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HP OpenVMS V8.4: インストレーション・ガイド

付録 E Fibre Channel ストレージ・デバイスのセットアップとブート

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OpenVMS ドキュメント ライブラリ

タイトルページ/目次
まえがき
第1章:はじめに
第2章:クラスタ環境でのインストールの準備
第3章:インストール手順
第4章:アップグレードの準備作業
第5章:クラスタ環境でのアップグレードの準備作業
第6章:アップグレード手順
第7章:インストールおよびアップグレード後の作業
付録A:Alphaシステムのブートとシャットダウン
付録B:I64システムのブートとシャットダウン
付録C:ネットワーク・ブート
付録D:SIMおよびvMediaによるプロビジョニング
付録E:Fibre Channelストレージデバイス
付録F:システムディスクのバックアップとリストア
付録G:国際化キットのインストール
付録H:Management Station
付録I:オペレーティングシステムの削除
付録J:システムディスクの初期化
用語集
索引
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この付録では,OpenVMS Alpha システムと OpenVMS Integrity システムで FC SAN (Fibre Channel Storage Area Network) ストレージ・デバイスをセットアップしてブートする方法を説明します。FC (Fibre Channel) ストレージ・デバイスは速度に優れており,しかも SAN (Storage Area Network) 環境で共用クラスタ・システム・ディスクとして使用できるため,ブート・デバイスに適しています。FC ストレージは,OpenVMS システムでサポートされているすべてのストレージ・アレイで使用できます。OpenVMS システムでサポートされているデバイスについては,『HP OpenVMS Alpha Version 8.4 / HP OpenVMS Version 8.4 for Integrity Servers ソフトウェア仕様書』 (SPD 25.C4.xx) に記載されているリストを参照してください。

HBA には,最新の RISC ファームウェアと,EFI のファームウェアおよびドライバが必要です。

Fibre Channel デバイスからブートできるのは,ポイントツーポイント・トポロジの場合だけです。FC 調停ループ・トポロジへの対応予定はありません。

E.1 FC ストレージ・デバイスからの OpenVMS Alpha システムのブート

この節では,AlphaServer コンソールから FC を構成する方法として,構成内容を確認する方法と,FC 経由でブートおよびダンプするディスクを OpenVMS AlphaServer システムでセットアップする方法について説明します。

E.1.1 AlphaServer コンソールによる Fibre Channel の構成 (Alpha のみ)

FC インターコネクトのステータスは,AlphaServer コンソールを使用して表示することができます。そのため,この方法を使用することで,ブートの前に,インターコネクトが適切にセットアップされているかどうかを確認できます。FC ディスク・デバイスをブートやダンプに使用する場合は,AlphaServer コンソールを使用して FC ディスク・デバイスをセットアップするための追加作業が必要となります。この項では,これらの作業について説明します。

E.1.1.1 コンソールから FC の構成を表示する方法

AlphaServer コンソールの SHOW コマンドを使用すれば,コンソールでシステムに接続されている I/O アダプタを最後にプローブしたときに検出したデバイスの情報を,表示することができます。ただし,他のインターコネクトとは違って,FC ディスク・デバイスが SHOW DEVICE の出力へ自動的に含められることはありません。その理由は,FC デバイスを識別するための WWID が長すぎて,SHOW DEVICE の出力に含めることができないからです。その代わりとして,AlphaServer コンソールには WWID を管理するためのコマンド wwidmgr があります。このコマンドを使用すれば,FC デバイスの情報を表示したり,ブートやダンプに使用する FC デバイスへ適切なデバイス名を割り当てたりすることができます。

wwidmgr コマンドの使用に当たっては,次の点に注意してください。

  • Alpha Server のモデル 8x00,4x00,または 1200 で wwidmgr コマンドを使用する場合は,その前に診断モードへ入る必要があります。その他のモデルでは,必要なときにいつでも wwidmgr コマンドを実行できます。

  • wwidmgr コマンドで行った変更は,システムを初期化しない限り反映されません。wwidmgr コマンドを使用したら,必ず initialize コマンドを実行してください。

wwidmgr コマンドについての詳細は,『Wwidmgr User's Manual』を参照してください。このマニュアルは,Alpha Systems Firmware Update CD の [.DOC] ディレクトリに収められています。

wwidmgr コマンドの典型的な使用例を,以下にいくつか示します。これらの例はすべて,AlphaServer 4100 システムで作成されたものです。他のモデルでは,その他の手順が追加で必要となったり,画面出力の内容が少し異なったりする可能性があります。

例 E-1 「wwidmgr -show wwid の出力例」 については,次の点に注目してください。

  • wwidmgr -show wwid コマンドで,システムに接続されている FC デバイスの要約が表示されています。このコマンドでは,デバイスの接続に関する情報を表示できません。

  • FC アダプタが 2 つとディスクが 5 台示されています (これらのディスクは,出力の最後の部分で,接続されているアダプタとは別に表示されています)。また,この例では,ディスクごとに,HSG80 コンソールで割り当てられたデバイス ID が示されています。これらのデバイス ID は,HSG80 コンソールで UDID (ユーザ割り当てデバイス ID) と表示されています。

例 E-1 wwidmgr -show wwid の出力例

P00>>> set mode diag
Console is in diagnostic mode
P00>>> wwidmgr -show wwid

polling kgpsa0 (KGPSA-B) slot 2, bus 0 PCI, hose 1 
kgpsaa0.0.0.2.1            PGA0        WWN 1000-0000-c920-a7db
polling kgpsa1 (KGPSA-B) slot 3, bus 0 PCI, hose 1 
kgpsab0.0.0.3.1            PGB0        WWN 1000-0000-c920-a694
[0] UDID:10 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0016 (ev:none)
[1] UDID:50 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0026 (ev:none)
[2] UDID:51 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0027 (ev:none)
[3] UDID:60 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0021 (ev:none)
[4] UDID:61 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0022 (ev:none)

例 E-2 「wwidmgr -show wwid -full の出力例」 は,wwidmgr show wwid -full コマンドで FC デバイスの情報と接続のパス情報を出力した例です。画面出力は,次の 2 つの部分から構成されています。

  • 最初の部分は,アダプタと FC ポートをつないでいるパス (経路) のリストです。アダプタはコンソールが使用するデバイス名 (例: KGPSAA) によって,また FC ポートは WWID (例: 5000-1FE1-0000-0D14) によって,それぞれ識別されています。パスの下には,そのパスで見つかった FC デバイスが表示されています。FC ディスクは,コンソールが現在使用しているデバイス名によって識別されており,それに続いて WWID が示されています。

  • 2 番目の部分は,FC ディスクと,そこへ到達するためのパスのリストです。この部分は [0] UDID:10... で始まっており,FC ディスクごとにパスが 4 本示されています。そのうちの 2 本が KGPSAA アダプタを経由し,残りの 2 本が KGPSAB アダプタを経由しています。同じアダプタを経由している 2 本のパスは,HSG または HSV 上の異なるポートに接続されています。Con 列は,FC ディスク・ユニットの現在の状態が,そのパスで使用している HSG/HSV コントローラに対してオンラインになっているかどうかを示しています。

例 E-2 wwidmgr -show wwid -full の出力例

P00>>> wwidmgr -show wwid -full

kgpsaa0.0.0.2.1
- Port: 1000-0000-c920-a7db   

kgpsaa0.0.0.2.1
- Port: 2007-0060-6900-075b   

kgpsaa0.0.0.2.1
- Port: 20fc-0060-6900-075b   

kgpsaa0.0.0.2.1
- Port: 5000-1fe1-0000-0d14   
 - dga12274.13.0.2.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0016
 - dga15346.13.0.2.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0026
 - dga31539.13.0.2.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0027
 - dga31155.13.0.2.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0021
 - dga30963.13.0.2.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0022

kgpsaa0.0.0.2.1
- Port: 5000-1fe1-0000-0d11   
 - dga12274.14.0.2.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0016
 - dga15346.14.0.2.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0026
 - dga31539.14.0.2.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0027
 - dga31155.14.0.2.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0021
 - dga30963.14.0.2.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0022

kgpsab0.0.0.3.1
- Port: 1000-0000-c920-a694   

kgpsab0.0.0.3.1
- Port: 2007-0060-6900-09b8   

kgpsab0.0.0.3.1
- Port: 20fc-0060-6900-09b8   

kgpsab0.0.0.3.1
- Port: 5000-1fe1-0000-0d13   
 - dgb12274.13.0.3.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0016
 - dgb15346.13.0.3.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0026
 - dgb31539.13.0.3.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0027
 - dgb31155.13.0.3.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0021
 - dgb30963.13.0.3.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0022

kgpsab0.0.0.3.1
- Port: 5000-1fe1-0000-0d12   
 - dgb12274.14.0.3.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0016
 - dgb15346.14.0.3.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0026
 - dgb31539.14.0.3.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0027
 - dgb31155.14.0.3.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0021
 - dgb30963.14.0.3.1 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0022


[0] UDID:10 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0016 (ev:none)
 - current_unit:12274 current_col: 0 default_unit:12274   
          via adapter       via fc_nport       Con     DID     Lun
 -      kgpsaa0.0.0.2.1  5000-1fe1-0000-0d14   Yes   210013     10
 -      kgpsaa0.0.0.2.1  5000-1fe1-0000-0d11   No    210213     10
 -      kgpsab0.0.0.3.1  5000-1fe1-0000-0d13   Yes   210013     10
 -      kgpsab0.0.0.3.1  5000-1fe1-0000-0d12   No    210213     10

[1] UDID:50 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0026 (ev:none)
 - current_unit:15346 current_col: 0 default_unit:15346   
          via adapter       via fc_nport       Con     DID     Lun
 -      kgpsaa0.0.0.2.1  5000-1fe1-0000-0d14   Yes   210013     50
 -      kgpsaa0.0.0.2.1  5000-1fe1-0000-0d11   No    210213     50
 -      kgpsab0.0.0.3.1  5000-1fe1-0000-0d13   Yes   210013     50
 -      kgpsab0.0.0.3.1  5000-1fe1-0000-0d12   No    210213     50

[2] UDID:51 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0027 (ev:none)
 - current_unit:31539 current_col: 0 default_unit:31539   
          via adapter       via fc_nport       Con     DID     Lun
 -      kgpsaa0.0.0.2.1  5000-1fe1-0000-0d14   Yes   210013     51
 -      kgpsaa0.0.0.2.1  5000-1fe1-0000-0d11   No    210213     51
 -      kgpsab0.0.0.3.1  5000-1fe1-0000-0d13   Yes   210013     51
 -      kgpsab0.0.0.3.1  5000-1fe1-0000-0d12   No    210213     51

[3] UDID:60 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0021 (ev:none)
 - current_unit:31155 current_col: 0 default_unit:31155   
          via adapter       via fc_nport       Con     DID     Lun
 -      kgpsaa0.0.0.2.1  5000-1fe1-0000-0d14   Yes   210013     60
 -      kgpsaa0.0.0.2.1  5000-1fe1-0000-0d11   No    210213     60
 -      kgpsab0.0.0.3.1  5000-1fe1-0000-0d13   Yes   210013     60
 -      kgpsab0.0.0.3.1  5000-1fe1-0000-0d12   No    210213     60

[4] UDID:61 WWID:01000010:6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0022 (ev:none)
 - current_unit:30963 current_col: 0 default_unit:30963   
          via adapter       via fc_nport       Con     DID     Lun
 -      kgpsaa0.0.0.2.1  5000-1fe1-0000-0d14   Yes   210013     61
 -      kgpsaa0.0.0.2.1  5000-1fe1-0000-0d11   No    210213     61
 -      kgpsab0.0.0.3.1  5000-1fe1-0000-0d13   Yes   210013     61
 -      kgpsab0.0.0.3.1  5000-1fe1-0000-0d12    No   210213     61

E.1.1.2 ブートやダンプに使用する FC ディスクのセットアップ

ブートやダンプに使用するデバイスをセットアップするには,wwidmgr コマンドを使用する必要があります。 デバイスのセットアップが完了すると,そのデバイスへアクセスするために必要な情報がコンソールから非揮発性メモリに出力されて,保持されます。wwidmgr コマンドの再実行が必要になるのは,システムの構成が変更されて,非揮発性メモリに保持されている情報が無効になった場合だけです。

AlphaServer コンソールには,このコマンドの簡略版 (wwidmgr -quickset) も用意されています。簡略版を使用できるのは,次のいずれかに該当する場合です。

  • セットアップするデバイスが 1 台しかない。

  • セットアップするすべてのデバイスに,HSG 上または HSV 上の同じポートを介してアクセスする。

使用している構成がどちらにも該当しない場合は,『Wwidmgr Users' Manual』に詳しい説明が記載されているので,そちらを参照してください。

例 E-3 「widmgr -quickset の使用例」 に,wwidmgr -quickset コマンドの使用例を示します。次の点に注目してください。

  • wwidmgr -quickset -udid 10 コマンドでは,HSG または HSV のデバイス ID が 10 の FC ディスクがセットアップされています。

  • コンソールで使用するデバイス名はパスに依存していて,FC ディスクのアクセスに使用されるパスごとに異なっています。この例の最初の wwidmgr -quickset コマンドでは,ホストから FC ディスクへ至る 4 本のパスに対応して,コンソールで使用するデバイス名が次のように 4 個設定されています。

    • dga10.1001.0.2.1

    • dga10.1002.0.2.1

    • dgb10.1003.0.3.1

    • dgb10.1004.0.3.1

  • 2 つ目の wwidmgr -quickset -udid 50 コマンドでは,HSG または HSV のデバイス ID が 50 の FC ディスクがセットアップされています。

  • wwidmgr コマンドで行った変更は,システムを初期化しない限り,反映されません。そのため,次の手順で initialize コマンドを実行しています。

  • 初期化の後で show device コンソール・コマンドを実行し,FC アダプタごとに情報を表示しています。アダプタ情報のすぐ下には,そのアダプタを通って各 FC ディスクへ至るパスのリストが表示されています。このリストの 2 列目には,各 FC ディスクに対して OpenVMS で使用するデバイス名 (パスに依存しない) が示されています。

例 E-3 widmgr -quickset の使用例

P00>>> wwidmgr -quickset -udid 10

Disk assignment and reachability after next initialization:


6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0016
                          via adapter:         via fc nport:        connected: 
dga10.1001.0.2.1         kgpsaa0.0.0.2.1      5000-1fe1-0000-0d14      Yes
dga10.1002.0.2.1         kgpsaa0.0.0.2.1      5000-1fe1-0000-0d11      No 
dgb10.1003.0.3.1         kgpsab0.0.0.3.1      5000-1fe1-0000-0d13      Yes
dgb10.1004.0.3.1         kgpsab0.0.0.3.1      5000-1fe1-0000-0d12      No
P00>>> wwidmgr -quickset -udid 50

Disk assignment and reachability after next initialization:


6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0016
                          via adapter:         via fc nport:        connected:
dga10.1001.0.2.1         kgpsaa0.0.0.2.1      5000-1fe1-0000-0d14      Yes
dga10.1002.0.2.1         kgpsaa0.0.0.2.1      5000-1fe1-0000-0d11      No 
dgb10.1003.0.3.1         kgpsab0.0.0.3.1      5000-1fe1-0000-0d13      Yes
dgb10.1004.0.3.1         kgpsab0.0.0.3.1      5000-1fe1-0000-0d12      No 

6000-1fe1-0000-0d10-0009-8090-0677-0026
                          via adapter:         via fc nport:        connected:
dga50.1001.0.2.1         kgpsaa0.0.0.2.1      5000-1fe1-0000-0d14      Yes
dga50.1002.0.2.1         kgpsaa0.0.0.2.1      5000-1fe1-0000-0d11      No 
dgb50.1003.0.3.1         kgpsab0.0.0.3.1      5000-1fe1-0000-0d13      Yes
dgb50.1004.0.3.1         kgpsab0.0.0.3.1      5000-1fe1-0000-0d12      No
P00>>> initialize
Initializing...
P00>>> show device
polling ncr0 (NCR 53C810) slot 1, bus 0 PCI, hose 1   SCSI Bus ID 7
dka500.5.0.1.1     DKA500                   RRD45  1645
polling kgpsa0 (KGPSA-B) slot 2, bus 0 PCI, hose 1 
kgpsaa0.0.0.2.1            PGA0        WWN 1000-0000-c920-a7db
dga10.1001.0.2.1   $1$DGA10                 HSG80  R024
dga50.1001.0.2.1   $1$DGA50                 HSG80  R024
dga10.1002.0.2.1   $1$DGA10                 HSG80  R024
dga50.1002.0.2.1   $1$DGA50                 HSG80  R024
polling kgpsa1 (KGPSA-B) slot 3, bus 0 PCI, hose 1 
kgpsab0.0.0.3.1            PGB0        WWN 1000-0000-c920-a694
dgb10.1003.0.3.1   $1$DGA10                 HSG80  R024
dgb50.1003.0.3.1   $1$DGA50                 HSG80  R024
dgb10.1004.0.3.1   $1$DGA10                 HSG80  R024
dgb50.1004.0.3.1   $1$DGA50                 HSG80  R024
polling isp0 (QLogic ISP1020) slot 4, bus 0 PCI, hose 1   SCSI Bus ID 15
dkb0.0.0.4.1       DKB0                     RZ1CB-CS  0844
dkb100.1.0.4.1     DKB100                   RZ1CB-CS  0844
polling floppy0 (FLOPPY) PCEB - XBUS hose 0   
dva0.0.0.1000.0    DVA0                      RX23
polling ncr1 (NCR 53C810) slot 4, bus 0 PCI, hose 0   SCSI Bus ID 7
dkc0.0.0.4.0       DKC0                     RZ29B  0007
polling tulip0 (DECchip 21040-AA) slot 3, bus 0 PCI, hose 0 
ewa0.0.0.3.0       00-00-F8-21-09-74	Auto-Sensing

例 E-4 「FC システム・ディスクからのブート・シーケンス」 に,FC システム・ディスクからブートする際のシーケンスを示します。次の点に注目してください。

  • ブート・デバイスは $1$DGA50 です。最初に,このデバイスまでのパスを 4 本すべて選択して,文字列 bootdef_dev の中に設定しています。そのため,ある 1 本のパスでブートできなくなった場合でも,システムはブートできるようになっています。

  • ブート・コマンド文字列に設定されている最初のパス dga50.1002.0.2.1 は,現在,接続されていません (つまり,このパス上にある HSG80 に対して,ディスクがオンラインになっていません)。コンソールはこのことを表示して再試行を数回繰り返した後,接続に失敗した旨を表示して,bootdef_dev 文字列内の次のパスへ移行しています。このパスは接続されており,ブートに成功しています。

  • ブートした後は,OpenVMS の SHOW DEVICE コマンドを実行して,前述の wwidmgr -quickset コンソール・コマンドでセットアップした 2 台の FC ディスクだけでなく,wwidmgr -show wwid コマンドで表示された 5 台の FC デバイスがすべて OpenVMS で構成されていることを確認しています。さらに,OpenVMS の SHOW DEV/MULTIPATH コマンドを使用して,各ディスクに 4 本のパスがすべて構成されていることも確認しています。

例 E-4 FC システム・ディスクからのブート・シーケンス

P00>>> set bootdef_dev dga50.1002.0.2.1,dga50.1001.0.2.1,dgb50.1003.0.3.1,dgb50.1004.0.3.1
P00>>> b
(boot dga50.1002.0.2.1 -flags 0,0)
dga50.1002.0.2.1 is not connected
dga50.1002.0.2.1 is not connected
dga50.1002.0.2.1 is not connected
dga50.1002.0.2.1 is not connected
failed to open dga50.1002.0.2.1
(boot dga50.1001.0.2.1 -flags 0,0)
block 0 of dga50.1001.0.2.1 is a valid boot block
reading 919 blocks from dga50.1001.0.2.1
bootstrap code read in
Building FRU table
base = 200000, image_start = 0, image_bytes = 72e00
initializing HWRPB at 2000
initializing page table at 1f2000
initializing machine state
setting affinity to the primary CPU
jumping to bootstrap code


    OpenVMS (TM) Alpha Operating System, Version V7.2    
   .
   .
   .

$  SHOW DEVICE
Device                  Device           Error    Volume         Free  Trans Mnt
 Name                   Status           Count     Label        Blocks Count Cnt
$1$DGA10:     (FCNOD1)  Online               0
$1$DGA50:     (FCNOD1)  Mounted              0  V72_SSB        4734189   303   1
$1$DGA51:     (FCNOD1)  Online               0
$1$DGA60:     (FCNOD1)  Online               0
$1$DGA61:     (FCNOD1)  Online               0
$  SHOW LOGICAL SYS$SYSDEVICE
"SYS$SYSDEVICE" = "$1$DGA50:" (LNM$SYSTEM_TABLE)
$  SHO DEV/MULTI
Device                  Device           Error         Current
 Name                   Status           Count  Paths    path
$1$DGA10:     (FCNOD1)  Online               0   4/ 4  PGB0.5000-1FE1-0000-0D11
$1$DGA50:     (FCNOD1)  Mounted              0   4/ 4  PGA0.5000-1FE1-0000-0D12
$1$DGA51:     (FCNOD1)  Online               0   4/ 4  PGA0.5000-1FE1-0000-0D13
$1$DGA60:     (FCNOD1)  Online               0   4/ 4  PGB0.5000-1FE1-0000-0D14
$1$DGA61:     (FCNOD1)  Online               0   4/ 4  PGB0.5000-1FE1-0000-0D11
Device                  Device           Error         Current
 Name                   Status           Count  Paths    path
$1$GGA42:               Online               0   4/ 4  PGB0.5000-1FE1-0000-0D11

E.2 OpenVMS Integrity システムでの FC ストレージ・デバイスからのブート

この節では,FC ストレージ・デバイスに搭載されているフラッシュ・メモリのファームウェア・バージョンを確認する方法,IPF Offline Diagnostics and Utilities CD の最新版の入手方法,およびストレージ・デバイスのブート・デバイス・パスの構成方法を説明します。

E.2.1 ファームウェア・バージョンのチェック

OpenVMS Integrity システムで FC デバイスからブートする場合は,FC HBA のフラッシュ・メモリに,サポートされている最新バージョンの EFI ブート・ファームウェアが入っている必要があります。

重要:

使用している Integrity サーバがエントリクラスの場合,このファームウェアはお客様自身で更新できます。しかし,Integrity サーバがセル・ベースの場合は,お客様自身では行わず,必ず弊社顧客サポートにファームウェアの更新を依頼してください。

エントリクラスのサーバで FC HBA 上のメモリをフラッシュする場合は,EFI ドライバと RISC ファームウェアを,利用可能な最新バージョンへ更新してください。また,HBA の設定として出荷時のデフォルト設定を有効にする必要がある場合は,HBA 上の FLASH ROM にある NVRAM の内容を更新してください。

現時点でサポートされている EFI ドライバと RISC ファームウェアの最新バージョンを確認するには,サポートされている最新の HP IPF Offline Diagnostics and Utilities CD に収められているテキスト形式の,適切な README ファイルを参照してください。2 GB の FC デバイスの場合,このファイルは \efi\hp\tools\io_cards\fc2 ディレクトリに移動すると見つかります。ドライバとファームウェアのアップデートでは,ドライバとファームウェアを自動的にアップデートする,CD 上のスクリプトを使用できます。上記のディレクトリにある,次のコマンドを使用します。

fcd_update2.nsh

4 GB の FC デバイスの場合,README テキスト・ファイルは fc4 ディレクトリ (\efi\hp\tools\io_cards\fc4) に移動すると見つかります。ドライバとファームウェアをアップデートするには,次のコマンド (fc4 ディレクトリ内にある) を使用します。

fcd_update4.nsh

また,両方のディレクトリにある efiutil.efi ユーティリティを使用することもできます。

Offline Diagnostics and Utilities CD の入手方法については,E.2.2 項 IPF Offline Diagnostics and Utilities CD の入手方法を参照してください。ブート可能な FC デバイスのファームウェアを更新するためのその他の情報については,『HP OpenVMS Cluster 構成ガイド』を参照してください。

Integrity サーバで現在使用されている EFI ドライバと RISC ファームウェアのバージョンは,以下の 2 通りの方法で確認できます。1 つはシステムの初期化中にコンソールで確認する方法,もう 1 つは efiutil ユーティリティを使用する方法です。

  • システムの初期化中に確認する方法 ― EFI ドライバと RISC ファームウェアのバージョンは,ブート中のコンソール・メッセージの一部として,次のように表示されます。RISC ファームウェアのバージョンは,n.nn.nnn の形式で示されています。

    HP 2 Port 2Gb Fibre Channel Adapter (driver n.nn, firmware n.nn.nnn)

  • efiutil ユーティリティを使用する方法 ― EFI ドライバと RISC ファームウェアのバージョンは,efiutil info コマンドの出力で,次のように表示されます。

    fs0:\efi\hp\tools\io_cards\fc2\efiutil>  info
    
    Fibre Channel Card Efi Utility  n.nn  (11/1/2004)
    
        2 Fibre Channel Adapters found:
    
        Adapter        Path                  WWN           Driver (Firmware)
         A0  Acpi(000222F0,200)/Pci(1|0)  50060B00001CF2DC  n.nn  (n.nn.nnn)
         A1  Acpi(000222F0,200)/Pci(1|1)  50060B00001CF2DE  n.nn  (n.nn.nnn)

E.2.2 IPF Offline Diagnostics and Utilities CD の入手方法

IPF Offline Diagnostics and Utilities CD の最新版は,次の 2 通りの方法で入手できます。

  • 次の HP ソフトウェア・デポ Web サイトのメイン・ページから注文する (無料)

    http://www.hp.com/go/softwaredepot

    Search フィールドに ipf offline と入力し,表示されるリストから最新バージョンを選択してください (リスト内の製品名に日付が含まれています)。

  • 次の Web サイトから IPF Offline Diagnostics and Utilities CD のマスタ ISO イメージをダウンロードし,書き込み可能な CD ドライブで CD を作成する

    http://www.hp.com/support/itaniumservers

    1. 表示されたリストから,使用しているサーバ製品を選択します。

    2. 弊社のサポート・ページから,「Download drivers and software」を選択します。

    3. 「Download drivers and software」ページから,「Cross operating system (BIOS, Firmware, Diagnostics, etc)」を選択します。

    4. Offline Diagnostics and Utilities ソフトウェアをダウンロードします。リストには最新バージョンと旧バージョンが並んで表示されている場合もあります。必ず最新バージョンをダウンロードしてください。

      この Web ページでは,直接ダウンロードする代わりに,リストの「Description」列にある「Offline Diagnostics and Utilities」リンクをクリックすることもできます。リンク先の Web ページでは,ソフトウェアのダウンロードのほか,インストール方法の説明やリリース・ノートを閲覧することができます。IPF Offline Diagnostics and Utilities CD に収められている,テキスト形式の README ファイルにも,ソフトウェアのインストールとファームウェアの更新方法に関する情報が記載されています。

    5. ダウンロードした ISO イメージ全体を,一般的な CD 作成ソフトウェアを使用して,空き CD に書き込みます。書き込みを完了させるまでの作業の流れについては,CD 作成ソフトウェアに付属している操作説明を参照してください。ダウンロードした CD データは,1 つの ISO イメージ・ファイルになっています。このイメージ・ファイルを,いっさい変更することなく,そのまま CD に書き込む必要があります。書き込みが完了すると,2 つのパーティションを持つブート可能な CD ができあがります。

E.2.3 FC ブート・デバイスの構成とブート

OpenVMS Integrity V8.2 で FC ブート・デバイスをセットアップするには,OpenVMS Integrity Boot Manager ユーティリティ (SYS$MANAGER:BOOT_OPTIONS.COM) を使用して,EFI Boot Manager にいくつか値を指定する必要がありました。OpenVMS Integrity V8.2-1 から,このプロセスは OpenVMS Integrity のインストール・プロシージャやアップグレード・プロシージャで自動的に行われるようになりました。

OpenVMS Integrity のインストールやアップグレードでは,ブート・デバイスの 1 つとして FC ディスクの名前が表示されて,それをブート・オプションへ追加するように求めるプロンプトが表示されます。このプロンプトに対しては,デフォルトを受け入れるようお勧めします。ただし,インストールやアップグレードが完了した後で OpenVMS Integrity Boot Manager を実行し,下記の手順に従って FC ブート・デバイスのセットアップや変更を行うこともできます。FC ブート・デバイスのセットアップや変更には必ず OpenVMS Integrity のインストール/アップグレード・プロシージャか OpenVMS Integrity Boot Manager を使用し,EFI は使用しないでください。

注意:

個々のエントリ・レベル・サーバで,EFI ブート・メニューに FC ブート・デバイスが表示されない場合は,SAN 全体がスキャンされます。そのため,EFI の初期化が遅れることがあります。この遅れは SAN のサイズによって違い,数秒から,長い場合は数分かかります。セル・ベースのシステム (rx7620,rx8620,Superdome など) では,このような遅れは発生しません。

OpenVMS Integrity システムで OpenVMS をインストール DVD から初めてブートする場合は,EFI の初期化で同じような遅れが発生することがあります。

OpenVMS Integrity のインストールやアップグレードで FC ブート・デバイスの自動セットアップを行わせなかった場合や,セットアップされている FC ブート・デバイスのブート・オプションを変更する場合は,OpenVMS Integrity Boot Manager ユーティリティを使用して以下の手順を実行します。

  1. OpenVMS オペレーティング・システムが動作していなければ,オペレーティング・システムのメイン・メニューからオプション 8 (Execute DCL commands and procedures) を選択し,OpenVMS DCL プロンプト ($$$) を表示します。該当しない場合は,次の手順へ進みます。

  2. DCL プロンプトに対して次のコマンドを実行し,OpenVMS Integrity Boot Manager ユーティリティを起動します。

    $$$ @SYS$MANAGER:BOOT_OPTIONS

  3. ユーティリティが起動すると,メイン・メニューが表示されるので,次の例のようにプロンプトに対して 1 を入力し,FC システム・ディスクをブート・オプションとして追加するように指示します。

     
      OpenVMS I64 Boot Manager Boot Options List Management Utility
     
      (1) ADD an entry to the Boot Options list
      (2) DISPLAY the Boot Options list
      (3) REMOVE an entry from the Boot Options list
      (4) MOVE the position of an entry in the Boot Options list
      (5) VALIDATE boot options and fix them as necessary
      (6) Modify Boot Options TIMEOUT setting
    
      (B) Set to operate on the Boot Device Options list
      (D) Set to operate on the Dump Device Options list
      (G) Set to operate on the Debug Device Options list
    
      (E) EXIT from the Boot Manager utility
    
      You can also enter Ctrl-Y at any time to abort this utility
    
    Enter your choice:  1

    注意:

    このユーティリティを使用しているときに,すでに入力した応答を後から変更する場合は,対応するプロンプトに戻るまで,キャレット記号 (^) を繰り返し入力します。Boot Manager を終了して DCL のプロンプトへ戻る場合は,Ctrl/Y を押します。

  4. デバイス名の入力を求めるプロンプトが表示されます。そのときのインストールに使用している FC システム・ディスクのデバイス名を入力します。次の例では,マルチパス FC デバイスの名前 ($1$DGA1:) を入力しています。これにより,1 つのパスで障害が発生しても,システムのブートが可能となります。

    Enter the device name (enter "?" for a list of devices):  $1$DGA1:

  5. 追加するエントリを EFI のブート・オプション・リスト内でどの位置に表示するか (つまり順序) を指定するように求めるプロンプトが表示されるので,次の例のように,自動リブートを有効にするために 1 を入力します。

    Enter the desired position number (1,2,3,,,) of the entry.
    To display the Boot Options list, enter "?" and press Return.
    Position [1]:  1

  6. OpenVMS のブート・フラグを設定するように求めるプロンプトが表示されます。値を指定しないと,ブート・フラグは設定されません。OpenVMS フラグの値として,たとえば 0,1 を入力するか,次の例に示すように,デフォルト (NONE) を受け入れます。デフォルトを受け入れると,フラグはいっさい設定されません。

    Enter the value for VMS_FLAGS in the form n,n.
    VMS_FLAGS [NONE]:

  7. ブート・オプションのエントリに表示する文字列,つまり説明を入力するように求められます。特に指定しなければデバイス名が説明として使用されますが,もっと具体的な説明を入力することもできます。次の例では,デフォルトを受け入れています。

    Enter a short description (do not include quotation marks).
    Description ["$1$DGA1"]: 
    
    efi$bcfg: $1$dga1 (Boot0001) Option successfully added
    efi$bcfg: $1$dga1 (Boot0002) Option successfully added
    efi$bcfg: $1$dga1 (Boot0003) Option successfully added
    efi$bcfg: $1$dga1 (Boot0004) Option successfully added

    この出力例では,FC システム・ディスクに対して異なる FC ブート・パスが 4 本設定されたことが示されています。

  8. ブート・オプションが追加できたら,プロンプトに対して E と入力し,Boot Manager を終了します。

    Enter your choice:  E

  9. DCL レベルからログアウトして,OpenVMS Integrity システムをシャットダウンします。

  10. EFI を次回起動すると,コンソールに次のようなブート・オプション・リストが表示されるようになります (上記の手順 7 でデフォルトを受け入れた場合)。この例に示されているデバイス ($1$DGA1) は,2 台のデュアルポート EVA5000 ストレージ・アレイで使用されています (異なるブート・パスが 4 本示されています)。図 E-1 Fibre Channel ホストと,SAN Storage Controller の構成 は,Integrity サーバ上のホスト FC ポート (FGA0 と FGB0) と,対応する FC SAN/EVA5000 ストレージ・コントローラの構成について示しています。

    Please select a boot option
    
    $1$dga1  FGA0.5000-1FE1-0011-B15C
    $1$dga1  FGA0.5000-1FE1-0011-B158
    $1$dga1  FGB0.5000-1FE1-0011-B15D
    $1$dga1  FGB0.5000-1FE1-0011-B159
    EFI Shell [Built-in]

    $1$dga1 の右側の文字列は,ホスト・アダプタからストレージ・コントローラへ至るパスを表しています。

    • FGA0 や FGB0 は,FC ポート (ホスト・アダプタとも呼びます) です。

    • 5000-1FE1-0011-B15 n (n はそれぞれ C,8,D,9) という数字は,出荷の前に FC ストレージのポートへ割り当てられた 64 ビットの ID (WWID) で (FC ポート名ともいいます),全世界でユニークな値になっています。

    このリストが分かりにくくて選択を間違えそうであれば,OpenVMS Integrity OE DVD をブートして OpenVMS Integrity Boot Manager ユーティリティでこれらのブート・オプションを削除 (オプション 3) した後,必要なブート・オプションだけを追加し直してもかまいません。

図 E-1 Fibre Channel ホストと,SAN Storage Controller の構成

Fibre Channel ホストと,SAN Storage Controller の構成

Boot Manager ユーティリティについての詳細は,『OpenVMS システム管理者マニュアル (上巻)』を参照してください。

EFI Boot Manager メニューから適切なブート・オプションを選択し,Enter を押して,FC システム・ディスクをブートします。FC のブート・パスが EFI Boot Manager のブート・オプション・メニューで最初にあれば,キーを押さないままカウントダウン・タイマがタイムアウトすると,自動的に FC システム・ディスクからブートします。

E.2.4 別のノードが共用ディスクでブートしてクラスタへ参加するようにするための構成

OpenVMS Integrity OE DVD をブートしてオペレーティング・システムを FC (SAN) ディスクにインストールした後,そのシステムを OpenVMS Cluster 環境で動作するように構成した場合は,次の手順を実行することで,別の Integrity サーバがブートしてそのクラスタへ参加するように,構成することができます。

  1. 最初のクラスタ・システムでクラスタ構成ユーティリティを実行し,そのクラスタに新しいノードを追加します。 OpenVMS Alpha システムの場合,クラスタ構成ユーティリティは,次のコマンドで実行します。

    $  @SYS$MANAGER:CLUSTER_CONFIG_LAN

    OpenVMS Integrity システムの場合,クラスタ構成ユーティリティは,次のコマンドで実行します。

    $  @SYS$MANAGER:CLUSTER_CONFIG_LAN
  2. ターゲット・ノード (追加したノード) で HP OpenVMS Integrity OE DVD をブートします。

  3. オペレーティング・システムのメニューからオプション 8 を選択して,OpenVMS の DCL 環境に入ります。

  4. DCL のプロンプトに対して次のコマンドを実行し,OpenVMS Integrity Boot Manager ユーティリティを起動します。

    注意:

    このようなクラスタ環境で OpenVMS Integrity Boot Manager ユーティリティを使用する場合は,共用 FC ディスクをマウントしておく必要があります。共用 FC ディスクをクラスタ全体でマウントしておかないと,Boot Manager では /NOWRITE オプションでディスクをマウントしようと試みます。共用 FC ディスクがクラスタ全体ですでにマウントしてある場合は,ユーザによる操作が必要になります。

    $$$ @SYS$MANAGER:BOOT_OPTIONS
  5. Boot Manager ユーティリティを使用して,ブート・オプションに共用クラスタ・システム・ディスク用のエントリを追加します。E.2.3 項 FC ブート・デバイスの構成とブートで説明されている手順に従ってください。

  6. 追加したシステムをブートして,クラスタへ参加させます。

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