-2002 |
2002 年 11 月にタイムスタンプが付けられた SYS$MANAGER:ACCOUNTNG
.DAT ファイル内のすべてのレコードについて,簡略レポートを出力する例です。
/BINARY |
選択したレコードをバイナリ形式で新ファイルにコピーします。
/BINARY
/BINARY 修飾子は,/OUTPUT 修飾子で指定したファイルに,バイナリ形式でレコードを出力することを指定します (ただし,/OUTPUT が使用できるのは Alpha および Integrity のみです)。このファイルは,会計情報ユーティリティで処理します。/BRIEF,/FULL,および /SUMMARY 修飾子も参照してください。これらの修飾子は,選択したレコードのレポート出力に使用する修飾子です。
/BINARY 修飾子は,/BRIEF,/FULL,/SUMMARY のいずれかの修飾子と併用することはできません。
#1 |
---|
$ ACCOUNTING /USER=SMITH /BINARY /OUTPUT=MYDISK:[ACCOUNTING]MYACC.DAT |
MYDISK:[ACCOUNTING]MYACC.DAT ファイルを作成する例です。 SYS$MANAGER:ACCOUNTNG.DAT ファイルを処理し,ユーザ SMITH に関するすべてのレコードを,バイナリ形式で新しいファイルにコピーします。
#2 |
---|
$ ACCOUNTING /TYPE=PRINT - _$ /BINARY /OUTPUT=PRINT_INFO.DAT /REJECTED=NOT_PRINT_INFO.DAT |
省略時のディレクトリに PRINT_INFO.DAT と NOT_PRINT_INFO.DAT という2 つのファイルを作成する例です。 SYS$MANAGER:ACCOUNTNG.DAT ファイルを処理し,印刷レコードを PRINT_INFO.DAT にコピーし,その他のレコードを NOT_PRINT_INFO.DAT にコピーします。レコードの形式は,バイナリです。
/BRIEF |
選択したレコードの簡略レポートを出力します。
/BRIEF (省略時の設定)
/BRIEF 修飾子は省略時の設定です。選択したレコードの簡略レポートを出力します。省略時の設定では,現在の SYS$OUTPUT デバイスにレポートが出力されます。ファイルに出力するには,/OUTPUT 修飾子でファイルを指定します (/OUTPUT が使用できるのは Alpha および Integrity のみです)。簡略レポートの各行は,会計情報ファイルの各レコードに対応しますが,使用したリソースは表示されません。次の表に簡略レポートで出力される会計情報ファイルのレコードを示します。
欄 説明 Date/Time レコードを会計情報ファイルに記録した日時。 Type レコード・タイプ。 Subtype IMAGE タイプのレコードの場合はイメージ名 (ファイル指定のなかのファイル名部分)。PROCESS タイプのレコードの場合はプロセス・タイプ (BATCH,DETACHED,INTERACTIVE, NETWORK,SUBPROCESS)。 Username ユーザ名。不正なユーザ名を入力したためにログインできなかった場合,この欄に <login> と表示される。 ID プロセス識別子 (PID)。印刷ジョブの場合,ジョブをキューに登録したプロセスの PID。 Source 会話型プロセスが行われるターミナル。DECnet for OpenVMS 要求の場合は,要求を発行したノードの名前。 Status 16 進値による,最終終了状態コード。
最新の終了状態コードをメッセージ・テキストに変換するには,次のように,終了状態コードの前に %X を付けて, F$MESSAGE レキシカル関数に渡します。
$ MESSAGE = F$MESSAGE(%X00000001) $ SHOW SYMBOL MESSAGE MESSAGE = "%SYSTEM-S-NORMAL, normal successful completion"
/BINARY 修飾子も参照してください。この修飾子は,選択したレコードをファイルにコピーする修飾子です。また, /FULL と /SUMMARY 修飾子も参照してください。前者は,選択したレコードの詳細レポートを出力する修飾子です。後者は,選択したレコードの要約レポートを出力する修飾子です。
/BRIEF 修飾子を,/BINARY,/FULL,/SUMMARYのいずれかの修飾子と併用することはできません。
$ ACCOUNTING |
SYS$MANAGER:ACCOUNTNG.DAT ファイル内のすべてのレコードの簡略レポートを出力する例です。
次のようなレポートが出力されます。
Date / Time Type Subtype Username ID Source Status -------------------------------------------------------------------------- 7-JAN-2002 17:20:08 FILE_BL 00000000 00000000 7-JAN-2002 17:22:05 PROCESS DETACHED JONES 516000E1 02DBA002 7-JAN-2002 17:22:10 PROCESS INTERACTIVE JONES 516000DD TWA10: 00000001 7-JAN-2002 17:22:16 PROCESS INTERACTIVE JONES 51600104 TWA11: 0001C0F4 7-JAN-2002 17:22:20 PROCESS DETACHED JONES 51600103 12DB821C 8-JAN-2002 01:06:36 PROCESS SUBPROCESS SYSTEM 51600106 10000001 8-JAN-2002 03:09:59 PROCESS BATCH SYSTEM 5160010F 10030001 8-JAN-2002 09:13:15 LOGFAIL 51600105 00D3803C 8-JAN-2002 09:14:40 IMAGE LOGINOUT JONES 51600110 00000000 8-JAN-2002 09:28:57 PROCESS SUBPROCESS SMITH 51600119 10000001 8-JAN-2002 09:50:18 PROCESS SUBPROCESS SMITH 5160011A 00000001
/ENTRY |
印刷ジョブとバッチ・ジョブのキュー・エントリ番号を指定して,レコードを選択または拒否します。
/ENTRY= ([-]エントリ番号[,...])
/ENTRY 修飾子は,キュー・エントリ番号フィールド値によって処理対象のレコードを選択します。このフィールドは,ファイル逆方向リンク・レコードとファイル順方向リンク・レコード以外のすべてのレコードに存在します。印刷ジョブやバッチ・ジョブの情報を格納するレコードのキュー・エントリ番号フィールド値は,印刷キューやバッチ・キューで対象ジョブに割り当てられている一意のエントリ番号です。/ENTRY 修飾子は,指定したキュー・エントリ番号フィールド値を持つレコードだけを選択します。値の前にマイナス記号を付けると,指定した値以外の値を持つすべてのレコードを選択します。
/JOB 修飾子と /QUEUE 修飾子も参照してください。前者は,印刷ジョブやバッチ・ジョブのジョブ名を指定して,レコードを選択または拒否する修飾子です。後者は,印刷ジョブやバッチ・ジョブをキュー名を指定して,選択または拒否する修飾子です。
#1 |
---|
$ ACCOUNTING /ENTRY=(211,212,213) |
SYS$MANAGER:ACCOUNTNG.DAT ファイルを処理する例です。キュー・エントリ番号が 211,212,213 の印刷ジョブやバッチ・ジョブのすべてのレコードについて,簡略レポートを出力します。
#2 |
---|
$ ACCOUNTING /ENTRY=(-25,50) |
SYS$MANAGER:ACCOUNTNG.DAT ファイルを処理する例です。キュー・エントリ番号が 25 または 50 以外の印刷ジョブやバッチ・ジョブのすべてのレコードについて,簡略レポートを出力します。
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