25.2.1 USB の概要 |
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USB (Universal Serial Bus) は,1 本の 4 芯ケーブルを使用して,コンピュータをさまざまなデバイスに接続できるようにする通信アーキテクチャです。USB は,ユーザにとって使いやすい方法で,低速および中速のデバイスをホスト・コンピュータに接続できるようにすることを目的にしています。
USB は USB デバイスを USB ホストに接続し, USB ホストはホスト・コンピュータ・システムに接続されます。各 USB にはホストが 1 つだけあります。 図 25-1 で「USB ホスト」と示されているのがホストです (ただし, 1 つのホストに複数の USB コントローラが搭載されている場合があります)。
図 25-1 USB 構成
USB ホストはルート・ハブと一体化されています。ルート・ハブにはデバイス用に 1 つ以上の接続ポイントがあります。各ハブからの USB 物理接続は "スター形" であり,各スターの中心にハブがあります。
ポイント・ツー・ポイント接続は,USB ホストをハブまたはファンクションにリンクするか,またはハブを別のハブまたはファンクションにリンクします。ハブとファンクションは,以下の動作を実行する USB デバイスです。
- ハブは,追加接続ポイントを USB に提供します。
- ファンクションは,マウスやキーボードなどの機能をシステムに提供します。
図 25-2 では,最大 6 つのハブをチェーン接続して階層構造を構成できることを示しています (ここで示すデバイスは,例示のためのものです。実際にサポートされる USB デバイスについては,ハードウェアの QuickSpecs を参照してください)。デバイスのパスは,構造内での位置によって決定されます。たとえば,
図 25-2 でプリンタ LPA0 へのパスは 1.1.2.3.1.4 です (ただし,物理ハブに印刷されている番号は,UCM で表示される番号と一致しませんので注意してください)。
図 25-2 ハブの階層構成
UCM はハブ・ドライバと連携して, USB でサポートされるデバイスを構成します。ハブ・ドライバはデバイスを検出し,UCM サーバに要求を送信します。 UCM サーバでは,実行すべき処理が決定されます。デフォルトでは, UCM はデバイス用の OpenVMS デバイス・ドライバを構成してロードし,活動をログに記録します。 UCM では,デバイス・ドライバのロードを禁止または制限したり,デバイス・ドライバのロードとデバイスの命名規則を手動で調整し変更することができます。
25.2.2 UCM の概念 |
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UCM はクライアント・レイヤとサーバ・レイヤで構成されています。ユーザはクライアント・レイヤと対話し,クライアント・レイヤはサーバ・レイヤとやり取りします。 USB とやり取りするのはサーバ・レイヤです。
図 25-3 はこれらのレイヤの相互関係を示しています。
図 25-3 UCM アーキテクチャ
この図に示すように,UCM サーバはイベント・ログ・ファイル,ジェネリック・リスト・ファイル,パーマネント・リスト・ファイルを管理します。これらのファイルは UCM サーバに渡され,サーバによってリスト・ファイルが表示されます (UCM サーバが使用するリストの種類については,
UCMリスト を参照してください)。UCM サーバは,アーキテクチャの他のレイヤとの接続を管理する UCM ドライバ SYS$HUBDRIVER とやり取りします。
25.2.3 デバイスの検出 |
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USB デバイスの OpenVMS デバイス名は次のとおりです。